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2024/02/08

伴性遺伝のお勉強

人間の男女を決める染色体は、
XXが女性で、XYが男性と云うのは学校で習いました。

それに対してオカメインコは、
ZWがメスで、ZZがオス。
一旦ここまでを覚えておきます。

次に体の色や模様の遺伝についてです。
優性、劣性の区別は下記の通り。
■ノーマル(グレー)…優性遺伝
■パイド(まだら模様)…劣性遺伝
■ルチノー(黄色)…伴性遺伝
■シナモン(薄茶色)…伴性遺伝
■パール(うろこ模様)…伴性遺伝

いきなり出てきた「伴性遺伝」の説明は後回しにして、
劣性遺伝のパイドについて勉強した事の備忘録を。

劣性遺伝を発現するためには、
2つ揃わないといけないそうです。

例)純血ノーマルの父親 N/N
     ×
  パイドの母親 Pd/Pd
     ↓
生まれる子どもの遺伝子の組み合わせは下記の通り。
   ○N/Pd ノーマル
   ○N/Pd ノーマル
   ○N/Pd ノーマル
   ○N/pd ノーマル
なんとノーマルしか生まれません。

しかし、パイドの遺伝子を隠し持っているノーマル
(=スプリット)と云う事になります。

じゃあ、スプリット同士で子供を産んだらどうなるか。

例)パイドのスプリットを持つノーマルの父親 N/Pd
            ×
  パイドのスプリットを持つノーマルの母親 N/Pd
      ↓
生まれる子どもの遺伝子の組み合わせは下記の通り。
   ○N/N ノーマル
   ○N/Pd ノーマル
   ○Pd/N ノーマル
   ○Pd/Pd パイド

ノーマルの生まれる可能性が75%で、
パイドの生まれる可能性が25%。
ノーマルの内訳は純正ノーマルが25%で
スプリットが50%。

ここまでがレベル1のお話。
レベル2でいよいよ伴性遺伝に突入です。

伴性遺伝とは遺伝子が性染色体によって受け継がれる。
オカメインコの場合、ルチノーやシナモンやパールの遺伝子は
Z染色体の上にしかなく、W染色体には乗らないって事が重要。

なので、シナモンの遺伝子の乗ったZ(cn)を持っている場合、
■メスの場合は、「Z(cn)W」となるので、
1つの遺伝子だけでシナモンが発現します。
■オスの場合は、「Z(cn)Z(cn)」はシナモンで
「Z(cn)Z(N)」はノーマルとなります。

さて、いよいよパリちゃんの遺伝を分析します。

両親ともノーマルの場合。
どちらも純血のノーマルだったのなら
シナモンの遺伝子はないので検証不要。

あとは父親がスプリットの場合のみ。
父親…Z(cn)Z(N)
母親…Z(N)W
生まれてくる子供のパターンは
Z(cn)Z(N)、Z(cn)W、Z(N)Z(N)、Z(N)W
の四種類のいずれかとなり、
そのうち、シナモンを発現するのは、Z(cn)Wのみとなります。
つまり、ノーマル同士の親からシナモンが生まれるのは、
父親がシナモンのスプリットでなくてはならない。
1/4の確率でシナモンになるが、
それは100%メスと云う事になります。

パリちゃんがオスのシナモンだとしたら、
どんな親なんでしょうか。
組み合わせを考えてみました。
Image001
母親がシナモンで父親がシナモンスプリット、
もしくは
両親ともシナモン、
これ以外には考えられないと云う結論に達しました。
∴パリちゃんがシナモンである可能性はかなり低い。
色が薄めのノーマルだと思います。

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コメント

最期のカラーチャートに執念を感じました。お疲れ様でした。

投稿: Salty | 2024/02/09 23:46

■Saltyさん

パリちゃんが普通にグレーだったら
こんな事考えなくて済んでたのになぁ(笑)。

投稿: しほたつ | 2024/02/12 02:50

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