落語
2024/02/26
2015/03/20
巨星落つ。
とうとう米朝が亡くなってしまいました。
私の好きな上方の落語家は桂米朝と桂小文枝です。
敢えて小文枝と書いたのは
文枝になってからよりも
小文枝時代に馴染みがあるからです。
関西人の多くは同じ感覚ではないでしょうか。
もうお二方ともこの世にはいません。
昔は今よりもテレビの寄席番組で
落語を目にする機会が多かったと思います。
大抵はCMの尺に合わせて端折られたり、
単純な噺に限られていたりと、
テレビと落語の相性の悪さを
露呈してた気がします。
変幻自在でスピード感のある漫才の方が
あきらかに向いていました。
子供ながらに、落語が始まると
古くささや辛気くささを感じていたのは
正直なところでした。
しかし、中学生になってラジオを買ってもらい、
一日中部屋でラジオを聴くようになって、
高校生の頃、落語の楽しさに目覚めました。
でも、その頃、好きだったのは枝雀でした。
漫才に対抗できるスピード感とスリルと
漫画の様な強いキャラクター付けは
それまでの落語の弱点を克服した様に思いました。
で、時は流れ流れて…。
齢四十を超えて、落語熱が再燃しました。
独身貴族最後の頃で、金銭的に余裕があったので、
落語のCDやらDVDを買い捲りました。
年齢的な事もあるのでしょうが、
落語に求めるモノが学生の頃とは変わっており、
枝雀よりも米朝や小文枝の落語の方が
面白く、奥深く感じる様になっていました。
一時期は80GBのiPodが落語で満タンになっていました。
地獄八景亡者戯を色んな演者&ヴァージョンで聞き比べたり、
泣ける落語プレイリストを作ったりしていました。
何度聞いても飽きないのが米朝と小文枝の落語でした。
中でも好きなのが米朝では「天狗裁き」「算段の平兵衛」
「たちぎれ線香」「牛の丸薬」「豆狸」「代書屋」あたり、
小文枝では「猿後家」「悋気の独楽」や
スタジオ録音の「大丸屋騒動」「立ち切れ」は壮絶でした。
これから落語はどうなっていくのかわかりませんが、
上方落語復活の礎を作った桂米朝師匠の
ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
| 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)
2014/08/24
落語は遠くなりにけり。
つい先日の我が家の話。
嫁さんと三歳の子供とおやつを食べてたんですけど、
子供の飲み物は牛乳がいいか、お茶がいいかと話していたら、
我が子がいきなり「こんどはお茶が怖い。」って云い出しました。
いやあ、驚いたの何の。
「そんなんどこで覚えてん。」と私が云うと、
妻曰く、「Eテレの『にほんごであそぼ』でやってたんちゃう?」。
あー、なるほど。
この一件でしみじみ思ったんですけど、
最近落語を聞かなくなったなぁ、と。
このブログではカテゴリーに「落語」も設定していますが、
その最後の記事が2012年9月。二年前です。
スカパーの寄席チャンネル開局の話題でした。
これを機会に落語の趣味を再開しよう、と書いていますが、
ぶっちゃけそのチャンネルは期待ほどの内容ではなく、
殆ど観ていない現状です。
あと、最後に落語会へ行ったのが2010年9月。四年前です。
熊本の千代の園の酒蔵で行なわれた三遊亭鳳楽の落語会でした。
その月の25日に長男誕生。落語会通いは夢のまた夢に…。
かつては80GBのiPod classicの殆どを
落語を占めていた時期もありましたが、
いまや160GBのiPod classicの中身は
大半が伊集院光の深夜の馬鹿力(爆)。
ま、三遊亭楽大と考えれば、ほぼ落語関係とも云えますが(笑)。
すっかり棚の肥やしとなっている落語ソフト。750本弱あります。
最も取り出しにくい奥の奥の棚の上に山積みになっています。
大事に取ってある志ん朝全集を聞く日は来るのでしょうか…。
| 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)
2012/09/27
寄席チャンネル。
10月からスカパーで寄席チャンネルが始まる様です。
とは云え、新規チャンネルが増える訳ではなく、
バラエティや公営レースの中継をやってたEXエンタテイメントが
落語メインのチャンネルに鞍替えするらしいのです。
それにしても思い切った事をしましたね。
考えてみたら、最近、あまり落語を聴いていないので、
これを機会に落語の趣味を再開しようかと思っています。
寄席チャンネルは楽しみでもある反面、ちょっと不安もあります。
前にライブ繁昌亭と云うコンテンツを購入してた事がありますが、
昼席の中継と云う事もあって、若手からベテランまで玉石混交で
必ずしも質の高い落語ばかりではありませんでした。
いつも同じネタばかりやる人や客席いじりや自虐ネタに走る人など
苦手な雰囲気になる事もあって、購入をやめてしまいました。
素人目にも、一日中落語の番組やるのは大変だろうなと、想像できます。
落語界は色んな団体や事務所があってややこしそうだし、
過去の映像にも権利関係があってハードルが高そうです。
でも、そこを何とか頑張って欲しいなぁと思います。
江戸も上方も取り上げる様なので色々期待したいです。
個人的に、実力のある中堅どころの落語会などに
カメラを入れて貰えたら嬉しいなぁ…。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
2010/09/06
久しぶりの落語会。
昨日、熊本の千代の園の酒蔵で
三遊亭鳳楽の落語会がありました。
空調のない古い蔵の中なので、
人が集まると暑い暑い。
酒蔵寄席って事で酒の出てくるネタ二席でした。
「猫の災難」と「抜け雀」。
どちらも好きな噺なので楽しかったです。
「抜け雀」は似たネタが幾つかあるので、
雀に行くのか、蟹に行くのか、
はたまた竹の水仙にいくのか、
途中まで分かりません。
鳳楽の語り口はあっさりしてて品があり、
落ち着いてるので、とても聞きやすかったです。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
2010/03/05
柳家喬太郎独演会@今池ガスホール
今、終わりました。
良かったです〜。
喬太郎は二席、禁酒関所と錦木検校。
錦木検校とは渋いネタを〜。
ゾクッとしました。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
2009/12/10
喬太郎に酔う。
ここのところ落語の好みが江戸に傾いてます。
とにかく東京の落語家は選手層が厚いですよね。
中でも今一番惚れ込んでるのが柳家喬太郎です。
私が云うまでもなく、高い評価を受けている凄い噺家です。
古典に、新作に、完成度の高い落語を聞かせてくれます。
名古屋にも頻繁に来てる事を知り、2つほど、寄席に行ってきました。
まずはちょっと前の11月24日のとよた寄席。
場所は豊田市市民文化会館大ホール。
真っ暗でわかんね(笑)。
チケットを取ったのがかなり遅かったので、
会場のほぼ最後列の左隅でした。
オペラグラス片手の落語会と云うのも凄い。
メンバーは前座を除き、この4人。
ぶっちゃけ好きなのは喬太郎だけでしたが、
それでも行った甲斐がありました。
この日の演目は「井戸の茶碗」。古典の名作です。
長い噺だからか、枕もなく、いきなり始まりました。
人情噺然とした間をたっぷり取った落ち着いた語り口でした。
4人の中でも聞き手を引き込む魅力はダントツでした。
あと、トリを取ったのが、立川志らく。
これまた古典の大作、「死神」でした。
「死神」のサゲは何通りか聴きましたが、
誕生日だと云われて蝋燭を吹き消すパターンは初めて。
ウィキペディアで調べてみたら、これは志らくオリジナルらしい。
そして、12月9日は名古屋市内のアートピアホールで
SWAメンバーによるライヴでした。
SWAとは創作話芸アソシエーションの略です。
DVDも出てます。
現在のメンバーは春風亭昇太、林家彦いち、三遊亭白鳥、柳家喬太郎。
ぶっちゃけ白鳥は苦手だけど、メンバーだから仕方ない(笑)。
ちなみにこのチャンピオンベルトは夢枕獏が作ったそうです。
チケットを取ったのがかなり遅かったので二階席でした。
またもオペラグラス片手の落語会となりました。
この日は当然創作落語のオンパレード。
柳家喬太郎の落語は強烈でした。
開口一番「お前の父さん、ホモ~。」だもんなー。
かなり無理のあるストーリーにも関わらず、
それを自然に聞かせてしまうのが、喬太郎マジック。
凄かったです。
あと体育会系落語家の彦いちのネタも面白かった。
鬼と恐れられた女子柔道のキタガワトモエが
会場に好きな男が応援に来てくれているのを知り、
自分の中の”女”が目覚めてしまうってストーリー。
「○○kg級」と書かれているパネルに気づき、
体重がバレるのを恥らうのが可笑しかった。
この日は春風亭昇太の誕生日でした。
なんと50歳だってさ。…ほんまか。全然見えんぞ。
50歳独身ながら、この日演じたネタはと云うと、
家で居場所をなくしたお父さんの話。
女房と娘のいない内に好き勝手してると、
押入れの中に一人の男が…。
彼に誘われるまま、押入れの中の謎の扉から
奥へ奥へと進んでいくと、そこはおやじの園だった(笑)。
いくらでも話が膨らみそうな設定だなぁ…。
でも、意外と小さく纏まる(笑)。
って事で、生の喬太郎を聴いたと云うお話でした。
年明けの2月にも長久手の落語会に行こうと思ってます。
既に楽しみで仕方ありません。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
2009/07/11
2009/04/12
2008/12/13
落語に出てくる悪いヤツ(長いです。)
ちょっと前の記事で
「古典落語はノホホンとした登場人物に魅力がある。」
ってな事を書きましたけど、実は必ずしもそうではありません。
時々、悪い奴も出てきます。
例えば「牛の丸薬」の主人公なんかは
ただの土の団子を牛の病気の万能薬と称して
善良な村人に高値で売り付けますし、
「壺算」に出てくる徳さんは
番頭を騙して水壺を半値以下でせしめます。
でも、まだこの程度なら、笑ってすまされるレベル。
私が一番嫌いなのは「菊江仏壇」に出てくる若旦那。
上方落語史上最悪の道楽息子です。
親の脛をかじって身代をつぶしかねない勢いです。
大旦那はこの馬鹿息子の目を覚まさせようとして、
器量良しで貞女のお花と結婚させるのですが、全く効果なし。
若旦那は手掛けの菊江のところに入り浸って、家に寄りつかない。
嫁さんは心労から重い病気になって実家に戻ってしまう。
ところがこの若旦那は見舞いにすら行こうとせず、
大旦那が代わりにお見舞いにいっていると云う有様です。
いよいよお花が危篤との知らせが入り大旦那が駆けつけてる間に
事もあろうに菊江を家に呼んでどんちゃん騒ぎ。
とうとうお花は死んでしまうと云う救いのない噺です。
勧善懲悪の欠片もないヒドい展開。
大嫌いなので、聴きたくありません。
同じように人を一人殺しているのに憎めない噺が「算段の平兵衛」。
ここからはストーリーを全部書いてしまいますので、
読みたくない方は飛ばして下さい。
-------------- 8< --------------
平兵衛はずるがしこく世渡りのウマいヤツ。
特に何の仕事をしてる訳でもないのに
真面目に働いている人よりもいい生活をしてたりします。
村の人々もあまり好意は持っていないが、頭がいいので一目置いてる。
そして、ついたあだ名が算段の平兵衛。
そんな平兵衛のところに嫁さんがやってきます。
とは云っても訳ありの女房。
なぜかこの女性の名前もお花です。
その村の庄屋は手掛けをかこっていましたが、
奥さんの悋気から手放さなければならなくなります。
それで仕方なくやもめの平兵衛に押し付けたってわけ。
そりゃ村の権力者の妾にもなろうかと云う女性ですから
器量は抜群です。
しかし、平兵衛の目当てはお花の持参品。
それらを片っ端から売り払って博打に興じます。
もー、最低の男です。
いよいよ金も家財も底をつき、どうしようもなくなったところで、
嫁さんに美人局をさせようとします。
まだお花に未練の残っている庄屋を家に引き込んで、
いちゃついてる現場を押さえ、金を脅し取ろうと云う算段です。
まんまと庄屋は計略にかかり、ここぞと云うところで平兵衛が乱入。
「人の嫁さんに何をしさらすんじゃー。」
と庄屋をバコーンと殴ったところ、当たり所が悪く即死。
慌てふためくお花をよそに、平兵衛は冷静に対処します。
死体を背負って庄屋の家に行って、
戸の外から声色を似せて話し掛ける。
「今戻った。開けてくれ。」
「こんな遅うまでどこに行ってはったんです?」
「平兵衛のトコに行ってたんや。」
「平兵衛?そんな事云うてお花に会いに行ってはったんでっしゃろ。」
庄屋の女房の嫉妬心を煽り、カッとさせるあたりがウマい。
「頼むから開けてくれ。庄屋が閉め出されてるなんて、
人に見られたらカッコ悪うて、死にとうなるがな。」
「安い命やこと。死ねるもんなら死になはれ。」
平兵衛は思惑通りこの一言を云わせると、
「はあ、そうするわ。」
ってな訳で、木の枝に庄屋の遺体をぶら下げて、
自分はさっさと帰ってしまいます。
戸の外が静かになったのを不審に思った庄屋の女房が
様子を見に外に出てみると、死体がぶら~ん。
「あわわわわ。」
当時、変死についてはお上に報告せねばならず、
庄屋が自殺したなんて事は家の恥、村の恥。
女房は慌てふためきながらも、何とか隠蔽してしまおうと考えます。
しかし、テンパった頭で良い考えが浮かぶ訳もなく、
結局、平兵衛のところに相談に行くんですね。
平兵衛はそんな厄介な話に関わりたくないと断りますが、
二十五両用意すると云われ、目の色を変える。
「確かにこの事が明るみに出たら村の恥ですな…。
よっしゃ、一世一代の算段をして見せましょ。」
って、お前が殺したんやがな。ったく。
平兵衛は庄屋の遺体を担いで隣村へ。
隣村ではちょうど盆踊りの練習の真っ最中。
薄暗い篝火の中で踊ってる連中の輪にそお~っと忍び込み、
庄屋の冷たい手で、ぴた~ん、ぴた~んと顔を撫でて回る。
「さては近所の村の奴らが練習の邪魔をしにきたんやな。」
血の気の多い若者達が興奮してきたところで、再び、ぴた~ん。
「こいつや!いてまえ~~~!!」
よってたかってフルボッコにされる庄屋の遺体。
平兵衛はさっさと逃げてしまう。
若者連中はあまりに手応えがないのを不思議に思って、
力なく横たわる闖入者の顔を覗き込むと、
何と隣村の庄屋じゃないですか。しかも死んでる。
若者達は慌てふためきます。
困り果てた連中はまたまた平兵衛に相談に行きます。
彼はそんな厄介な話に関わりたくないと断りますが、
二十五両用意すると云われ、目の色を変える。
「確かにこの事が知れたら村同士がいがみ合う事になりますな…。
よっしゃ、一世一代の算段をして見せましょ。」
こらこら、一つの死体で何回儲けたら気がすむねん。
平兵衛は連中に庄屋の遺体を崖の上の一本松まで運ばせると、
そこからどーん突き落としてさせます。
そして、庄屋の女房に遺体を確認させるふりをさせて事故死完了。
全員が共犯者ですから口を割るモノがいる筈がない。
考えてみたら、これ程可哀想な死に方はありません。
殴り殺された後、首を吊らされ、フルボッコされ、
挙句の果ては崖の上から突き落とされたんですからねぇ。
-------------- 8< --------------
とまあ、こんな噺なんですけど、この後、サゲがあります。
ただ、それが今の時代に合わないんですよね。
そもそも誰も演じなくなったネタを米朝が復活させたらしいんですが、
米朝自身もサゲまで演ったモノと途中で止めたモノが音源に残ってます。
本来のサゲはコチラ。
-------------- 8< --------------
この出来事の後、平兵衛の金回りが良くなったのを嗅ぎつけて
目の見えない按摩の徳さんが小遣い銭をたかりにやってくる。
この男が意味深な奥歯にモノが挟まった様な云い方をするもので、
平兵衛もコイツがどこまで知ってるのかわからず、
云われるままに金を遣り続ける事に…。
平兵衛ともあろう男が強請られるまま小遣いを渡してる事を
村人たちが不思議がります。
「按摩の徳さんは何か平兵衛の弱みを握ってるんと違うか?」
「そうかもしれんが、あの平兵衛相手にこんな事続けてたら
いつか痛い目に合いよるで。」
「そこが"めくら平兵衛に怖じず"や。」
-------------- 8< --------------
最後は"めくら蛇に怖じず"と云う諺のダジャレで終わるのですが、
この諺自体が差別的なので今は使われなくなっており、
非常に分かりにくいサゲになっております。
他に文珍や南光のヴァージョンをCDで聞きましたが、
各々サゲを変更してます。
文珍のサゲは儲けた五十両を持ってお花が夜逃げしてしまうパターン。
最後は「誰か算段してくれ~。」と、平兵衛の泣言で終わります。
ちょっと強引な感じがしないでもないですか…。
南光のサゲはなかなか秀逸で、個人的にはコレが一番好きです。
-------------- 8< --------------
このまま事故死で片付くと思いきや、
不審に思った役人が調べてみると、不可解な点が次々出てくる。
ところが、関係者にキキコミしても、全く有益な情報が得られない。
ま、関係者=共犯者ですから、当然ですね。
しかし、役人は平兵衛を嗅ぎつけます。
ついに年貢の納め時が来たか、と、平兵衛が
「観念いたします。」と諦め顔で云うと、役人は慌てた。
「いやいや、観念してもらっては困る。
そなたにこの難事件を算段してもらいたいのじゃ。」
-------------- 8< --------------
長々失礼致しました。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
2008/12/12
人柄の滲み出るネットショップ
数年来、利用しているネットショップに落語天国があります。
読んで字の如く落語関係の専門店です。
殆どの落語のCDやDVDはここで購入してます。
価格的にはアマゾンの方が安い場合もあります。
でも、落語天国の方がかゆい所に手が届くんですよね。
落語のソフトって全10巻や全20巻ってのがザラなんですが、
落語天国では一括まとめ買いが出来るんですね。
これはありがたい。
アマゾンだと一つ一つクリックしていかなければならず、
18巻と24巻が品切れだったりすると、ヨソを探す羽目になります。
HMVは至っては後になって「13巻は品切れでした。」って
平気で云ってくるので全くあてになりません。
だから、少しくらい高くても安心料だと思って落語天国で買ってしまうのです。
それからこのお店を利用するもう一つの理由は
店長さん直筆のお手紙なんです。
無味乾燥で顔の見えないネットショップが多い中、
落語天国は店長さんの人柄が滲み出てて、
なんだかとても嬉しくなります。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
2008/12/04
きいこ&せいやん
落語の世界って古臭いと云えば古臭いんですけど、
のんびりした時代のノホホンとした人々の絡み合いが実にいい。
みんな貧乏なんですが、人と差をつけて裕福になろうとはしない。
身の丈に合った生活をエンジョイしてる感じなんですね。
せわしい現代社会で闇雲な向上心や転落の恐怖に追われて
自分に鞭打ってセカセカ働いてる現代人には憧れのスローライフ。
そんな落語の世界の登場人物に関するちょっとしたお話を。
上方落語を聞いてはる人なら誰でも知ってる事ですが、
色んな噺に登場してくる人物が意外と共通しているんですよね。
これを知っておくと、初心者が上方落語を聞く時にわかりやすいかも。
一番有名なのは喜六と清八。ニックネームはきぃ公(きぃこ)と清やん。
長屋を舞台にした噺や旅モノで頻繁に出てきます。
弟分の喜六がボケで兄貴分の清八がツッコミです。
しかし、喜六もいかんともしがたいアホではなく、
時として清八を困らせるくらい頭が切れる事も。
更にもう一人、源兵衛を加えた三人組の場合もあります。
源兵衛は他の二人よりもちょっと年上でしっかりしている事が多いです。
それから町内の相談役的なご隠居さんは大抵甚兵衛さん。
但し、人から慕われてる場合と嫌われてる場合があります。
相談役と云えばヅク念寺の和尚もかなりの登場頻度です。
あと女性人としては喜六の奥さんは大抵お咲さん。
しっかり者で天然の旦那を尻に敷いてます。
その他、脇役陣では徳さん、宗助はん、お松さん辺りでしょうか。
徳さんはずる賢く、宗助はんは弄られキャラ。
お松さんは喜六の奥さんとして出てくる場合もあり、
雀のお松、雷のお松と別名を持つ程のおしゃべりです。
あと、笑うのはエキストラ的に出てくる長屋の連中です。
風呂屋のゆぅ公、金物屋のテツ、畳屋のいぃ公、牛屋のうし公、米屋のよね公。
むっちゃええ加減(笑)。
ただ床屋の磯七(磯村屋と呼ばれる)だけは別格でイケメン。
それから商家を舞台にした噺もかなりあります。
旦那と若旦那と番頭のキャラクター付けは噺によってかなり変わります。
旦那がお茶屋遊びの鉄人だったり、浄瑠璃に狂ってたり、
若旦那が身代を潰すくらいの道楽だったり、恋煩いで寝込むくらい繊細だったり、
番頭が旦那思いの良い人だったり、店の金を誤魔化して遊び狂ってたり、
かなりの格差があります。
名前が付いてるのは若旦那くらいで、大概の場合、作次郎。
あと、丁稚の定番は定吉。かなり抜けてます。
常吉も時々出てきますが、定吉よりはしっかりしてるかな。
女子衆(おなごし)と云われる女性の使用人も名前はほぼ固定で、
お竹どん、おもよどん、おなべどんあたりが一般的です。
中でもおなべどんは田舎の訛りが激しく相当不細工。
また母屋に出入りしている手伝い(てったい)職は又兵衛か熊五郎です。
どちらかと云うと熊五郎の方が役に立つ手伝い職かな。
最後にお茶屋や女郎屋が舞台となった場合。
芸妓、舞妓、女将、おやまなどの名前はあまり決まりがない様です。
その中でアイドル的存在はやっぱり小糸でしょう。
生きて登場する噺は「立ち切れ線香」くらいしか思いつきませんが、
その印象は圧倒的です。
若旦那に惚れて惚れて、恋文を書きながら死んでしまう。
涙なしに聞けない噺です。
幇間(太鼓持ち)は一八(いっぱち)、茂八(しげはち)と相場が決まってます。
大抵の場合、向こう先の見えない軽率な行動でしくじります。
思いつくままあれこれ書きつくねましたが、
全体としてはキャラクター付けが明確になってる劇団の様な感じです。
その方が噺家も役作りをやりやすいでしょうし、
お客さんも理解しやすいんでしょうね。
但し、これらのキャラが全員出てくる事はありません。
もしそれを演じわける事ができたら、天才噺家ですね。
| 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)
2008/11/01
アタリ月
先月は信じられないくらいのアタリの月でした。
何がと云うと、落語のソフト(笑)。
ここ数年で適当に買ってるうちに
CDとDVDを合わせて、500枚以上になってました。
それでもiPodで繰り返し聴いてると、
目新しいモノが聴きたくなってきます。
とは云え、好きな落語家のソフトはそこそこ買い尽くしたので、
それ以外の落語家のんに手を出しても
満足度が低かったりするんですよねぇ。
そんな中、先月は素晴らしい作品集を4つもゲットしてしまいました。
■林家染丸の世界/(吉本興業) 3枚組DVD
吉本興業もここ数年の落語ブームに乗って
いままでないがしろにしていた落語のソフトを
ようやく発売する様になったようです。
染丸の"浮かれの屑より"を映像が収録されてます。
私はコレを目当てに購入しました。
また、単に演目を並べただけではなく、
落語を楽しむ上でのちょっとした解説なども入り、
知識を得る為にも優れた内容になってます。
初心者にも是非お薦めしたい作品です。
■古今亭志ん朝全集・下/(落語研究会) DVD8枚組
下巻も今月の頭に発売になりました。
勿体なくて、まだ観てません。
布団の上でゴロゴロしながら、パソコンで観たりしたら、
絶対にバチがあたります。
■五代目桂文枝/(吉本興業) CD8枚+DVD2枚組
この作品をどれだけ待ち侘びた事か!
届いたばかりで、まだ観てませんけど、
名作に違いありません。
何しろ19611年から2004年の映像と音源から厳選した
十八番集なのですから。
これまた勿体なくて、おいそれと観れませんわ。
■米朝珍品集1~8/(東芝EMI) CD
1990年から1999年に渡って発売された作品集。
実はずっと探してたんですが、色んな落語サイトでも品切れでした。
ところがここにきて、一気に全て新品で入手する事ができました。
しかも定価そのままで。無茶苦茶嬉しいです。
珍品集と云うだけあって、他の全集には収録されていない噺が大半。
これも届いたばかりなのでまだ聴いてませんが、ワクワクします。
どこから手をつけるか迷います。あぁ、至福。
とりあえずカードの支払いについては考えないでおこう…。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
2008/10/13
代書屋フルヴァージョン
「代書(屋)」は四代目桂米団治が作った昭和の初めの頃の落語です。
字の書けない男が代書屋にやってきて、履歴書を書いてもらうんですが、
この男、桁外れのアホなので、最初から最後までボケ倒しです。
最初はおさまり返っていた代書屋も次第次第に感情的になってくる。
そのやりとりが無茶苦茶面白い。
これまで桂春團治と桂枝雀のモノがDVDやCDなどで出ていましたので、
それを幾度となく見聞きしておりました。
でも、二人の「代書(屋)」にはサゲがなく、
「アホがわーわー云うてます。お馴染みの代書屋と云うお笑いで…。」
と、同じような〆方をしてるんですよね。
こう云う終わり方をする場合、大抵、途中で止めてる事が多いんですが、
やっぱりこの続きがあったんですねー。
この度、五代目桂米団治を襲名するに辺り、
桂小米朝がフルヴァージョンを演じてます。
アホの履歴書の後に出てくるのは、
立派な身なりのご隠居さん。
歳のせいで手が震えるので
結納の受け取りを代筆して欲しいとの依頼。
ところがこのご隠居さん、注文がうるさく、
筆が悪い、墨が悪いと文句をつけた末、
字が巧くないとケチをつけて帰ってしまう。
更にその次にやってきたのが、朝鮮の人。
国の妹が日本に女工として働きに来るので
渡航証明を書いてもらいたいと云います。
カタコトの日本語が可笑しいんですけど、
恐らくこの辺りの展開が今の時代に合わず、
カットされることになったのではないかと。
最後にやってくるのはさっきのご隠居の奉公人の女性。
「失礼な事を致しました。」とお詫びに来た筈が、
結局はご隠居同様に代書屋の字にいちゃもんをつける始末。
小米朝の「代書」はまだちょっと騒々し過ぎる感じですけど、
これから看板のネタとして熟成していくに違いありません。
| 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (1)
2008/09/02
モテる男の条件
一見栄 二男 三金 四芸
五精 六おぼこ 七科白
八力 九肝 十評判
これは古典落語「稽古屋」の冒頭で出てくるモテる男の条件。
「一見栄(いちみえ)」はファッションセンス、「二男(におとこ)」はルックス、
「三金(さんかね)」「四芸(しげい)」はそのままですね。
「五精(ごせい)」は精力ではなく精を出して働く姿、
「六おぼこ(ろくおぼこ)」はかわいいと年増にもてるって意味で、
「七科白(ひちぜりふ)」は他人を説得できる話術を持ってるかどうか。
「八力(やぢから)」は強くて、「九肝(きゅうきも)」は度胸があり、
「十評判(とひょうばん)」はまわりの評価が高けりゃおのずと…、って事です。
何だか今とそんなに変わらない気がしますね。
全部備わっていなくてもどれか一つでもあればモテるらしい。
と云う事はモテない男は何一つあかんって訳ですか…。
さて、この「稽古屋」、音曲モノと云われる上方らしい噺ですが、
粗筋は実に単純。
喜六がモテ目的で稽古屋に唄と踊りを習いに行って、
案の定しっちゃかめっちゃかやらかしてしまうってだけの展開。
でも、実際の見せ場は喜六のドタバタシーンではないんですよね。
稽古屋の粋な女のお師匠はんが近所の子供たちに
娘道成寺をレクチャーする場面が秀逸。
三味線に合わせて踊る生徒を演じるのではなく、
それを見守るお師匠はんの仕草を演じているのがいい。
稽古屋と云えばやっぱり桂文枝。
あのはんなりとした味は文枝の真骨頂ですね。
でも、この落語サゲはちょっとわかりにくいなぁ。
私は初めて聴いた時、ちんぷんかんぷんでした。
男が単刀直入に「モテる為の稽古をして欲しい。」と云うと、
お師匠はんは「そんな稽古はしません。」と答えます。
男が理由を尋ねたところ、お師匠はん曰く、
「昔から云いますやろ。色は指南のほか、ですがな。」
おわかりになりますか?
諺の「色は思案の外」の駄洒落なんだそうです。
その諺を知らなかったらアウトです。
実はこの噺のサゲにはもう一つあって、
今じゃそっちの方がわかりやすいかも。
男の唄があまりに下手なので、
お師匠はんは地唄の「すり鉢」を宿題に出します。
♪海山を越えてこの世に住み慣れて
比翼連理と契りし仲を けむりをたつる賤の女が…
男は家の二階の物干しに上がって練習します。
大声で「煙が~立つ。煙が~立つ。」と、そこばっかり繰り返すので、
下を通った友達が火事と勘違いする。
「煙はどこや。近いんか、遠いんか?」と尋ねられ「海山越えて~。」。
「そんなに遠かったら大丈夫やわ。」
桂文枝のCDを聴くと、1975年の音源が指南ヴァージョンで、
1980年と1982年が煙ヴァージョンでした。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (1)
2008/08/18
松鶴もちょこっと聴いてみる。
やっぱり上方の四天王は聴いておくべきだと思い、
笑福亭松鶴のCD全集を2つ買ってみました。
VICTORものとNHKのもの。
残念な事にこの二つの全集は
いくつかの音源が
重複しております。
ネタは同じでいいから
別の音源にして欲しかった…。
で、松鶴の落語ですが、
声は悪いし、どもるし、
聴きにくいところもありますが、
桂一門とは違う色があります。
また米朝、文枝系でやらないネタも。
表現とかは粗いんですが、
嵌るとなかなか面白いです。
「へー。」と思ったのは"子はかすがい"。
これは江戸落語の"子別れ"の短縮版の人情噺。
別れた夫婦が子供をきっかけによりを戻す話ですが、
私が今まで聴いたものは子供が女親についた状態で
男親のシーンから物語が始まっていました。
柳家小三治しかり、桂文我しかり。
ところが松鶴のんは女親からのスタートになっております。
調べてみたら、両方のヴァージョンがあるんだそうで。
知らなんだ。
それから"高津の富"の一番の当たりくじの番号は
「子の1365番」が固定だと思っていたら、
松鶴は「子の1972番」でやってるのがあるんですね。
あと"貝野村"と云うネタは松鶴で初めて聴きました。
とある商家の若旦那は女衆(おなごし)のおもよどんがお気に入り。
しかし、彼女は実家に戻ってしまい、それ以来若旦那は病気で寝込む。
原因はおもよどん。要するに恋わずらいです。
旦那は可愛い息子の為に慌てておもよどんを連れ戻し、
二人を結婚させようとするが、お互い長男と長女であった。
長女には婿を取らないと親戚がうるさいと云うので、
一日だけ入り婿させて、その後に嫁に貰おうと画策する。
ここからどんな展開になるのかと思ったら…。
なんと後半は「手水回し」。肩透かしを食らいました。
調べてみたら「貝野村」の方が元祖らしいんですけど、
前半と後半が余りに噛み合わないので、
後半が独立して「手水回し」になったんだそうです。
やっぱり落語は色々聴き比べると面白いですね。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
2008/07/02
文枝、小文枝、賢くこなせ。
今、桂文枝が熱い。
って、私の中だけの話ですが(笑)、一大ブームが到来しています。
今や米朝を抜いて一番好きな落語家になりました。
何が凄いってキャラクターの演じ分けが半端じゃないです。
聞いてて惚れ惚れします。
女性の艶っぽさには定評がありますけど、男性の演じ分けも見事。
性格が滲み出る様なキャラ作りをしてはります。
目を瞑って聞くと、複数の演者がいるかの様な錯覚を覚えます。
(錯覚を覚える、って重複してます?)
例えば「鍬潟(くわがた)」。
背の小さい男が相撲部屋に入門する話なんですけど、
小柄だけど勇ましい男の様子が無茶苦茶出てるんですよね。
「悋気の独楽」も凄い。
性格の違う女性が3人出てくるんですが、全部イメージが別人。
どわっと客席を湧かせる事だけを目指さず、
はんなりとした語り口を大切にした質の高い高座は
記録された音源を繰り返し繰り返し聞いても
全くほころびないどころか、逆に高い完成度に唸らされる感じです。
特筆すべきはスタジオ録音の「大丸屋騒動」とか「立ち切れ」。
上方には珍しく笑いの少ない人情噺なんですけど、
スタジオ録りにした事で細かい情感を込めた語りが可能になった。
もうこれは落語ではありません。モノドラマです。
桂文枝は上方落語四天王の一人。
2005年に亡くなりましたが、
文枝を襲名したのは1992年と、
割と晩年です。
だから、イメージとしては
桂小文枝の方がしっくりきますね。
あ~、生きてる間に
もっと聞いてれば良かったなぁ…。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
2008/06/22
2008/02/16
CD&DVDで楽しむ落語 その3
面白い落語を聞くとその人の落語を他にも聞きたくなります。
調べてみると、CD全集やDVD全集が出てる…。
こうなるとやばい。
有名どころになると10枚組とかはザラなので、
あっと云う間に万単位のお金が飛んでいきます。
ジャズよりもタチが悪いかも…。
□壺算/桂都丸
■桂都丸の落語を聞く会その二(SELF-PRODUCE)[CD]より
ある男がおかみさん云われて水壺を買いに行きます。
しかし、この男、かなり頼りないので、
ずる賢い友人の徳さんについていって貰う事に。
で、この徳さんがなかなかイカツい。
値切り倒した後、更に番頭を計略に嵌めてしまうんですね。
その手法については実際に落語をお聞き下さい。
番頭はどこかおかしいとソロバン片手に計算しますが、
徳さんに畳み掛けられ、パニック状態に陥ってしまいます。
可哀想…。
有名なネタなので色んな人がやってはりますが、
個人的には桂都丸の壺算が好きです。
徳さんのイカツさと番頭のテンパり具合が絶妙。
番頭が泣きながら
「ポンポン云いなはんな!」
ってキレるシーンが好き。
□猿後家/桂文枝
■五代目桂文枝(九)(VICTOR)[CD]より
ある大店に猿そっくりの後家さんがいて、
その人の前では猿と云う言葉が禁句になっています。
うっかり口を滑らせようもんなら逆鱗に触れ出入り差し止め。
そのかわりうまくおだてれば、鰻に酒を奢ってもらえる上、
金銭まで面倒みてくれたりするんですね。
正にもろ刃の剣。
いつもはちゃっかり小遣いをせしめている太兵衛と云う男、
この日は奈良見物の土産話をベラベラ喋り、
"猿沢の池"と口を滑らせてしまいます。後家はんババ怒り。
何とか誤魔化そうと必死になるのですが…。
桂文枝の演じる後家さんは凄みがあります。
自分の美貌に執念を燃やす年増女の怖さが滲み出てます。
このネタ、東京でも演じられているんですが、
"猿沢の池"じゃ認知度が低いせいか、
「浅草で見かけた"猿回し"」に設定が変更になっています。
□代書(屋)/桂枝雀
■枝雀落語大全第三十五集(東芝EMI)[CD]より
代書屋は色んな人がやってるネタですが、
桂枝雀のんが飛び抜けて面白いです。
この演目、やる人によって主人公の名前が異なり、
河合浅次郎(春團治)や田中彦次郎(米朝)などがあります。
調べてみたら、原作は米朝の師匠の桂米團治で
その時の名前は太田藤助なんだそうです。へー。
で、枝雀は松本留五郎。
字の読み書きのできないこの男が
履歴書を書いてもらいに代書屋にやってくるんですけど、
こいつのボケっぷりが半端じゃないんですよ。
一番笑ったのは「生年月日、云うてもらえますか?」と云われ、
大声で「せーねんがっぴっ!」と叫ぶシーン。
「そうじゃなくて、生年月日を、云うてもらえますか?」と云われ、
また大声で「せーねんがっぴ、を!」と叫ぶ。
この手の笑いは枝雀じゃないと無理ですね。
尚、枝雀の代書屋はヴァージョンによって留五郎の職業が違います。
おそらく最初は原作通りの"ガタロ"だったんでしょうけど、
わかりやすくする為に"ポン菓子屋"に変えたんだと思います。
個人的には「ガタロ商を営む。」の方が好きです。
□盆唄/桂文我
■桂文我上方落語選【其の一】(燃焼社)[CD]より
桂文我は落語の研究者としても有名で、
誰もやらなくなったネタの発掘にも力を入れています。
上方落語は中身の江戸落語と比べてアホくさいネタが多いけど、
中にはしんみりと良い噺もあるんですよね。
この「盆唄」が正にそれ。物語がドラマティックです。
ある子供のいない夫婦のところに幼い女の子が迷い込んできます。
どこから来たのか訊ねてもわからない。
夫婦は神様から授かった子だと考えて二人で育てる事にしました。
女の子は無口だけどすっかりなつき、幸せな日々を送っておりました。
半年以上経ったその年のお盆――。
女の子は近所の子供と一緒に遠国(おんごく)に出掛けます。
遠国とはお盆の夜に子供たちが列を作って、
歌いながら町を練り歩く行事なんだそうです。
♪おんごくナハハ、ナハハやおんごく、ナハよいよい
すると、その女の子が急にみんなと違う歌詞を歌い始めました。
♪玉江橋から天王寺が見える…。
遠国の唄は町内毎で歌詞が違っていて、
女の子は昔住んでいた町の歌詞を覚えていたのです。
夫婦は別れの覚悟をして、
女の子の家を探しに出掛けるのでした。
落語とは思えないストーリーでしょ。
□踊るファックス/立川志の輔
■志の輔らくごBOX(COLUMBIA)[CD]より
立川志の輔の創作落語。無茶苦茶面白いです。
清水義範の「ファクシミリ大乱戦」が下敷きになってるそうな。
元の小説を読んだ事がないのでどこからが創作かはわかりません。
クリスマスセールのチラシコピーで頭を悩ませている薬局に
間違いファックスが流れてきます。
「この薬さえ飲めばあなたともこの世ともさようなら。」
店主はご丁寧に「あなたは間違ってFAXしました。」と返信。
すると女から「あなた見たのね。覗き見なんて最低よ。」。
こうして、壮絶なファックス合戦の火ぶたが切って落とされたのです。
題材だけではなく、笑いの質も現代的で、落語と云うより一人芝居。
ネットで調べると、季節によって、設定が正月になったりするみたい。
あー、色んなヴァージョンを聞いてみたい。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
2008/01/27
CD&DVDで楽しむ落語 その2
落語のソフトのラインナップを見ると
やはり江戸落語の方が充実してますね。
上方落語はホントの有名ドコロ中心で
中堅落語家のソフトが非常に薄い。
これは関西のお笑いを牛耳る吉本興業が
落語を軽視してる影響もあるんでしょうね。
□小言幸兵衛/桂南光
■南光落語ライヴ9(東芝EMI)[CD]より
元々は江戸落語らしいです。
上方では「借家借り」の題で演じられる事が多いとか。
偏屈な家主の幸兵衛が空き家を借りにきた人に
あれこれ文句をつけて断りまくると云う噺。
幸兵衛のいちゃもんは限度を越えていて、
誇大妄想狂のレベル。
南光の後半の畳み掛けがパワフルです。
彼の落語は言葉もキャラ設定も分かり易い。
□牛の丸薬/桂米朝
■桂米朝上方落語大全集第四期 (東芝EMI)[CD]より
昔、大和炬燵と云う土でできた暖房器具があったんだそうです。
土製なので雨に濡れるとぐちゃぐちゃになってしまいます。
主人公の男はそれを丸めて土の団子をこしらえ、
牛の丸薬だと云って村人に高値で買わせるのです。
大儲けしてめでたしめでたし、ってヒドい噺なんですが、
善悪を棚上げすれば、手口が巧妙で実に痛快です。
□さくらんぼ/桂雀々
■落語のひろばその7(東芝EMI)[CD]より
江戸落語の「あたま山」。
全ての落語の中で最も不条理なネタだと思います。
雀々は枝雀直伝の「ほたら何かい。」で切り出します。
この冒頭の省略が実に効果的。
「ほたら何かい、頭から桜の樹が生えたんやて?」
これで一気に観客はこの世界に引き込まれる訳ですね。
やがて桜はすくすくと育ち、花を咲かせます。
人々はこの男の頭の上に集まってどんちゃん騒ぎをし始める…。
一体どんな設定やねん。
噺は更に突拍子もない方向へと進み、衝撃の結末に。
この支離滅裂な噺が古典落語だと云うんだから驚きです。
□貧乏神/桂枝雀
■桂枝雀落語大全第八集(東芝EMI)[DVD]より
小佐田定雄の新作落語。
ぐうたらな男がどうにもこうにも行き詰まり死のうとします。
そこへ登場するのが取り憑いていた貧乏神。
「死なれると死神の管轄になってしまうので困る。」
「そしたら他のヤツに取り憑いたらエエやないか。」
「簡単に云うけど、僕は貧乏神仲間の中でも頼んない方やねん。
お前くらいがちょうどええねん。」
って事で、死神が内職して男を支える、
奇妙な共同生活が始まったのでした。
何とも人間臭い気の弱い死神でしょ。
枝雀じゃないと演じられない気がします。
□茶の湯/柳家小三治
■名作独演会DISC6(SONY)[CD]より
江戸落語は殆ど聞いていないんですが、小三治は別格。
高校時代、FMで聞いたのが初めてだったと思います。
当時は東京弁に対するアレルギーが強かった筈なのに、
小三治だけはカッコイイと思いました。
今でもそのイメージは変わりません。
小三治と云えば「子別れ」とか「薮入り」など
シリアスな落語も素晴らしいですが、
ここは馬鹿馬鹿しいところで「茶の湯」をば。
無趣味のご隠居さんが風流人を気取ってお茶を始めます。
ところがみようみまねでやるもんだから、
正に無茶苦茶なんですね。
青黄粉(あおぎなこ)で緑に着色し、
泡が立たないからと椋の皮(むくのかわ)を煮立てる。
この椋の皮って云うのは昔の石鹸みたいならしい。
そしたら泡が立つわ立つわ(笑)。
それを吹いて隙間から青黄粉の汁を飲む。
付き合わされた小僧ともどもお腹を壊して寝込んでしまう。
それに懲りず、今度は知り合いを招いて
茶の湯を催す訳ですが…。
ストーリーも面白いし、小三治の演じるご隠居さんも絶妙。
重たい人情噺は心の準備が必要ですけど、
こう云う他愛ない噺は気楽に楽しめるので好きですね。
今回はこの辺で。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
CD&DVDで楽しむ落語 その1
落語は寄席が生を観るのが一番だとは思いますが、
CDやDVDで何度も楽しむのもありでしょう。
その辺は音楽とも共通してる気がします。
クリック買いした落語のCDやDVDが溜まってきたので
思いつくままに好きなソフトを取り上げていこうと云う企画です。
関西人なので上方落語中心になりますが、ご容赦下さい。
□けんげしゃ茶屋/桂米朝
■特選!!米朝落語全集 第十三集(東芝EMI)[DVD]より
「けんげしゃ」とはゲンを気にする人の事だそうです。
家族揃ってけんげしゃの茶屋がありまして、
そこにいちびりの旦さんがやってきて、
正月早々縁起の悪い事をしまくると云う噺です。
出てきたおせち料理にいちいち変な意味をつけたり、
友達に葬礼の行列の恰好で越させたり、
お茶屋の一家を翻弄しまくります。
そこへ何も知らない幇間(太鼓持ち)が
「おめでとうございます。」と入ってきて、
しくじってしまう、と云う話の流れですが、
面白いのは旦那の巧みな"反"縁起担ぎ。
子孫繁栄を表す数の子を貧乏人の子沢山と揶揄し、
ニシンの昆布巻きを死人の棺巻きと聞き違える。
結構登場人物が多いんですけど、
米朝は見事にキャラクタを演じ分けています。
旦那の悪ふざけにうろたえる茶屋の夫婦と
ヒステリックになる娘芸者の反応の違いが面白い。
□遊山船/桂雀三郎
■雀三郎の落語その5(東芝EMI)[CD]より
大川の夕涼みにきた喜六と清八。
橋の上から大川を行き交う屋形船を見て、
喜六はいきなりオオボケをかまします。
「上流で大水があったんかいな?ぎょうさん家が流れてきてる。」
「あほか、これが大屋形やがな。」
「おおやかた、って、こないだ清やんが金借りに行った…。」
「それは親方や。いらんとこで恥じ掻かすな。」
モノを知らん喜六がボケまくり、
清八が色々教えながらツッコミを入れる。
付け足し程度の展開はあるものの、
メインは二人のやりとりを楽しむだけの噺。
個人的に雀三郎の演じるアホで憎めない喜六が大好きです。
特に"舞妓の振袖に南京豆を入れたら食いにくい"のやりとりは
何度聞いても笑ってしまいます。
って云うか、この部分を聞く為にだけこの噺を聞いてるかも。
□幽霊の辻(ゆうれんのつじ)/桂枝雀
■桂枝雀落語大全第十八集(東芝EMI)[DVD]
小佐田定雄作の創作落語。
その日の内に堀越村まで手紙を届けなければならない男が
峠の茶屋でお婆ンに道を聞きます。
するとお婆ンは麓に見える池を指差して説明してくれるんですが…。
「ここから見えるあの池が水子池と云うんじゃ。
子供が生まれてすぐ死んだり、死んで生まれたりしても
貧しい村じゃで、弔いをする余裕なんてありゃせんのじゃ。
みんな人知れずこの池に沈めたんじゃそうな。
日が暮れになると赤ん坊の泣き声が聞こえたり、
小さい子供が池で遊んでると引き摺り込まれたりするとか…。
一本道じゃからその池の横を通らんといかん。」
「何でわざわざそんな話するねん!
で、水子池を過ぎたらすぐに堀越村かい。」
「ええ、そのむこうの森に首なし地蔵さんがあって…。」
お婆ンは首なし地蔵のいわれを延々と話し、
更に父追橋、幽霊の辻とみちすがらの心霊スポットを
片っ端から説明していくのでした。
すっかり恐怖モードになってしまった男が
提灯片手に怯えながら堀越村に向かっていく、と云う噺。
創作モノだけにストーリーはよくできています。
後半の恐怖に怯えながら森の中を進む男の姿を
枝雀はリアルに演じています。
大人になっても、夜道を一人で歩いてる時、
怖いと思ったら、怖いもん。
□掛取り/桂小米朝
■桂小米朝落語の世界4(東芝EMI)[CD]より
掛取りとは商人が売掛金の回収をする事、転じて回収人の事。
昔は味噌や醤油でもツケで買えてたんだそうで、
支払いは節季毎にまとめて支払えばよかったらしい。
しかし、毎月のクレジットカードでさえ予想外にかさんだりするのに、
節季毎となると支払えなくなる事も多かったんでしょう。
まあ、昔はのんびりしてたので、払えなければ次の節季に、
となる訳ですが、さすがに大晦日は集金する方も必死です。
一年の残高を客の家まで集めに回る事になります。
客の方も次々押し掛けてくる掛取りをあの手この手で追い払う、
とまあ、この鬩ぎ合いを面白可笑しく描いたのが落語「掛取り」です。
主人公の男とその奥さん、今年も沢山の買掛金を抱えてます。
去年の大晦日は死んだふりをして逃れたけど、同じ手は使えない。
で、掛取りの趣味に合わせた言い訳をして、
気分よくして返す作戦に出ます。
芝居好きには芝居の真似事で対処し、
相撲好きには相撲取りの駄洒落で誤魔化したりします。
ここで落語家それぞれのオリジナリティが出てくる訳ですが、
桂小米朝はクラシック音楽で駄洒落責めをするんですね。
バッハやワーグナーやベートーベンなどの有名どころだけでなく、
ヤナーチェクやクセナキスまで出てくるので、
どれだけのお客さんが理解出来てるのか不安になります(笑)。
あとキダタローはクラシックの作曲家ではないと思いますが、
ま、浪花のモーツアルトって事でOKですか。
□天災/桂吉朝
■特選吉朝庵(東芝EMI)[DVD]より
落語でひいひい笑ったのはこれが初めてです。
「つる」や「子褒め」や「質屋蔵」の定吉などと同じく、
アホが伝言ミスをして訳の分からん話をするパターンなんですけど、
「天災」に関しては喧嘩っ早い主人公が心学者のところで諭された話を
見識者ぶって友達に話す、その雰囲気が堪らなく可笑しいのです。
今回はこの辺で。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
2007/11/04
朝から小三治
早朝から小三治のDVDマラソン。
普段は上方落語しか聞いてないんですが、小三治は別格。
高校の頃から好きでした。
発売が遅れに遅れたこのDVD全集、
内容的に大満足でありました。
好きなネタは「芝浜」「御神酒徳利」「死神」。
一方、嫌いなネタは「もう半分」。
小三治の落語に出てくる女性は気がきついので、
聞いててムカムカしてしまうんですよね。
ま、それだけ凄いって事なんですけど。
思うに、江戸の粋って演者にオーラがないと
単に粋がってるだけに見えてしまいます。
関西人はイキリに対して生理的に反感を覚えるので
江戸落語がなかなか受け入れられないのではないかと。
調べてみたら小三治のCDがまた発売されてました。
これも買わないと…。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
2007/07/20
落語語
「落語のサゲに出てくる言葉の意味がわからず、
打てば響く笑いにならない事がある。」
って話を前に書きました。(参照)
でも、サゲだけに限らず、
落語に出てくる言葉はかなり骨董品なので
調べないとわからないモノが沢山あります。
そこで思いつくままに並べてみました。
あなたはどれだけわかりますか?
------------------ 8< ------------------
すきなおしや
いけあらいや
とうざいや
らおしかえや
いかけや
いかきや
くちいりや
ほうかん
りんき
こしょう
にわか
くちあい
そうれん
ゆうれん
さらさのふろしき
ひしおぜのちゃぶくさ
しゅすのおび
いかりのもよう
へっつい
じゅうのう
つじうらけんとく
ぱいらいふ
あんけらそ
けんげしゃ
しまつ
やなぎかげ
はんすけ
こなから
しょうき
せんこうをくべる
きびしょつき
みうけ
おやま
ふんしのええめんた
おうこ
げんのう
おちゃとぉもてこぉ、まっこぉくすべぇ
ほしか
くうくうじゃくじゃく
きんきんもうもう
うすみっちゃ
ざんない
せんき
しゃく
かけとり
せっき
おこも
きしょう
かいろうどうけつのちぎり
がたろ
みそをつける
あんけんさつ
きょろんけつ
ごねる
------------------ 8< ------------------
さて、いくつわかりました?
落語ファン以外で1/3わかった人凄いと思います。
答えはまた気が向いた時に…(放置プレイ)。
この中で面白いのは「こなから」。
一升の半分が「なから」でその半分が「こなから」。
お酒ならほろ酔い気分になる丁度の量なので
お店の名前に使ってるところもあります。
ま、本来はこれだけの意味なんですけど、
更に落語では別の意味で使われてます。
一升の半分の半分、つまり2合半で、二号はん。
関東で「おめかけさん」、関西で「おてかけはん」を指します。
目をかけるか、手をかけるかの違いですが、どちらも愛人の事。
駄洒落だけどよく出来てます。
最近は日本語が乱れていると云われますが、
生きてる言語は変化して当たり前ですよね。
100年くらい経ったら、これだけわからない言葉が出来てくる。
それは今も昔も変わらない気がします。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
2007/04/21
難しいサゲ
久々に落語ネタです。
尚、今回は落語のサゲの事を書いてますので、
ネタばれが嫌な方は読まないで下さい。
-------------- 8< --------------
落語の舞台は江戸時代のモノが多くて、
出てくる言葉がわからない時があります。
些細な部分ならそのまま聴き流しても問題ないですけど、
それが噺のキモの部分だったり、
はたまたサゲにかかわる部分だったりすると、
大事なところで笑えない羽目になったりするから難儀です。
例えば「地獄八景亡者戯」のサゲ。
閻魔の"大王"と下し薬の"大黄"の駄洒落で終わります。
「きっとそう云う事なんだろうな。」とはわかっても
打てば響く笑いには繋がりません。
米朝や文我などは噺の途中でさりげなく説明を入れて
聴き手わからせる工夫をしていますが、
腕がないとわざとらしくなってしまうかもしれません。
いっその事、枝雀の様にサゲを変えてしまった方が
すっきりわかりやすくていいのかも。
一時間もあるネタの最後がしっくりこないのは、ねぇ。
「稽古屋」のサゲも難しいです。
踊りの稽古に来たアホがお師匠はんに
「色事が巧くいく踊りの稽古つけてくれ。」と云ったら、
「そんなもん教えられへん。」と一蹴される。
「なんでですねん?」
「色は指南のほかって云いますやろ。」
これがサゲ。
…恥ずかしながら私、ネットで調べてやっとわかりました。
「色は思案のほか」と云う言葉があるんだそうな。
「男女間の恋情というものは常識の枠外だ。」って意味。
なるほどねぇ。
「軒付け」は村の若いモンが下手な浄瑠璃を聞いて貰おうと
他人の家の前で語っては追い返され語っては追い返されする噺。
結局は耳の遠いおばあさんの家に上がって語らせてもらう。
おばあさんは味噌でお茶漬けをすすりながら、
「結構な浄瑠璃やの。」
「耳、遠いのにわかってんのかいな。」と若いモンが云うと、
「さいぜんから味噌の味がちっとも変わらん。」
下手な歌を唄うと味噌が腐ると云う迷信を知らないと笑えません。
「延陽伯」は宮仕えしていた女性を嫁さんに貰った男が
その言葉の難しさに四苦八苦する噺ですけど、
そのサゲの言葉の難しさに聴き手も四苦八苦します。
嫁さんが男を朝飯の卓に促すシーン。
あーら我が君、あーら我が君。(中略) うがい手水に身を清め、
神前仏前に御灯をあげられ、朝餉の膳につき給うべし。恐惶謹言。」
すると男が答えて、
「飯を食うのが恐惶謹言なら、酒を呑むのは
酔って件(くだん)の如し、か。」
むむむ。こいつもちんぷんかんぷんですわ。
「恐惶謹言」も「依って件の如し」も
改まった手紙を書く時に使われた言葉なんだとか。
学校でも教えて貰ってないですがな。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
2007/03/11
できちゃった。
昨晩、やっと天満天神繁昌亭に行ってきました。
プログラムは「できちゃった落語」。
桂あやめ、桂三風、月亭遊方、桂三金、
笑福亭たま、旭堂南湖のメンバーで続けてる
新作落語の会です。
新作も新作、全てがネタおろしと云う条件なので、
正真正銘のライヴな寄席。
新鮮なネタにリスキーさが相俟って心地よい緊張感を生む。
出番もじゃんけんで決定。
それぞれのネタについては書いていいのかどうか
わからないのでここでは割愛します。
タイトルも仮のモノだったので今後変わるかもしれないので
書いても仕方ないかな?
昨日かけたネタが今後育っていくかどうか見守りたいですね。
中にはラストトークで既に「ボツにする。」と云ってた人もいましたが(笑)。
で、ウマく育った場合は「そだっちゃったらくご」って会で報告するんだそうで。
よく考えられた面白い流れですね。
とても楽しい会でした。
今後は繁昌亭でレイトショー9:00スタートで演るそうです。
先に食事を済ませて行きたい人とか
仕事終わりの遅い人なんかは丁度いいかも。
繁昌亭の器は本当に落語向きに出来てました。
きっと落語家の方も演りやすいんだと思いますが、
観てる方も笑いやすい雰囲気がありました。
また行きたいです。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
2007/02/25
フリー落語【舞台版】
2月25日、
「地獄八景浮世百景」の
大阪公演に行ってきました。
松尾貴史×G2×東野ひろあき、
このタッグでの落語演劇第二弾です。
前作の「地獄八景亡者戯」は
割と忠実にネタを舞台化しておりましたが、
今回は様々な落語がパッチワーク状態で
様々なネタが組み合わされてました。
私が気が付いたネタを列記すると、
天狗さばき
住吉駕籠
地獄八景亡者戯
ふたなり
鴻池の犬
道具屋
千両みかん
不動坊
テームズ河(小噺)
駱駝
高津の富
はてなの茶碗
崇徳院
猫の忠信
親子茶屋
たちぎれ線香
遊山船
鷺とり
寝床
三枚起請
どうらんの幸助
算段の平兵衛
皿屋敷
ぞろぞろ
壷算
あらすじだけではなく、ちょっとした引用も含めてます。
きっとまだまだ隠れてそうです。
パンフレットに書いてある「米揚げ笊」「貧乏花見」
「いもりの黒焼き」はどこに入ってたのかわかりませんでした。
DVDも買って、何度も観そうな予感…。
あらすじがアチコチ脱線するので、舞台展開も目まぐるしい。
にも関わらず、全体の流れがわかりやすく、スピード感がありました。
さすがG2。
出演者は下記の通りです。
佐藤アツヒロ、高橋由美子、山内圭哉、松永玲子、小松利昌、
出口結美子、桂吉坊、市川笑也、桂吉弥、升毅、松尾貴史
佐藤アツヒロの関西弁がちょっと気になりましたが、
世間知らずで一途な若旦那の役柄にぴったりでした。
それから高橋由美子も見事な演技でした。
時に妖艶に、時にひょうきんに、小糸のキャラを演じてました。
桂吉弥、桂吉坊も江戸時代の雰囲気が板についてましたよ。
お客さんは老若男女が入り混じって満員状態でした。
おそらく8~9割が演劇ファン、アガペファン、G2ファンでしょう。
落語ファンはあんまりいないだろうと思われます。
純粋な演劇として観てる人と落語の元ネタが分かってる人とでは
笑いのポイントがずれますね。
間口が広く、奥が浅そうで深い、ユニークな舞台でありました。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
2006/12/30
二升五合亭
大阪の天満天神繁昌亭がなかなか盛況なようですね。
名古屋からだとちょっと行けないので
ネット配信のライヴ繁昌亭で昼の部を楽しんでおります。
月額1000円で365日落語を聞けるのは
なかなかリーズナブルだと思います。
ただこれは落語家さんにとってはなかなかつらいシステムですね。
落語家さんの出演はだいたい週替わりです。
寄席に来るお客さんの場合は殆ど毎日入れ替わるから、
毎日同じネタ、同じマクラでも構わないでしょう。
でも、ネット配信の場合は同じ人が毎日見てる。
下手すると、
「また今日も同じマクラ云うてるわ。」
「一週間、時うどんかいな。」
と思われてしまう。
こりゃ、大変だ。
昼席は若手から中堅の落語家の出演が多く、
力量の差はかなり顕著ですけど、見てて面白いです。
そのうち、リアル繁昌亭にも行かなければ。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
2006/12/07
やっぱり買ってもた。
我慢できませんでした。
結局、枝雀のDVD全40巻、
揃ってしまいました。
前に米朝を揃えた時には
こんな偉そうな事を書いてます。
-------- 8< --------
確か高校の頃は
米朝よりも枝雀が好きでした。
登場人物が漫画の様に
デフォルメされた枝雀の落語の方が
イキイキしててわかりやすかったからです。
でも、肉より魚が好きな歳になって聞き比べると、
馬鹿阿呆を演じ切ってドタバタ盛り上げるよりも
若干の客観性をキープしながらアイロニカルに
登場人物を描いている方が粋に思えます。
-------- 8< --------
その時はそう思ったんですから、まあ別にいいんですが、
ここ数ヶ月の間、米朝をかなり聴いた後に枝雀を聴くと、
これまた違った見方になってきた訳です。
伝統の型を知った上で型を壊す面白みとでもいいますか。
ジャズに喩えると(この喩えが人に伝わるとは思えないけど)、
スタンダードの元歌も知らないリスナーが
捏ね繰り回したアレンジを聴いても面白さはわからない。
また、元歌も知らないプレイヤーが
捏ね繰り回したアレンジで演奏しても意味がない。
まだ三分の一くらいしか聴いてないので、こんな事を考えてますが、
全部聴き終わったら、また云う事が変わってるかもしれません。
ま、とにかくゆっくり楽しみたいと思います。
| 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)
2006/11/27
えぴす寄席
11月27日、大阪天神橋筋3丁目にある
楽食酒家epiceってお店に行ってきました。
ここは酒と料理とロックのお店なんですが、
年に何回か寄席をやっているみたいです。
今回は桂三風さんと月亭遊方が出るので
聞きに行ってまいりました。
20人も入れば一杯になるお店で
テーブルの上に高座を作っての落語会。
いいですねー。
ロックの出囃子も新鮮でした。
いつもは創作と古典を一本づつやるらしいんですが、
今回は二人とも創作落語。
遊方はできたばっかりのネタ(二回目らしい。)を、
三風さんはかなりやりこんだネタをやりました。
創作落語がブラッシュアップされていく過程を見る様で
面白かったですよ。
ワインで云えば、ヌーヴォと年代物みたいなモンでしょうか。
高座の後、噺家さんと話ができるのも
小規模な落語会ならでは、ですね。
もっとゆっくり話したかったけど、
新幹線の終電が気になって、
早めに切り上げてしまいました。
最近、関西比率が高いなぁ…。
電車賃、大変です。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
2006/11/11
米朝落語で二週間
二週間ほど前に買った米朝のCD全集を
とりあえず全部聞き終わりました。
一枚あたり2~3席収録されているので
100以上の話を一気に聞き切った事になります。
自分にお疲れ様でした。
それで思った事を幾つか…。
今まで米朝の落語は円熟期に入ってからのものしか
ちゃんと聞いた事がなかったので
全盛期の米朝にあんな迫力とスピード感があるとは
思ってもみませんでした。
それでいて芸としての凛とした風格が既にあるのです。
やっぱり凄いですね。
枕で同じ話が多いのがちょっと気になりましたが。
「あれ?この話さっき聞いたぞ?」と、
最初はCDの重複かと思いましたよ。
こんな素晴らしい音源が昔LPで出て以来、
一度もCD化されていなかったのは不思議です。
でも、ひょっとしたらネタの中に出てくる差別用語が
再発を遅らせた原因の一つかもしれません。
当時の感覚では普通に使われていた
障害者の蔑称が頻繁に出てきます。
決して米朝に悪意があった訳ではなく、
あくまでも当時の世相の表われなんですが、
聞いててドキッとしますね。
ま、そんな事も含めて、貴重な歴史的資料ですわ。
んでもって、今のところ、私の好きな噺は
「天狗裁き」「たちぎれ線香」「らくだ」「次の御用日」
「壺算」「算段の平兵衛」とまあ、この辺です。
有名どころが多いですね。
ま、何度も聞いてるうちに好みが変わってくるでしょう。
それもまた楽しみです。
さて、今出てる米朝DVD、CDは一通り買ったので、
次はどうしようかと思案していた時、
京都の呑み屋で遇ったお坊さんの言葉を思い出しました。
「やっぱり仁鶴を聞かんとあかんで。」
そのありがたい言葉に導かれて、
今度はこんなものを買ってしまいました。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
2006/10/27
2006/10/08
月亭遊方 二十周年独演会
昨日、月亭遊方の芸能活動二十周年記念独演会
「グローリアス遊方」に行ってきました。
その前に、せっかく難波に繰り出すと云う事で
一芳亭の本店へ行ってきました。
五時から焼売でビール。
たまりませんなー。
口でとろけるふわふわのタネに独特の皮。
やっぱり美味しいわ。
他に定番の豚天、海老天も当然頼みました。
昨日は三人だったので更にから揚げも。
凄い迫力です。
見た目の通り皮はパリパリです。
衣とかをつけず、素揚げにしただけのシンプルさ。
前に作り方を見てたら二度揚げしておりました。
(本店じゃなくて福島のお店の古い店舗の頃)
身はややジューシーさを失ってるので
皮の香ばしさで食べる料理だと思います。
唐揚げではなく空揚げと書いた方がいいかも。
さて、お腹も一杯になったところでいざワッハ上方へ。
お客さんの入りはなかなかでした。
ココは初めてでしたけど、広くて綺麗な寄席小屋でした。
でも、逆にその広さゆえか落ち着いた空気になり、
遊方は場の空気を暖めるのに苦労してたみたいです。
カジュアルラクゴを信条とする遊方だけに
古風な落語会と云うよりエンターテイメントショーって感じで、
ネタは全てオリジナルでした。
■虚礼困惑騒動
■戦え!サンダーマン
■ベガーズ・バンケット
の3席。
中でも面白かったのが、ベガーズ・バンケット。
ネタおろしとは思えない、出色の出来でした。
落語を聞いていると云うより、ドラマを見てる気がしてきた。
ホームレスを題材にしたお話なんですけど、
弱者を笑うのではなく、ポジティヴで明るい話に仕上げて、
質の高い笑いに繋げてました。
あ、笑ってると云うより、ずっと微笑んでたかもしれない。
是非今後も続けていって欲しいネタでした。
また、落語会にもかかわらず、
司会をABCの三代澤アナウンサーが務め、
途中、二十周年を語る対談もありました。
この中で遊方は凄くイイ事を云ってたんですよねー。
「作り話よりも現実の方が面白い。
こっちがいつでも笑える状況を作っておけば
面白いことにどんどん遭遇する。
逆にこっちが凹んでたりすると、不思議と何も起こらなくなる。」
遊方の言葉はもっと違ってたんですが
意味合いとしてはこんな感じでした。
最後になりましたが、
遊方師匠、二十周年おめでとうございます。
これからもご活躍をお祈りしております。
虚礼じゃなく心底そう思とります。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
2006/08/20
本陣寄席
滋賀県の史跡、草津宿本陣で
第一回本陣寄席が開催されたので
友達と行ってきました。
会場となった草津宿本陣は
素晴らしい佇まいの建造物でした。
夕暮れ時、三々五々集まってくる光景は
とても風情があっていいですね。
ただ、建物にクーラーはなく、
団扇を止めると汗が吹き出る暑さ。
納涼企画と云うより、耐暑企画でした(笑)。
ま、それだけに落語はホットでしたよー。
出演は、桂三風、月亭遊方、桂ひろばのお三方。
古典あり、創作ありと、幅広い演目で
それぞれの噺家さんの個性が出ていました。
失礼ながら、三風さんの落語を初めてだったんですが、
登場人物の演じ分けが見事で素晴らしかったです。
大笑いさせていただきました。
月亭遊方とは中学時代の同級生って事もあって、
その後、三人の噺家さんと我々とで打ち上げに行きました。
全然知らない世界の話が聞けて、無茶苦茶楽しかったです。
何よりも生きるパワーの違いを感じましたよ。
「うーん、俺って今、惰性で生きてるな…。」って痛感。
三風さんと遊方の独演会のチケットも買ったし、
イヴェント情報も聞いたし、
しばらくは落語の世界に嵌ってみようと思います。
| 固定リンク | コメント (6) | トラックバック (0)
2006/08/09
地獄八景亡者戯
「じごくばっけいもうじゃのたわむれ」と読みます。
「はっけい」ではなく濁るのだそうです。
ちょっと前から第二期マイ落語ブームが始まったんですが、
一番嵌ってるのがこのネタです。
一時間を越える上方落語きっての大ネタで、
米朝のDVDでは終わって立ち上がる時よろけてたり、
枝雀のDVDは途中で休憩が入ったりしてます。
タイトルも大仰だし、米朝の十八番と聞けば、
よっぱど凄い物語なのだろうと身構えますが、内容は実に他愛ない。
吉朝のCDでは枕で
「長い話なので余分な部分を削ろうとしたら何も残らなかった。」
と云っていますが、正にその通り。
地獄への珍道中をオムニバス風に描いた噺なので
起承転結も何もあったもんじゃありません。
鯖にアタって死にながらも食い残しを悔やんでるヤツとか、
道楽を極めて酔狂で地獄ツアーに来た若旦那一行とか、
生前のケッタイな悪行が祟って地獄に来た連中とか、
一癖も二癖もある連中が繰り広げるドタバタ劇です。
普段米朝は「あいも変わらず古いお噺を…」で始まり
社会や貨幣の変化で古い噺は演りにくくなったと嘆きつつも
できるだけ江戸や明治の世界観を崩さない様にしてはります。
でも、地獄八景については時事ネタを織り込む形を取ってはります。
何でも米朝が若い頃、文の家かしくにこのネタを教わった時、
余りに古臭く時代にそぐわなくなってて、誰もやらなくなっていたのを
時事ネタを入れる事によって蘇らせたのだそうです。。
今ではこの米朝のヴァージョンが下敷きになり、
色んな噺家が趣向を凝らして時事ネタオンパレードに仕上げてます。
だから聴きくらべてみると楽しい。
本家本元の米朝のDVDは平成2年収録なので、ネタも比較的新しい。
人間国宝の落語の中にUSJの話題とかが出てくるのは新鮮です。
同じ米朝でも1968年に収録したCDを聴くと、
殆ど流れや節回しは変わっていませんが、
時事ネタは当時のモノでした。
キャバレー、トルコ、コールガールなんて言葉が出てきます。
この時事ネタに一番リキが入ってるのは文珍です。
創作落語はお家芸だし、ニュース番組の司会とかもしてるしで、
水を得た魚の様にネタを連発してます。
あ、魚がネタを連発してるのは見た事ありませんが…。
平成14年収録のCDゆえ、政治ネタも新しいです。
これが評価されて同年の大阪舞台芸術大賞を受賞したとか。
でもちょっと下世話で悪乗り気味に感じるのは、
文珍のキャラに対する個人的な先入観が原因かな?
って事でこの噺は時事ネタでいつも新鮮…、と思いきや、
サゲが時代遅れのままなのでした。
詳しく書くとネタバラシになるので割愛しますが、
説明がなければ今では誰もわからないです。
で、枝雀のDVDではこのサゲを差し替えてます。
誰にでもわかる明快なサゲなんですけど、
これを採用してる人は他にいるのかなぁ?
最後に毛色の違うところで
演劇による地獄八景を紹介します。
松尾貴史主催のアガペでの舞台。
米朝の落語をベースにしながらも
大胆な現代劇に作り変えています。
随所にギャグが散りばめられ、
てんやわんやの展開になっています。
絶対に元ネタを知っておいた方が
楽しめると思います。
「その道中の陰気なこと。」
このフレーズだけでもニヤニヤ。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
2006/07/19
俄か落語ファン
ちょっと前のドラマ「タイガー&ドラゴン」が火付け役になって
世間でも静かなブームが起こってるらしい。
この静かなブームって言葉、昔から理解できなかったんですが、
「落語」「ブーム」でググると、35万件ほどヒットするので、
これくらいが静かなブームの目安と考えられます。
いきなり話は逸れましたが、今、落語に嵌っています。
俄かファンである事には違いないんですけど、
高校の頃だったか、友達の影響もあって、
「古典落語/興津要(講談社文庫)」を読んだり、
FMでエアチェック(懐かしい)したりして、
落語に嵌りかけた時期がありました。
枝雀の「植木屋娘」はテープで何十回も聞いて、
完コピできる様になったり、
オリジナルで短い落語を作ったり、
そこそこ熱くなってたのかもしれません。
ま、そんなこんなで人生二度目のマイブームは
独身キ族の酔狂に任せて、ソフトを一気に大人買い。
柳家小三治CD全集!(2シリーズ計24枚組)
桂米朝DVD全集!(全30巻)
これらを僅か半月の間で全部鑑賞したので、
洗脳度はかなり高いです。
でも、江戸や明治の文化に根ざした古典落語は
現代には通じないネタがだらけになってしまってるようです。
言葉や文化や習慣や、様々なモノが変わりすぎて
サゲわからなくなってしまった落語も沢山あります。
貨幣価値の変化も悩みの種らしい。
米朝はいつも「あいかわらず古い噺を…」で落語を始め、
その噺に必要な情報を枕でさりげなく触れるなどして、
聞き手の理解を深める工夫をしてはります。
さすがです。
確か高校の頃は米朝よりも枝雀が好きでした。
登場人物が漫画の様にデフォルメされた枝雀の落語の方が
イキイキしててわかりやすかったからです。
でも、肉より魚が好きな歳になって聞き比べると、
馬鹿阿呆を演じ切ってドタバタ盛り上げるよりも
若干の客観性をキープしながら
アイロニカルに登場人物を描いている方が粋に思えます。
昔覚えた「植木屋娘」は米朝も枝雀もDVDになってるので
聞き比べてみるとなかなか面白いです。
酒とあてを用意して、
週末は自宅寄席。
我が家に米朝がやってくる。
あの世から枝雀もやってくる。
あー極楽極楽。
【今夜のあて】
肉じゃが
ポテトサラダ
鮭の酒浸し
いかなごの釘煮
人参の浅漬け
九条葱のぬた
| 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)
最近のコメント