書籍・雑誌

November 23, 2013

お薦めしない本。

実はこの記事、下書き状態で半年以上アップしようかどうか迷ってました。
人の本を悪く書いているので気が咎める部分もあるのですが、
半年以上経って読み返しても、印象は変わっていないので、
酔った勢いでアップします。
一個人の意見として、読み飛ばしていただければ、と思います。

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飛行機での移動時間用に適当に買った本。
P1220421_r
タイトルにつられて買いましたが、結論から云うと、
殆ど学ぶものがない本でした。

最初から最後まで「写真は自由に撮ればいい。」ってスタンス。
それは良いんですけど、自由と云ってる割に意外と料簡が狭い。
自分の考えに合わないものは片っ端から否定しまくってます。

「○○について、よく尋ねられます。」と云う書き出しから、
それに答える形で持論を展開していくパターンが多いのですが、
そんな都合のいい質問をしてくる人が周りに豊富にいるのが不思議です。

あと、言葉の意味を国語辞書で調べて、それを論拠にしているのも謎。

何よりも載ってる写真に魅力を感じないので、私にはどうしようもない…。

アマゾンの評価には「目から鱗。」みたいな事が書かれているので、
私の方がズレているんだろうと思いますが…。




もう一つお薦めしない本を。
P1220418_r
まず断っておきますが、私はこの人の大ファンです。
DVDも本もCDもかなりの量を購入しています。
その中でもこれはかなりぷぅな内容の本です。
第一、本人が殆ど書いていない。
大半が、がいしゅつ(なぜか変換できない)のネタの焼き直しです。
この人のファンはディープな人が多い筈なので、
上澄み液だけを掬ったような内容の本はいらないと思うのですが…。



すっかり本を読む機会が減りました。
二十歳台で小説に入り込めなくなって、エッセイ中心になり、
四十歳台で書き手の意見に最後まで付き合い切れなくなる事が増え、
老眼も影響して、本を読むのが更に億劫になっています。
最近読んでるのは感情の動きの少ない情報関係の本ばかり。
ここ数年で読んだ所謂書き物と云えば、赤瀬川原平と伊集院光くらい…。

自分は駄文を書くのが好きな癖に、人の文章には厳しい。
これを一般的には頑固オヤジと云うのでしょうか。困ったモノです。

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June 30, 2011

二つの新解さん。

ご存じな方はご存知な「新解さん」。
新明解国語辞典の事を敬愛を込めてそう呼びます。

この辞書はポピュラーな辞書でありながら、
内容的にあまりポピュラーではない妙な個性が光っていて、
それにメスを入れたのが赤瀬川原平の「新解さんの謎」。

これを10年くらい前に読んだ時は面白くて面白くて溜まりませんでした。
赤瀬川原平の本はどれも脳みその隅を擽られるような快感がありますが、
この本だけはもっとストレートな笑いに繋がる面白さがありました。

で、調べてみたら他にも「新解さんの読み方」なる本が出ていることを
つい最近知りました。
Ca3c0898

二匹目のどじょうを誰かが狙ったのかと思いきや、
「新解さんの謎」にも登場するSM嬢こと夏石鈴子が書いたものでした。
いわば新解さんのケッタイさに最初に気付いたオーソリティの作品。


期待して読みました。

ところが…。

そこそこ面白いんですが、どうもイマイチしっくりきません…。
初めて「新解さんの謎」に出くわした時の様な驚きがなくなってるからかもしれない。
「辞書なのに何やら人格が滲みだしてきているぞ。」って新鮮な感動はなくなり、
「新解さんは変わってる。」って前提で読み進めてしまうせいか、
かなり変な例文を示されても「新解さんらしいや。」と妙に納得してしまうんですね。

最初からこのネタは微妙なバランスの上に立ってたんだなと思いました。


とは云え、赤瀬川原平の切り口と夏石鈴子の切り口とでは
やっぱり鋭さが違う様な気がします。

例えばまちのヘンなものを見つけても、
それをVOWの様な下世話なネタに仕上げる人もいれば、
みうらじゅんのスライドショーみたいにサブカル色に仕上げる人もいます。
赤瀬川原平は鋭い感性でそれを芸術の域にまで高めつつも、
それでいて肩肘を張らない平易な文章で書き綴ります。

「新解さんの謎」も理屈っぽくなりすぎず、ネタの羅列に陥らず、
新解さんのヘンさ加減を浮き彫りにする絶妙の仕上がりになってるのです。

何だか「新解さんの読み方」を悪く書いてしまった気もしますが、
最近読んだ本の中では面白かった方だったんですよね。
私にとって赤瀬川原平がとてつもなく高い位置にあるので、
比較するとこうなっちゃったのでした。すみません。

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April 19, 2011

写真+文章の憧れ。

世間はすっかりツイッターですが、
私はあんまり興味が持てず、blogな日々です。

その理由について、前にも書いたかもしれませんが、
自分の思ったこと瞬間的に書くのが苦手で
色々と頭で考えを捏ね繰り回した後、
言葉選びや行変えの場所など何度も推敲しないと
納得できないし、不安になってしまうんですよね。

それともう一つblogが好きな理由として
写真と文章の組み合わせに
憧れのようなものがあるからかもしれません。
って云うか、この人への憧れかも。
P1080190
赤瀬川原平。
前衛芸術家であり、芥川賞を受賞した作家でもありながら、
柔らかい頭と自由な視点で日常を切り出す路上観察の創始者。
この人の自然体の観察眼がとてもいいんですよねぇ。

マチの写真を撮ってコメントを添える形のモノは
VOWやみうらじゅんのスライドショーや素人のblogなど、
探さなくても世間にいくらでも見つかりますけど、
その多くが"笑い"を求めるモノなんぢゃないでしょうか?
ケッタイな看板や変な建物も確かに面白いです。
でも、普通なら見過ごしてしまう様なモノに目をとめ、
そこから色んな"気づき"を見つける面白さがいいんですよね。

この「老いてはカメラにしたがえ」の中にこんな事が書いてあります。
「頭の悪い人ほど考えたがる。
私も頭が悪いので、考えずに感じる様にしている。」

要は色々頭で捏ね繰り回してたんでは駄目って事なんですね。
そんな境地にはまだまだ至りませんが、だからこそ憧れなんですね。

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December 02, 2009

のはなしに

今から一年前に取り上げた「のはなし」の続編を読みました。
タイトルは「のはなしに」。宝島社です。
Nohanashini_2
やっぱり伊集院光は頭の回転や切れ味が桁外れだと思います。
テレビの伊集院を白伊集院、ラジオを黒伊集院だとすると、
文章の伊集院はごまだら伊集院ではないでしょうか。
語り口はラジオほど激しくないけど、内容はかなりディープ。
伊集院光を好きな人はもちろん楽しめますし、
伊集院をテレビでニコニコ笑ってる雑学系デブキャラ程度に思ってる人には
猫の爪カッターでシュッと切られるくらいの衝撃はあるでしょう。

失礼ながら、私はこの本をトイレに置いております。
一話一話が短いので、トイレで読むには最適の本なのです。

但し、読んでるうちに、伊集院の話が誘い水になって
自分の過去の記憶を辿ったり、妄想を膨らませたりしてるうち、
かなりの時間が経ってたりするので要注意です。

間違いなく、いい本です。

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December 21, 2008

「い」の話から「た」の話まで。

集院光ですよ、伊集院光。
私が本当にTalentがあるなぁと思うタレントの一人。
この人の頭の回転のベンチマークを取ったら
インテルのCore i7を凌ぐのではないかと思う。

で、ホームグラウンドのラジオもさることながら
文章でもかなりの才能を発揮してるんですね。

Ca3c0003「のはなし/伊集院光(宝島社)」
2001年から5年間に渡って
携帯のメールマガジン向けに
週3回(!)配信していたエッセイを
一冊に纏めたモノ。
実際には全部で約750本もあるらしく、
今回はその中の80本を厳選して
「あ」から「ん」まで並べた、って趣向。

たしかに語り口はラジオでの喋りに似てるけど、
読み物ならではのしっかりしたプロットが
知的で落ち着いた印象を与えてます。
いい文章だなぁ…。

特に印象的だったのは「理科室」の話。
自分は化学調味料に敏感だ、って事を
グルメを気取らずに語っています。
なぜ敏感になったかと云うと―――

子供の頃、バーベキューに出掛けた折、
親父がはりきって焼きそばを作った。
しかし、最後の仕上げに味の素を振った時、
キャップが外れて一瓶分の白い粉がドサーッ。
台無し…。
いたたまれない空気が漂う中、少年時代の伊集院光は
「旨いよ!」って、一人で焼きそばをバクバク食べた。
口の中はなぜか理科室の味で一杯になった。
それ以来、化学調味料の入ったモノを口にすると、
その日の事を思い出す。

―――実に繊細な少年の気持ちが伝わってきます。
それと同時に味の素の気持ち悪いヌルつきが口に広がります。
実は私もこれに近い経験をしてるんです。
とはいえ、伊集院の様に胸がちくっとする話ではありませんが。

中学の頃、友達の家で「被害者は誰だ」ゲームをやったんですね。
どんなゲームか、大抵の人のなら知ってると思いますが、
例えばコーラの入ったコップの中に、一つだけ醤油が入ってて、
それを飲んだヤツを当てる、そんな他愛ない遊びであります。
で、私に当たったのが味の素水。
塩や醤油よりは平気だと思って、何食わぬ顔で一気に飲みしたら、
口の中から胃袋までを得体の知れない気持ち悪いベールが覆った。
すぐにトイレで吐いた。そして、家に帰って寝込んだ。
それからしばらくは何を食べても吐きそうになりました。
今でもその時の感覚が残ってて、
化学調味料の沢山入った食べ物を食べると気分が悪くなります。
嘘だと思ったら試してみて下さい。
明日から味覚が変わります。
それで好きなものが食べられなくなったって文句云われても
困りますけど…。

実は最近、これに新たに加わったトラウマ調味料があります。
ん白加水分解物です。
これは加工食品に加えられている事の多い調味料で
たん白質を主に塩酸で分解してアミノ酸を取り出したモノ。
一般スーパーでコレを単体で売ってる事はまずありません。
でも色んな食品の原材料として広く使われています。
仕事の関係でこれの溶液を嘗めてみたんですね。
妙に旨い水でした…。
思わず中学時代のあの事件を思い出してしまいました。
更にこの溶液には独特の匂いがあります。
とは云っても、不快な臭いではありません。
云うなれば、駄菓子屋の安い煎餅の匂い。
それ以来、この手の匂いにも敏感になってしまったのです。

つい先日の出来事。
私が名古屋で好きなラーメンチェーン福に行きました。
ここのラーメンは素朴な味なんですけど、
普通の醤油ラーメンタイプでもなく、支那そば系でもなく、
個性があってとても好きなのです。
無化料などのこだわりのお店ではなく、庶民的な感じ。
ラーメンライスが無茶苦茶合う。
私の中でラーメンライスに合うラーメンとしては
新潟の万人家と肩を並べて学校に行くくらいです。
で、このラーメン福、名古屋近辺で数店FC展開をしてるので、
見つけたら吸い寄せられるように、ついつい入ってしまう。

ところが、先日入った店はスープのバランスが明らかに違った…。
旨み分が濃すぎるのです。
私の中の味の素センサーとたん白加水分解物センサーが
過敏に反応し始めました。
これはマズい…。気分が悪くなる可能性がある。
私はヌルくなるのもかまわず、コップの水で薄めました。
そしたら全体の味が薄くなってしまったので、
胡椒と唐辛子を大量に加え…、
全く別物のラーメンになってしまいました(涙)。

三日後、行きつけの本店でリベンジしました。
やっぱり美味しかったです。

FC展開って味の統一も難しいんでしょうね。

Pap_0005


P.S. この記事を寝不足&二日酔い&風邪の状態で書いてたら、
本気で気分が悪くなり一日寝込んでしまいました。
気分が冴えない時は気分の悪くなる様な事を考えないようにしましょう。

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November 09, 2008

i-縁奇縁 その2

i-縁奇縁の続きです。

今回、マイクメリロに私のblogを紹介してくれた横井さんには
色々お世話になりました。

横井さんは名古屋にお住まいの写真家で
本も出版されていると云う事がわかりました。


Neko_italiaと云う事で、
さっそく写真集を購入しました。
イタリア猫の日曜日/横井一夫(風媒社)

イタリアの町並みと猫と人。
さりげなく切り出された風景から
イタリアの雰囲気が漂ってきます。
って、行った事ないけどー(笑)。

この写真集を眺めてると、
猫っていいよなぁ、って思ってしまう。
今度生まれ変わるなら、
イタリアの猫になりたい。

と、らしくもない事を書いてみたり。


毎日、頑張ってる人に、のんびりみてもらいたい写真集でした。

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October 13, 2008

私の読書空間 その2

前回に引き続き、書籍ネタを。
今回は秋と云う事で芸術関係のモノを集めてみました。


■20世紀音楽 クラシックの運命/宮下誠(光文社新書)
20seki_ongaku
タイトル通り、20世紀のクラシック音楽について書いた本です。
筆者は私より3つ上の大学の先生なんですけど、
音楽関係の人ではないのですよ。
文学部の教授ですが、専門は西洋絵画史みたいです。
ぱらぱら読みしても、音楽理論とかに疎い人だとわかります。
例えばどれくらい疎いかと云いますと、
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ちなみに機能和声とは、バッハ以後の音楽家たちによって使用される基本ツールで、いわゆる「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」に基づく和声のフォーマットである。ピアノの鍵盤を思い出せばよい。白鍵の連鎖は全音、黒鍵の導入によって半音が生まれる。
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と、このレベルです。
理論的な部分を避けて通りにくい20世紀の音楽を
専門外の人がどのように論じるのか興味津々でした。
単に感覚だけで聴いてる私に近いかなー、と。
結論としては「なるほど」と思う事も多少あったものの、
わざわざ読む必要はなかったかなぁ、って感じ。
とにかく一番訳がわからなかったのは、
「わかる音楽」と「わからない音楽」で論じてる点。
そんなん、自分の匙加減やん。
大学の先生なので論文調でおカタく論じてますが、
考えてみたら、ジャズ喫茶のオヤジの書いた本と大差ないかも。
だもんで、20世紀音楽のイノヴェーターであるドビュッシーについては
僅か2ページちょいしか触れていないにもかかわらず、
ヒンデミットには37ページも割いてます。
どうやらオペラ好きの様で「今日のニュース」と「画家マティス」と
「世界の調和」の解説に20ページ以上も書いてたりする。
それから年代をしつこく書いているのが気になります。
時代背景などから読み解こうとしているのはわかりますが、
どうも深読みして当時の世相や思想と結び付けすぎてる感じです。
また、喩え話になると、自分の得意な美術関係を引き合いに出します。
それって、全然わかりやすくなってないと思う…。
色んな糸口で音楽を解説&評論してるんですけど、
「この人、純粋に音楽の面白さを感じてるんだろうか?」
とすら思ってしまいました。
うーん、珍しく辛辣モードになってしもた…。


■わたしのラヴェル/諸井誠(音楽之友社)
My_ravel
ずっと昔に買って愛読してた本です。
発行日を見たら昭和59年5月10日の初版本でした。
作曲家諸井誠は文章も上手で沢山の著作があります。
この本はいわば音楽の専門家である諸井誠が
しっかりとした解説を交えながらも、
一ファンとしてラヴェルを賛美しまくる内容です。
実に気持ちいい(笑)。
これを読むと
「ラヴェルを超える作曲家はいないっ。」
とさえ思ってしまうんですねー。
ただ"クープランの墓"について触れられていないのが
ちょっと残念です。


■ジャクソンポロック/レオンハルトエマリング(TASCHEN)
Pollock
シュルレアリスムとか抽象の絵は大好きで
カンディンスキーとかロスコーとかミロとかマッタとか、
絵をじっと観てると、どんどん嵌り込んでいくんですけど、
ポロックの絵はどうも体質に合わないみたいです。
同じアクションペインティングでも白髪一雄なんかは
絵の前で動けなくなったりした事があったので、
ああ云う手法が嫌いな訳ではありません。
でも、ポロックの絵からは何も伝わってこず、
アクションペインティングに"逃げた"感じがしてました。
これはあくまでも門外漢の私の感想に過ぎません。
でも、この画集の解説部分を読み進めていくうち、
私の直観があながち間違いじゃない様な気がしてきました。
ポロックって最初っからドリッピングをやってた訳じゃなく、
普通に筆を使って絵を描いてたんですね。
しかし、彼の描く絵は色んな人の影響を出まくってるんですよ。
意図して絵を描こうとすると、誰かの作品に似てしまう。
彼がそれらの影響から脱するためには
自分の意思から切り離して絵を描く、つまり、
偶然のウェイトを高める必要があったんじゃないかなぁと。
でも、読む前より、ポロックの作品が理解できた気がします。
「失敗作に終わるのは、絵との接点を失った時だけだ。
それ以外の時は、純粋なハーモニーが生まれ、
容易に与えたり、与えられたりでき、よい絵ができ上がる。」
これはポシビリティーズ誌に彼が書いた言葉です。
Pollock_2


今回はこの辺で。

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October 05, 2008

私の読書空間

インドアでの趣味に偏ってる事もあって、
読書をする機会が極めて少なくなりました。

私の唯一の読書スペースがここ。
Toilet_library
トイレです。

なので、気軽に読める本やあらすじのない本が中心です。
そんな中から幾つか紹介してみたいと思います。


■江戸の料理と食生活/原田信男(小学館)
Edo_no_ryori_to_shokuseikatsu
これはとても価値のある一冊です。
価格は3000円近くしますけど、決して高くないです。
江戸の食文化や庶民の暮らしぶりを
きっちりした時代考証に基づいて紐解いています。
文献や当時の絵などをふんだんに盛り込み、
読みやすい文章で解説してくれています。
楽しい楽しい。
例えば「寿司と鰻」のページはこんな感じ。
Sushi_to_unagi
その他には「上方の漁師がつくった江戸の味」
「日本の味の基礎となった『だし』の進化」
「江戸の一日はご飯を炊くことから始まる」
「菜の主役に活用された豆腐」などが面白かったです。


■落語の歴史/山本進(河出書房新社)
History_of_rakugo
オビに書いてある
「ねえご隠居さん、落語ってぇのは、いつからあるんですかね?」
ってコピーからもわかる様に、どちらかと云えば江戸中心かな。
と云うのも上方落語の昔の文献が乏しいのだそうで。
うーん、ちょっと残念。
落語のルーツは京都の安楽庵策伝上人(1554~1642)の書いた
「醒睡笑」にあると云われています。
この中に「子ほめ」「牛ほめ」「平林」「寝床」など、
今でも頻繁に演じられている落語の原型があるんだそうで。
落語家の出現は三都ほぼ同時期だったらしく、
1680年代に京都では露の五郎兵衛が、
大阪では米沢彦八が、江戸では鹿野武左兵衛門が、
辻噺を興行し始めたとの事です。
そして、江戸、明治、大正、昭和、平成と時代を経て、
盛衰していく落語の歴史が文献を交えて紹介されています。
中でも吉本興業の落語軽視と第二次世界大戦の影響で
滅びかけた上方落語を四天王が復活させるところは感動的。
そこに載ってる桂春團治の写真が無茶苦茶カッコイイ。
隣の桂米朝は愛嬌たっぷり。仕草からみて「愛宕山」かな?
Beicho_harudanji


■広告キャラクター大博物館/ポッププロジェクト編(日本文芸社)
Koukoku_kyara_daihakubutukan
見ての如くのゆる~い本です。
でも、内容的にはかなり豊富な情報量ですよ。
例えば森永のエンゼルマークについてはこんな感じ。
Morinaga
最初の頃のエンゼルは妙にリアルですなー。
って云うか、右上の最新のデザインだけが垢抜け過ぎ(笑)。
結構しっかりした資料だと思いません?
各企業を取材した努力に感服致します。
中には倒産したミツワ石鹸の画像なんかもあったりします。


もっと色々紹介しようと思ってたけど、
長くなってしまったので、この辺で。

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February 11, 2008

二つの酒マン

風邪が小康状態セーラになったので(…おやじギャグだ)、
寝間から起き出して、音楽部屋で軽いブラジル音楽を聴きつつ、
マンガ2作品を読んでました。
どちらも酒に関係するマンガです。

1つは「Barレモンハート/古谷三敏(双葉社)。
Lemon_heart

「気持ちがすごくあったかい!!」って書かれている様に
一つのバーでの出会いや別れを描いた作品。
…何ですけど、巻を重ねていくうち、次第に薀蓄比率が上がり、
物語が強引になってるところがありますね。
パターンとして、ある悩みを持ったお客が入ってきて、
マスターがある酒にまつわる物語を話しながら薦めると、
「おいしい。私もこのお酒の様に云々。」って感じで目の前が開け、
幸せになりましたとさ、って話が多いです。
きっとお酒の文献を調べて話を作ってるんでしょうね。
あと、果たしてこのバーが良いバーかどうかって話も。
マスターがタラタラ薀蓄をのたまい、
客を試すような酒の出し方をしたりします。
知ったかぶりのお客にワザと不味いカクテルを出した事も。
と、悪口を書いてしまいましたが、勉強になるし、面白い。
これを読むとお酒を呑みたくなってしまいます。


もう一つは「酒のほそ道/ラズウェル細木(日本文芸社)」
Sake_no_hosomichi

ラズウェル細木と云えば、
ジャズ批評で「ときめきジャズタイム」って
マニア向けマンガを描いてるマイナーな漫画家…、
って印象だったんですけど、
気が付けば、「酒のほそ道」で人気漫画家になってました。
このマンガの優れているところは、こだわり過ぎない事。
あ、こだわっては、いるんですが、グルメマンガとは違って、
薀蓄まみれにしていないところが良いです。
主人公岩間宗達のこだわりはあくまでも自分ルールであって、
そのヘンコさが酒呑みの共感を生んでいると思います。
薀蓄役には前田課長ってキャラを作り、
酒の席で薀蓄を云うヤツを滑稽に描いております。
いつも一緒にいるかすみちゃんとの関係も仄かでいい。
こんな酒呑み女友達が欲しいなぁ、と思う今日この頃。


こんなマンガを読んだもので、気が付けば、片手にお酒が。
ウィスキー呑んで、カクテル呑んで、ほろ酔い気分に…。
小康状態セーラになったのをいい事に(しつこい)、
近所のバーCASKを目指して出掛けました。
しかし、財布には2000円。
これではさすがに心細いので銀行に寄ったら、
お休みではないですか。
きっと神様が呑ませまいとしているのだと思い、
大人しく家に帰る事にしました。

と、これで止めれば良かったんですが、
マンガの続きを読んでたら、また呑みたくなってくる。
家にお酒がたんまりあると云うのも考えものです。
結局、部屋呑み再開。
あれこれ呑み散らかし、最後作ったカクテルがコレ。

Knock_outジン20ml
ドライベルモット20ml
ペルノ20ml
クレームドメンテ(ホワイト)1tsp

ペルノのアニス香とミントの組み合わせは
好みが分かれそうです。
私はあまり口に合わず、
この一杯でダウンしました。
翌朝も体調が悪いです。

カクテルの名前は"ノックアウト"。

レモンハートみたいな展開だ…。

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September 08, 2007

いつまでも読み終われない本 その2

Tom_in_a_midnight_garden子供の頃からずっと
読み終われない本があります。
「トムは真夜中の庭で」、
フィリパピアスの名作児童文学です。
十三時を告げる古時計に誘われて、
トムがおそるおそる夜の庭に出てみると、
ある筈のない情景が広がっていた…、
ってファンタジックで少しSFチックな物語。
幻想的な雰囲気が印象的で
今でも色褪せずに頭の奥底に残ってます。

でも、実は最後まで読んだ事がない。
いつも途中で挫折してしまう。
スケートのシーンの印象があるので、
九割方読んだ事はある筈ですが、
完読した記憶は全くありません。

原因は翻訳の読みにくさと
子供が読むには少し難解な内容のせいかな?

で、久々に読みたくなったんですが、
当時の本は実家に置きっぱなしなので
アマゾンで買い直してみました。
すっかり軽い装丁になってしまってます。
箱入りハードカバーの本を開くのと、
ちょっと最初の心構えが違うなぁ…。

さて、今回は読み終われるだろうか。

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August 26, 2007

食べ物の本

食べ物に関する本は集めてる訳ではないんですが、
何の気なしにぶらぶらと本屋に入った時、
最終的に買ってるのは食べ物の本だったりする事が多い。
料理本も買うけど、食材や食文化に関する本も買う。

って事で、手元にある料理以外の食べ物の本を
ちょっと取り上げてみます。

Shokuzai
■オールフォト食材図鑑
/荒川信彦&唯是康彦
(社団法人全国調理師養成施設協会)
かなりお堅い本ですが、とても丁寧な内容で分かりやすい。
分類、食材名、学名、英名、別名、解説、調理などについて、
かなり細かい内容まで記載されています。
しかも全部写真入りなのでとても見やすい。
野菜や魚のページは見ていて飽きません。
例えばひらめのページは見開きでこんな感じ。
Shokuzai_01
思わず鮨か刺身で一杯やりたくなってきますね。
でも、肉類のページはかなりグロテスクな写真もあって、
「うえー。」と、思わずページを早送りしてしまいますわ。

Fromages
■チーズ図鑑/(文芸春秋社)
かなりマニアックなチーズの本です。
チーズが好きなので色々覚えようと思って買ったんですが、
あまりの奥の深さに挫折しました。
でも、これとてホンの一部なんでしょうね。
フランス産で95%を占める内容になっています。
例えば、コルス圏の山羊か羊の乳で作るチーズ、
ブロッチュのページ。
Fromages_01
右下の4つの写真は
・パリ市のチーズ店のブロッチュ(左上)
・アジャクシオ市の朝市のブロッチュ(右上)
・リヨン市の市場のブロッチュ(左下)
・サント=モール町の朝市のブロッチュコショウまぶし(右下)
だってさー。って云われても、ねぇ(笑)。

Herb
■ハーブ大全/リチャード・メイビー(小学館)
これは買ったのではなく、会社で廃棄されかけてたのを、
貰ってきたモノです。
オールカラーでハーブの全てを取り上げた専門書。
ハーブの歴史に始まり、種類、使い方、育て方に至るまで、
"THE COMPLETE"な内容です。
Herb_01
♪パセリ、セージ、ローズマリー&タイム。
あ、パセリは写ってないか。
ハーブの歴史に関する章を読んでいると、
漢方薬と同じ様なものだとわかります。
科学が発達していなかった昔、試行錯誤の末、
様々な薬効が見つけられたり、
また迷信を生んだりしてきたんですね。

Dashi
■だし・調味料の技術/(旭日屋出版)
「繁昌店を作る」とある様に、割と実用的な本です。
各調味料の解説半分、レシピ半分と云った構成。
取材協力や広告協賛したメーカーのカラーが
多少出ている様な気がします。
プロの料理人の手順が解説してあるのはいいけど、
索引がないので資料としては使いにくいです。
解説ページはメーカーに取材したせいもあって
科学的な分析がどわーっと並びます。
Dashi_01
で、レシピページは一気に料理人の感覚的な世界。
Dashi_02
あまりつながりがなくて、纏まりのない内容かも。

Honda
■本多勝一のこんなものを食べてきた!
/堀田あきら&佳代(朝日新聞社)
ノンフィクション作家の本多勝一が子供の頃に
野山を駆け回って食べていたモノを漫画にしたものです。
一旦、奥の「小学生の頃」が発刊されて、
その後、手前の完全版が出ました。
本多勝一の出身の長野県の伊那地方は、
蛋白源として虫を食べる習慣があるんですよね。
少年本多勝一が木の切り株の中にごとう虫を見つけて
嬉々としてそれを食べる話が冒頭に出てきます。
「げー、気持ち悪い。」と顔を顰める人もいるでしょうけど、
そう云う環境で育てば、それが当たり前なんですね。
食べ物に関わらず、何事も自分の基準でしか物事を判断できません。
しかし、それを分かってるか分かってないかで
捉え方が変わってきますね。

Edo
■落語にみる江戸の食文化
/旅の文化研究所(河出書房新社)
落語に出てくる食べ物に興味があって、
これについてまとめた本がないか漁ってたら、
こんな本がありました。
テーマによって色んな人が書いてまして、
立派な内容になっています。
ただ落語と云うものが時代に合わせて変化する事から
それが本当にその当時の世相をあらわしたものなのか、
なかなか難しいところがありそうです。
面白かったのはお米を炊くタイミングの話。
江戸では朝に炊いて、昼、夜は冷や飯、
京阪では昼に炊いて、夜、朝は冷や飯なんだそうで。
へー、って感じですよね。
でも、落語「京の茶漬け」の中では昼の冷や飯が
残っていないと云うくだりが出てきます。
昼になくなると云う事は晩に炊いたって事だと思われますが、
これはいつの時代に作られた落語なんでしょうね?
それに主人が勤め人だったら、帰ってきて冷や飯ってのは、
考えにくいと思うんですが、どうなんでしょう?
その他、江戸前の食材、江戸の食べ物屋、道中の食事など、
興味深い切り口の論文が揃ってます。

Kyushoku
■なつかしの給食/アスペクト編集部編(アスペクト)
この手のネタは串間努だと思ってたら、
この本は全く関係ないようです。
給食の献立について、幅広い層、幅広いエリアの
情報を集めた本です。
みんな自分の時代の自分の地域の経験しかない訳で、
違う世代の違う地方の給食の献立を見るのは
とても面白いですね。
私は脱脂粉乳世代でもなく、ミルメークも未経験で、
なかなか特徴のない給食だったんですけど、
この本を読んで、米飯給食が早い地区だったと判明。
記録と記憶が一致して、ちょっと嬉しかったりします。
裏表紙のニンジンを先割れスプーンに隠して残してる写真がかわいい。
Kyushoku01

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全巻揃わな気がすまん。

休日のぶらぶら散歩で近所のブックオフへ。
「買い物は5000円まで。」と心に決めて、
CDやら本やらを物色。

ふと目についたのが、30年も前の
「世界の名画」と云う大判の本でした。
そう云えば、昔、学校の図書館かどこかで見た様な気がする。
何となく懐かしかったのと、
並んでたのが「クレー(23)」「モンドリアン(24)」だったのと、
一冊1000円だったのとで、
「ま、トイレ本にでもするか。」と、失礼な目的で購入しました。

帰って読んでみると、なかなかいい。
大判でカラーだし、解説もわかりやすい。
更に著名人の随筆なんかも入ってたりする。
いい具合に色褪せた古い本の雰囲気は
ネットで色鮮やかな画像を検索するのと
また違った趣きがあります。

となると、私の性格からして、全巻揃わな気がすまん。

あー、やっちゃうなー、と他人事の様に思いつつ、
ヤフオクで物件を漁ると、
全巻揃いがあったりする訳です。

で、今、それが手元にあったりする訳です。

Sekai_no_meiga


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August 23, 2006

門外漢のススメ

Mongaikan
モンガイカンの美術館/南伸坊(朝日文庫)

この本は南伸坊が美術の専門誌に書いたコラムです。
南伸坊はイラストレータですから、
純粋な門外漢とは云えないかもしれません。
でも、ホンマモンの素人が書いたんじゃ面白い訳もなく、、
その点、感覚は鋭いけど、知識は薄い(フリをしてる)南伸坊は
絶妙なモンガイカンぶりを発揮しています。

知識武装や小難しい比喩で飾り立てるのではなく、
絵の本質とは関係のない「箔」をこそげ落とす論評が心地よい。

「芸術は女である。」とか「芸術はウソである。」とか
かなり強引な自論を展開しているんですけど、
それがまた云い得て妙なのです。

私の場合は「芸術」を「ジャズ」に読み替えると
納得できる事がいっぱいありました。
って云うか、無意識のうちに全部置き換えてた。

長い間ジャズを聴いてると価値観も変わってきて、
時々、何が何だかわからなくなってくる。
実際に聴いて感じてるのか、
知識と照合してるだけなのか、
聴いてた当時の思い出を重ねてるだけなのか、
レアさ加減を堪能してるだけなのか…、
音楽の純度が下がってる気がしないでもない。

モンガイカンの感覚を持ち続ける事は大切だなぁと。
是非みなさんも自分の興味のあるモノに置き換えて
読んでみてください。
知らず知らずのうちに自論を組み立て始めてて、
気が付けば、文字面を追うのを忘れてたりします。

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June 02, 2006

私の人生に影響を与えたこの一冊 その2

Viva_origami_1中学生の頃だったかに
近所の本屋で偶然見つけ
驚愕したのがこの本。
「VIVA!ORIGAMI/前川淳(サンリオ)」

子供の頃から折り紙が好きで
あれこれ折ってるうちに
大抵のものなら完成作品を見るだけで
折り方がわかると自惚れていた少年しほたつは
自分の見識の低さを思い知らされたのでした。

とにかくそれまでの本とは次元が違いました。
一枚の紙からハサミを使わず
五本の指まで再現した悪魔を折った人など
それまでいなかったと思います。
折り紙の無限の可能性を感じました。

日本にも海外にも沢山の創作折り紙作家がいて
どんどんレベルも上がってきております。
日本では子供の遊びとして広く親しまれている反面、
子供の遊び程度にしか考えてない人が多いのも事実。
外人の前で鶴を折ってびっくりさせようとしたら
向こうにステゴザウルスを折られて、
逆にびっくりしたなんて事にならないよう(笑)。

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May 24, 2005

私の人生に影響を与えたこの一冊

musashiなんて云うと、大層な文学作品や人生の指南書を挙げつらい
自らの歩んできた道に箔をつけたいところですが、
実際のところ、私の人生を左右した一冊と云えば
「むさしキャンパス記/かんべむさし(角川書店)」、
思いっきり柔らかい本です。
タイトルからわかるようにかんべむさしさんが
大学時代のエピソードを綴った青春記であります。
私はこれを高校一年の時に読んで、
大学生活に憧れを抱いたんですねぇ。
かんべさんが面白おかしく書いた話を、そのまま真に受けて、
「大学行ったら酒呑んでアホな事できんねや!」と思い込み、
不純な動機で受験勉強に挑んだのです。

その頃、私はかんべさんと同じ西宮に住んでたので、
関西学院大学を舞台にしたこの本に少なからぬ親近感を覚え、
同じ様な大学生活を送りたいと切望する様になったのです。
結局は、関学には行かず、綺麗な時計台もキャンパスもない、
しかも女の子の比率が極端に少ない地味な大学に行く事になったのですが、
それでも初志貫徹でろくに勉強もせず、アホな事ばっかりして
「人生の休憩地点」とでも云うべき4年間を過ごしました。

授業に出るよりも部室で過ごす時間が長かったのも、この本の影響。
下宿の友達の家を泊まり歩き、ろくに家に帰らなかったのも、この本の影響。
酒を呑んでわーわーやってたのも、この本の影響。…かな?
要は、ごくごく平均的なぐうたらで自堕落な学生を目指してた訳ですわ。

今読み返してみたら、結構真面目な内容も書かれてるんだけど、
そこの部分は読み飛ばして、面白おかしい部分だけを吸収してた様です。

唯一、大学四年間、日記を書き続けた事だけがプラスの影響かな?

ちなみにこの本、単行本はとっくの昔に絶版になってますが、
「上ヶ原・爆笑大学」ってタイトルで加筆再発され、
今では電子書籍としてネットで購入できます。

どこにでもある様な、でも各々にとっては特別な青春記。
明るく笑って、ちょっとホロッとくる一冊です。

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