書籍・雑誌

February 11, 2008

二つの酒マン

風邪が小康状態セーラになったので(…おやじギャグだ)、
寝間から起き出して、音楽部屋で軽いブラジル音楽を聴きつつ、
マンガ2作品を読んでました。
どちらも酒に関係するマンガです。

1つは「Barレモンハート/古谷三敏(双葉社)。
Lemon_heart

「気持ちがすごくあったかい!!」って書かれている様に
一つのバーでの出会いや別れを描いた作品。
…何ですけど、巻を重ねていくうち、次第に薀蓄比率が上がり、
物語が強引になってるところがありますね。
パターンとして、ある悩みを持ったお客が入ってきて、
マスターがある酒にまつわる物語を話しながら薦めると、
「おいしい。私もこのお酒の様に云々。」って感じで目の前が開け、
幸せになりましたとさ、って話が多いです。
きっとお酒の文献を調べて話を作ってるんでしょうね。
あと、果たしてこのバーが良いバーかどうかって話も。
マスターがタラタラ薀蓄をのたまい、
客を試すような酒の出し方をしたりします。
知ったかぶりのお客にワザと不味いカクテルを出した事も。
と、悪口を書いてしまいましたが、勉強になるし、面白い。
これを読むとお酒を呑みたくなってしまいます。


もう一つは「酒のほそ道/ラズウェル細木(日本文芸社)」
Sake_no_hosomichi

ラズウェル細木と云えば、
ジャズ批評で「ときめきジャズタイム」って
マニア向けマンガを描いてるマイナーな漫画家…、
って印象だったんですけど、
気が付けば、「酒のほそ道」で人気漫画家になってました。
このマンガの優れているところは、こだわり過ぎない事。
あ、こだわっては、いるんですが、グルメマンガとは違って、
薀蓄まみれにしていないところが良いです。
主人公岩間宗達のこだわりはあくまでも自分ルールであって、
そのヘンコさが酒呑みの共感を生んでいると思います。
薀蓄役には前田課長ってキャラを作り、
酒の席で薀蓄を云うヤツを滑稽に描いております。
いつも一緒にいるかすみちゃんとの関係も仄かでいい。
こんな酒呑み女友達が欲しいなぁ、と思う今日この頃。


こんなマンガを読んだもので、気が付けば、片手にお酒が。
ウィスキー呑んで、カクテル呑んで、ほろ酔い気分に…。
小康状態セーラになったのをいい事に(しつこい)、
近所のバーCASKを目指して出掛けました。
しかし、財布には2000円。
これではさすがに心細いので銀行に寄ったら、
お休みではないですか。
きっと神様が呑ませまいとしているのだと思い、
大人しく家に帰る事にしました。

と、これで止めれば良かったんですが、
マンガの続きを読んでたら、また呑みたくなってくる。
家にお酒がたんまりあると云うのも考えものです。
結局、部屋呑み再開。
あれこれ呑み散らかし、最後作ったカクテルがコレ。

Knock_outジン20ml
ドライベルモット20ml
ペルノ20ml
クレームドメンテ(ホワイト)1tsp

ペルノのアニス香とミントの組み合わせは
好みが分かれそうです。
私はあまり口に合わず、
この一杯でダウンしました。
翌朝も体調が悪いです。

カクテルの名前は"ノックアウト"。

レモンハートみたいな展開だ…。

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September 08, 2007

いつまでも読み終われない本 その2

Tom_in_a_midnight_garden子供の頃からずっと
読み終われない本があります。
「トムは真夜中の庭で」、
フィリパピアスの名作児童文学です。
十三時を告げる古時計に誘われて、
トムがおそるおそる夜の庭に出てみると、
ある筈のない情景が広がっていた…、
ってファンタジックで少しSFチックな物語。
幻想的な雰囲気が印象的で
今でも色褪せずに頭の奥底に残ってます。

でも、実は最後まで読んだ事がない。
いつも途中で挫折してしまう。
スケートのシーンの印象があるので、
九割方読んだ事はある筈ですが、
完読した記憶は全くありません。

原因は翻訳の読みにくさと
子供が読むには少し難解な内容のせいかな?

で、久々に読みたくなったんですが、
当時の本は実家に置きっぱなしなので
アマゾンで買い直してみました。
すっかり軽い装丁になってしまってます。
箱入りハードカバーの本を開くのと、
ちょっと最初の心構えが違うなぁ…。

さて、今回は読み終われるだろうか。

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August 26, 2007

食べ物の本

食べ物に関する本は集めてる訳ではないんですが、
何の気なしにぶらぶらと本屋に入った時、
最終的に買ってるのは食べ物の本だったりする事が多い。
料理本も買うけど、食材や食文化に関する本も買う。

って事で、手元にある料理以外の食べ物の本を
ちょっと取り上げてみます。

Shokuzai
■オールフォト食材図鑑
/荒川信彦&唯是康彦
(社団法人全国調理師養成施設協会)
かなりお堅い本ですが、とても丁寧な内容で分かりやすい。
分類、食材名、学名、英名、別名、解説、調理などについて、
かなり細かい内容まで記載されています。
しかも全部写真入りなのでとても見やすい。
野菜や魚のページは見ていて飽きません。
例えばひらめのページは見開きでこんな感じ。
Shokuzai_01
思わず鮨か刺身で一杯やりたくなってきますね。
でも、肉類のページはかなりグロテスクな写真もあって、
「うえー。」と、思わずページを早送りしてしまいますわ。

Fromages
■チーズ図鑑/(文芸春秋社)
かなりマニアックなチーズの本です。
チーズが好きなので色々覚えようと思って買ったんですが、
あまりの奥の深さに挫折しました。
でも、これとてホンの一部なんでしょうね。
フランス産で95%を占める内容になっています。
例えば、コルス圏の山羊か羊の乳で作るチーズ、
ブロッチュのページ。
Fromages_01
右下の4つの写真は
・パリ市のチーズ店のブロッチュ(左上)
・アジャクシオ市の朝市のブロッチュ(右上)
・リヨン市の市場のブロッチュ(左下)
・サント=モール町の朝市のブロッチュコショウまぶし(右下)
だってさー。って云われても、ねぇ(笑)。

Herb
■ハーブ大全/リチャード・メイビー(小学館)
これは買ったのではなく、会社で廃棄されかけてたのを、
貰ってきたモノです。
オールカラーでハーブの全てを取り上げた専門書。
ハーブの歴史に始まり、種類、使い方、育て方に至るまで、
"THE COMPLETE"な内容です。
Herb_01
♪パセリ、セージ、ローズマリー&タイム。
あ、パセリは写ってないか。
ハーブの歴史に関する章を読んでいると、
漢方薬と同じ様なものだとわかります。
科学が発達していなかった昔、試行錯誤の末、
様々な薬効が見つけられたり、
また迷信を生んだりしてきたんですね。

Dashi
■だし・調味料の技術/(旭日屋出版)
「繁昌店を作る」とある様に、割と実用的な本です。
各調味料の解説半分、レシピ半分と云った構成。
取材協力や広告協賛したメーカーのカラーが
多少出ている様な気がします。
プロの料理人の手順が解説してあるのはいいけど、
索引がないので資料としては使いにくいです。
解説ページはメーカーに取材したせいもあって
科学的な分析がどわーっと並びます。
Dashi_01
で、レシピページは一気に料理人の感覚的な世界。
Dashi_02
あまりつながりがなくて、纏まりのない内容かも。

Honda
■本多勝一のこんなものを食べてきた!
/堀田あきら&佳代(朝日新聞社)
ノンフィクション作家の本多勝一が子供の頃に
野山を駆け回って食べていたモノを漫画にしたものです。
一旦、奥の「小学生の頃」が発刊されて、
その後、手前の完全版が出ました。
本多勝一の出身の長野県の伊那地方は、
蛋白源として虫を食べる習慣があるんですよね。
少年本多勝一が木の切り株の中にごとう虫を見つけて
嬉々としてそれを食べる話が冒頭に出てきます。
「げー、気持ち悪い。」と顔を顰める人もいるでしょうけど、
そう云う環境で育てば、それが当たり前なんですね。
食べ物に関わらず、何事も自分の基準でしか物事を判断できません。
しかし、それを分かってるか分かってないかで
捉え方が変わってきますね。

Edo
■落語にみる江戸の食文化
/旅の文化研究所(河出書房新社)
落語に出てくる食べ物に興味があって、
これについてまとめた本がないか漁ってたら、
こんな本がありました。
テーマによって色んな人が書いてまして、
立派な内容になっています。
ただ落語と云うものが時代に合わせて変化する事から
それが本当にその当時の世相をあらわしたものなのか、
なかなか難しいところがありそうです。
面白かったのはお米を炊くタイミングの話。
江戸では朝に炊いて、昼、夜は冷や飯、
京阪では昼に炊いて、夜、朝は冷や飯なんだそうで。
へー、って感じですよね。
でも、落語「京の茶漬け」の中では昼の冷や飯が
残っていないと云うくだりが出てきます。
昼になくなると云う事は晩に炊いたって事だと思われますが、
これはいつの時代に作られた落語なんでしょうね?
それに主人が勤め人だったら、帰ってきて冷や飯ってのは、
考えにくいと思うんですが、どうなんでしょう?
その他、江戸前の食材、江戸の食べ物屋、道中の食事など、
興味深い切り口の論文が揃ってます。

Kyushoku
■なつかしの給食/アスペクト編集部編(アスペクト)
この手のネタは串間努だと思ってたら、
この本は全く関係ないようです。
給食の献立について、幅広い層、幅広いエリアの
情報を集めた本です。
みんな自分の時代の自分の地域の経験しかない訳で、
違う世代の違う地方の給食の献立を見るのは
とても面白いですね。
私は脱脂粉乳世代でもなく、ミルメークも未経験で、
なかなか特徴のない給食だったんですけど、
この本を読んで、米飯給食が早い地区だったと判明。
記録と記憶が一致して、ちょっと嬉しかったりします。
裏表紙のニンジンを先割れスプーンに隠して残してる写真がかわいい。
Kyushoku01

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全巻揃わな気がすまん。

休日のぶらぶら散歩で近所のブックオフへ。
「買い物は5000円まで。」と心に決めて、
CDやら本やらを物色。

ふと目についたのが、30年も前の
「世界の名画」と云う大判の本でした。
そう云えば、昔、学校の図書館かどこかで見た様な気がする。
何となく懐かしかったのと、
並んでたのが「クレー(23)」「モンドリアン(24)」だったのと、
一冊1000円だったのとで、
「ま、トイレ本にでもするか。」と、失礼な目的で購入しました。

帰って読んでみると、なかなかいい。
大判でカラーだし、解説もわかりやすい。
更に著名人の随筆なんかも入ってたりする。
いい具合に色褪せた古い本の雰囲気は
ネットで色鮮やかな画像を検索するのと
また違った趣きがあります。

となると、私の性格からして、全巻揃わな気がすまん。

あー、やっちゃうなー、と他人事の様に思いつつ、
ヤフオクで物件を漁ると、
全巻揃いがあったりする訳です。

で、今、それが手元にあったりする訳です。

Sekai_no_meiga


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August 23, 2006

門外漢のススメ

Mongaikan
モンガイカンの美術館/南伸坊(朝日文庫)

この本は南伸坊が美術の専門誌に書いたコラムです。
南伸坊はイラストレータですから、
純粋な門外漢とは云えないかもしれません。
でも、ホンマモンの素人が書いたんじゃ面白い訳もなく、、
その点、感覚は鋭いけど、知識は薄い(フリをしてる)南伸坊は
絶妙なモンガイカンぶりを発揮しています。

知識武装や小難しい比喩で飾り立てるのではなく、
絵の本質とは関係のない「箔」をこそげ落とす論評が心地よい。

「芸術は女である。」とか「芸術はウソである。」とか
かなり強引な自論を展開しているんですけど、
それがまた云い得て妙なのです。

私の場合は「芸術」を「ジャズ」に読み替えると
納得できる事がいっぱいありました。
って云うか、無意識のうちに全部置き換えてた。

長い間ジャズを聴いてると価値観も変わってきて、
時々、何が何だかわからなくなってくる。
実際に聴いて感じてるのか、
知識と照合してるだけなのか、
聴いてた当時の思い出を重ねてるだけなのか、
レアさ加減を堪能してるだけなのか…、
音楽の純度が下がってる気がしないでもない。

モンガイカンの感覚を持ち続ける事は大切だなぁと。
是非みなさんも自分の興味のあるモノに置き換えて
読んでみてください。
知らず知らずのうちに自論を組み立て始めてて、
気が付けば、文字面を追うのを忘れてたりします。

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June 02, 2006

私の人生に影響を与えたこの一冊 その2

Viva_origami_1中学生の頃だったかに
近所の本屋で偶然見つけ
驚愕したのがこの本。
「VIVA!ORIGAMI/前川淳(サンリオ)」

子供の頃から折り紙が好きで
あれこれ折ってるうちに
大抵のものなら完成作品を見るだけで
折り方がわかると自惚れていた少年しほたつは
自分の見識の低さを思い知らされたのでした。

とにかくそれまでの本とは次元が違いました。
一枚の紙からハサミを使わず
五本の指まで再現した悪魔を折った人など
それまでいなかったと思います。
折り紙の無限の可能性を感じました。

日本にも海外にも沢山の創作折り紙作家がいて
どんどんレベルも上がってきております。
日本では子供の遊びとして広く親しまれている反面、
子供の遊び程度にしか考えてない人が多いのも事実。
外人の前で鶴を折ってびっくりさせようとしたら
向こうにステゴザウルスを折られて、
逆にびっくりしたなんて事にならないよう(笑)。

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May 24, 2005

私の人生に影響を与えたこの一冊

musashiなんて云うと、大層な文学作品や人生の指南書を挙げつらい
自らの歩んできた道に箔をつけたいところですが、
実際のところ、私の人生を左右した一冊と云えば
「むさしキャンパス記/かんべむさし(角川書店)」、
思いっきり柔らかい本です。
タイトルからわかるようにかんべむさしさんが
大学時代のエピソードを綴った青春記であります。
私はこれを高校一年の時に読んで、
大学生活に憧れを抱いたんですねぇ。
かんべさんが面白おかしく書いた話を、そのまま真に受けて、
「大学行ったら酒呑んでアホな事できんねや!」と思い込み、
不純な動機で受験勉強に挑んだのです。

その頃、私はかんべさんと同じ西宮に住んでたので、
関西学院大学を舞台にしたこの本に少なからぬ親近感を覚え、
同じ様な大学生活を送りたいと切望する様になったのです。
結局は、関学には行かず、綺麗な時計台もキャンパスもない、
しかも女の子の比率が極端に少ない地味な大学に行く事になったのですが、
それでも初志貫徹でろくに勉強もせず、アホな事ばっかりして
「人生の休憩地点」とでも云うべき4年間を過ごしました。

授業に出るよりも部室で過ごす時間が長かったのも、この本の影響。
下宿の友達の家を泊まり歩き、ろくに家に帰らなかったのも、この本の影響。
酒を呑んでわーわーやってたのも、この本の影響。…かな?
要は、ごくごく平均的なぐうたらで自堕落な学生を目指してた訳ですわ。

今読み返してみたら、結構真面目な内容も書かれてるんだけど、
そこの部分は読み飛ばして、面白おかしい部分だけを吸収してた様です。

唯一、大学四年間、日記を書き続けた事だけがプラスの影響かな?

ちなみにこの本、単行本はとっくの昔に絶版になってますが、
「上ヶ原・爆笑大学」ってタイトルで加筆再発され、
今では電子書籍としてネットで購入できます。

どこにでもある様な、でも各々にとっては特別な青春記。
明るく笑って、ちょっとホロッとくる一冊です。

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