DVDの逆襲
昨晩、会社から帰ってきたら、
郵便受けにネットで買ったDVDが届いてた。
ネットショッピングの悪いところは、
買った時の気分と届いた時の気分が微妙にくい違ってたりして
あまり嬉しくない事があったりする点です。
今日、届いたのは「アンダーグラウンド」。
シリアスな映画で、今の疲れた体にはへヴィ過ぎる。
って事で、今日届いたDVDはすぐに鑑賞されず、
いきなり棚に収められる事になってしまいました。
こうなると、いつ引っ張り出されるかわかりません。
今、DVDは置き場に困って、
CD棚の上にワイヤーラックを組んで収納してます。
以前の画像がコレですから
更に馬鹿の壁は高くなっているのがお分かりいただけると思います。
んでもって、ラックの上に「アンダーグラウンド」を置こうとした時、
スルリと手がすべり、棚の裏側へストンと落ちてしまいました。
「うわちゃー、しもた!」
画像に映っている一番奥の棚だけ、後ろに隙間が開いていて、
今まで注意していたのに、この時はすっかり忘れてた。
棚は手前の2台のスピーカーと低い収納ボックス(映ってないけど)に
ガッチリ囲まれ、更にはPCやオーディオの配線が入り組んで
容易に動かす事はできません。
しばらく考えた挙句、
「仕方ないな。このDVDはなかった事にしよう。」
と、記憶から抹殺してしまう事にしました。
「どうせ棚に置いてても観ないDVDだってあるんだから、
それと価値的には同じだと考えればいい。うん、そうだ。そうに決まった。」
半ば無理矢理自分を納得させ、普段の生活に戻る事にしました。
しかし。
いつもの様にパソコンの電源を入れたのに、
なぜかディスプレイは真っ暗なまま。
「あれ?」
確認してみると、PCとディスプレイの間にかましてある
切換器の電源が落ちてるぢゃないか。
あ、それに、携帯の充電器のランプも消えてる。
訳がわからず、それらの繋がってる電源タップのコードを辿っていくと…。
そうです、さっきの棚の裏側に繋がっていたのです。
つまり、落ちたDVDがちょうど棚の裏側にあるコンセントに直撃し、
衝撃でそれを外してしまったのです。
アメリのジャン・ピエール・ジュネが喜びそうな偶然の連鎖。
「くー、やりやがったなー、アンダーグラウンドめ。」
棚の裏側でDVDが北叟笑んでいる様に思えました。
―――結局。
手前のスピーカーも収納ボックスも全て動かし、
棚のCDやらDVDを一旦全て取り出し、
ややこしく入り組んだ配線の一部を外し(これが一番やりたくなかった)、
小一時間かけて棚を動かした訳です。
埃だらけの壁の隙間には、アンダーグラウンドの他に
もう一枚、知らないうちに落ちていたDVDがありました。
汗だくでイライラしていた私でしたが、
そのタイトルを見て思わず笑ってしまった。
「真心」
あまりにも良く出来すぎてるぢゃないですか。
私の気持ちは瀬戸内寂聴の講和を聞いた後の様に
すーっと穏やかになりました。
今日は「アンダーグラウンド」を始め、
見ていなかったDVD、聴いていなかったCDを鑑賞し、
それらの霊を弔いたいと思います。
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