13mm
Dマウントレンズは小さくてかわいい。
でも、作られた時代が古いので、鏡胴はほぼ金属。
しっかりとしている上に、ズシッと重たいモノが多いです。
それが何とも云えない"イイモノ感"に繋がっています。
小遣いでチマチマ競り落としたDマウントのうち
標準レンズ(13㎜前後)が手元に8本あります。

左から、
①KERN YVAR 13mm F1.8
②ELGEET DEJUR 13mm F1.9 CHROMTAR
③YASHINON 13mm F1.4
④WOLLENSAK CINE RAPTAR 13mm F1.9
⑤ZUNOW ELMO 13mm f1.1
⑥SOM BERTHIOT CINOR B 12.5mm F1.9
⑦CINE-NIKKOR 13mm F1.9
⑧CINE-ZUIKO 13mm F1.8
です。
13㎜がPENTAX Q10では換算71.5㎜になるので、
個人的には割と使いやすい画角です。
Dマウントレンズに高いレベルは求めていませんので、
歪みや色収差もレンズの味わいだと思えたり、
逆にちょっと鮮明に写るだけで嬉しくなったりします。
最新のレンズとはこっちの心構えが違うのですね。
そんなこんなで手持ちの13㎜レンズをあれこれ比較してみます。
①KERN YVAR 13mm F1.8

スイスのKERN社のDマウントレンズ。
アルパマウントのマクロスイターは20万円位しますけど、
DマウントのYVARは8000円くらいで買えます。
同じDNAを引き継いで…いる訳もなく、
きっとそれなりの写り方でしょう(笑)。
同じ人形を撮り比べてみました。
全てのレンズで開放にしたので、F値は異なります。

背景はぐるぐるボケが目立ちますが、
中心部で焦点の合っているところはかなり鮮明です。
四隅は微妙に暗くなっていますが、
これくらいなら上手く使えそう。
次の一枚はこれまで撮った写真から。
お気に入りと云うより、レンズの特徴がでた一枚を選びました。

ちょっと絞ったと思います。凄く鮮明です。
②ELGEET DEJUR 13mm F1.9 CHROMTAR

固定焦点レンズです。
手元のマウントアダプタがオーヴァーインフなので
0.05㎜のシムリングを噛まして概ね無限遠が出る様に調整すれば
後は絞りで被写界深度を深くしてピントを合わせる事ができます。

ピントが甘いです。固定焦点の開放なので仕方ありません。
コントラストが低く、黄色っぽいのは状態があんまりよくないからかも。
③YASHINON 13mm F1.4

ヤシノンの38mmの印象が良かったので13mmも買ってみましたが、
やや思惑と違うタイプのレンズでした。
F1.4と云う事もあってか、ぐるぐるボケがかなり強く、
周辺の画像の乱れが大きかったです。
シネレンズらしいシネレンズかも。

こちらも背景はぐるぐる回っています。
中心部寄りのオシベはそこそこくっきりです。
④WOLLENSAK CINE RAPTAR 13mm F1.9

残念ながら私のレンズは状態が悪く、片ボケ状態です。
他の人のサイトで作例を見てみると、綺麗に写っている様です。

右半分の画像の乱れが激しいです。
これが本来のレンズの能力ではありません。

これまた右半分がボケています。
これはこれで味があると、云えなくもなくもなくもない。
⑤ZUNOW ELMO 13mm f1.1

Dマウントレンズの中では一番高い値段で買いました。
私のズノウは銀色ではなく、銀と黒のツートンです。
ZUNOW 13mm F1.9ではよく見かけるデザインなのですが…。
印象としてはピントの山がわかりにくく、開放では滲みます。
周辺画像は乱れるし、発色も地味目でちょっと変。
これらを総合して、とても面白いレンズだと思います。

全体的にコントラストが低い気がします。
背景のボケも回転速度は高くないものの、癖のある流れ方です。

光の量が足りない時に絵画っぽくなるのは
レンズのせいなのかPENTAX Q10のせいなのかはわかりませんが、
このローファイ感はなかなか幻想的で、とても面白い。
⑥SOM BERTHIOT CINOR B 12.5mm F1.9

手元のDマウントレンズの中ではシャープに写る方です。
個人的に形も気に入っていて、大好きなレンズです。

人形の足先を見ると、とてもシャープですね。
背景のボケ方はちょっと回っているけど緩やか。
四隅はちょっと暗いですが、上手く使える範囲内です。

雨上がりのどんよりとした天候なのも幸いして
ドラム缶の色がウェザリングを掛けた様な風合いになりました。
⑦CINE-NIKKOR 13mm F1.9

手元の13㎜近辺のレンズの中では最も小ぶりな一本。
シネニッコールの13㎜F1.9のDマウントレンズは
大き目の黒い筒型のモノもあります。
こちらのフジツボ型の方が古いみたいです。

小さいだけあって、無理がかかっているのか、
解像度が低く、四隅が暗めになります。
ローファイ感の強いレンズです。
黄色っぽいのは経年劣化かな。

確かホワイトバランスを日陰か曇りにしました。
何とも云えない色合いとヴィネッティングが魅力的。
⑧CINE-ZUIKO 13mm F1.8

最近手に入れたオリンパスのDマウントレンズ。
ネットの市場では「レア」とか「希少」とかの枕詞が付きますが、
その割にポツポツ見かけるので、安く手に入れられるかも。
お薦めの一本です。

中心部の解像度は高く、周辺部の湾曲なども少ないです。
周辺光量落ちがそこそこ強いので味が出せます。
【番外編】
Dマウントレンズではありませんが、
焦点距離の近いレンズも纏めてみました。

左から、
⑨KODAK CINE EKTAR 15mm F2.5
⑩PENTAX 02 STANDARD ZOOM(5~15mm)
⑪PENTAX 07 MOUNT SHIELD LENS (11.5mm)
です。
⑨KODAK CINE EKTAR 15mm F2.5

Dマウントレンズではなく、コダック独自のSマウントレンズです。
アダプタを使ってCマウントに変換します。
マイクロフォーサーズでは大きくケラれて日の丸になるので、
PENTAX Q10専用です。

焦点距離が15㎜なので画角がちょっと違います。
Dマウントと比べるとしっかりとした写りです。
少し黄色い気もします。

そこそこ寄れるのでこんな画も撮りやすいです。
15㎜でF2.5なので遠近を極端に付けないと
ボカしにくいですけど…。
コダックのレンズは自然の緑と相性がいいかも。
⑩PENTAX 02 STANDARD ZOOM(5~15mm)

今のレンズです。PENTAX Qシリーズの標準ズーム。
13㎜のところで比較してみました。

あー、やっぱり今のレンズだ。
昔のレンズばっかり見てると、色が青っぽく感じられるほど。
⑪PENTAX 07 MOUNT SHIELD LENS (11.5mm)

これは今のレンズでありながら、昔っぽいテイストで撮れます。
レンズ構成は1群1枚です。

周辺の画像の乱れは凄いですね。
回転系ではなく放射状にボケてる感じがします。
レンズ1枚なので、ピント合わせができません。
絞りも固定なので、被写界深度で何とかする事もできません。

レンズの特性を考えて、工夫して撮った1枚です。
最新のオールドレンズですね(笑)。
ブログで表示されるの写真のサイズだと
違いは分かりにくかったかもしません。
しかも、三脚を持ってないので、ポジションはいい加減だし。
ま、自分が楽しかったから、いいや(笑)。
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