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2024年9月の17件の記事

2024/09/29

CDを聴く(10)

先の記事のジョシュアレッドマンからの繋がりで
1995年の日本のアルバムを。

■MOVIE JAZZ/小林陽一&グッドフェローズ
Dsc_2434
ドラムの小林陽一のグループ。
松島啓之(TP)、山田穣(AS)、井上祐一(PF)、嶋友行(B)と
トラックによってゲストが入っています。
岡淳(TS)、三木俊雄(TS)
元々、海外のメンバーを交えたグッドフェローがあって、
日本メンバーで組んだのが今回の方らしい。

目新しい映画音楽を取り上げている訳ではなく、
どちらかと云うと、既にジャズスタンダード化している
映画音楽を集めたような感じで、
並んでいる曲にはあまり目新しさはありません。
新しいと云えばアラジンからの”PRINCE ALI”くらい。
スタイルとしてもかなり王道。
懐古趣味的な感じは漂っているものの
各人のプレイは溌剌として素晴らしい。

当時、まだスイングジャーナルがあって
発売されるアルバムの評価やゴールドディスク選定など
影響力があった時代だったと思います。
売れ線狙いのアルバム作りの風潮が強かった様に思う。
ライナーの一部を古参のジャズ評論家が書いているのですが、
こんな内容なんですね。
「日本版グッドフェローズのデビューアルバムなので
誰でも口ずさめる映画音楽をテーマにして
多くの人に楽しんでもらえるよう心掛けた云々。」
評論家が選曲にまで関わってきてるってこと?
制作の現場の事は全然分かりませんが、
売れるアルバム作りには多くの人が携わり、
自由気ままに作れるものではなかったのかも。
レーベルはpaddle wheelか…。なるほど。

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CDを聴く(9)

■SPIRIT OF THE MOMENT
/JOSHUA REDMAN
Dsc_2433

ジョシュアレッドマンは私の中では
"最近の人"ってイメージですが、
もう三十年も経ってました。
年寄りあるあるです。
このアルバムは1995年録音の
ヴィレッジヴァンガードライヴ。
観客の熱狂の中で、荒さが良い感じに出てて、
彼の有機的なウネウネとしたフレーズに
効果的なフリーキートーンが混じる。
バラッドでは甘さを感じさせながらも
知的な音選びで安っぽいムードテナーに陥らない。
そして、何より重要なのは、
ライヴとして楽しいって事かな。
オールドファンが好みそうなスタイルに、
アップデートしたジャズを乗っけて
奔放に遊んでる感じがします。

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2024/09/25

読書熱 8-9月

微熱程度の読書熱ですけど、
安定して色々読んでます。
新しい作家にも手を出しました。

■猫を拾いに/川上弘美
■小さいおうち/中島京子
■恋するたなだ君/藤谷治
■罪の終わり/東山彰良
■ぼくらのひみつ/藤谷治
■Schoolgirl/九段理江
■僕って何/三田誠広

「猫を拾いに」は短編集。
緩やかに繋がっているものもある。
日常を描いている作品だと思って読み始めたら、
途中で近未来の話だった事に「おっ。」となる。
SFだったとしても繊細でサラッとしたタッチは変わらず。

中島京子は初めて読みました。
「小さいおうち」は直木賞受賞作。
第二次世界大戦前後の小さいおうちと人々の話。
その家でお手伝いさんしていたタキの手記の形で進行するが、
それを親戚の若者が読んでいると云う設定が面白い。
今の人が俯瞰的に"学んだ"戦争と、
当時を生きていた人のリアルな感覚との差が
ものの見事に浮き彫りになっています。
いい作品でした。

「恋するたなだ君」は藤谷治らしい恋愛(?)小説。
男が女を好きになるきっかけが一目ぼれ。
好きになる経緯を描くのが小説の醍醐味なのに、
車で一瞬見かけた女性に運命を感じ、
追い掛けていくドタバタ劇の方に主眼を置いている。
その展開がこれまたとんでもない。
きっとついていけない人もいるんじゃないかなー。

東山彰良の「罪の終わり」は
傑作「BLACK RIDER」のエピソード0的な作品。
後の世界で神格化されている人物が
如何にして神になったかを描いています。

「ぼくらのひみつ」は藤谷治ファンの私でも
かなり無茶な設定に馴染めずに終わりました…。
午前11時31分の世界に閉じ込められた男。
俗に云うタイムループモノですが、
一分間と云う短さが設定を分かりにくくしている。
一日のタイプループだと、寝て起きたらまた同じ日、
みたいな分かりやすい繰り返し感があるけど、
一分だとそうもいかない。
途中からヒロインが登場して、
同じループの中で一緒に行動するようになるが、
どういう事なのか今一つよく分からないままでした。
一つ潔いと思ったのは、辻褄合わせの説明をあまりしない事。
引き合いに出して申し訳ないけど
「コーヒーが冷めないうちに」って小説を読んだ時、
タイムスリップの設定を成立させるためのルールを
厳密に設定してるのが、説明臭くて鬱陶しかった。
藤谷治はその辺りは読者の想像に任せてしまう事で
突拍子もない展開を自由に描こうとしたんだと勝手に推測。
そうだとしても、やっぱりずっとモヤモヤでした。

初めての九段理江。
「あの本、読みました?」に出てたので興味を持ちました。
「東京都同情塔」で2023年下期の芥川賞を獲る前に
2021年下期に「schoolgirl」が候補作になっていたとの事。
太宰治の「女生徒」に刺激を受けた作品らしい。
物語の中でも「女生徒」が重要なキーになってくる。
母親はyoutubeで社会派の情報を発信している娘を理解できない。
母親を"文学に毒された可哀想な人"だと思っています。
大まかには、この親子の距離を描いた作品。
個人的に母親とカウンセラーとのシーンが印象的でした。
この辺りからこの母親がちょっと変だと感じ始めた。
もう一つデビュー作の「悪い音楽」も収録されていて、
こちらの方が気持ちが動きやすい展開。

1977年の芥川賞作品「僕って何」。
学生運動華やかなりし頃のリアルな学生像が描かれてます。
主人公は強い意志で運動に参加したのではなく、
知り合いに誘われて足を踏み入れる事になります。
なんか大江健三郎の「セヴンティーン」と入口が似てる。
しかし、それと大きく違うのは、
主人公が思想に嵌る訳でも、運動にのめり込む訳でもない事。
ホントに「僕って何」な展開なのです。
この作品を正しく理解するには、時代の空気を知っていないと
無理なのかもしれません。

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2024/09/23

CDを聴く(8)

グルダのラヴェルが聴きたくて買ったCD。
Dsc_2428
オーストリアのラジオ局の音源から、
シューベルト、ドビュッシー、ラヴェルの演奏が
収められた四枚組です。
シューベルトは聴いてません(爆)。
ドビュッシーも数回聴いただけです。

で、ラヴェルは、"ソナチネ"、"夜のガスパール"
"クープランの墓"、"高雅にして感傷的なワルツ"。
ああ、クープランの墓を演っててくれてありがとう、

1957年の録音ですが、全く問題なし。
夜のガスパールの終曲あたり、
かなりの強打をしていますが、音の歪みはない。

クープランの墓は全音楽の中で一番好きな曲なので
これまで色んな人の音源を聴いてきました。
"ブレリュード"は速く弾きすぎる人も多いのですが、
グルダは割とゆったり目で、音の粒が立ってます。
そう、全体を通して音の輪郭がくっきりしてる気がする。
曲によっては硬く聴こえるけど、私には心地よい。

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CDを聴く(7)

■MUSIC FOR TWO PIANOS
/FRIEDRICH GULDA & JOE ZAWINUL
Dsc_2426
クラシック界の巨匠にして異端児のグルダと
ジャズ界の巨匠にしてやや異端児のザビヌルの
ライヴ音源です。
CDの一曲目はクラシック寄りで
ブラームスの"ハイドンの主題による変奏曲"。
冒頭、内部奏法の音が入ってたり、
ジャズ寄りのヴォイシングや不協和音から
少しづつテーマが浮かび上がってくるので、
純粋なクラシック演奏と云う訳ではないのかと
構えて聴いてたら、割とオーソドックスに進む。
でも、荒さ(≒粗さ)はジャズ的。
なかなか捉えにくい演奏です。

二曲目はグルダの作品です。
"二台のピアノとバンドのための変奏曲"。
オーケストラではなくジャズビッグバンドです。
完全にジャズ寄りのホットな演奏。
ピアノはどこまで書き譜なのか分からないけど。

最後がザビヌルの"VOLCANO FOR HIRE"
四分半弾きまくる二人。

全編通して四十分ちょいしかないし、
最後アンコールの拍手のフェードアウトです。
もっと聴きたい~。

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CDを聴く(6)

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■GOIN' HOME/ART PEPPER & GEORGE CABLES
アートペッパーが亡くなった1982年に録音されたデュオ。
ついついそういうフィルタを通して聴いてしまうけど、
実にぐっとくる演奏なんですね。
一度録音して、満足できなかったので、
もう一度集まって録ったのがこのアルバムらしい。
ちなみに一回目の音源は
「TETE A TETE」に収められているみたいだけど、
こちらは持ってません。

アルバムの大半はバラッドです。
朴訥とした歌い口に、ペッパーらしい泣き。
時折フリーキートーンが入るのは晩年の特徴。
まさに肉声のように吹く。
アルトもいいし、クラリネットもいい。
冒頭の"遠き山に日は落ちて"でヤラレました。

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2024/09/22

縞々の羽根

パリちゃんの縞々の尾羽根が抜けました。
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可愛かったので、なくなると淋しい。
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一番長い尾羽根も抜けた。
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季節の変わり目と大人への換羽。
エネルギーを消耗するので、
栄養のある餌に切り替えてます。

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2024/09/19

おねだり

カキカキのおねだりをするパリちゃん。
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今のところ、カキカキ出来るのは私だけ。

我が子もやろうと、試みるのですが、
指を近づけると、そこに乗ろうとしてしまい、
撫でる事ができません。

我が子の要領が悪いのではなく、
パリちゃんの中の位置付けっぽい。
だって、放鳥の時、
真っ先に飛んでいくのは我が子のところだし、
ずっと傍を離れないんだから。

対等の友達と思っているのかな。
友達にいきなり撫でられたら
「おい、何すんねん。」
って感じだもんね。

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2024/09/07

CDを聴く(5)

■SOMEDAY MY PRINCE WILL COME/MILES DAVIS

うちのシステムでも、耳が潰れる…。
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CDを聴く(4)

■MOANIN'/ART BLAKEY & JAZZ MESSENGERS
はてさていきなり「モーニン」です。
この超有名盤を聴くのはどれくらいぶりだか。
うちのオーディオはエンリコピエラヌンツィのような
ヨーロッパ系のジャズに合わせて組み合わせたつもりなので、
往年のモダンジャズの熱い演奏には合わないのです。
どれくらい合わないかを確かめてみたくて
ジャズ入門的なアルバムを棚で探してみたんですが、
意外とその辺りはレコードで買っているのが多くて、
最初に見つかったのがこの「モーニン」だった訳です。
Dsc_2354
今回、新しいCDプレイヤーで聴いてみたところ、
さらに熱量が足りなくなってるような気がしました。
このあたりのジャズ喫茶名盤に関して云うと、
タバコの煙が立ち込める店の雰囲気込みで
「らしさ」に繋がるような感じがするのです。
悪い云い方をすれば、もっと輪郭の滲んだ
解像度の高くない音で、大きな音で鳴らす方が
よっぽど「らしく」聴こえるんじゃないかしら。
私はジャズ喫茶全盛時代を知らないですが、
学生の頃、あちこちに何軒かは残っていました。
その中には、時代に合わせて一般客にターゲットを移し、
BGM程度の小さな音で掛けているところもありましたが、
相変わらず会話禁止で、大音量で掛けてるところもあった。
某店では「SOMEDAY MY PRINCE~」のマイルスのミュートで
耳が潰れるかと思ったこともありました。

話が逸れましたが、このモーニン、久しぶりに聴くと、
やっぱりいいアルバムなんですね。
リーモーガンの輝かしいソロは云うまでもなく、
訳の分かんないグネグネのゴルソンのアドリブが
熱かった時代を象徴しているように思うのです。


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CDを聴く(3)

■ARUAN ORTIZ TRIO VOL.1
エスペランザスポルディングの流れで、
アルアンオルティスのリーダーアルバムを聴いてみた。
買った記憶もなかったけど、所蔵リストにあったので。
いきなりオーネットコールマンの"INVISIBLE"です。
そっち系の人だったのね。
なかなか骨のある小難しいピアノでした。
キューバと云う事で、初期のゴンサロルバルカバのような
目の覚めるようなパーカッシヴなタッチを想像してたら、
ちょっとあてが外れました。
先のエスペランザのアルバムでも演奏していた
”MOMPOUANA”をここでも演ってます。
このタイトル、モンポウと何か関係があるんだろうか?
モンポウの訥々とした曲調とは共通点はなさそうなんですが。
ちなみにこの手の厳しい音の積み重ねのピアノと
私のオーディオの相性は実にいいのです。
ラストの自由奔放なソロピアノなんかも
イマジネーションを掻き立てられて好き。
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CDを聴く(2)

■JUNJO/ESPERANZA SPALDING
エスペランザスポルディングのデビューアルバム。
ここではベースとヴォーカルだけだけど、
他にヴァイオリンやクラリネットなどもこなすらしい。
ベーシストリーダーと云うこともあって、
低音が際だったバランスになっている。
初っ端、アップテンポの"THE PEACOCKS"に度肝を抜かれた。
この曲をこんなアレンジで演奏するのは珍しいですね。
キューバのピアニスト、アルアンオルティスの
エッジの効いたタッチとの相性もいい。
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CDを聴く(1)

CD環境復活で、色々聴きたい熱が上昇中。

■VIOLIN CONCERTOS
/PROKOFIEV&SHOSTAKOVICH
VENGEROV&ROSTROPOVICH&LONDON SYMPHONY ORCH.

1994年録音のヴェンゲーロフのヴァイオリンコンチェルト。
プロコフィエフとショスタコーヴィチのカップリング。
全体的に静的な雰囲気に支配されているのプロコに対して、
ショスタコーヴィッチの方はかなり過激な作品になってます。
当時、ロシアは音楽弾圧が激しかったので、
発表されたのはスターリンの死後かなり経って、
ほとぼりが冷めてからだったとか。
第四楽章の激しさはショスタコーヴィチらしくてカッコいい。
フルで鳴り響くオーケストラと熱いヴァイオリン。
録音も良く、オーディオも良く鳴ってくれて、気持ちいい。
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2024/09/05

ご機嫌。

歌っているのは「幸せなら手を叩こう」のつもり。
かなり崩れてますが、ご機嫌です。

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2024/09/04

最初の一枚。

二十年前に大枚をはたいて
オーディオを組んだ時、
店に視聴用に持ち込んでいたのが、
エンリコピエラヌンツィと
ステイシーケントでした。
店にも視聴用のジャズCDはありましたが、
大抵は60年代のどジャズか軽いフュージョンで
私の普段聴いているジャズとは趣きが違ってて
あんまり参考にならなかったんですね。

それで組み合わせたオーディオは
熱いジャズにはあまり向かない、
精緻な音を鳴らすシステムになりました。

今回、CDプレイヤーを買い替えて、
一番最初に掛けたCDがコレ。
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The very thought of you
/Emilie-Craire Barlow
冒頭の表題曲はアカペラから始まるんですね。
定位のしっかりした私のシステムだと
綺麗に音像を結んでくれます。
この一瞬の心地よさは期待どおりでした。

今回のCDプレイヤーは視聴もせず
ネットの評価だけで決めたので、
ちょっとだけ不安だったんです。

良かった良かった。
これで老後の音楽生活もしばらくは安泰だ。

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2024/09/03

パリちゃん、一歳。

正確な誕生日は分からないのですが、
パリちゃんは9月上旬の生まれです。
ほぼ一歳、アラワンです。

初めは羽根も生え揃わない雛でした。
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ジャージャー鳴いてた頃が懐かしい。

それが今ではすっかり大きくなりました。
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すらっとしてカッコいい。
すっかり我が家の人気者です。
放鳥タイムには何となくみんなリビングに集まってる。

まさにオカメイン「コはかすがい」です。

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きらきら好き

ぼんち揚の袋がお気に入りのようで
ずっと戯れています。
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発情してるのかもしれないので
可哀想だけど隠しました。

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