秋の夜長にあれこれ聴く。
数年前まで、秋になるとウェブサイトの方で
「'bout JAZZ in Autumn」なる企画をやったりしてましたが、
もう何でもかんでもblogの方に移行してしまってます。
先日のパソコンクラッシュで、ウェブサイトの更新をするには
色々一から設定し直さなければならない事もあって、
しばらくはblogオンリーになりそうです。
って、事で秋らしい(と思う)アルバムを色々聴こうと思います。
■NOVEMBRE/STEPHAN OLIVA(OWL)
ちょうど今の季節のアルバムです。
最近入手したステファンオリバのCDなんですけど、
ちょっと雰囲気が違うなと思ったら、
1991年作品の再発でした。
既に小難しい事は小難しいんですけど、
まだメロディアスで若干のロマンティシズムが見え隠れ。
タッチもちょっと不安定なところがあったりしますが、
色んなアイデアを音楽にしている感じですので、
他の作品よりは遙かに聴き易いと思います。
ま、個人的には刺激は足りないかなー。
■NOVEMBER COTTON FLOWER
/MARION BROWN(BAYSTATE)
11月ものをもう一枚。
マリオンブラウンのゆる~いアルバムです。
このタイトル曲を聴くと全身の力が抜けます。
いい意味でリラックスするのではなく、脱力する感じです。
マリオンブラウンはビッグネームのプレイヤーの中で
最も楽器の下手な人だと思います。
確かにコルトレーンのアセンションの中で
無茶苦茶なフレーズを吹き捲っているのはカッコイイ。
でもまともな事をやらせたらかなりボロボロです。
それが味と云えば味なんですけどね。
このアルバムはそんなマリオンブラウンの真髄を味わえます。
ジャケ写の一面の綿の花とのんびりとした曲とが見事にマッチ。
続くカリプソ調の"LA PLACITA"もヨレヨレ感が最高です。
■GENTLE NOVEMBER/武田和命(OMAGATOKI)
1979年に録音された武田和命のバラッド集。
メンバーは山下洋輔、国仲勝男、森山威男と云う顔ぶれです。
意外にもこの顔合わせはこれが最初だったそうです。
やや山下洋輔の音数が多い以外は落ち着いた色調で統一。
企画としてはコルトレーンバラッドがちらついてますが、
内容の素晴らしさはその天下の名盤を凌駕してるかもしれません。
全ての音を慈しみながら吹いている様です。
■NOVEMBER SONG/GORDON BECK(JMS.)
11月モノをもう一枚。
ゴードンベックのリーダーによる1ホーンクァルテット。
STAN SULZMANNがサックス&フルートでフロントに立つ。
全体的にあまりに普通なのでコメントに困ってます(笑)。
タイトル曲の"NOVEMBER SONG"は
冒頭にベルと水音のサンプリングから始まるので、
めくるめく展開に期待したら、
いきなり普通のミディアムバラッドに落ち着いちゃいます。
■ORDESA
/STAN SULZMANN&JOHN PARRICELLI&KENNY WHEELER
(SYMBOL)
STAN SULZMANNが他にもあったので引き出してきました。
こちらはサックス&ギター&トランペットの変則トリオ。
先に挙げた作品よりも遙かに刺激的で創造的な音楽。
三人のオリジナルが均等に並び、
唯一のスタンダードがストレイホーンの
"A FLOWER IS LOVESOME THING"とは渋い。
ケニーホイーラーはいつもの彷徨うようなフレージングだし、
JOHN PARRICELLIも良い間を持ったギターだと思います。
STAN SULZMANNの音色はやや野太すぎるかな。
もう少し冷たい響きの人の方がしっくりきたかも?
でも彼の曲はなかなか魅力的なんですね、これが。
ビートの淡い音楽に浸り込むのは心地よいです。
■RENDEZVOUS
/JACKY TERRASSON&CASSANDRA WILSON(BLUE NOTE)
カサンドラウィルソンのアルバムの中で一番好きな作品です。
もう十年前の発売なんですね。
スピーカーを買い替えて、久しぶりに聴いてみたら、
無茶苦茶音が良いんでやんの。
等身大のカサンドラウィルソンが目の前に立って、
妖しげな色気を振りまいている感じなのです。
■JUST SO HAPPENS
/GARY PEACOCK&BILL FRISELL(ARKADIA)
ピーコックが無茶苦茶カッコイイ。
今まで沢山聴いてきた筈なんですが、
こんなに印象に残ったのは初めてかも。
デュオの駆け引きは様々に変化していますが、
個人的にはピーコックがメイン、フリゼールがバッキングで
展開している演奏の方がしっくりきます。
今回はここまで。
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