映画のツボ2
中学か高校時代の雑文が残っていて、
それには、こんな事が書かれてました。
「純文学はオチがない小説だ。」
なんか笑ってしまうような浅~い意見だけど、
あながち間違ってるとも云えない気がします。
その頃、私は星新一とか筒井康隆に嵌ってたので
ラストのどんでん返しに期待しながら
ストーリーを追いかけて読むのに慣れてたんですね。
それが次第に純文学にかぶれはじめて、
遠藤周作、安岡章太郎、安部公房、吉行淳之介、
倉橋由美子などを読む様になってきました。
少年しほたつ君がそれらを理解してたかどうか
今考えるとかなり疑問ですが、
背伸びして色々感じ取ろうとしてたのは確かです。
そんなこんなで映画の話。
私の性根はその頃とあまり変わってないみたいで
観る映画にも同じ様な癖が出てきました。
楽しい映画とか面白い映画も好きですけど、
ゆっくりと気持ちが動かされる様な作品が好き。
巧妙なストーリー展開より、心象を如何に描くかに興味がある。
とは云え、あまりに悲しいエンディングは
観た後、生活に支障が出るので避けたいところだけど。
先日観た「靴に恋して」は魅力的な作品でした。
バラバラな幾つかの物語を次第に絡み合わせていきながら
壊れかけの愛とかつらい恋に一条の光を見出していく、
云わば「不幸版ラブアクチュアリ」的内容(笑)。
凄く嵌りました。映像表現も極上。
また、ラックの裏の暗闇から救出された
「アンダーグラウンド」は正に穴ぐらの物語でびっくり。
ネタばれになるので詳細は割愛しますけど、
戦争の同志の奇想天外な物語。
重いテーマを、過剰とも思えるコミカルな演技で
アイロニカルに描いています。
DVDが普及したお陰で、世界各国の佳作、秀作が
すぐ発売される様になって俄然興味が出てきました。
問題は時間とお金が幾らあっても足りない事。
せっかくオーディオ病が癒えたところなのに、
また新たな病魔に蝕まれてしまった…。
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