松鶴もちょこっと聴いてみる。
やっぱり上方の四天王は聴いておくべきだと思い、
笑福亭松鶴のCD全集を2つ買ってみました。
VICTORものとNHKのもの。
残念な事にこの二つの全集は
いくつかの音源が
重複しております。
ネタは同じでいいから
別の音源にして欲しかった…。
で、松鶴の落語ですが、
声は悪いし、どもるし、
聴きにくいところもありますが、
桂一門とは違う色があります。
また米朝、文枝系でやらないネタも。
表現とかは粗いんですが、
嵌るとなかなか面白いです。
「へー。」と思ったのは"子はかすがい"。
これは江戸落語の"子別れ"の短縮版の人情噺。
別れた夫婦が子供をきっかけによりを戻す話ですが、
私が今まで聴いたものは子供が女親についた状態で
男親のシーンから物語が始まっていました。
柳家小三治しかり、桂文我しかり。
ところが松鶴のんは女親からのスタートになっております。
調べてみたら、両方のヴァージョンがあるんだそうで。
知らなんだ。
それから"高津の富"の一番の当たりくじの番号は
「子の1365番」が固定だと思っていたら、
松鶴は「子の1972番」でやってるのがあるんですね。
あと"貝野村"と云うネタは松鶴で初めて聴きました。
とある商家の若旦那は女衆(おなごし)のおもよどんがお気に入り。
しかし、彼女は実家に戻ってしまい、それ以来若旦那は病気で寝込む。
原因はおもよどん。要するに恋わずらいです。
旦那は可愛い息子の為に慌てておもよどんを連れ戻し、
二人を結婚させようとするが、お互い長男と長女であった。
長女には婿を取らないと親戚がうるさいと云うので、
一日だけ入り婿させて、その後に嫁に貰おうと画策する。
ここからどんな展開になるのかと思ったら…。
なんと後半は「手水回し」。肩透かしを食らいました。
調べてみたら「貝野村」の方が元祖らしいんですけど、
前半と後半が余りに噛み合わないので、
後半が独立して「手水回し」になったんだそうです。
やっぱり落語は色々聴き比べると面白いですね。
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