伊集院光ですよ、伊集院光。
私が本当にTalentがあるなぁと思うタレントの一人。
この人の頭の回転のベンチマークを取ったら
インテルのCore i7を凌ぐのではないかと思う。
で、ホームグラウンドのラジオもさることながら
文章でもかなりの才能を発揮してるんですね。
「のはなし/伊集院光(宝島社)」
2001年から5年間に渡って
携帯のメールマガジン向けに
週3回(!)配信していたエッセイを
一冊に纏めたモノ。
実際には全部で約750本もあるらしく、
今回はその中の80本を厳選して
「あ」から「ん」まで並べた、って趣向。
たしかに語り口はラジオでの喋りに似てるけど、
読み物ならではのしっかりしたプロットが
知的で落ち着いた印象を与えてます。
いい文章だなぁ…。
特に印象的だったのは「理科室」の話。
自分は化学調味料に敏感だ、って事を
グルメを気取らずに語っています。
なぜ敏感になったかと云うと―――
子供の頃、バーベキューに出掛けた折、
親父がはりきって焼きそばを作った。
しかし、最後の仕上げに味の素を振った時、
キャップが外れて一瓶分の白い粉がドサーッ。
台無し…。
いたたまれない空気が漂う中、少年時代の伊集院光は
「旨いよ!」って、一人で焼きそばをバクバク食べた。
口の中はなぜか理科室の味で一杯になった。
それ以来、化学調味料の入ったモノを口にすると、
その日の事を思い出す。
―――実に繊細な少年の気持ちが伝わってきます。
それと同時に味の素の気持ち悪いヌルつきが口に広がります。
実は私もこれに近い経験をしてるんです。
とはいえ、伊集院の様に胸がちくっとする話ではありませんが。
中学の頃、友達の家で「被害者は誰だ」ゲームをやったんですね。
どんなゲームか、大抵の人のなら知ってると思いますが、
例えばコーラの入ったコップの中に、一つだけ醤油が入ってて、
それを飲んだヤツを当てる、そんな他愛ない遊びであります。
で、私に当たったのが味の素水。
塩や醤油よりは平気だと思って、何食わぬ顔で一気に飲みしたら、
口の中から胃袋までを得体の知れない気持ち悪いベールが覆った。
すぐにトイレで吐いた。そして、家に帰って寝込んだ。
それからしばらくは何を食べても吐きそうになりました。
今でもその時の感覚が残ってて、
化学調味料の沢山入った食べ物を食べると気分が悪くなります。
嘘だと思ったら試してみて下さい。
明日から味覚が変わります。
それで好きなものが食べられなくなったって文句云われても
困りますけど…。
実は最近、これに新たに加わったトラウマ調味料があります。
たん白加水分解物です。
これは加工食品に加えられている事の多い調味料で
たん白質を主に塩酸で分解してアミノ酸を取り出したモノ。
一般スーパーでコレを単体で売ってる事はまずありません。
でも色んな食品の原材料として広く使われています。
仕事の関係でこれの溶液を嘗めてみたんですね。
妙に旨い水でした…。
思わず中学時代のあの事件を思い出してしまいました。
更にこの溶液には独特の匂いがあります。
とは云っても、不快な臭いではありません。
云うなれば、駄菓子屋の安い煎餅の匂い。
それ以来、この手の匂いにも敏感になってしまったのです。
つい先日の出来事。
私が名古屋で好きなラーメンチェーン福に行きました。
ここのラーメンは素朴な味なんですけど、
普通の醤油ラーメンタイプでもなく、支那そば系でもなく、
個性があってとても好きなのです。
無化料などのこだわりのお店ではなく、庶民的な感じ。
ラーメンライスが無茶苦茶合う。
私の中でラーメンライスに合うラーメンとしては
新潟の万人家と肩を並べて学校に行くくらいです。
で、このラーメン福、名古屋近辺で数店FC展開をしてるので、
見つけたら吸い寄せられるように、ついつい入ってしまう。
ところが、先日入った店はスープのバランスが明らかに違った…。
旨み分が濃すぎるのです。
私の中の味の素センサーとたん白加水分解物センサーが
過敏に反応し始めました。
これはマズい…。気分が悪くなる可能性がある。
私はヌルくなるのもかまわず、コップの水で薄めました。
そしたら全体の味が薄くなってしまったので、
胡椒と唐辛子を大量に加え…、
全く別物のラーメンになってしまいました(涙)。
三日後、行きつけの本店でリベンジしました。
やっぱり美味しかったです。
FC展開って味の統一も難しいんでしょうね。
P.S. この記事を寝不足&二日酔い&風邪の状態で書いてたら、
本気で気分が悪くなり一日寝込んでしまいました。
気分が冴えない時は気分の悪くなる様な事を考えないようにしましょう。
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