文化・芸術
June 22, 2008
June 01, 2008
佇まいを描く画家
気が付けば、名古屋市美術館のモディリアーニ展は
今日が最終日ではないですか。
モディリアーニってそれほど好きではないので、
どうしようか迷ってる内、今日になってしまった。
もう迷ってる場合ではありません。
とりあえず行く事にしました。

いい天気だし、日曜日だし、最終日だし、
かなり混んでました。
ゆっくり距離を取って絵を観れる状態ではなく、
いつもよりも流し気味に鑑賞しました。
個人的にはモディリアーニの彫刻に興味があって、
肖像画との関係を見比べたかったんですが、
残念ながら彫刻作品は写真展示のみ。
ちぇっ。
で、沢山の肖像画を観ながら思ったんですが、
あの狂ったデッサンが示すところは
対象物の"佇まい"なんじゃないかなぁと。
それから、目の玉を描かない事が多いのは
彫刻技法を2Dに活かしたのかとも思いますが、
そこまでせっかく描き上げてきた絵の佇まいが
目を入れたら壊れてしまうからではないかと。
ほら、目って表情がありすぎるから。
全身描いた大きな絵もありましたけど、
胸から上の絵の方がやっぱり良いですね。
イメージが膨らみます。
デッサンの歪みもキャンバスの外に逃がせるし。
足まで描いちゃうと安定感が悪くなる気がします。
上から見下ろすから、やたら短足です(笑)。
いやー、こんなに大量のモディリアーニを観たのは初めて。
似たり寄ったりだと思ってた作風も(失礼)
時代に応じて変化してる事がわかって面白かったです。
あと、常設展では私の好きな北川民次の絵が
5~6点展示されてました。
中でも「老人」「哺育」が良かったです。
また、その他で気に入ったのは、
三岸節子の「トネールにて」「嵐がくる」「プチカナル」、
池田龍雄の「ストリップ・ミル」、山本鼎の「モスクワ」。
重い腰を上げて行った甲斐はありました。
次は名古屋ボストン美術館のモネ展かー(笑)。
April 27, 2008
加藤孝一回顧展
瀬戸市美術館まで足を伸ばして
「加藤孝一回顧展」を観てきました。

加藤孝一は瀬戸出身の画家で明治41年に生まれ、
昭和63年に亡くなったとの事。
北川民次に師事し、油彩、水彩画のほかに
ガラス絵やテラコッタ作品を残したのだそうです。
作風は様々でしたが、建物のある風景画が多かったです。
面白かったのは色彩感。
瀬戸の町並みを描いた絵はどんよりと暗いのに対し、
パリやタスコの情景は色合いが明るいんですね。
実際に光の具合が違うのかもしれませんけど、
住んでる町を描くと生活感が出るのかなと思いました。
テラコッタ作品は遊んでる様な作品が多かったです。
気に入ったのは「唄う人」だったっけな?
ネットで検索しても出てこないんですが、
こんなイメージの作品です。

同時に藤本磨弥陶芸展も開催されていました。
ややポップアートっぽい美人画の大皿が多かったです。
瀬戸市美術館のウェブサイトはコチラ。
特別展がない時に北川民次の作品を並べてるとの事。
今度はそれを観にいこうと思います。
電車を乗り継いでのんびり一時間。
瀬戸のまちはつつじが綺麗でした。

December 31, 2007
晦日の夜 三宮の夜
ここ数年、晦日は三宮で友人のけだほて君と遊んでます。
今年はそこにけだほて奥様が加わり、
一段と楽しい夜を過ごす事ができました。
かなりの散財でしたが、ま、晦日だし。
偶の贅沢、偶の贅沢。
行きたいと思ってた薩摩地鶏の吹上庵で呑む。
鶏刺し、焼き物、水炊きのコース。
鶏肉の美味しさをストレートに堪能できました。
店員さんが若くて可愛い娘ばっかりなので
ちょっとチャラい感じはしましたが、
接客は明るく丁寧でした。
あまりに食い気に走りすぎたせいで
料理の画像を撮るのすっかり忘れてました。

【イメージ図】
続いてこの日のメイン、クレオール。
恒例の西山瞳トリオのライヴであります。
今年の活動の充実ぶりをそのまま反映し、
お店は超満員でした。
演奏も高いクォリティでした。
来年も突っ走りそうな感じです。
2月にスウェーデンのライヴ盤が出ますし。
なんせ、骨太でありながら知的なサックス奏者、
KARL-MARTIN ALMQVIST との共演ですからね。
そこに注目です。
最後に老舗のバーyanagaseへ。
暖炉に火が入り、暖かい店内。
気取ったオシャレなバーにはない柔らかい印象です。
お客さんもおそらく常連さんばっかりなんでしょう。
店も客もいい感じにエイジングが進んで、
片肘の張らない落ち着く空間でした。
カウンターに座れなかったのが残念。
70歳を超えるマスターの練達な仕事ぶりを見たかったなぁ…。
で、おつまみに出てきたえび満月が久々の秀作。

【満月を横切る魔女。yanagaseの夜は更けていく。】
って感じでどうでしょう。
October 02, 2007
鶏と民次
名古屋の老舗鶏料理の店、鳥栄で呑む。
夜のコースはやや高めです。
松が4600円、竹が5600円。
(普通、松の方が高いと思う。)
竹コースは「こんなに食べられへん。」
ってくらい出てくるので、若い人向きだけど、
価格が高いと云う二律背反メニューです(笑)。
前菜だけでも結構お腹が膨れます。
この後、更に一品がどかどか出てきて、最後に鍋。
鶏だしで美味しかったです。
つくねが特に美味しかった。
けど空腹だったらもっと美味しかったかも。
もう胃袋に無理矢理詰め込む状態でしたから。
肝まで入ってるのは珍しい?
料理もさることながら、さりげなく飾られている絵の中に、
私の好きな北川民次の作品を発見。
女将さん曰く、先生はよくいらっしゃいましたよ。
他にも数点あるそうです。
酔っ払ってたので写真撮るの忘れました。
September 16, 2007
今日は何の日?
今日、9月16日は画家牛島憲之の命日です。
今から10年前に97歳で亡くなりました。
私は今年になって初めて彼の絵を観ました。
2月にブリヂストン美術館で"タンクの道"を観て、
その不思議な世界感に引き込まれ、
8月に三重県立美術館で"貝焼場"を観て、
あまりの素晴らしさに絵の前から動けなくなりました。
形の捉え方、色彩感、画面の切り出し方など、
全てが新鮮でした。
でも、実物を観たのはこの2作品だけ。
もっと観たい。
府中市美術館には牛島憲之記念館があり、
そこには100点以上の作品があるんだそうです。
何としても今年中に行きたいと思っています。
その下準備として、
アマゾンやヤフオクで
せっせと牛島憲之の画集を
買ってるところです。
お薦めは写真一番手前の
日経ポケットギャラリーです。
判は小さいですが、
全ての絵に牛島憲之本人の
コメントが付いてるのが貴重。
真ん中の本も面白い。
他の人の絵も半分混ざってますが、
牛島憲之の絵は一目瞭然です。
September 15, 2007
ご近所に美術館
体調が万全ではないので、
この三連休はのんびり自宅療養の予定でしたが、
ちょっと気分が滅入り気味だったので、
気分転換に散歩に出かける事にしました。
今住んでる覚王山は割と人気のスポットなので
近所にも色々面白いものがあるんですね。
ネットで検索してたら、歩いていける距離に美術館を発見。
これが古川美術館の外観です。
池下駅のすぐ裏にいきなりあったのでびっくり。
展示品は初代館長古川爲三郎って人のコレクション。
所蔵品の総数は2800点と云うから凄い。
でも、実際、展示数は約40点程度。
最近、総展示数が200~300点の美術展で
お腹一杯状態の鑑賞に慣れていたので、
ちょいと少なく感じたかな…。
開催中の企画は「花歳時記」。
近代現代の日本画や日本の洋画から
花にまつわる絵を展示していました。
印象に残ったのは
■桜咲く富士/片岡球子
■満園春色/奥田元宋
■雨後/松尾敏男
■ほたる/伊東深水
あたりでした。
如何にも日本画って作品はよくわかりません。
それから古川美術館から
少し離れたところに
爲三郎記念館があります。
数寄屋造りの建物と庭園を使い
美術工芸品を展示。
今の催しは「内田邦太郎展」。
パート・ド・ベールの手法で作られた
不思議な形と色のガラスの作品が
沢山展示されていました。
ひとめ見た瞬間に
「うつぼかずらみたいだ。」
と思ってたら、
本当にうつぼかずらを象った
作品があってびっくりしました。
和室のワビサビ感と
毒々しい色と形のガラス細工の
えもいわれぬミスマッチ。
なぜかBGMにスタンゲッツやら
フラメンコやらが流れてたりして
ヘンテコな雰囲気が結構面白かったです。
庭園は緑深く、なかなか風情がありました。
庭園に抜ける細い路地から母屋を覗くと、
ライトアップされたガラス細工が浮かび上がって
なかなか幻想的でありました。
そして、本日の大収穫が一つ。
何と古川美術館の所蔵品の中に
牛島憲之の作品が1点ある事がわかりました。
今度はこれを目あてに行こうと思うんですが、
いつ展示されるか調べられるんだろうか?
August 26, 2007
全巻揃わな気がすまん。
休日のぶらぶら散歩で近所のブックオフへ。
「買い物は5000円まで。」と心に決めて、
CDやら本やらを物色。
ふと目についたのが、30年も前の
「世界の名画」と云う大判の本でした。
そう云えば、昔、学校の図書館かどこかで見た様な気がする。
何となく懐かしかったのと、
並んでたのが「クレー(23)」「モンドリアン(24)」だったのと、
一冊1000円だったのとで、
「ま、トイレ本にでもするか。」と、失礼な目的で購入しました。
帰って読んでみると、なかなかいい。
大判でカラーだし、解説もわかりやすい。
更に著名人の随筆なんかも入ってたりする。
いい具合に色褪せた古い本の雰囲気は
ネットで色鮮やかな画像を検索するのと
また違った趣きがあります。
となると、私の性格からして、全巻揃わな気がすまん。
あー、やっちゃうなー、と他人事の様に思いつつ、
ヤフオクで物件を漁ると、
全巻揃いがあったりする訳です。
で、今、それが手元にあったりする訳です。
August 13, 2007
Prius追悼 短句大会
なかば自棄気味の選定による短句大会です。
そもそも短句とは…、
面倒なので説明は割愛します。
ウィキペディアで調べてください(嘘)。

最低の励ましです。
突き放したような冷たい一言で
逆に奮起させようと云う意図なのかもしれませんが、
それで頑張るくらいなら、最初から頑張ってます。

静と動の対比が美しい初期の名作。
私はパリの老紳士が霧で視界が悪いのをいい事に、
ステッキの曲がった持ち手の方で
通行人の足を引っ掛けてる姿を想像してしまいます。
五人に一人は転げ落ちてセーヌ川の藻屑となる事でしょう。

桂朝丸でもやらない非道な行為に思えます。
でも考えてみたら、箱ってポケットより広いんですよね。
耐えられるんじゃないかな。

王者ともなれば、嫉妬も半端じゃありません。
女々しさも極めれば風格を伴います。
「俺を差し置いてディズニーランドに行ったなぁ~!!」
「あいつなんか小学校の頃一人で下校してたんだぞ~!!」
「マイミク全員の説明をしやがれ~~!!」

上の王者とタイプの似た男だと思います。
ややこしい四則演算を見たら、もうひたすら足す。
もしくは渋滞中に周りのナンバープレートをむやみに足す。

単なる言葉遊びです。
読み方に注意です。
お分かりだと思いますが、少し不服そうに。

これまた言葉遊びです。
別に北がついていれば、北公次でも北一輝でもいいのですが、
なぜか北杜夫がしっくりときます。
イルカと船乗りクプクプの相性でしょう。
ちょっと文学的だし。
文学的と云えば、

まあ、誰しも思いついたネタではないでしょうか。
未だに「蟹工船」を読んだ事がありません。

同じ文学的作品でもネタがマイナーなので
あまり伝わらないと思われます。
安部公房の「デンドロカカリヤ」のパロディです。

更にマイナーな倉橋由美子の
「スミヤキストQの冒険」のパロディです。
元々マルキストのパロディなのでパロディのパロディ。
今は夏休みなので子供大会。
岸ユキってどうしてるんでしょう?

結構長い話らしい。
最後はルーベンスの一枚の絵を見ながら死ぬとみた。
酔っ払ってて、何が面白くて何がつまらないのか、
だんだん判断基準が曖昧になってきましたので、
親バカのチンピラを描いた短句で〆ます。
ご静聴ありがとうございました。
August 12, 2007
セーラー服と機関…車
今日は名古屋市美術館。
特別展は中村宏の個人展でした。
タイトルが「図画事件1953-2007」で、
コピーが「これは事件だ。」なんですけど、
これは必ずしも内容を正確に伝えているとは云えません。
「砂川五番」に代表されるルポタージュ絵画は
ほんの初期の作品だけでした。
ルポタージュ絵画→観念芸術→観光芸術と
中村宏の作風は変遷していきます。
観念芸術期あたりから画面の中には
想像の産物が埋め尽くされる様になっていきます。
繰り返し書かれるオブジェクト。
機関車、眼鏡の男、セーラー服、便器など…。
しかもそれらが有機的に入り混じって
機関車や飛行機の形をした女子高生まで登場。
ちょっとイカレたエロイラスト的ではあるのですが、
1960~70年代の思想とか時代背景が反映してか、
それが得体の知れないおどろおどろしさを持っているんですね。
でも、深遠なテーマを着飾ってる様でありながら、
実は自分の描きたいモノ(もしくは描き慣れたモノ)で
世界を埋め尽くしていくのが愉快なんだと思います。
だから個人的には観光芸術期の作品が好きですね。
「聖火千里行」やその隣にあった「観光なんちゃら(忘れた)」、
「円環列車A・望遠鏡列車」
「円環列車B・飛行する蒸気機関車」etc.…。
絵画と云うより、アートワークと呼んだ方がいいかも。
展示会終盤の80年代以降の作品については
絵が緻密になったり、無機的になったりしてますが、
そこまでの作品のイメージがあまりに強くて、
パワーダウンした様に思えてしまいました。
いやー、とにかく一つ目の女子高生は強烈ですわ。
今回はこんなグッヅも。
で、いつものポストカード。
August 11, 2007
貝焼場と出会う。
今日は凄い出会いのあった日でした。
朝から三重県立美術館に行ってまいりました。
地下鉄東山線~近鉄特急を乗り継ぎ、約1時間半。
更に駅から歩いて10分。
うだる暑さの中、汗ダルマになって坂道を登り、
ようやく到着しました。
わざわざ三重県まで足を伸ばしたのは、
今開催中の常設展の展示リストに
北川民次の瀬戸十景があったからです。
特別展は浮世絵。
広重や北斎などの東海道五十三次が展示されていました。
作風の違いなどがよくわかって面白かったです。
個人的には広重の名所江戸百景がもっと観たかったです。
名所江戸百景の方が遠近法が極端に使われていて
構図が思いっきり大胆なんですよね。
ま、とにかく特別展は軽く流して、常設展へ。
日本の近代の画家中心のコレクションで
ビッグネームの作品もチラホラ。
目的の北川民次の瀬戸十景は全11点が展示されていました。
「夜の工場」「瀬戸市街」「窯小屋」「工場の中」の4点は
以前愛知県美術館で観ましたが、
全部揃いで観たのは今回が初めてです。
小さいサイズの版画(リノカット)で、シンプルながら、
構図やデフォルメが独特で、なかなか味がありました。
黒地の比率が高く、プロレタリアな雰囲気がします。
さて、目的も果たしことだし、
残りは好きな作品だけ軽く流して行こうと
気楽な気持ちで次の展示室に入った瞬間、
私の目に飛び込んできたのが牛島憲之の「貝焼場」でした。
大袈裟じゃなく、心臓の鼓動で視界がぶれました。
まさか三重県立美術館に所蔵されていたとは!
油断してたら隣にリアディゾンがいた、ってくらいの衝撃です。
ブリヂストン美術館で「タンクの道」を観て興味を持ち、
昔のアサヒグラフをヤフオクで購入したところ、
その中に載っていたのが「貝焼場」だったんですね。
でも、実際は全然色合いが違いました。
もっと太陽の光が照りつけてて、コントラストが強烈。
働く人々の赤く焼けた肌が印象的。
私のイメージで色調を補正すると、こんな感じです。
大きさも130.3cm×193.9cmあるので、迫力も凄い。
とにかく生で観ないとびびっと来ないです。
私はのべで20~30分、この絵を観ていたと思います。
この絵に出会えただけで往復三時間+運賃+入場料は
無駄ではありませんでした。

■貝焼場/牛島憲之(上)
■海への道/北川民次(左)
■保永堂版東海道・箱根/歌川広重(右)
【おまけ】
貝焼きに出会ったので、帰りに津の駅前で
肝焼きで一杯呑んどきました。
当然、蒲焼きも行っときました。
東海らしい濃厚なタレですが、
甘さよりは醤油が勝ってます。
身は柔らかいのに皮がパリパリ。
でも端っこの方は身までパリパリ。
August 08, 2007
納涼 短句大会 追加公演
かつての短句仲間のNっかんから支持の声を貰ったので
また幾つかの作品を見繕ってみます。
今回も二十五年くらい前に作られたままの掲載です。

初期の名作の一つです。
韻を踏むと云う詩歌の基本を押さえた美しい作品。

これも確か初期の作品だったと思います。
三三七の短句の基本に忠実に作られてます。
ゴジラと云えばシリアスなモノと考えるのは
初期の頃のファンか最近のファンでしょう。
私が子供の頃のゴジラは子供人気を意識して
かなりふざけていた時代でした。
シェーをした後に照れ隠しに
ゴジラがはにかみ笑いを浮かべても不思議はない。

これもゴジラネタですが、自由律でかなり力技です。
「シナの五にんきょうだい」の絵本を読んだ事のない人には
さっぱりわからないと思います。
シナと云う言葉だけで悪書扱いされて消えてしまいましたが、
どうやら「ちびくろサンボ」と共に復刊されている様ですね。

一発ギャグ系の作品の様ですが、奥は深い。
絵描き歌のコックさんも絵の下手な子供にかかれば
みすぼらしい出来になります。
絵描き歌ですら、誰でも同じ様にできる訳ではありません。
能力の差が顕著に現れてしまうのです。
天は人の上に人を作り、人の下に人を作ったのです。

初期の名作と云われる作品。
ガムと云う欧米文化と大和魂を組み合わせた事で
今に生きる日本男児の心意気の様なものが
表現できていると思います。
短句にはパロディ作品も沢山ありましたが、
その中でも秀逸なのがコレです。

名作「ガムをかみて大和魂」を少し変えただけで
見事に音の響きを生かしつつ、別の情景を描ききった名作。
ある意味、この2つの作品は合わせて一本とも云えます。
説明すると野暮ですが、マグマ大使の子供がガムです。
マグマ大使ィの小さな「ィ」がマモル少年が笛を吹いて呼ぶ時の
セリフを彷彿とさせるのもポイント高し。
調子に乗って、パロディをもう一つ。

気付かれない程度に似せてあります。
ま、この手の悪乗りな作品は殆ど私でしたが…。

今回の選考にあたり、不覚にも笑ってしまったのがこの作品。
芭蕉の俳句「五月雨を集めて早し最上川」のパロディです。
何で括弧書きで〆ているのか意図がわからない。
この付け足し感が、何となく「ハヤシもあるでよ」を彷彿とさせます。
常人の感覚ではどこが面白いのかわからない句だとは思います。

これは云わずと知れた小倉百人一首の猿丸大夫の歌、
「奥山に 紅葉踏み分け鳴く鹿の 声聞く時ぞ 秋は悲しき」
のパロディです。筒井康隆の「裏小倉」の真似ですね。
それでは筒井康隆関係の短句をもう一つ。

これも説明すると野暮になりますが、
小松左京の「日本沈没」のパロディで
筒井康隆の「日本以外全部沈没」があるのはご存知でしょう。
だから、小松左京の「さよならジュピター」のパロディ作品は
間違いなくこうなる、ってネタ。

三好達治の有名な詩、
「太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。
次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。」
のパロディ。
静かな日本の情景がゴルゴ13的になってしまいました。
最後はジョンケージの"4分33秒"のパロディ。
July 29, 2007
シュルレアリスムと美術
いい天気だったので、ちょっと遠出して
豊田市美術館へ行ってきました。
特別展は「シュルレアリスムと美術」。
きつい坂道を登って汗だくになってようやく到着。
非常に充実した内容で、点数も多かったです。
しかしシュルレアリスムばっかりで128点は相当疲れます。
併設開催の「宇宙御絵図」が面白くなくて
サラッと流せたので、まだ助かりました(爆)。
気に入った作品は
アンドレマッソン「殺害」
同「ナルキッソス」
マックスエルンスト「灰色の森」
同「少女が見た湖の夢」
同「喜劇の誕生」
イヴタンギー「風のアルファベット」
ロベルトマッタ「1944」
同「ハートプレイヤー」
同「コンポジション」
奈良美智「ひよこ大使」
などなどです。
中でもマッタの「ハートプレイヤー」と
マッソンの「殺害」と
タンギーの「風のアルファベット」は
理屈抜きに入り込んでくる作品でした。
人気の高いマグリットは点数も多かったのですが
今ひとつシックリきませんでした。
何か頭で考えたあざとさが感じられる。
ラーメンズの小林賢太郎の舞台GOOD DAY HOUSEの中で
「何か浮かせてりゃマグリットになる。」
って芸術を小馬鹿にした様なシーンがありましたが、
「何か透けてりゃマグリットになる。」
ってセリフも付け加えておいて欲しいです(笑)。
いつもの様に今日観た作品のポストカードを買おうと
ショップに立ち寄ったのですが、
展示していない絵のポストカードばかり…。
どーゆーこと?記念にも何にもならないではないか。
その辺り改善いただければありがたいです。>豊田市美術館さま
ちょうど帰りがけの時間に浴衣姿の若者が沢山繰出してました。
どうやら今日は花火大会だったみたいです。
豊田市美術館提供でシュルレアリスムな花火とか
打ち上げたら面白いだろうなぁと思いつつ家路についたのでした。
July 28, 2007
納涼 短句大会
暑中お見舞い申し上げます。
この度、当bloggy Q'sでは
暑い夏を涼しくお過ごしいただくために
心ばかりの短句大会を開催致します。
尚、短句についての簡単なご紹介ですが、
今から約二十五年程に西宮北高校の図書準備室で誕生し、
僅か一年で衰退した詩歌遊びでございます。
俳句よりも少ない三、三、七で歌を詠みます。
季語は必要ありませんが、間や言葉の響きを尊びます。
尚、多少の字余り、字足らずは問題なく、
それどころか自由律短句のムーブメントも起こりましたので、
だんだん文字の制約はユルユルになっていき、
一発ギャグと変わらなくなっていきました。
そこはかとなく愉しい短句の世界でしばらくお過ごしください。
作品は全て当時のものです。
出典:「可哀想な短句達」 しほたつ編纂

クリームリンスの粘度で逆巻かれたら
かなりいい感じにうねってくれると思います。

非常に複雑な家庭事情があるようです。
触れないようにしましょう。

「うなるぜ」って息巻いても赤い下駄なんですよね。
ヤンキーの婦人用サンダルみたいな感覚か?

丁稚と云えば落語に出てくる様な
少し抜けたような頼りないイメージがありますが、
中には熾烈な丁稚もいたに違いありません。
旦那や番頭がもっと早く気付いていれば
恋さんがあんな目に会わなくてすんだのに。

単なる言葉遊びです。
この類いの短句は沢山ありました。
「妻をめとらばサイトカニン」
「命短し恋せよオートメーション」
「見たか聞いたか伊能忠敬」
言葉のインパクト勝負ですね。

何か重大なミスを犯した卑弥呼が
踊って誤魔化そうとしているのだと思います。
きっと汗だくです。

パロディものも沢山ありました。
我々の世代であれば誰もが知っている名ゼリフですが
二十五年も経つと通用しないかもしれません。

字余りですが正統派の短句と云えるでしょう。
誰もがレオタード姿で走るコマネチを思い浮かべる筈。
手には白い滑り止めの粉もついているかもしれません。
火事場から荷物を運び出す時に滑らなくていいですね。

高校時代の遊びだったので勉学ネタが多いのは事実です。
ロシア帝国で起こった悲しい事件も
時が経てば人々の記憶から薄れていく。
しかし、それは今が平和だからなのです。

これはまさしく予言です。
まだ狂牛病などと云うものがなかった時代に
牛のプリン=プリオンでヨロレヒ=ヨレヨレになる事を
云い当てたのです。驚愕の歴史的発見。

これもインパクト勝負の言葉遊びですが、
リズム的には短句の文字数に則った作品。

あらゆるルールを無視した自由律短句。
文字数が全く足りていないのはまだヨシとして、
歌会では作品を読み上げる訳ですから、
漢字の違いでネタを作っても伝わる道理がない。
二十五年の時を経て、今、blog上の短句会では
その意図がやっと花開いた事になります。
けど、元ネタがわからなくなってたりして。

文字数制限を思いっきり無視した作品。
こんなのばっかり作ってたのが私でした。
短句を駄目にした元凶。
今回の短句会は以上です。
また色んな節目で思い出したように取り上げたいと思います。
July 16, 2007
20世紀美術の森
朝からいい天気だったので
愛知芸術文化センターに行ってきました。

名古屋一の繁華街、
栄のど真ん中にあるでっかい建物。
てっきり官庁系の何かだと思ってました。
中には愛知県美術館、愛知県芸術劇場、
愛知県文化情報センターが入っています。
ちょうど愛知県美術館では
「20世紀美術の森」ってイヴェントが
開催されておりました。
愛知・岐阜・三重の県立美術館の協同企画で
各々の所蔵品を出し合うと云う贅沢な内容。
しかし、個人的に期待してたのは
常設展の「北川民次特集」だったので、
朝の元気なうちにまずはそちらに足を運びました。
北川民次は1894年静岡生まれ。
アメリカ、メキシコで勉強した後、
瀬戸に住んで街の風景を沢山描いた人です。
以前、名古屋市美術館で「瀬戸風景」を観て気に入ったので、
今回も瀬戸の風景画を沢山観たいと思ってたんですが、
瀬戸関連は版画数点のみでした。う~ん、ちょっと残念。
でもメキシコを題材にした油絵と
晩年のバッタをテーマにした作品が沢山ありました。
どうしてバッタなんだろう?と不思議に思って調べてみたら、
メキシコのある種族がバッタを祖先の象徴として奉っているらしい。
なるほど、それで北川民次はバッタを擬人化して描いてるんですね。
それにしても常設展だけでもかなりのボリュームです。
「北川民次特集」の他に「20世紀の美術」「現代の顔」
「藤井達吉」「木村定三コレクション」などを開催中。
軽く流すつもりがどれも面白い内容だったので
思わずじっくり見入ってしまいました。
中でも木村定三コレクションは面白かったです。
江戸から近代の日本の芸術品を収集した名古屋の収集家。
絵画、書、工芸品など幅広いコレクションがありました。
で、今回特に点数が多かったのは熊谷守一の作品でした。
シンプルでユーモラスなタッチの絵です。
「石亀」「雨水」「雨滴」など、気持ちがすっきりする作品。
東京には彼の美術館があるんですね。
http://www.kumagaimori.jp/
調べてるうちに、「陽が死んだ日」と云う絵に辿り着きました。
陽(よう)は2歳で病死した熊谷守一の子供の名前。
その死に顔を描いた作品なんです。
上の作品とは全く違うタッチの鬼気迫る絵です。
同じ人が描いたとはとても思えません。
大原美術館のWeb展示室で観る事ができます。
あと「20世紀の美術」は質・量ともに大満足でした。
絵画だけでなく彫刻作品にもいいのがありましたよ。
ケーテコルヴィッツの「恋人たちII」
エルンストバルラッハの「忘我」
この2作品はまわりを何周も回ってしまいました。
で、特別展の「20世紀美術の森」に入場した時には
もうかなり気力が磨耗しておりました。
くたくたになってるところにピカソ、ミロ、ゴーギャン、ダリ、クレー…。
ま、まいった…。
やはり美術館は3時間越えると集中力が続きません。
ぼーっとする頭で眺めてるとカンディンスキーの「たのしい飛翔」が
とても楽しそうに見えてきました。
きっと頭の回路がいい具合に壊れてきたんでしょう。
考えてみたら、この三連休、20世紀の芸術三昧でした。
左から
■石亀/熊谷守一
■たのしき飛翔/カンディンスキー(上)
■灰色と金色の展開/クプカ(下)
■南国の花/北川民次
July 06, 2007
どよんと通勤
i-podを聴きながら通勤をしている人は
沢山いると思いますけど、
電車の中で寺山修司は如何でしょうか。
間違いなく周りの人が劇中のエキストラに見えてきます(笑)。
中でも「いつも裏口で歌った」はたまらない。
寺山修司と九條映子(後に結婚、すぐ離婚)との会話を
町の喧騒の中で録音しているだけのドラマ。
あらすじらしいあらすじはありません。
でも、他愛もない恋人同士の会話を聞いていると、
作られたドラマでは得られない瑞々しい感情が
湧き起こってきます。
寺山修司の青森弁なまりもいいし、
九條英子の少しぶっきらぼうな口調もいい。
美化してない昭和30年代~40年代の雰囲気が
リアルに感じられます。
そう云えば、中学~高校の頃、
FMでラジオドラマをよく聞いてました。
もしCD化されたら全50巻10万円くらいしても、
きっと買う…。
June 30, 2007
May 18, 2007
ダリ展 in 名古屋市美術館
土日は混雑するにちがいないので
わざわざ有給休暇を取って
金曜日の朝一番を狙いました。
開館直後の9:30はお客さんも少なく
シメシメだったんですけど、
どんどん人が増えていき
あっと云う間に一杯…。
みんな考える事は同じですな。
しかも、いつものペースでゆっくり観てるうちに、すっかり馬群に呑まれ、
休みを取って早出した意味がなくなってしまいました。
ま、世界的な芸術を1300円で独占しようなどと考える方がイカンですな。
で、ダリの印象。
一言で云えば「わかりやすいシュール」でした。
地平線を描いた広がりのある空間にオブジェクトを配置し、
存在しない筈の空想世界を、さも存在するかの様に描いてます。
だから、立体感はしっかりつけるし、遠近法にも逆らわない。
大抵、光は右上手前から注いでいて、影は左下奥に伸びてます。
その立体感が心地よく、すんなり入ってきます。
もしダリの時代にCG技術があったら、
とんでもないモノを映像化してたんじゃないかと思います。
それからダリのよく使う技法でダブルイメージと云うのあります。
図と地の見方を変えたら、別の絵が浮かび上がってくるってヤツ。
隣で観ていたおばちゃん二人が
「ほら、ここが目で、鼻で、この手の部分がヒゲになってるのよ。」
「あ、ホント。顔に見えた。へー、面白いわね。」
なんて会話をしてましたが、正にその程度のコト。
別段それに深い意味が込められている訳ではなく、
ダリ本人も人の目を欺く事を楽しんでいるだけの事ではないかと。
画家が頭の中のイメージを他人にイメージとして伝える為には
どうしても人の目を経由しなければいけません。
例えば、抽象画の場合はイメージをそのまま伝えようとするも、
目と云うインターフェイスがネックになって伝わらない。
あまりにも見慣れない対象物を見せられたところで
イメージの描きようがないですからね。
一方、ダリは目が普段見慣れている立体感や遠近感に忠実に描くことで
現実の中に非現実的なイメージをうまく紛れ込ませた。
その辺りが巧いと思う訳です。
あと、ぐにゃぐにゃの時計、松葉杖、引き出し、壊れた船etc.…、
符号化されたパーツが色んなところに出てくるのは有名ですけど、
どういう訳か蟻は頻繁に登場する割にエエ加減に描いてあります。
特に足。
周りのオブジェクトがリアルに描いてあっても、足はただの「く」。
しかも生えてる場所がマチマチ。なぜだろう?
とても面白い展覧会でしたが、とても疲れました。
ダリの絵は細かいところまでチマチマ描き込んでいるので
何度も離れたり近づいたりしないといけません。
それほどの点数でもなかったのに3時間かかりました。
May 07, 2007
ツグノフの森 in 伊丹AIホール
先日、G2プロデュースのツグノフの森を観てきました。
うーん。
正直、中途半端な出来でした…。
シュールな設定がスラプスティックな笑いに繋がる事もなく、
特に感情も動かないまま淡々と進んでいきました。
色々なネタフリが結びついてようやく面白くなりかけたところで
…なんと、おしまい。
天才G2も読み違える事があるんですね。
February 02, 2007
January 13, 2007
石橋を讃えてまわる。
東京駅、八重洲口を出て
徒歩10分ちょいのところに
ブリヂストン美術館があります。
正に東京のど真ん中。
オフィスビルの立ち並ぶ中、
自らもビルのような顔をして
さりげなく存在しています。
知ってる人は知ってるけど
知らない人は知らない。
また、いつも前を通り過ぎてるけど
行ったことない人も多いのでは?
でも、凄いんですよね、ココ。
近代現代の美術が好きな人には
まさに目の盆と正月がいっぺんに
きたかのような状態になります。
今から5~6年前にも一度行ったのですが、
時間がなくて、じっくり鑑賞できませんでした。
先週末、東京で会議があったので、
終了後、プライベートで宿泊し、数年越しのリベンジ。
今は「じっと見る」と云うテーマで所蔵品を展示していました。
前回見た記憶のある作品も多かったですけど、
初めての作品も沢山ありました。
今回、気に入った作品も無茶苦茶沢山。
マネ「オペラ座の仮装舞踏会」
モネ「アルジャントゥイユの洪水」
ルオー「芝居の呼び込み」
岸田劉生「街道(銀座風景)」
小出楢重「帽子をかぶった自画像」
牛島憲之「タンクの道」
マティス「青い胴着の女」
ドンケン「シャンゼリゼ大通り」
藤田嗣治「ドルドーニュの家」
ルオー「イヴリー河岸」
ピカソ「カップとスプーン」
ピカソ「画家とモデル」
ピカソ「馬」
ピカソ「ブルゴーニュのマール瓶、グラス、新聞紙」
デュビュッフェ「暴動」
ポロック「Number2,1951」
スーラージュ「絵画、26 May 1969」
ウーキー「15.01.61」
ウーキー「24.02.70」
ウーキー「07.06.85」
ブランクーシ「接吻」(彫刻)
中でも今回長い間眺めていたのは
牛島憲之の「タンクの道」でした。
なんてことない絵なんでしょうけど、
柔らかな曲線の構成で描かれる工場に
何とも云えない叙情性が感じられたんですよね。
いやー、よかったです。
入場料は800円とリーズナブルだし、
全員に渡されるパンフレットに展示全作品のリストが書いてある。
凄く丁寧でユーザーライクな美術館だと思いました。
見てまわるのに3時間くらいかかりましたよ。
途中、休憩しないと、集中力が持ちませんでした。
January 07, 2007
雪のエルミタージュ
横殴りの雪が吹き荒れる中、
名古屋市美術館で開催されている
大エルミタージュ美術館展へ足を運んできました。

公開3日目の日曜日にも関わらず、
雪の日の朝一番と云う事もあって、
割とゆっくり見て回る事ができました。
やはりいつも目に留まるのはピカソですねぇ。
農婦を描いた1点だけでしたけど、いい絵でした。
あと妙に気に入ってしまったのが、
エドモンランプレールの「待ち合わせ」って絵。
意図してか偶然か、隅っこの方に展示されてまして、
これがまたひっそりと待ち合わせをしてる様で
実に雰囲気がよかった訳です。
今回は特別展よりも常設展に収穫がありました。
北川民次と云う画家の作品が数点展示されてましたが
そのどれもが素晴らしかった。
静岡県で生まれ、メキシコで才能を開花させ、
日本に戻った後は児童美術教育に力を注ぎ、
愛知県瀬戸市にアトリエを構えて活動した人。
独特の立体の把握と構図の妙、
特に人物のユーモラスな描き方に目が行きますね。
「瀬戸風景 (中学生の居る風景)」なんて、
ぱっとみたら中学生がいないんですよ。
よく見ると塀の影からちょっと見えてる。
思わず顔のほころんでしまう情景の切り出し方です。
「瀬戸の工場」もよかったなぁ…。
北川民次でgoogleのイメージ検索をしたら
色々出




































