文枝、小文枝、賢くこなせ。
今、桂文枝が熱い。
って、私の中だけの話ですが(笑)、一大ブームが到来しています。
今や米朝を抜いて一番好きな落語家になりました。
何が凄いってキャラクターの演じ分けが半端じゃないです。
聞いてて惚れ惚れします。
女性の艶っぽさには定評がありますけど、男性の演じ分けも見事。
性格が滲み出る様なキャラ作りをしてはります。
目を瞑って聞くと、複数の演者がいるかの様な錯覚を覚えます。
(錯覚を覚える、って重複してます?)
例えば「鍬潟(くわがた)」。
背の小さい男が相撲部屋に入門する話なんですけど、
小柄だけど勇ましい男の様子が無茶苦茶出てるんですよね。
「悋気の独楽」も凄い。
性格の違う女性が3人出てくるんですが、全部イメージが別人。
どわっと客席を湧かせる事だけを目指さず、
はんなりとした語り口を大切にした質の高い高座は
記録された音源を繰り返し繰り返し聞いても
全くほころびないどころか、逆に高い完成度に唸らされる感じです。
特筆すべきはスタジオ録音の「大丸屋騒動」とか「立ち切れ」。
上方には珍しく笑いの少ない人情噺なんですけど、
スタジオ録りにした事で細かい情感を込めた語りが可能になった。
もうこれは落語ではありません。モノドラマです。
桂文枝は上方落語四天王の一人。
2005年に亡くなりましたが、
文枝を襲名したのは1992年と、
割と晩年です。
だから、イメージとしては
桂小文枝の方がしっくりきますね。
あ~、生きてる間に
もっと聞いてれば良かったなぁ…。
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