ジャズ

2024/02/26

甲南山手の夜

西山瞳さんとmaikoさんのライヴを聴きに
甲南山手のzingと云うお店に行きました。

生まれて初めての甲南山手駅。
腹ごしらえに入った焼き鳥屋が
かなりのクォリティのお店でした。
予約で一杯だったんですが、
たまたま我々が早めの時間帯だったので、
7時からの予約までの隙間に入り込めた。
ラッキーでした。
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ほんの一時間前まで、鳥を眺めながら
コーヒーを飲んでたんですが、
全然違和感なく切り替えられる不思議さ。

その後はメインのライヴに。
ピアノとヴァイオリンとのDuoです。
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(撮影:けだほてさん)
maikoさんのヴァイオリンと
西山瞳さんのピアノの相性が凄くいいなぁ。
ヴァイオリンのヴィブラートが控えめなせいもあって
クールでありつつ、心地よい。
冷たいシーツに潜り込んだよう。
お互いのオリジナル曲中心のプログラムで
私にとって既知の曲も未知の曲も、
全て新鮮な響きに満ちていました。
とても良かった。


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2019/04/07

【買ったら聴こう00165】Duet for Eric Dolphy/高瀬アキ&Rudi Mahall

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エリックドルフィ繋がりで。
高瀬アキ(pf)とルディマハール(bcl)のデュオによる
ドルフィの楽曲集。
一部、高瀬アキのオリジナル曲や
スタンダードの"I'm confessin'"も収められてます。
ん?"I'm confessin'"って、ドルフィ演ってたっけ…。

それでも全14トラック中10曲はドルフィの曲で、
"245"、"Les"、"Serene"、"Miss Ann"など
代表的な作品は網羅されているので、
ドルフィの曲を高瀬アキがどう演奏するんだろう、
って楽しみが一杯あってワクワクします。

高瀬アキはフリージャズや現代音楽寄りの人なので
曲によってはドルフィの曲の解釈も
アプローチがそっち寄りになっています。
ルディマハールもドルフィに似せる訳ではなく
楽曲を二人のカラーで再構築してる感じが良いですね。

「Out to lunch」で奇怪なアンサンブルを響かせてた
"Straight up and down"

ルディマハールのクラリネットソロで奏されます。
全然雰囲気が変わって、とても新鮮です。

高瀬アキの"Rudi My Beer!"ってタイトルの曲は
同じモンクの曲でも"Epistrophy"が頭を掠めます。
個人的にエピストロフィってモンクのイメージより
ドルフィのラストデイトのイメージが強いので
妙にしっくりきました。

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2019/04/03

【買ったら聴こう00164】A tribute to Eric Dolphy/Joe Rosenberg's affenity

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ジョーローゼンバーグのトリビュート作品、
次はエリックドルフィです。
癖の強いミュージシャンを取り上げますが、
仕上がりはオーネットコールマンの時と同じで
ノーマルな枠内に収まる感じが強いです。

バディコレットが参加してるのは
エリックドルフィが駆け出しの頃に
彼のバンドにいたし、
チコハミルトンの繋がりもあるので、
縁の人として呼ばれたんだと思いますが、
エリックドルフィの楽曲を演るのに
適任だったかどうかは微妙なところ。

"Bee vamp"でジョーローゼンバーグが
ドルフィの手癖フレーズを真似てますが、
やたら頻発するので少し耳障りです。

オーネットコールマンの時もそうでしたが、
ドルフィも音色の豊かさが魅力の一つなので、
ギスギスしたソプラノの音で奏されると
どうもイメージが狂いますね。

全体的にこじんまりとしていて、
あんまりヒートアップしません。
ファイヴスポットではあんなに熱かった
あの"Fire waltz"が間延びして聴こえる。

で、最後の"So long Eric"はミンガスの曲。
"Miss Ann"や"245"や"Les"は演らないの?

 

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2019/04/02

【買ったら聴こう00163】A tribute to Ornette Coleman/Joe Rosenberg's affenity

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一つ戻って、再びオーネットコールマン関係。

ジョーローゼンバーグってサックス奏者の
オーネットコールマントリビュート作品。
1995年のライヴ音源です。
オーネットコールマンと共演経験のある
デューイレッドマンをフィーチャー。

冒頭は"Blues connection"で軽快に。
やっぱり彼の曲って明るいんですよね。
"Lonely woman"は例外的な曲かもしれない。

で、本人が演ると、アドリブもどことなく
おおらかな感じがするんだけど、
やっぱり他の人だと、シリアスになっていく。
あれ、 "Blues connection"って
こんなに普通の曲だっけ。

オーネットコールマンの魅力の一つは
やっぱりあの音色だと思うんですよね。
ジョーローゼンバーグがソプラノを
デューイレッドマンがテナーを吹いてますが、
特にソプラノのギスギスした音が
オーネットコールマンのイメージから離れてて、
普通のフリー気味のジャズに思えるのかも。

 

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2019/03/31

【買ったら聴こう00161‐162】That's the way I feel now./various artists

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サブタイトルが「A tribute to Thelenious Monk」。
癖のあるミュージシャンが寄り集まって作られた
レコード二枚組のセロニアスモンクの楽曲集です。
参加ミュージシャンはジャズだけではなく、
ロック、ポップスからも多く参加しています。
昔ながらの4ビートジャズは少なめです。

ロック、ポップスの人の名前はよく知らないですが、
ドクタージョン、トッドラングレン、
ドナルドフェイゲン、アートリンゼイ辺りは
私でも聞いたことのある人です。

モンクの曲の変さを面白いと思える人々が
更に趣向を凝らして好き勝手やってるので、
出来上がった音楽もモンクを凌ぐ
異形の面白さに満ちています。

個人的に最も好きな演奏は
ドナルドフェイゲンとゲイリーウィンドによる
"Four in one"です。
シンセ、ギター、ドラムマシン等の多重録音に
サックスを重ねたジャンキーなトラック。

でも、それ以上にイカれた演奏をしてるのが、
ジョンゾーンです。やっぱりね(笑)。
サンプリングとか使いまくりで、
何でもありの"Shuffle boil"をかましてくれます。

中で一番ロックテイストが強いと思われるのが
クリススぺディングらの"Work"です。

オーソドックスなところでは
バリーハリスも参加していますが、
彼とてタックピアノを使って、
ホンキートンクな味わいで"Panonica"を弾いてます。
普通の演奏ができる雰囲気ではなかったのかも。

一番真っ当なのは意外とドクタージョンによる
"Blue Monk"だったりする。

あと、モンク信者のスティーヴレイシーの演奏が
4曲も入ってる上、
チャーリーラウズとのデュオ、
エルヴィンジョーンズとのデュオ、
完全ソロ、ギルエヴァンスとのデュオと、
全て違う顔合わせなのも面白い。

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2019/03/30

【買ったら聴こう00160】Spy vs Spy/John Zorn

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オーネットコールマン、ピーターエヴァンス繋がりで。
ジョンゾーンによるオーネットコールマン集。
そこそこの有名盤ですね。

編成は
ジョンゾーン(as)、ティムバーン(as)
マークドレッサー(b)
ジョーイバロン(ds)、マイケルヴァッチャー(ds)
と云うツインアルト、ツインドラムと云う変則コンボ。

A面は11曲オーネットコールマンの楽曲を
猛烈なスピードで詰め込んでます。
一曲当たり一分そこそこ。

全曲パルスの様なドラムの連打と咆哮するアルト。
メリハリなんてない。
音の洪水に身を委ねて陶酔感に浸るのみです。

B面になると、一曲一曲が長くなり、
テンポも少し落ち着きます。
それでもツインドラムのビートは強烈で、
全部メインディッシュ。

個人的には"Free music"が好きです。

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【買ったら聴こう00159】This is our moosic/Mostly other people do the killing

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ジャケット繋がりで(笑)。

オーネットコールマンの曲は一曲も取り上げてません。
でも、精神は引き継いでいるかもしれない。
いや、やっぱりどうかわかんない(笑)。

スタイル的にも間違いなくジャズでありながら
突拍子もない展開で、何が飛び出してくるか読めません。

恐らくリーダー格のピーターエヴァンスは
ジョンゾーンの音楽性に近いところもあり、
自分たちのカッコいいと思う音楽づくりに
タブーはないんでしょう。

個人的に好きなのは"Drainlick"、"East orwell"、
"My delightful muse"あたりで
混沌とした中からビートが湧き出してきて、
粗いアンサンブルが始まるパターンが多い。

最後はビリージョエルの"Allentown"ですが、
訳の分かんない終わり方をします。
これもまた一興。

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2019/03/29

【買ったら聴こう00157】Zeitgeist/Denny Zeitlin

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デニーザイトリンの1967年のアルバムです。
私の持っているのはジャケ違いです。
カット盤の切れ込みが入ってるのですが、
discogのサイトで使われてる写真はカットの位置から見て
私の過去の画像から引っ張ってきたっぽい(笑)。

ま、そんな事はどうでもいいですね。失礼しました。
タイトルのZeitgeistはザイトリンの名前に似てるので
造語かと思ってたんですが、時代精神と云う意味だそうです。
詳しくはウィキペディアをご覧ください。
難しいことが沢山書かれています。

ザイトリンは精神科医と云うイメージもあって、
知的で、少し冷淡なピアノを弾く人って印象があります。
私がそう思ったのは先入観に加えて、
このアルバムの"Dormammu"を最初に聴いたからかも。
メカニカルなテーマを硬質なタッチで弾き始め、
途中、内部奏法もあり、フリーな領域まで踏み込んでます。

"I got rhythm"はかなり大胆に崩してるので、
曲目を確認しないと分からないレベル。
現に私は今日まで気づいてませんでした(爆)。

で、A面ラストで"Maden voyage"を演ってます。
これを聴きたくて買った人もいそうですが、
演奏自体は割と淡々としてて、物足りないかも.

B面の1曲目と3曲目はベースがヘイデンに代わる。

"Offshore breeze"はボサノヴァ調のリズム。
こんなメロディアスで哀愁を漂わせる曲もやってるのに、
冷淡なイメージは抜けないなぁ…。
第一印象って怖いですね。

B面ラストの"Mirage"は17分を超える最長のトラック。
かなり即興性の高いスローなナンバーで複雑な変拍子。
間合いを図る様な緊張感のある展開を経て、
途中、完全なドラムソロに突入します。
テーマに戻りそのまま終わるかと思いきや、
ヘイデンの完全ソロが始まります。
聴きごたえありますよ。

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【買ったら聴こう000156】Break through/Elder Djangirov

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今から30年近く前、初めてゴンサロルバルカバの
モントルーライヴを聴いた時は本当に驚いた。
エルダージャンギロフのこのアルバムを聴いた時、
その時と同じくらい興奮しました。
ホントに凄い。
一音一音の粒立ちが素晴らしく、
強靭なリズムでそれらが弾け飛ぶ。
平易なフレーズの早弾きではなく、
音数の多さに必然を感じます。

まずは"Point of view Redux"がえげつない。
音楽の三要素が全て異次元の進化を遂げた感じ。
ごめん、少し云い過ぎた(笑)。
でも、凄い。
1分30秒位からの不協和な左右のパラレルは
とても印象的です。
こんなピアノスタイルって、
どうやって形づくられたんだろう。
「バッハ、ブラームス、プロコフィエフ」って
アルバムも出してるので、
クラシックからの人だと思うのですが、
そんなに雰囲気は微塵も感じさせません。
ま、プロコフィエフの名前が出てくる辺り、
ひねくれた音楽が好きな可能性は高いですけど。

"Hope"って曲を聴くと、クラシック系の香りが
少しするかな。

でも、続く"Tokyo pulse"も"Blink"はゴリゴリ。
メインディシュからのメインディシュで、
お腹一杯になりそうなもんだけど、
何杯でもお代りできる程、魅力に溢れてます。

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【買ったら聴こう00155】Playing with music/Michele di Toro

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前回からの流れの話。
ヨーロッパ系のピアニストは
クラシックの基本がしっかりしてる分、
その間に培われたセンスが身に付いてるので、
ジャズに転身した時、その辺りがチラつく、
みたいな事を書きました。

誤解されないように書く加えますと、
全くヨーロッパジャズを否定してるのではなく、
逆に大好物だったりするものだから、
勝手に色々捏ね繰り回して考えてるだけです。

それなりにこだわりもあるので、
子細な事が気になったりするのです。
少なくともヨーロッパ系のピアニストを
全部ひっくるめてエヴァンス系と云う様な人とは
あまり友達になりたくありません(笑)。

さて、その流れでミケーレディトロって人。
マーシャルソラール賞を取ったって情報を訊いて、
取り敢えず買ったのが今回の一枚。
このマーシャルソラール賞は
アントニオファラオ辺りも取ってるそうな。

期待して聴いてみたのですが、
先に述べた私の好みの境界線で区切ると、
明らかに苦手な領域のピアニストでした。

敬愛するマーシャルソラールの音楽性を
期待してたら、一曲目の"Sabrina"ですよ。
えっ、マジで、って感じでした。
スムースジャズと云うか、
イージーリスニングと云うか、
濁りのない甘く美しい曲。
ソラールとは対局の音楽やん。

で、"Honeysuckle rose"を早弾きしたり、
"トルコ行進曲"をジャズっぽく変奏したり、
クラシックの素養をかなり引き摺ってる。

どこかオリエンタルな雰囲気を漂わせる
"In a sentimental mood"では
高音域での中国的な合いの手を入れてる。
この感覚も苦手…。

何よりも音使いに毒っ気がないのが、
私にとってはどうも…。

ネットでは褒めてる人が沢山いるみたいなので、
私の方が少数派なのでしょうね。

ひょっとしたら他のアルバムは
全く方向性が違って良いのかもしれないけど、
怖くて手が伸びないです。

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2019/03/28

【買ったら聴こう00154】Now/Vigleik Storaas

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ノルウェーのヴィグレイクストラースって
ピアニストの2008年の作品です。
この人はカーリンクロッグ、ジョンサーマンらの
ノルディッククァルテットでピアノを弾いてた人。
それで気になって何枚か買ったうちの一枚。

冒頭の"Tucan waltz"は如何にもヨーロッパ的なスタイル。
誰々に似てるって云い方は
出来るだけしないように心掛けてますが、
エンリコピエラヌンツィの音選びやフレーズを感じる。
エヴァンス系ではなく、エンリコ系。
特にSoul noteの頃の。

"Brushes Baby"はやや甘口のバラッド、
"Blues for Sivert"は基本的なブルースですが、
いずれもテンションノートを散りばめて、
一味違う仕上がりになっています。

ヨーロッパ系のピアニストは
クラシックの基本がしっかりしてる分、
その間に培われたセンスが染み着いていて、
ロマンチックで調和のとれた音楽から
どれだけ崩れてくれるかが
私の好みの分岐点なのですが、
ストラースはその境界をうろうろしてる感じ。

作曲のセンスはややベタかもしれないけど、
アドリブがヒートアップしてくると、
一線を越えてきます。
あくまでも境界線を決めてるのは私なので
要は好みかどうかって話を
回りくどく云ってるだけなんですけど。

で、このアルバムで一番好きなのは
タイトル曲の"Now"です。
静かな湖面の揺らぎの様な曲なんですけど、
小難しくなりすぎず、甘くなりすぎず、
常に美しさを湛えた演奏です。

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2019/03/24

【買ったら聴こう00153】Blue sunset/Michel Sardaby

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今から三十年くらい前、
私がまだジャズ入門期でビッグネームを一通り覚えた頃、
聞いたこともないピアニストのCDが店頭を賑わせました。
ミシェルサルダビー。
おそらく有名なジャズ喫茶のマスター系の評論家あたりが
取り上げて盛り上がったのではなかったかと思います。
で、そのプチブームの中でCD化されたのがこのアルバム。
今はなき梅田のWAVEで買って、期待MAXで聴いたけど、
内容的には極めてオーソドックスなピアノトリオでした。
タイトル曲の"Blue sunset"を除けば、
かなりいなたい。
ブルージーな曲がてんこ盛りで、常套句の嵐。
この手の演奏をジャズっぽいと思う人が多いのは分かる。
"Wendy"や"Volcanic"あたりを聴くと、
ブルーノート4000番台の様な雰囲気が漂ってます。
管が入ったら、まんま当時の売れ線の音です。
ガレスピーの"Con alma"も演ってるんですけど、
個人的にこの曲は古い人がやると古い音になり、
新しい人がやると一気に新しい音になる、
特徴的な曲だと思います。
サルダビーは音がダンゴ気味で重たい感じ。

 

 

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2019/03/23

【買ったら聴こう00152】Paul Blay with Gary Peacock

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1963年と1968年の音源を合わせて
1970年にリリースされたアルバムです。
ドラムは前半がポールモチアンで
後半がビルエルガートです。
録音の音質の違いもあるけど、
トリオの方向性が全く変わってるのが
よくわかって面白いです。
60年代の録音だからか、
今のECMのような透明感のある音質ではないけど、
63年の方は乾いた響きのピアノと
生々しいピーコックのベースが
ザワザワした演奏を繰り広げてます。
オーネットコールマンの楽曲を
2曲やってるのが特徴的で
尖がった演奏ですが、バップをベースにしてます
ブレイのピアノはハーモニーが痩せてて、
ギスギスした感じがします。
で、68年の方はウェットな音質になっています。
6曲目の"Gary"で切り替わるのですが、
全く別人の演奏を聴いているかのようです。
録音の違いもあるけど、スタイルの変化に面食らう。
とても内省的で、音遣いも厳しい。
8ビートの"Big foot"を挟んで、
最終8曲目の"Albert's love theme"で
再びシリアスなスローなナンバーに戻ります。
個人的には6曲目と8曲目のような演奏に
ポールブレイらしさを感じて、しびれてしまう。
二つの音源の63年と68年と云う年代に注目。
64年にジャズの十月革命と呼ばれる
フリージャズのワークショップが開催されて
ポールブレイもそれに参加したとの事です。
で、彼の代表作として名高い
「Touching」も「blood」も「Closer」も
この後の65~66年の間に録音されているんですね。
彼にとっての変革期を挟んだ前後の演奏を
カップリングしてあるのがこのアルバムのキモです。

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2019/03/21

【買ったら聴こう00151】Duo in Paris/Martial Solal & Joachim Kuhn

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ビッグネームのデュオ繋がりで。
大好きなマーシャルソラールと
ヨアヒムキューンのデュオライウです。
天才二人の顔合わせに期待は膨らみますが、
個人的には我が道をゆく二人が
おのおの語り続けている印象を受けました。
時折、対話や呼応の瞬間はあるものの、
すぐにそれぞれがバラバラに話し始めます。
ひょっとしたら、凡人にはついていけないけど、
天才同志にはわかりあえてるのかも(笑)。
ルバートな部分が多いのも、
二人の対話をわかりにくくしてる要因かな。

 

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2019/03/17

【買ったら聴こう00150】Evening With Corea & Hancock

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ハービーハンコックとチックコリアのデュオは
両者が所属するそれぞれのレコード会社から
異なる内容でそれぞれアルバムが発売されています。
前回の記事を書いていてその事を知ったので、
さっそくポリドールから出てるもう一枚の方も
買ってみることにしました。
結果的にこちらのアルバムも凄くよかったです。
濃密な対話と云う意味ではこっちの方が聴き応えあり。
特に"Homecoming"や"The hook"では
内部奏法やプリペアド風の奏法も交えて、
見事なインプロヴィゼーションを展開しています。
全体として、どちらかが伴奏に回ったり、
明確にバースチェンジしたりする事はあまりなく、
ソリで進めながら、相手の音に反応してる事が多い。
二曲目の"Ostinato"はバルトークの曲。
ミクロコスモスの第6集の中の
最もバルトークらしい曲の一つですが、
作曲家本人がミクロコスモスの中から7曲を
二台のピアノの為にアレンジしたモノ。
チックコリアは以前にもニコラスエコノモウと
この組曲ライヴ録音していますが、
その時よりも最初のスピードが格段に遅い。
その代わり、パーカッシヴなアクセントは
極端につけて演奏しているようです。
細部までは分かりませんが、譜面通りだと思います。
で、"Bouquet"だけがチックコリアのソロ演奏です。
音の組み立てを明らかにデュオの時とは変えて
コリアらしい透明感のあるプレイになってます。
コロムビアから出たアルバムと共通している曲は
"Maden voyage"と"La fiesta"。
ま、二人の看板曲を片方だけに収めると
揉める原因になるので、両方に入れたのかな。
とは云え、コロムビア版とはヴァージョンも異なり、
ポリドールの方は2曲で16分半と半分以下の尺。
それぞれで聴き比べてみるのも面白いですね。

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2019/03/15

【買ったら聴こう00148-149】In concert/Herbie Hancock & Chick Corea

【買ったら聴こう00148-149】In concert/Herbie Hancock & Chick Corea
ハービーハンコックをもう一枚。
チックコリアとのデュオのライヴアルバムです。
ハンコックもコリアも、個人的には
さほど好んで聴いてないけど、
あまりにビッグネームなので、
知らず知らずの内に耳にしてるし、
このアルバムについても、
知らず知らずの内に買ってた(笑)。

右がチックで左がハービーと聴き分けられて、
ありがたいです。
とは云うものの、私の駄耳では
お二方の特徴はイマイチ分からない。
コリアが思ったよりハンコックっぽい(笑)。

コードワークやフレーズの癖なんかは
もっと耳の優れた人にお任せするとして、
何となくの傾向としてですが、
コリアの右手は高音域に転がって行きがちで、
ハンコックは中音域に落ち着きがちに感じます。
"Liza"での二人のアドリブで顕著に出てます。

ま、なんと云っても、二人の代表曲の
"Maiden Voyage"と"La Fiesta"が聴きドコロ。

"La Fiesta"なんて20分以上の長尺の演奏。
テーマに入るまでのフリーフォームでの対話は
凄いの一言に尽きます。
二人は 感じた事を瞬間的に音楽にできるのね。
当代きってのジャズピアニストだもんね、
そりゃそうか。

二人は所属するレコード会社が違うので、
二人の競演に際してはそれぞれのレーベルから
アルバムを出す事になったらしい。
なので、もう一枚ライヴ盤があるらしい。

持ってるCDを聴いていこうって企画なのに
また欲しくなって買っちゃうんだよなぁ。
ほら、またアマゾンでポチッと…。

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2019/03/12

【買ったら聴こう00147】Inventions & dimensions/Herbie Hancock

【買ったら聴こう00147】Inventions & dimensions
ドナルドブラウンからの流れで
ファンク寄りのハンコックに行くと見せかけて、
初期のハンコックに行ってみた(笑)。

「インヴェンションと?」と訊ねたら、
クラシックファンは「シンフォニア」と答える。
「ディメンション」と答えるのはジャズファン。

有名なバッハのインヴェンションと云えば、
二声で対位的主題を変奏していくモノだけど、
このハンコックのアルバムは
リズムパターンやコード進行などの
最小限の事だけ決めて演奏した感じ。
ピアノトリオ+パーカッションで
骨組み丸出しの様な演奏です。

インプロヴィゼーション命な作品かと云うと
そうでもない。

1~2小節のモチーフを何度か繰り返すシーンが
随所に見られるんですよね。
自由なアドリブを展開するのではなく、
メロディを瞬間的に作っていってる風。
その創意を以てインヴェンションなのかな。

"Succotash"の冒頭はミニマルな雰囲気が漂う。
6拍子だけど3+3ではなく、4+2なので、
ちょっと変拍子っぽく聴こえます。

"Triangle"はミディアムの4ビートで
淡々とフレーズを弾いてるんですが、
パーカッションが入ってくると、
アフロキューバンっぽいリズムに変化します。

"Mimosa"もキューバのソンアフロっぽい。
どうしてもこのリズムを聴くと、
カトちゃんのタブーを思い出してしまう(笑)。

思うに、普通のピアノトリオだったら
かなり傾向の違う作品になってた気がします。
やっぱり、オズワルドマルティネス(perc)が
この実験的でひねくれた作品を
退屈なモノにしなかった立役者かも。

最後の"A jump ahead"はトリオ演奏で
最も普通にアドリブを弾いてます。
しかし、ここでも一捻りあり。
16小節は自然なコードワークに沿ってますが、
不自然に付け足されたワンコードの4小節が
流れを止める。
ひと筋縄ではいきませんね。

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【買ったら聴こう00146】At this point in my life/Donald Brown

【買ったら聴こう00146】At this point in my Life
ブラウン繋がりで(笑)。
あまり知名度のないドナルドブラウンですが、
私はこの人を天才だと思っています。
ピアニストとしてよりもコンポーザーや
アレンジャー、バンドリーダーとして
作り上げる音楽がとても魅力的だと思うのです。
アレンジと各自の自由度のバランスがよく
そのためには7、8人のミドルコンボ位が丁度いい。

どのアルバムもジャケットがひどすぎて
買う気を喪失させますが、中身は素晴らしい。

但し、全編4ビートの曲は一曲もないし、
エレベでのファンク系のビートも混じるので、
ジャズの守備範囲の狭い人には向かないかも。

ま、少なからず、ハンコックの影響は受けてる感じ。

個人的にドナルドブラウンのアルバムには
ツボにはまる曲が一、二曲あるのですが、
"Return the seventies"と"Silk slick"がソレでした。
ビートやスタイルの違いはあれ、
ドナルドブラウンらしいアレンジが心地いい。
それに乗って展開する各自のソロも生き生きしてる。
有名なプレイヤーはいないんだけど、
一流のクオリティだと思います。

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2019/03/10

【買ったら聴こう00145】Mirage/Jeri Brown

【買ったら聴こう00145】Mirage/Jeri Brown
まだデュオを続けます。
ジェリブラウンと云う黒人の女性歌手と
フレッドハーシュの1991年のアルバム。

フレッドハーシュはともかく、
ジェリブラウンを知ってる人はあまりいないかと。
私の手元には何枚か彼女のCDがあるんですが、
声も歌い方もそんなに好きじゃないんですよね。

何でこんなにあるのかと云うと、
他のアルバムにジミーロウルズのピアノで
ピーコックスを歌ってるのがあったんですよね。
私はこの曲が大好きなので、
これが入ってたら闇雲に買ってしまう癖があり、
きっとその時、目についた彼女のアルバムを
纏めて買ったんだと思います。

で、結果的にピーコックスとあと数曲聴いて
棚の奥にしまいこんで、今に至る(笑)。

ジェリブラウンは何でも器用にこなそうと
背伸びしてちょっと足りてない気がします。

難しい曲を取り上げて音程が不安定になったり、
雰囲気たっぷりに囁く様に歌い始めても
高音域になったらシャウトしてたりします。

声質は黒人的な粘っこさがありつつ、
割と線は細くて、重くないのが特徴です。

"On the sunny side of the street"の頭の
音程の曖昧さは気になりますが、
スキャットはなかなか上手いですね。

で、"Good bait"のスキャットが逝っちゃってる。
思わず吹き出しました。
この一曲で印象がかなり変わりました。
あれ、この曲、ベースが入ってる。
またしても完全デュオじゃなかったや。

ラストの"Ten twenty"も逝き系スキャットで
こちらはシリアスにキメてくれてます。

ひょっとしたら…、
器用にこなそうとしてるんじゃなくて、
何にでも入り込んでしまう、
陶酔型の人なのかもしれませんね。

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2019/03/09

【買ったら聴こう00144】Exchange/三宅榛名&山下洋輔

【買ったら聴こう00144】Exchange/三宅榛名&山下洋輔
デュオ繋がりです。
クラシックの三宅榛名とジャズ山下洋輔の
異種格闘技です。
ベートーヴェンの交響曲第9番や、
"シェーンベルク・シェーンベルク"なんて
クラシック寄りの曲も演ってるけど、
山下洋輔のアプローチはいつも通りです。
テーマを提示した後はコード進行関係なく、
曲のモチーフもどんどん崩れていくので、
何をやっても展開は似たようなモノ。

ただ、このフリーフォームは
本来山下洋輔のフィールドの筈なのに
三宅榛名が互角に渡り合っている感じです。
録音が完全に左右に振られていないので
どっちの音か区別がつかない時があります。
速射砲的に鍵盤を乱高下してるのは
間違いなく山下洋輔なんですが(笑)。

一曲目"The shadow of your smile"かと思ったら、
"五ツ木の子守唄"でした。

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【買ったら聴こう00143】The newest sound around/Jeanne Lee & Ran Blake

【買ったら聴こう00143】The newest sound around/Jeanne Lee & Ran Blake
デュオをもう一丁。
ジーンリーとランブレイクです。
二人の名義のアルバムですが、
正確には全編デュオではなく、
曲によってはベースが入ったり、
ピアノソロだったり、ヴォーカルだけだったり。

ピアノがランブレイクってだけでヤバそうですが、
比較的聴きやすい部類に入るかと。
ジーンリーがストレートに歌っているので、
ちょっとくらいピアノが変でも何とかなる(笑)。

それに有名な曲を結構取り上げてるので、
少しは耳馴染みもいい感じなのです。
"Laura"、"Blue monk"、"Summertime"、
"Loverman"、"left alone"など。

でも、決して大スタンダード大会ではないので、
うららかな午後のヒトトキには全く向かない(笑)。

何もない空間に、ランブレイクの冷たく鋭く
悪意のあるピアノの音が散らばってて、
仄かに暖かみのあるジーンリーの声が
道案内をしてくれる程度。
基本的には裸足で歩くと怪我をします。

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2019/03/08

【買ったら聴こう00142】dynamic duo/George Coleman & Tete Montoliu

【買ったら聴こう00142】dynamic duo/George Coleman & Tete Montoliu
ヒドいジャケット繋がりで。
うそうそ。デュオ繋がりです(笑)。

これは「Maditation」ってタイトルで出てたのを
ちょこっと変えて再発したアルバムです。
内容は同じで、ジャケットはややレベルダウン。
さすが、タイムレスレーベル。
デザインに頓着しない(笑)。

ジョージコールマンと云えば、
マイルスデイヴィスのバンドと
ハービーハンコックの処女航海の印象が強いけど、
テテモントリューとの顔合わせでは
守備範囲の広さを感じさせてくれます。
歌モノのジョビンの"Maditation"や
エリントンの"Sophisticated lady"では
やたらと16分音符で埋め尽くすのが
うるさいところもあるので、
オリジナル曲の方が本領が発揮されてる気がします。

"Dynamic duo"はベタなブルースかとおもいきや、
9小節目からの短三度で上がっていくメロディが
意表を突いて面白い。

テテモントリューも弾き倒す系の人だけど、
このブルースや"First time down"の様な
メカニカルな曲ではアプローチが違って新鮮。

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2019/03/06

【買ったら聴こう00141】Two for the road/Mika Pohjola & Jill Walsh

【買ったら聴こう00】Two for the road/Mika Pohjola & Jill Walsh
"Two for the road"繋がりで。
マクレエとシアリングに行きたかったけど、
レコードが実家に置きっぱなしで、聴けず。
代わりに手持ちのCDから、マイナーな一枚を。
ヴォーカルのジルウォルシュと
ピアノのミカポーヒョラのデュオです。
おそらくJill Seifersと同一人物ではないかと。

ジャケットは褒められたデザインではないけど、
内容はなかなか素晴らしいです。

まずジルウォルシュがジャズジャズしてない事。
やや口先だけで歌っている感じだけど、それがまたいい。
ヴィブラートが少な目なのも好み。

歌ってるのはスタンダードが多いけど、
耳慣れない曲もチラホラ。
ストレートに歌ってて、一曲一曲も短かい。
間のピアノのアドリブも1ワンコーラス程度。
CD一枚に17曲も収められています。

この捏ね繰り回さない感じがいいですね。

彼女は自分の声に合う曲を無理なく歌っていて、
ピアノは節度のあるバッキングで支えてます。

彼女の愛らしい歌声のせいか、
ジミードーシーとポールマデイラの
"I'm glad there is you"と云う古い曲が
とても新しい響きに思えました。

そんな魅力のある歌手なんですけど、
2012年に亡くなられていることを知りました。

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【買ったら聴こう00140】Two for the road/Cherie lynn

【買ったら聴こう00140】Two for the road/Cherie lynn
ジャケット繋がりで。

男女が歩く後ろ姿とタイトルからイメージして
勝手にデュオアルバムだと思ったら、
ピアノトリオどころか、管も複数参加。

それよりも謎なのはこのチェリーリンって人。

1959年に一枚レコードを残している
同名のヴォーカリストがいるんですけど、
まさかその人ではないと思う。

ネットで検索してもよくわからない。
ドラマーとの情報もありました。
私はたしかCD BABYで買いました。
セルフプロデュースではないかと思います。

スタイルも取り上げる曲も超オーソドックス。
いや、古風とすら云えます。
くつろぎを求める時にはいいかも。
私のような汚れた耳の人間には
ちょっと刺激が足りないかな。

歌唱はしっかりしていて、
伸びやかで明るく心地よい声質です。

ヘンリーマンシーニの"Two for the road"は
やっぱりいい曲だなぁ。
素直なチェリーリンの歌声が沁みます。

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【買ったら聴こう00139】Go together/Carla bley & Steve Swallow

【買ったら聴こう00139】Go together/Carla bley & Steve Swallow
秋吉敏子からの繋がりで、
女性ビッグバンドリーダー兼ピアニストの
カーラブレイ辺りはいかがでしょうか。
1992年に録音されたこのアルバムは
スティーヴスワロウとのデュオです。
二人がチュー寸前のジャケットの
「Duets」もいいけど、こちらも実にいい。

ピック弾きのエレベは時にギターのように
高音域でメロディを奏でます。
これがクリアに響いてとても気持ちいい。

彼女の代表曲"Sing me softly of the blues"は
気だるさ倍増のスローで始まり、
一気にテンポアップして、翳りを一掃。
へー、この曲ってこんなにも楽しく
演奏できるんだ、と思わせる快演です。

とにかくベースが二役こなせる事で
ユニットとしての表現の幅が広い。

また全体として明るめの楽曲が多く、
それでいて甘さに流されない絶妙のバランス。

"Copyright royalties"や"Peau douce"では
カーラブレイの独特のブルース感覚や
メロディセンスを堪能できます。

個人的にはテンションが一段上がった
"Doctor"がお気にいりです。
根なし草のようにふらつくメロディライン。
調性がぼんやりしてるけど、何となく薄明るい。
私の気のせいかもしれないけど、
ローラやエピストロフィの旋律がちらつく。
とても刺激的でかっこいい曲。

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2019/03/05

【買ったら聴こう00138】Jazz conversations/Monday満ちる & 秋吉敏子

【買ったら聴こう00138】Jazz conversations/Monday満ちる & 秋吉敏子
前回の流れでマンデイ満ちると秋吉敏子の親子共演。
マンデイ満ちるの父親はチャーリーマリアーノ。

一曲目から"Long yellow road"です。
全て英語の歌詞なのでカラスは出ないです(笑)。
ウエットな短調の曲ですが、
マンデイ満ちるの声質もあってスマートに聴こえる。

続く"First night"ではマンデイ満ちるがフルートを吹く。
クラブジャズ系の人なので、よく知らなかったけど、
多才な方だったのですね。

"Broken dreams"は美しいスローナンバーで
音が飛びまくる難しいメロディラインです。
マンデイ満ちるが音程を取り切れてなくて、
ちょっと落ち着かないです。
他に"Frog"辺りも音程が気になります。

"Warning:success may be hazardous to your health"では
秋吉敏子のピアノもよれていて、
さすがに衰えを感じます。

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【買ったら聴こう00137】Toshiko Mariano quartet

【買ったら聴こう00137】Toshiko Mariano quartet
秋吉敏子とチャーリーマリアーノの1960年の録音。
二人が結婚したての頃です。

個人的にチャーリーマリアーノは
ジャズを聴き始めた最初の頃の
私の好きなアルトの一人でした。
レコードは三枚しか持ってなかったけど、
何度も何度も聴きました。
その後、時代はCDに移行して、
私もやや遅れて移行して、
最初の頃に買ったのが、
このトシコマリアーノクァルテットでした。
これもよく聴きました。

今回、久しぶりに聴いてみたら、
懐かしい部分と耳新しい部分がありました。
これだから音楽って面白い。

全体を通して感じるのは構成の妙です。
マリアーノは見た目スマートなイケメンですが、
結構熱く吹くタイプなので、
アレンジによる抑制がいい形で効いてると思う。

冒頭の"When you meej her"は四拍子と三拍子が
入り交じった曲です。
マリアーノはスムーズに切り換えて吹いてますが、
秋吉は三拍子に引っ張られ気味かも。

二曲目の"Little T"はマリアーノの作品。
Tはおそらく敏子のTでしょう。
新婚さん、お熱いことで(笑)。
テーマ自体はモーダルな響きを持ってるけど、
アプローチはコーダル。

おそらくこのアルバムの目玉は
"Long yellow road"だと思います。
秋吉敏子が世界で活躍する中で
日本を意識して作った曲なので
個人的には童謡の引用がむず痒い。
かなりウエットでキャッチー。
マリアーノは単なるコード進行として
吹きまくってますので、逆にスッとします。

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2019/03/01

【買ったら聴こう00136】Code red/Tolvan big band

【買ったら聴こう00135】Code red/Tolvan big band
00047でデイヴリーブマンを取り上げましたが、
そのバックを務めてたのがトルヴァンビッグバンド。
調べてみたら、1979年に結成されているので、
今年でちょうど40年なんですね。
おめでとー。よく知らないけど。

で、このアルバムは2007年のリリースです。

金管がよく鳴るのは相変わらずなんですが、
ミディアムファストくらいの曲が続き、
落ち着いた感じが、ややもの足りない。
前の"Softly~"がモーレツ過ぎたからなぁ…。

密度の濃い、質の高い演奏なんですけど、
牛丼を掻っ込みたい時に、
コース料理を出された様な感じなのです。
勝手に牛丼を期待した私側の問題なんですが、
それだけデイヴリーブマンとのアルバムが
鮮烈に記憶に焼き付いているんですよね。

またいつか冷静になって聴き直そう。
やっぱり音楽との出会いはタイミングもありますね。

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2019/02/28

【買ったら聴こう00135】Monday in the city/Contemporary jazz orchestra

【買ったら聴こう00135】Monday in the city/Contemporary jazz orchestra
アレックスバドマン率いる
コンテンポラリージャズオーケストラ、
らしいですが、アレックスバドマンも
オーケストラメンバーも全く知りません。
何でこのCDを買ったのか記憶にありません。

演奏は文字通りコンテンポラリーなジャズです。
アンサンブルのキレもよくて、ソリストもイキがいい。
下手すると、癖の強い有名ジャズオケより、
広くオススメできる一枚かも。

冒頭のマッコイタイナーの"Passion dance"の
イントロのウォーキングベースから
躍動感のあるアンサンブルが飛び出す瞬間に
ビッグバンドの醍醐味が凝縮されてます。
ピアノソロはマッコイをなぞらえて、
左手四度重ねの右手ペンタトニック地獄(笑)。

その他もサドジョーンズ、オリヴァーネルソン、
エリントンなど、先輩諸氏の取り上げて、
様々なカラーを出しています。

とても楽しめる一枚だと思います。

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【買ったら聴こう00133-134】Standards live/Włodek Pawlik

【買ったら聴こう00133】Standards live/Włodek Pawlik
ポーランドのピアニスト、
ヴウォデクパウリクの二枚組ライヴアルバム。
メンバーもポーランドの人っぽい。
読めない(笑)。
Wlodek Pawlik(p)
Zbigniew Wegehaupt(b)
Cezary Konrad(ds)

拍手の数やグラスの音からすると、
こじんまりとしたライヴスポットかな。
あんまりお客の入りは良くなさそうだ。

東欧っぽくないと云うと失礼ですが、
割と北欧的なスタイルです。
"Stella by starlight"、"All the things you are"、
"I love you"、"Someday my prince will come"など
どスタンダードが並んでいますが、
アレンジはかなり大胆でありながら
崩しすぎる事のないちょうどいいバランス。

バランスが悪いのはちょっと掛け声の
耳障りな客がいることくらいだ(笑)。

二枚目になると、スタンダードではなく、
ジャズメンのオリジナルが並ぶ。
"All blues"、"I mean you"、"Footprints"、
"Well you needn't"など。
元々演奏のために書かれた曲だから
アレンジの面白味よりも
ストレートに曲の意図をどう表現するかが
聴きどころになってきますね。

マイルス、モンク、ショーターの作品を
トリオとして、いい感じにカラーを加えて、
真っ向勝負してるのがかっこいい。

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2019/02/27

【買ったら聴こう00132】Soundtrack to human motion/Jason Moran

【買ったら聴こう00132】Soundtrack to human motion/Jason Moran
ジェイソンモランを初めて聴いてから
もう二十年近くになるのに、
私の中では未だに新鮮な響きだったりします。

ストイックに自分の音楽に向き合って作られてて、
軽く聴き流せるような代物ではありませんので、
聴くときはちょっと気合いがいる(笑)。

私は「Facing left」の方を先に聴いたので、
それよりもこちらの方が、若干聴きやすいかな。

グレッグオズビーやステフォンハリスの入る曲、
ピアノトリオ、ソロの曲が入り交じってますが、
表現したいモノに合わせて、土壌を変えてる感じ。
冒頭の"Gangsterism on canvas"や
続く"Snake stance"はアルト、バイヴ入り。
彼のセンスで構築されたハーモニーと
割と明確で分かりやすいメロディを味わえて、
導入にはピッタリだと思います。

三曲目でいきなり飛び出してくるのは
ラヴェルのクープランの墓のフォルラーヌ。
Aメロをそのまま弾いて、イメージを写した
"States of art"に流れて行きます。
フォルラーヌは私の一番好きな曲で
それを題材に使うジェイソンモランや
ミカエルアルベンツもやっぱり好みなのです。

構築の中に生まれてきたテンションが
上手く音楽表現に繋がってると思うのです。

破壊的なドシャメシャもテンションを生みますが、
その先は袋小路です。
調性が希薄になるのと、なくなるのは全然違う。
そのキワキワのところが面白いと思いますし、
キワキワのラインも変わっていく気がします。

あ、ジェイソンモランに引っ張られて、
ややこしい意見を書いてしまった(笑)。

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2019/02/26

【買ったら聴こう00131】The Adderley project/Loet Van Der Lee

【買ったら聴こう00131】The Adderley project/Loet Van Der Lee
トランペットの Loet Van Der Leeの
2001年にリリースされたアルバム。
タイトル通りアダレイ兄弟のバンドの
愛奏曲を取り上げた作品集。

但し、ファンキーさや強烈なグルーヴ感は
本家に太刀打ちできないので、
これらの曲をどう料理するのか、
その辺りがキモなのでしょうが…。

冒頭の"Work song"はいきなりボサノヴァ調。
さらりとホワイトカラーの労働歌になってる。
汗ひとつ流してない感じがする(笑)。

全編通して、丁寧なアンサンブルで粘っこさはない。
特にアルトの線が細いのが気になる。
かと云ってアレンジに凝ってるかと云うと、
冒頭の "Work song"以外は割とストレート。

一番盛り上がってるのが、
最後のオリジナル曲だったり(笑)。

狙いが今一つ分からないアルバムですが、
結局、この人はアダレイ兄弟の音楽が
好きなんだろうなぁ。
演りたかったんだよ、きっと。

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2019/02/25

【買ったら聴こう00130】Innocent green/Michael Hornstein

【買ったら聴こう】Innocent green/Michael Hornstein
一時期、ボブドローに嵌まってて、
彼が参加してる作品を闇雲に買ってました。
その中の一枚がこれです。
アルトのマイケルホーンスタインって人の
1995年の録音です。

ボブドローが歌ってるのは一曲だけ。
"Thing in between"なんですけど、
歌詞に"Innocent green"って
他の曲のタイトルが何度も出てくる。
どう云うことなのか、調べてないので、
全然わかりません。

で、このアルバムなんですけど、
曲によって触れ幅が大きくて、
かなりフリーキーなものもあったり、
スムースなものもあったりします。

リーダーのマイケルホーンスタインの
"Greenhorn"でのプレイは
かなりオーネットコールマンに似てる。
音色やしゃくるようなフレーズがそっくり。
アドリブではそのまんまコピーしたフレーズが。

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2019/02/24

【買ったら聴こう00129】Undurations/Michael Bisio

1551013981680.jpg
マイケルビシオと云うベーシストの1996年の録音。
何で買ったのか、全然記憶にないのですが、
恐らくピアノのボブネルが目当てだったのではないかと。

編成にヴィオラが入ってるのが特徴的。
Michael Bisio(b)
Bob Nell(pf)
Rob Blakeslee(tp,cor,flh)
Jim Nolet(vla)
Ed Pias(ds)


冒頭の"Doesn't really"が思いっきり好みの曲。
リヴァーサイドの頃のジョージラッセルの曲調に似てる。
英語のライナーの文字を追ってもラッセルの名前はないので、
特に影響を受けたとかそんなことではないようですが。
スローで始まり、リタルダンドののち、
一気に高速のウォーキングベースに。
いやが上にもヒートアップする展開です。
各人がアグレッシヴなアドリブを繰り広げる中、
若干ヴィオラのアドリブがテンポについていけてないようで、
後半でフレーズが単調になってしまっているかな。

しかし、ミディアムスローな"Golden blue"では
重音、ピチカート、ポルタメントなど、
弦楽器の表現の幅の広さが活かされてますね。

しかし、残りのトラックにおいては
テーマの輪郭がぼんやりした曲が多く、
かなりストイックな展開が目立ちます。

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2019/02/23

【買ったら聴こう00128】Rememaerings/Lynne Jackson & Mike Palter

【買ったら聴こう00128】Rememaerings/Lynne Jackson & Mike Palter
ピアノのリンジャクソンと
ベースのマイクパルターのアルバム。
どちらも歌います。
和やかでウォームな雰囲気です。
ステージなら八割の客が微笑んで聴いてる感じ。
ひねくれモノの私にはヌルくてかなわない…。

唯一聴きどころは"思い出のサンフランシスコ"からの
"I 'll be seeing you"でしょうか。
メドレーではなく、同時に歌ってます。
進行の合わない部分はちょっとメロディを調節して
上手く合わせています。

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2019/02/22

【買ったら聴こう00127】Easy to Read/Joachim Kuhn

【買ったら聴こう00127】Easy to Read/Joachim Kuhn
ヨアヒムキューンは天才だと思う。
天才過ぎてついていけない時もあるけど、
それはこっちのレベルが低いので仕方ない。
でもこのアルバムは大丈夫。
こんだけジャズのかっこよさが溢れ返ってたら、
誰もがヨアヒムキューンの凄さに唸る事でしょう。

冒頭の"Guylene"の激しさがあって、
続く"Easy to read"のスローナンバーが生きる。
で、"Habit"は再び疾走し、
ダニエルユメールもJFジェニークラークも
ヨアヒムキューンも密度の高いソロを展開。

とにかくどの曲も緊張感が満ち溢れていて、
胃がキリキリする。
マーシャルソラール、ジェリアレンと並び、
世界三大キリキリと呼ばれていないとか、いないとか。

"Open de trio"の冒頭はフリーなアプローチだけど、
じきに音楽として纏まってく。
破壊的ではなく、創造的なのが堪らなくかっこいい。

やっぱり天才だと納得できる一枚ですね。

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2019/02/20

【買ったら聴こう00126】Priestess/Gil Evans

【買ったら聴こう00126】Priestess/Gil Evans
ギルエヴァンスの1977年のライヴ録音。
ハンニバル繋がりで取り上げてみましたが、
ハンニバルはアンサンブル要員でソロの出番なし。
だと思う。
その分、ルーソロフが強烈です。
更にはサンボーンも強烈です。

とにかく一曲目のタイトル曲が聴きどころです。
ギルエヴァンス独特の粗めのアンサンブルは
一糸乱れぬジャズオケにはない熱さがあります。
混沌として、合ってるのか合ってないのか
よく分からないアンサンブルを聴くと、
タガが外れた時のエリントンがちらつく。

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2019/02/19

【買ったら聴こう00125】Hannibal/Hannibal Marvin Peterson

【買ったら聴こう00125】Hannibal/Hannibal Marvin Peterson
ハンニバルマーヴィンピーターソンは
好きなトランペッターを挙げたら
最初の方に出てくるプレイヤーです。

このアルバムの正確なクレジットは
「Hannibal Marvin Peterson
and The sunshine orchestra」です。
オーケストラを名乗ってますが、
ハンニバルを含めて6名だし、ワンホーンなので
オーケストラ感はありません。

ハンニバルのトランペットはとにかくモーレツ。
ベルリンのライヴは血管が切れそうな位熱いけど、
このアルバムはスタジオと云う事もあって、
少しは冷静に音楽を作ってる感じがします。

とは云え、"Voyage"ではラッパ吹かず、
琴を掻き鳴らしながら、意味不明の歌を唄ってる。
あんまり冷静とは云えないかな~。
"Voyage"と云うより、トリップです(笑)。

個人的には冒頭の"The rabbit"と
続く"Revelation"、
最後の"Soul brother"を大音量で聴きたい。
チェロの参加がサウンド的に効果的に感じます。
モーダルでありつつ、プリミティヴな熱さが充満した
高カロリーな一枚です。

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【買ったら聴こう00124】Bobby Collette quintet with Irene Kral

【買ったら聴こう00124】Bobby Collette quintet with Irene Kral
バディコレット with アイリーンクラールだけど、
看板に偽りあり。正確には、
バディコレット or アイリーンクラールなのだ。

14曲中6曲でアイリーンクラールが歌ってるけど、
それらの演奏にはバディコレットは参加してないのです。

なんでこんな事になっているのかは調べてません。
アイリーンクラールが
「私が歌ってる時は吹かないで。」
と云った、第二の喧嘩セッションだったりして(笑)。

私の目当てはアイリーンクラールだったので、
6曲も聴けたらそれなりに満足。
"The meaning of the blues"、
"Spring can really hang you up the most"、
"Nobody else but me"辺りがお気に入り。
割とメロディラインの複雑な曲を取り上げてますね。

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2019/02/18

【買ったら聴こう00123】Jewel/Bobby Watson

【買ったら聴こう00123】Jewel/Bobby Watson
ボビーワトソンセクステットの1983年の録音。
セクステットですが、ワンホーン。
Bobby Watson(as.ss)
Curtis Lundy(b)
Marvin "Smitty" Smith(ds)
Dom Um Romao(perc)
Mulgrew Miller(pf)
Steve Nelson(vib)
但し、パーカッションはゲスト参加なので、
実質はクィンテットですね。

個人的にボビーワトソンが好きなのは
自分の言葉を持ったプレイヤーだからです。
アドリブにしても、オリジナル曲にしても、
一聴してボビーワトソンだと分かる個性があります。

饒舌過ぎるのと、少しリズムがヨレる事があるのは
気になるところではありますが、
豊かなアルトの音色と歌心が補ってくれます。

個人的には"Orange blossom"が好きなので、
「Beatitudes」って真のワンホーンアルバム(笑)の方が
本当の事を云うとお気に入りなんですが、
レコードで持ってるので、聴く頻度がどうしても低い。
なので、CDのこちらの方がよく聴いてます。

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2019/02/16

【買ったら聴こう00122】Love and peace/Dee Dee Bridgewater

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このアルバムはサブタイトルが「A tribute to Horace Silver」。
ホレスシルヴァーの曲にディーディーブリッジウォーターが
歌詞を付けて歌っています。

個人的にホレスシルヴァーはあんまり好きじゃない。
あのいなたい曲を聴いてるとむず痒くなります。
で、ディーディーブリッジウォーターもコッテコテなので
同じ辺りがムズムズします。
その両者の組み合わせなので、痒さも倍増。
痒さもここまでくると快感に変わります(笑)。

冒頭の"PERMIT ME TO INTRODUCE YOU"でやられた。
かっこよすぎる。
ドラムがアンドレチェッカレリで、ピアノがティエリエリエ、
ベースがハインヴァンデゲインと、
白人系がリズムセクションを務めているのが肝かも。
私、ティエリエリエのピアノが好きなんですよね。

で、"Filthy mcnasty"の破壊力。
あかん。聴き終わってすぐにまた聴きたくなってる。

"Nica's dream"と"Song for my father"では
ホレスシルヴァ自身がゲスト参加しています。
"Song for my father"では例のピアノの合いの手を
たっぷり聴かせてくれてます。
この、だっさださ(失礼)の合いの手って、
みんなむず痒くならずに聴けてるんでしょうか。

ま、何だかんだ云いつつも、聴けばハッピーになれる
とても中毒性のあるアルバムだと思います。

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【買ったら聴こう00121】First stories/Josh Nelson

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一つ前のサラガザレクの流れでジョシュネルソンを。
手元のCDリストを確認したら3枚あったので、
棚を探して最初に見つかったこのアルバムを取り上げます。

ほぼジョシュネルソンのオリジナルが並びます。
アコースティックで4ビートが多め。
かっちりとアレンジされ、洗練されたアンサンブルです。
アドリブもそこそこホットで溌剌とした演奏なんですが、
あんまり新しさや突出した面白みがないので、
よくあるコンボ演奏って印象しか残らないのが正直なところ。
唯一"Without song"が楽曲として美しく好きです。

2曲、女性ヴォーカルが入ってスタンダードを歌ってるけど、
サラガザレクとは全くタイプが異なり、
高らかに"Do nothing till you hear from me"と
"Lullaby of birdland"を熱唱してはります。
後者のテーマを聴いてると、先人の名唱のフェイクが
あちこちに出てきてるので、コピー感があって苦手。
やっぱりスタンダードは元々のメロディを認識してないと、
誰かのフェイクを何度も繰り返し歌う事になって
聴いていて恥ずかしい。

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2019/02/15

【買ったら聴こう00120】Yours/Sara Gazarek

【買ったら聴こう00110】Yours/Sara Gazarek
サラガサレクの2005年のデビューアルバム。
ジャズヴォーカルファンだけでなく
女性ヴォーカル好きの人全てにお薦めできる名作、
と云い切ろうかなー、どうしようかなー(笑)。

彼女の声質、自然な歌い方に惚れ、
ピアノのジョシュネルソンの
サポートとアレンジに唸りました。

そしてジャケット写真の可愛らしさにキュンとなった。
でも、実はこの写真が奇跡の一枚で、
本当はちょいと面長である事を後のジャケ写で知る(笑)。
でも彼女のヴォーカリストとしての魅力は
見た目ではない。絶対に。

全て素晴らしいですが、
中でも軽やかにドライヴする"My shining hour"と
変拍子が巧みな"Cheek to cheek"と
声質を最も堪能できる"Amazing"は百聴に価します。

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【買ったら聴こう00119】Above blue/Myra Melford

【買ったら聴こう00109】Above blue/Myra Melford
ピアノのマイラメルフォードの1998年の録音。
率いるユニット名がThe same river twiceなのか
マイラも込みでThe same river twiceなのか知りません。

編成は
ピアノ、チェロ、ドラム、サックス、トランペット。
ベースではなくチェロなのが面白い。
指弾きで低音パートを受け持つ場合もあり、
弓弾きでメロディやハーモニーに加わる場合もあり、
とても重要な役割を果たしていると思います。

アルバムを通して、マイラのアドリブの印象は薄い。
彼女の音楽はユニット全体で表現されている感じです。

フリーフォームの集団即興に突入するシーンもあるけど、
必然的な流れがあるので、単なるドシャメシャではない。

コンポーザーとしての才能がよく分かる一枚です。

個人的には
"A white flower grows in the quietness"、
"Yet can spring(for Don Pullen)"、
"Through storm's embrace"辺りが好み。

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【買ったら聴こう00118】Revelation/Bob Magnusson

【買ったら聴こう00118】Revelation/Bob Magnusson
1979年リリースのボブマグヌッソンのリーダー作。
フロントはジョーファレルが務め、
テナー、ソプラノ、フルートを吹き分ける。
結構ゴリゴリとアドリブしてるんだけと
曲調やアレンジのせいか、アルバム全体の雰囲気は
どこか爽やかなのです。

ボブマグヌッソンも緩やかな曲でテーマを弾いていて、
リーダーの存在感もちゃんとアピールしてます。
完全ソロの"Gentle rain"はかなりジトーッとしてます(笑)。

ビルメイズはピアノとエレピを弾いていますが、
それぞれ曲調に合っていて気持ちいいプレイです。
あんまりエレピは好きじゃない方なんですけど、
"Take some time to walk with the one you love"や
"Coisa#10"はエレピじゃないとって思った。

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2019/02/14

【買ったら聴こう00117】Birth/Quyen Van Minh

【買ったら聴こう00117】Birth/Quyen Van Minh
珍しいベトナムのジャズ。
クエンヴァンミンはサックス奏者です。
独学でスタイルを確立したようで、
しっかりとジャズなのに、随所に民族色が…。

今から二十年位前にウェブサイトで取り上げた時には
こんな事を書いてました。

----------------- 8< -----------------
こうした民族色を出した演奏って
時としてチンケなモノになりがちなんですけど
ミンの演奏は、単にジャズと云う生地を
ベトナムの染料で染めてみましたってモンじゃなくて、
縦糸がジャズ、横糸がベトナム音楽の
しっかりした一枚の布になってるんです。
----------------- 8< -----------------

なかなか張り切った表現するやん、昔の俺。

ま、リズムがよれたりする事もあって、
演奏のレベルとしては10段階評価でソコソコですが、
このテイストは癖になります。
私は冒頭の"Ngay hoi mua"のテーマが
いきなりツボでした。

で、曲によっては日本民謡っぽかったりもする。
"Giai dieu sapa"なんて、最初、ビリーハーパーの
ソーラン節かと思ったよ。
アジアは繋がってるんだなぁ。

ニヤニヤしながら聴けるジャズってのも
たまにはいいでしょ。

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【買ったら聴こう00111-116】Turn out thestars/Bill Evans

【買ったら聴こう00111-116】Turn out thestars/Bill Evans
またまたビルエヴァンスです。
ヴィレッジヴァンガード第三弾は
ラストトリオによる1980年の音源から6枚組を。


エヴァンスに対して、リリカルとか耽美的とかの
常套句の印象を持っている人にとっては
晩年の演奏はちょっとイメージが狂うかも。

アップテンポの曲の比率も高いし、
スローで始まっても途中でミディアム以上に上がる。
ルバートの時のフレーズも昔よりも
せっつくような感じが強くなって
音が詰め込まれていく印象を受けます。
死期を悟って、みたいな物語を乗せるのはイヤだけど、
そう思わせるくらいの焦燥と凄みを感じます。

オリジナル曲が多いのも個人的には嬉しい。
"Tiffany"のような愛らしい曲もあれば
"Five"のようなソリッドな曲もあります。

昔からの愛奏曲はこすり倒して(笑)
かなり崩れてるのもありますけど、
これがまたエヴァンス色が濃くなってて
聴き応えあるんですよね。
特に面白いのは"Nardis"。
テーマは各自の完全ソロの繋ぎのリフ的な扱い。
CD6枚中に4回の演奏が収められていますが、
聴き比べてみるのも面白いですね。

マークジョンソンのベースは技術も表現力も素晴らしく、
ジョーラバーバラのドラムは繊細さと力強さを兼ね備え、
メンバーの音への反応がとても早い。
最後にこのメンバーでエヴァンスの音楽が
表現できた事は大きな意味があると感じます。

ちょっとベースの音のピックアップが
エレベっぽく聴こえるのは残念かな。

6枚組がしんどい人には
1枚のハイライト盤もあるようです。

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2019/02/11

【買ったら聴こう109,110】Since we met , Re:person I knew/Bill Evans

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立て続けにビルエヴァンスです。
今度は1974年のヴィレッジヴァンガードのライヴ音源から
2枚のアルバムを聴いてみます。
この時のメンバーはエヴァンス、エディゴメス、マーティモレル。
どうもエヴァンストリオのベースについては
スコットラファロが間違いなく最高峰で、
マークジョンソンもそれに並ぶと評価される中で、
どうもゴメスをよく云わない人すらいる様に思います。
でも、ラファロ、モチアンで決定付けられた
ピアノ、ベース、ドラムの在り方は大きく変わってないし、
ゴメスのベースでエヴァンスのイマジネーションが
広がっている様にも感じます。
そうじゃないと十年以上も一緒にやらないですよね。

この2枚のアルバムではエヴァンスのオリジナル曲が
沢山取り上げられているのが嬉しいですね。
"Time remenbered"、"Turn out the stars"、
"Since we met"、"Re:person I knew"、
"T.T.T."、"Very early"、"34 skidoo"など。

エヴァンスと云えば、"おしゃれなジャズ"
(私はいい意味で使ってない)と云われる事も多いけど、
オリジナル曲にはもっと尖がった部分が垣間見られます。

モレルのドラムはかなりがさつで、
エヴァンストリオに合ってないと感じられる面もあります。
こう云う異分子が悪く働く場合もありますけど、
このヴィレッジバンガードのライヴを聴く限り、
それはそれで一つの音楽的な成果をあげてる気がします。

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2019/02/09

【買ったら聴こう00106-108】The complete live at the village vanguard 1961/Bill Evans

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云わずと知れた、泣く子も黙る、死せる孔明生ける仲達を走らす
エヴァンスのヴィレッジヴァンガードでの1961年のライヴですが、
CD3枚組で出たのを買い直したのがコレです。

CD1枚目の最初の"Gloria's step"は途中で数秒間途切れる。
CDの音飛びかと思ったよ。
どうやら停電のせいで収録できなかった模様。
まるで「8時9分半だよ全員集合」ですね(笑)。
ま、コレクターには重要な音源なのかもしれませんけど、
私個人はこんなトラックはあまり必要ないなぁ。

内容については何も書く必要がないくらい
エヴァンス、ラファロ、モチアンのトリオは美しい。
ややロマンティックな曲が多いけど、
エヴァンスの音の積み重ねは甘さに流れないし、厳し過ぎない。
ラファロやモチアンとのインタープレイについても
今更、私の様な単なる素人が何も書く必要はないですね。

個人的には演奏曲目でゴメス、モレルの頃の作品や
インタープレイの進化を感じさせるラストトリオの作品も
同じくらいよく聴くので、最高のトリオ論議には興味なし。

当時レコードでリリースされた通り
「Waltz for Debby」と「Sunday at the village vanguard」で聴くと
エヴァンス色とラファロ色が何となく分けられてるみたいですが、
演奏されたセット順に聴くのもまた一興かと思います。
最初からこっちで聴くのはお薦めしませんけど。

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【買ったら聴こう00105】Acoustic quartet

【買ったら聴こう00105】Acoustic quartet
ルイスクラヴィスらによる1994年のアルバム。
編成はクラリネット、ギター、ベース、ヴァイオリン。
狭義のジャズには当てはまらない。
印象は近代現代の室内楽の方が近いかも。
しかし、即興演奏を基本に構築されてるし、
即興に長けたプレイヤーによる演奏なので
ジャス的な耳で聴くべき音楽なんですよね。

"Bafouee"や"Abrupto"などで
ヴァイオリンの ドミニクピファレリ が
数コーラスアドリブをとってるんですが、
これが無茶苦茶カッコいい。

"Hop!"なんて刺激の塊のような曲です。
ブリテンの室内楽曲の様な
ー例えば"3つのディヴェルティメント"の様なー
弦楽器の厳しいアンサンブルを経て、
クラシックではあり得ないヴァイオリンのアドリブが
更にテンションを高めて行く展開にぞくぞくします。
こう云う音楽をやろうと云う人はあまりいないし、
あんまり一般受けしないので、
ECM辺りに集結するのですね(笑)。

ドミニクピファレリのことばかり書いてしまいましたが、
当然ルイスクラヴィスのプレイも表現の幅が広くて素晴らしい。
中でも"Seconde"でのソロは圧巻です。

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2019/02/06

【買ったら聴こう00104】Big band record/Ray Anderson

【買ったら聴こう00104】Big band record/Ray Anderson
三つほど前の記事で、
トロンボーンがちょっと苦手って書きましたが、
そんな私でもレイアダーソンは好きなプレイヤーです。

とにかく上手いって事もありますが、
振り切れた演奏をするのが凄いと思うのです。
たまに悪ノリする事もありますけど、
それはそれで楽しくて大好きです。

このアルバムはジョルジュグルンツ率いるオケと
時には猛烈に、時にはシリアスに、
時にはアリゲータリーに(笑)、
幅広い音楽を繰り広げた好盤だと思います。

私の好みは"Raven-a-ning"とか、"Seven monster"辺り。
アレンジも巧みだし、ブラスアンサンブルがいい。
ルーソロフも主役を奪う暴れっぷり。

で、やっぱり楽しい" The literary lizard "と
"Don't mow your lawn"。

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【買ったら聴こう00103】The big beat/Art Blakey & The jazz messengers

【買ったら聴こう00103】The big beat/Art Blakey & The jazz messengers
一曲目の"The chess players"を聴いて
「待ってました。」って思う人と
二曲目の"Sakeena's vision"を聴いて
「待ってました。」って思う人で
アートブレイキー&JMに求める音楽が
全く違いますよね。
このアルバムはボピーティモンズの復帰と
ウェインショーターの参加と云う
新旧スタイルが入り交じっている面白いアルバム。
従来のJMカラーを踏襲した "The chess players"も
モーダルな響きが特徴的な "Sakeena's vision"も
どちらもショーターの作品だったりするのね。

ショーターは "The chess players"みたいな曲でも
アドリブに入ると色合いの異なる世界を描くので
その辺りも聴きどころ。
ちょっと崩れた"Good bait" の引用等も面白い。

同じような流れがベタな"Dat dere"からの
"Lester left town"でも見られます。

当時のことは知るよしもないですが、
売れ線狙いと音楽性優先の狭間で
妥協点を見いだした作品なのかもしれません。

ラストの"It's only a paper moon"のアレンジは
さすがだなぁ。

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2019/02/05

【買ったら聴こう00102】Endless journey/B-hot creations

【買ったら聴こう00102】Endless journey/B-hot creations
ベースの加藤真一が率いる(率いてた?)バンド。
ピアノは天才田中信正、ヴォーカルも天才nobie。
ドラムの斉藤良は知らないけど、色彩感豊かです。

後にトニーニョオルタとも共演するnobieが
まだ荒削りながら、才能を炸裂させています。

オーソドックスな"Four"は誰が聴いてもジャズ。
続く"Here's that funny day"って曲は
タイトルからあのバラッドを連想させますが、
日本語歌詞のファンキーな8ビート。
これがこのアルバムで一番癖になる曲ですね。
アウトロまで凝ってます。

"Nowhere man"では田中信正がフィーチャー。
パーカッシヴなプレイだけじゃない美しい音の構築。

全てのトラックに魅力があって、
終わるのが惜しいと思えるアルバムです。

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【買ったら聴こう00101】室内楽団八向山

【買ったら聴こう00101】室内楽団八向山
バンドの名前はメンバーの頭文字です。
八尋知洋(perc)、向井滋春(tb)、山下洋輔(pf)の
変則的なトリオです。

個人的にトロンボーンはあまり得意ではありません。
何となく演奏に締まりがなくなる気がするんですよね。

このバンドもノホホンとした雰囲気がします。
でも、牧歌的な感じがしたり、沖縄音階を使ったり、
バンドのカラーと演ってる音楽は合ってる感じです。

とは云え、変則トリオならではの妙味は薄いかも。
普通のアドリブ回しが中心で変化に乏しい気がする。

こんな事を書いたら怒られそうですけど、
個人的にニューヨークトリオ以降の山下洋輔は
タッチの弱さが気になるんですよね。
パーカッシヴな奏法が減った事を云ってるのではなく、
まともなビートのある曲の演奏が増えた事で
リズムに対するヨレが目立つようになった感じ。

ありていのビートじゃない"Tone whole"みたいな曲が
らしく思えるのは思い込みでしょうか。

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【買ったら聴こう00100】Travels/東かおる & 西山瞳

【買ったら聴こう00100】Travels/東かおる & 西山瞳
買ったら聴こうシリーズも100のキリ番。
棚に埋もれたアルバム発掘が当初の目的だったのに、
結局、割とよく聴いてるモノの比率が高いなぁ。
今回も超愛聴盤です。

西山瞳のオリジナルのインスト作品を
東かおるが唄うと云うぞくぞくするアルバム。

楽器編成がヴォーカル、ピアノ、ベース、
ギター、サックスで、ドラムレスなのがキモだと思います。
ビートの替わりにメンバー各自の生み出す
うねりが全体に流れています。
曲の細かい表情も聴き手に伝わってきます。

曲によっては歌詞を付けてないモノもありますが、
大半は東かおるによる英語の歌詞が付けられてます。
私は英語が苦手だし、
日本語ですら歌詞を音としてしか聴いてないけど、
"Just by thinking of you"にはドキッとしました。

彼女はほぼノンヴィブラートですが、
効果的なところでは僅かに揺らす事もある。
まったくごまかしのない音程の正確さだけでなく、
細やかな表現は素晴らしいの一言です。

一曲、"Blue and blue"は西山瞳が日本語の歌詞を付けてる。
武満徹の歌曲に通じる情感があります。

西山瞳の曲は美しくスッと入ってくる。
でも、多分に毒っ気を含んでいる。
その両面がアルバム全体に溢れています。

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2019/02/04

【買ったら聴こう00099】Ballads & Burton/Ann Burton

【買ったら聴こう00099】Ballad & Burton
アンバートンとルイスヴァンダイクトリオの名盤。
曲によってテナーも加わります。

何も云うことはありません。
これからもずっと聴き続けるアルバムのひとつ。

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2019/02/03

【買ったら聴こう00098】Morava/George Mraz

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ジョージムラツの2000年の録音。
チェコスロヴァキア出身の女性ヴォーカリスト、
ZUZANA LAPCIKOVAをメインに
同じくチェコのピアニスト、エミルヴィクリッキーと
ドラムのビリーハートで作ったアルバム。
ビリーハート以外はみんなチェコ出身なのね。

ZUZANAは母国語で歌っていて、聴き慣れない響きが新鮮。
節回しは独特だけど、ノンヴィブラートでストレートな唱法です。
時折ツィンバロムと云う東欧、中欧の民族楽器が入るので
日本人にも懐かしさを感じさせるオリエンタルな響きも加わりますが、
全体的にはそれを全面に押し出した演奏にはなっていません。
ジャズ的な感覚で聴いて十分楽しめる内容だと思います。

ヴォーカルが抜けた"Wine,oh wine"で
4ビートのブルージーなピアノトリオになったりするのはご愛敬。

"The sun goes down"と云う曲もジャズ寄りな曲ながら
ZUZANAの微妙な節回しが味わい深い一曲です。

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2019/02/01

【買ったら聴こう00097】The blues book/Booker Ervin

【買ったら聴こう00097】The blues book/Booker Ervin
ブッカーアーヴィンは何を聴いても同じ感じで
手癖フレーズの嵐なんですけど、
それがブッカーアーヴィンなんだから仕方ない。
出落ち上等で勢いよく吹き始める瞬間、
無茶苦茶カッコいいんですよね。
ぶっきらぼうな語り口と頻繁なベンドダウン。

このアルバムはプレスティッジのブックシリーズの一枚。
1964年の録音なので私の生まれた年です。
産湯に浸かりながら口ずさんだ記憶があります(嘘)。

メンバーはカーメルジョーンズ、
ギルドマホーネス、リチャードデイヴィス、
アランドウソンです。

ブルースを取り上げた作品なんですが、
ブッカーアーヴィンはブルースフィーリングが薄め。
ねちっこさもコテコテ感もちょっと独特です。

冒頭の"Eerie dearie"は24小節のブルースですけど、
アドリブに入るともういつもの調子で吹き倒します。
ラストの"True blue"も同じ。

スローな"No booze blooze"が一番ブルージーかな。
ベンドのやり過ぎでぐにゃぐにゃになってます(笑)。

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【買ったら聴こう00096】Curveball/Geoff Keezer

【買ったら聴こう00096】Curveball/Geoff Keezer
ジェフキーザーは好きで名前を見かけると
つい買ってしまうピアニストの一人です。
学生時代から才能を認められて、
アートブレイキー&JMにも入ってたので
知っている人も多いのではないでしょうか。
このアルバムはまだ二十歳にもなってない頃の
セカンドアルバムらしい。

ヴィブラフォンのスティーヴネルソンが入ってるので
ピアノトリオとはまた違った響きが楽しめます。
スティーヴネルソンはヌルい演奏をする時もあるけど、
ここではいい役割を果たしていると思います。

見た目はおとなしい理系の学生みたいで
線の細い繊細なピアノを弾きそうでしょ。
でも、知的なフレーズを力強いタッチでゴリゴリ弾くし、
無機質に陥らないメロディセンスも持ち合わせています。

"The Jackleg patrol"や"Curveball"は彼の凄みが分かりやすい。

個人的には"Just around the corner"の抑えられた表現も好き。

ラストはレイブライアントの"Golden earrings"。
ここではノリノリのトリオ演奏を聴かせます。
古い素材の曲調と新しい感覚のミックスが楽しい。

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2019/01/31

【買ったら聴こう00095】Breaking point!/Freddie Hubbard

【買ったら聴こう00095】Breaking point!/Freddie Hubbard
フレディハバードの1964年発表のアルバム。
私が生まれた年の作品です。
粉ミルクを飲みながらよく聴いたものです(嘘)。

新主流派の尖がった一面が垣間見られると同時に
ひょっとして手の内がそれほどなかったんじゃないかと
疑いたくなるようなガチャガチャの内容です。
こんなん書いたら怒られるぞー、誰かに。

初っ端の"Breaking point"がいきなり奇妙な曲。
フリーっぽいスタートから、
雑なファンファーレの様なリフを経て、
おもむろにカリプソ調の明るいテーマが飛び出します。
何だかオーネットコールマンっぽい感じで面白い。
その後も調性が薄くなったかと思ったら
カリプソに戻ったりと、面白い展開。
ハーバードもジェームススポールディングも
ロニーマシューズも斬新な展開に上手く填まってますね。

続く"Far away"も新しい音楽の匂いがプンプンしてます。
スポールディングのフルートがこれまたいい音色です。
エディカーンのベースがカッコいい。

ところがよく分からないのがこの後の展開。
6/8拍子の"Blue frenzy"ってベタなブルースに
思わず「???」ですよ。
尖がった演奏の後で、お里が知れる様なハードバップ路線。
続く"D minor mint"もジャズメッセンジャーズっぽい。

新らしい響きを組み上げる音楽としてはモード、
ぶっ壊す音楽としてはフリー、
ひょっとして、この二つしかなかったんじゃないかと、
疑いたくなってしまいます。

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【買ったら聴こう00094】We three/Roy Haynes

【買ったら聴こう00094】We three/Roy Haynes
1958年のロイヘインズの初リーダー作。
フィニアスニューボーンJr.とポールチェンバースのトリオ。

ロイヘインズのスネアの音の多彩さが好きでした。
色んな人の作品でロイヘインズの名前を見かけると
この人が参加してるなら間違いないと、
購入の決め手にしてた事もありました。

で、このアルバムはドラムリーダーではあるものの、
別段ドラムソロが異様に膨らむわけでもなく、
バランスの取れたピアノトリオ作品になってます。

バランスが取れ過ぎてるので、私にはいささか物足りない。
フィニアスはブルース基調から外れず、あまり熱を帯びません。
これは他の作品でも感じることです。
音数が多くても、早弾きでも、枠内の音から外れない。
得意の両手のユニゾンもアクセント程度に挟んでるけど
ゴリゴリ弾き倒すまではやってくれません。

一曲"After hours"ってスローブルースが入ってて、
これは正にアフターアワーズ的な寛いだ曲です。
このアルバム全体がそんな空気なので
私のように刺激を求めてはいけないのかも。
レイブライアントの"Reflection"と" Sneakin' Around "をやってるのも
人気の要因かもしれませんね。
しかし"Reflection"はキャッチャーだなぁ。
キャッチャー過ぎて背中が痒くなる(笑)。

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【買ったら聴こう00093】The lyric/Jim Tomlinson

【買ったら聴こう00093】The lyric/Jim Tomlinson
ジムトムリンソン名義のアルバムですが、
13曲中11曲で奥さんが歌ってるので、
ほぼステイシーケントの隠れ名盤。
フィーチャーするにも程があります(笑)

しかもボサノヴァ比率が高いので
スタンゲッツ感が半端ない。
似てるなんてレベルではなく、
完全に寄せていってます。

ま、何だかんだケチをつけてみましたけど、
これが実にいいアルバムなんですわ。
あまりに幸せそうなので僻んでみただけです。

ステイシーケントの愛らしい歌声に合うのは
ジムトムリンソンしかいませんよ。

取り上げる曲も超有名曲からマイナーな曲まで幅広い。
速い曲も歌ってるけどやっぱりバラッドが素晴らしい。
"Stardust"なんてヴァースからリフレインに入ったら
ドラムやベースが加わるのがお約束ですけど、
ピアノ一本のままルバート気味にリフレインに入る。
おー、逆に新鮮。

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2019/01/30

【買ったら聴こう00092】Men's land/Michel Portal

【買ったら聴こう00092】Men's land/Michel Portal
ミシェルポルタルの1987年のライヴ録音。
当時、かなりよく聴いたアルバムです。
ポルタルよりもデイヴリーブマンが目当てだったけど、
次第にこの音楽性が癖になっていきました。
テーマからのアドリブ回しの流れはあるものの、
曲を演奏してると云うより、
もっと大きな情景を描いてる感じがします。
緩急のある"Ahmad the terrible"や
ミノシネル(perc)とポルタル(b-cl)だけの"Men's land"など
変化に富んだ音模様を繰り広げます。

リーブマンが一番普通のジャズっぽいかも(笑)。

ジャックディジョネット、J-Fジェニークラーク等も参加。

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【買ったら聴こう00091】Trip to Prillarguri/George Russell

【買ったら聴こう00091】Trip to Prillarguri/George Russell
ジョージラッセルの1970年の
スウェーデンでのライヴ録音。
メンバーも北欧が中心です。
ジョージラッセル(pf)
スタントンデイヴィス(tp)
ヤンガルバレク(ts)
テリエリピダル(g)
アリルドアンデルセン(b)
ヨンクリステンセン(ds)

ソウルノートがリリースしたのが
1982年との情報が正しければ
十年以上寝かされてた事になりますね。
途中、テープがよれた様な音になってますが、
そんなことでボツになってたのかな。

後のリヴィングタイムオーケストラの
前身になるようなサウンドが聴かれる一方、
ヤンガルバレク等の個人技のウエイトも高いです。

リヴァーサイドの諸作のような
曲とハーモニーの妙味はなくなっていて
骨格剥き出しのコンセプチュアルな音の組みたてです。

ラストでオーネットコールマンの
"Man on the moon"をやってます。

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2019/01/27

【買ったら聴こう00090】Textures/Dwight Lenox

【買ったら聴こう00090】Textures/Dwight Lenox
女性ヴォーカリストは顔で選ぶ事もある私ですが、
男性については全く見た目は関係ありません。

って事で、ドゥワイトレノックスです(爆)。

この外見から殆どの人は粘っこいブルースフィーリングの
太くて低い声の歌手だと思うでしょ。

ところがこの人、 中高音域で濁りのない美声の持ち主 で
歌い方もあっさりしてて音程のごまかしがなく洒脱。
無茶苦茶気持ちいい歌声なのです。
録音データが記載されていないですが、
リリースされた2002年頃だとすると、
彼は57歳ってことになりますが、
とてもそんな風には聴こえません。
どう聴いても30歳代の若々しさ。

私はこの人もCD Babyで知って、ファンになりました。

インストには刺激と変化を求めがちな私ですが
割とヴォーカルには楽しさや寛ぎを求めてる時が多い。
そんな時、美しい歌を当たり前に美しく聴かせてくれる
ドゥワイトレノックスは貴重な存在です。

このアルバムでは
"It might as well be spring"、
"Spring can really hang you vp the most" 、
"Summertime"、"Autumn in New York" など
季節に関係する曲が散りばめられています。
どの歌も素晴らしい。何度でも聴けます。

今回調べて知ったんですが、
2016年に亡くなられていたのですね。

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【買ったら聴こう00089】Listen with you heart/Natalia Nazarova

【買ったら聴こう00089】Listen with you heart/Natalia Nazarova
Natalia Nazarovaって女性ヴォーカリストのアルバム。

棚から発掘された時は
「どうせジャケ買いだったんだろうな。」
と思ってたのですが、
よくみると左下に小さな文字で
「featuring Orbert Davis」
と書いてあります。

どうやら当時の私はそれを目当てに買ったんだと思われます。
いや、その両方だったのかもしれません。

で、アルバムの内容ですが、
歌手としてのレベルが素人並み。
いや素人でももっと上手い人がごろごろしてます。
雰囲気で誤魔化して歌ってますけど、
音程がズレ過ぎてて聴くのがしんどい。
でも、この買ったら聴こうでは、一曲も飛ばさず聴く、
ってルールを自分に課してますので、
ちゃんと今回全て聴きましたとも。ええ。

曲によってはジャズですが、そうじゃないのも。
曲によっては15人編成のストリングスも入ってます。
あれもやりたいこれもやりたいって感じで、
纏まりのない一枚です。
オーバートデイヴィスのトランペットが勿体ないなぁ。

時々、腹に力を入れて高音を出す時は
張りのあるいい声だったりするので、
囁くような歌い方はやめて、
パワフル路線でいったらどうでしょうか。
ラスト数曲はロシア語で歌ってるんですけど、
それまでの歌よりは聞けるかもしれない。
なんかよくわからんようになってきた。
別の意味で魔性の女です。

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【買ったら聴こう00088】Priority/Orbert Davis

【買ったら聴こう00088】Priority/Orbert Davis
一時期、CD Babyってサイトで買ってた事がありました。

このサイトは自主製作やインディーズを扱っていて、
正直、玉石混交で素人レベルのモノもあるかわり、
いいプレイヤーに出逢うと、思い入れは倍増。
例えばエミリークレアバーロウなんかも
私はここで知ってファンになりました。

トランペットのオーバートデイヴィスもその一人です。
サンプル音源を聴いて、即決でした。

アルバムタイトルの"Priority"に集約される様に
魅力的なアレンジと熱いプレイが両立しているんですね。

ハードバップ的な分かりやすさも持ちながら
モーダルなアプローチで幅を広げる理想的なソロ。
12曲も詰め込んでいるので、一曲一曲がやや短く
アドリブの尺が物足りないのが残念。

2曲でカートエリングがゲスト参加。
特に"Double blues" ではトランペットとヴォーカルの
掛け合いが凄い&楽しい。

充実の内容だけど、ややてんこ盛り過ぎなのと、
バラッドが一曲もないのが、ちょっと惜しい。

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2019/01/26

【買ったら聴こう00087】One and four/Janusz Muniak

【買ったら聴こう00087】One and four/Janusz Muniak
ポーランドのテナー奏者 ヤヌシュムニアクのアルバム。
全然知らない人(笑)。

でも、タイトル見て、ひょっとすると…、と思ったら、
やっぱりモンクの"Four in one"をやってました。
ロシアや東欧はちょっと古いスタイルの人も多いですが、
"Four in one"を取り上げる様な人が
ただのハードバッパーな筈がないと思って買った次第です。
普通、このジャケットで知らない人は買わないよねー(笑)。

で、結果は…、
なかなか面白いアルバムでした。

"Four in one"はテーマのギターとのハモリがいい。
特にBメロの最後の不協和のパラレルがいいアクセント。
ソロは特にモンクのカラーに寄せてる訳ではなく
みんな割とあっさり終わってます。

タイトル曲"One and four"を聴いてたら
ふっとショーターがちらついた。
音の粒の形やピッチのコントロールが似てる気がする。
フレージングもモーダルな音使いだし。
ブラインドテストをしたら、
ショーターの名前を挙げる人はいても
ヤヌシュムニアクと答える人はいないだろう、
って当たり前か(笑)。

同じくオリジナルの"Obertas"も六拍子の面白い曲。
3+3ではなく、4+2ぽいので変拍子っぽく聴こえる。
アドリブに入ると普通の3+3の感覚で回してる様ですね。

笑ったのは"How insensitive"です。
この曲をボサノヴァのサウダージとは無縁の
ただのアドリブの素材としてゾンザイに扱った人って
他であんまり思いつかない(笑)。

どうやらこの人は何でも吹きまくるのが楽しいようで
"Secret love"のような曲でも容赦ない。

逆に"It ain't necessary so"はこのハードなアレンジが
見事にハマってて、元々インスト曲かの様です。

なかなか聴きごたえのある一枚でした。

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【買ったら聴こう00086】Manhattan Jazz quintet

【買ったら聴こう00086】Manhattan Jazz quintet
泣く子も黙る新MJQです。
何が泣く子も黙るなのか、分かりません。
勢いで書きました(笑)。

スイングジャーナルとキングレコードが企画して
売り出しに掛かってたのが、私が学生の頃でした。
普段、ジャズを聴かないようなヤツからも
名前が出てくる位、話題になったのを覚えてます。

私は昔のレコードばっかり聴いてる頃だったので
演奏より、ベースとタイコの音質に違和感がありました。
今聴き直してもジャズ向きではないなと思う。
デジタル時代はこうあるべき、って音質だったのかな。

結局、私は買うことなく、その後の作品も全部スルー。
かなり後になって、資料として買ってみたのでした。

内容的には分かりやすいハードバップ基調の4ビート中心で
実力派ミュージシャンによる
聴きやすくノリのよい演奏ばかりです。

どの曲もテーマはあまり崩さずアレンジされていて、
初心者には優しい配慮がなされていると思います。

私には毒っ気が足りませんけど。

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【買ったら聴こう00083-85】Live at the Lighthouse/Lee Morgan

【買ったら聴こう00083-85】Live at the Lighthouse/Lee Morgan
1970年のライトハウスでのライヴ録音で、
リーモーガンの生前に発表された中では最後のアルバム。
発売当初はレコード2枚組4曲のリリースだったけど、
私が持ってるのは後に出たCD3枚組で13曲収録されています。
しかも重複曲がないのは嬉しいですね。
ライヴ自体は約2週間だったらしいですが、
このアルバムでは最後の三日分の音源から
演奏したほぼ全ての楽曲が網羅されています。
プログラム中一曲だけ"Ceora"が抜けてるけど、
incompleteと書かれてるので不具合があったのでしょう。

個人的には好きな"Speedball"の
ライヴヴァージョンを聴けるのか嬉しい。
一般的には "The Sidewinder" の
ライヴヴァージョンが収められてる事の方が
興味をひくと思いますけど。

リーモーガンのスタイルは1970年としてはやや古い。
でも、昔とった杵柄にしがみついてるんじゃなく
まだまだ推し進めようとするパワーがある気がします。
そんな中、必要だったのはベニーモウピンのような
新たな刺激を与えてくれる共演者だったのではないでしょうか。
モウピンはソロになると暑苦しい位の音圧でにじり寄って来る。

モウピン作曲の"416 East 10th street"を聴いてみると、
テーマからしてモーガンの曲より新しい響きです。
直後飛び出すモウピンのソロは音色はホットなんですが
溢れ出すフレーズはコルトレーン以降の
モーダルなクールさを持ってます。
そして昂ってくるとフリーキートーンも。激しい。
続くモーガンも新鮮なフレーズを繰り出しますが、
速い曲なのでつい手癖のファンキーフレーズが覗きます。
終盤のチェイスでは自由に吹き捲るモウピンに対して
繰返しやトリルの多いモーガンのアイデア不足が目立ちます。
でもその必死さが熱い。

CDではその後に"The sidewinder"が続くんですが、
一気にホッコリします(笑)。
モーガンはハーフヴァルヴも使ってファンキーにプレイ。
ちょっと新鮮なハーモニーのセカンドリフの後に
ハロルドメイバーンは"ダンス天国"を弾き始めます。

ライヴでは "The sidewinder"が求められる一方で
レコードの発売も途切れがちになっていたらしいので、
モウピンとのコンボで現状を打破したかったんじゃないかと
勝手に思う次第であります。

当時の状況なんて時代も国も違う人間には分かりませんし、
モーガンが何を感じてたかなんて、
本人じゃないと分かりませんね。

だから、あれこれ考えるのが楽しいのです。

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2019/01/25

ジャズ入門まんが

ジャズ入門まんが
私の好きな漫画家ラズウェル細木さんは
「酒のほそ道」など食のまんがで有名ですが、
ジャズファンの間では「ときめきJAZZタイム」で
昔から知られていましたよね。
ブルーノートレーベルだけを取り上げた
「ALL BLUE」は更にマニアック。

で、今回取り上げるのは「はじめてのジャズ教室」です。
タイトル通り初心者に向けた入門書なんですが、
これまでの氏のまんがに触れてきた人間には
ちょっと違和感がありました。

これまで主人公はラズウェル細木さんの分身とも云うべき
黒人の風貌のラズウェルくんで、かなり偏ったマニア。
ジャズへの偏愛が過ぎて痛い目に合う展開が多い。
また、コレクターとしては一流ですが、
リスナーとしては凡庸に描かれてます。

で、この「はじめてのジャズ教室」で
講師役を務めてるのがそのラズウェルくん。
ジャズの基本、歴史、楽しみ方を解説するんですけど、
過去のラズウェルくんの所業を知ってる身としては
彼の話を素直に受け入れられない(笑)。

ま、若干好みのジャンルが手厚く解説されてたりしますが、
講義内容は分かりやすくて面白いです。

ちょっと気になったのはヴォーカルの講義で
スキャットについて実験の域を出ていないと断言してる事。
モダンジャズに限定しての事かなぁ。

あとブルーノートの解説はちょっと足りないですね。
第3音と第7音が半音下がるのをブルーノートと云ってるけど、
それだけだと単なるドリアンスケールです。
第5音の半音下がりが最も重要なブルーノートではないかと。

エラソーな事を書きましたが、
ジャズを長く聴いてると、
理解できない人に教えたくなる期がやってくるのか、
私もご多分に漏れず、似たような事をやってました。

2001年頃にウェブサイトの1コーナーで
「 'bout JAZZ for BEGINNERS」ってのを
やや上から目線でかましました(恥)。
一番云いたかったのは興味の広げ方は
いくらでもあるって事でした。
プレイヤーで掘り下げるもよし、
曲で掘り下げるもよし、
レーベルで掘り下げるもよし、
ライヴに行ってみるもよし…。
それらを分岐型小説仕立てにして
進め方で結末が変わる展開でした。
で、それだけでは説明的になってしまうので、
コルトレーンの「バラッド」を買うか
「アセンション」を買うかで迷う女の子との
淡い恋の物語を乗っけて、目が離せない展開にしました(笑)。

で、調子に乗ってジャズの歴史を文献片手に纏めようとして
挫折したのを覚えてます。

そうか、こんな感じで纏めれば良かったんですね。


おっと、話がどうでもいい方向に行ってしまった。
今回はこの辺で。

さて、ALL BLUEを読むか~。
ラズウェル細木さんの本は何回でも読めるんだよなぁ。

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2019/01/24

【買ったら聴こう00082】Door in a field/Jim Ridl

【買ったら聴こう00082】Door in a field/Jim Ridl
ジムリドルの2002~2003年の録音。
ピアノトリオを中心に、曲によっては
ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロなども。

タイトル曲を始め、自然を題材にした曲が多い。
"Sweet clover"など明るい曲もあるのですが、
冒頭の"Sun on my hands"のけだるさが印象的過ぎて、
何か全体を薄曇りな雰囲気にしてる気がします。
けだるさの原因はテーマのメロディライン。
ホールトーンスケールを巧みに挟み込んで
マイナースケールの強い調性を揺らがせてます。

個人的には"Thirty foot cealing"が好きです。
五拍子なんですけど、3+2とか2+3ではなく、
2+2+1なので、一拍余り感が半端ない。
それでアドリブ展開するんだから聴き入っちゃうって。

これを書くに当たってネットでジムリドルを調べてたら
このアルバムの続編が出てるのを発見。
しかし、馬鹿高かったので見なかった事に。

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【買ったら聴こう00081】Debut/広瀬未来 Jazz Orchestra

【買ったら聴こう00081】Debut/広瀬未来 Jazz Orchestra
昨年末に枚方 Love Jazzって演奏会があって、
その中の1グループでトランペットを吹いていたのが、
広瀬未来さんでした。
バンド自体はオーソドックスなバップ基調でしたが、
広瀬さんのトランペットは熱が入ってくると、
フレージングだけでなく、スタイル的にも
アウトしていた。
とても光っていたので気になっていました。

その後最寄り駅のジャズの店に来るのを知って、
聴きに行ったら、いい感じに粗削りなトリオで
これまた良かった。

って、今さら広瀬未来さんの様な優れたプレイヤーを
知るなんて不勉強の極みですね。

で、その時に買ったのがこの一枚。
今度はビッグバンドです。

ビッグバンドと云いつつも、ヴォーカルを除けば
11名の構成なので、ラージコンボと云ったところ。
録音もデッドなのでフルバンが鳴り響く感じではなく、
とてもアンサンブルの密度が濃く感じられる。

冒頭の"Night and day"のアレンジを聴いて
目指す方向性にワクワクしました。
「この人、わかってる。」と。
だから一流のミュージシャンなんだってば(笑)。

オリジナルの"Triennium"、"Matthias"もいい曲だなぁ。
作曲の能力も凄い人なのですね。
"Matthias"での高橋知道のソロも熱くかっこいい。

ヴォーカルの小柳淳子が入ったトラックは曲は
"Smile"、"Close to you"、"Imagine"、
"Besame mucho"とポピュラー路線ですが、
アレンジが一筋縄ではいかない。
更には"いい日旅立ち"。日本語で歌ってます。
ラテンアレンジも合うなぁ。

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【買ったら聴こう00080】This is how I feel about jazz/Quincy Jones

【買ったら聴こう00080】This is how I feel about jazz/Quincy Jones
私の考えるジャズ。
素晴らしい邦題ですよね。
個人的にこのタイトルが気に入って、
学生の頃、自分のために作るオムニバスのテープに
「How I feel 'bout Jazz vol.○○」と付けてました。

きっとすごいアルバムなんだろうなぁと思いつつ、
ずっと買いそびれてて、かなり後になって聴きました。

…二十年以上も膨らませ続けたイメージを裏切る普通さでした(笑)。
あまりにお行儀がよく整ったビッグバンド演奏で、
各自のソロもきっちりしてて、おとなしめ。

きっとジャズ聴き始めの頃に聴いてたら、
それなりに楽しめたんでしょうけど、
今の耳で聴くとちょっとしんどい。

名盤も聴く時期が大切だなぁと。

あと十年くらい経ったら、一周して良くなったりするかもしれません。

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【買ったら聴こう00079】News for lulu/John Zorn

【買ったら聴こう00079】News for lulu/John Zorn
ジョンゾーン(as)、ジョージルイス(tb)、
ビルフリーゼル(g)の
ジミージュフリー的な変則トリオによるアルバム。
ジョンゾーンはアヴァンギャルドな人ですが、
こてこてのハードバップも好きなんでしょうね。
他にもソニークラークメモリアルカルテットなんて
アルバムもあるし。

で、このアルバムなんですが、
ケニー・ドーハム、ソニークラーク、ハンクモブレー、
フレディレッドなどの楽曲をやってます。
いつものフリーキートーンも出てますが、
基本的にはまともにアンサンブルしてます。
ペラペラの音色は健在(笑)。
ビルフリーゼルがおとなしめ。

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2019/01/23

【買ったら聴こう00073-78】Monk's dreams/Frank Kimbrough

【買ったら聴こう00073-78】Monk's dreams/Frank Kimbrough
フランクキンブロウのCD6枚組のモンク曲集。
おそらくコンプリートだと思います。
凄いことをやってくれましたね。
全編サックスかバスクラのクァルテットなので
雰囲気としては晩年のラウズとのコンボっぽい。

テーマについてはできるだけ崩さず
ソングブック的な方向性で演奏しているようです。

それにしても、モンクの曲の中で
ケタ違いに素晴らしいのは
ラウンドミッドナイトだと思う。
この曲だけモンクらしくないと云うか
神がかったメロディだと思うんですよね。

このアルバムではマイルスの始めた
あのダサいキメはやってない。
キンブロウの良識ですね(笑)。

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2019/01/22

【買ったら聴こう00072】EveryBody's song/Lara Iacovini

【買ったら聴こう00072】EveryBody's song/Lara Iacovini
かわいいお姉ちゃんにハートマークのジャケ写。
完全にそう云う狙いのCDかと思いきや、
タイトルの「 Everybody's song 」がケニーホイーラーの
" everybody's song but my own "から来てるとは。
その他に取り上げている曲もこだわりを感じます。
ルグランの"You must believe in spring"、
スティーヴスワロウの"Ladies in Mercedes"、
もう一曲ホイーラーの"Kind folk"などなど…。
単なるスタンダード大会のアルバムではありません。

彼女の声は見た目通りで、とてもかわいい。
ヴィブラートをほとんど付けません。
音程が飛ぶ曲も多いけど、かなりピッタリ合わせる。
高い志に実力も伴っているところが凄い。

バックのピアノトリオも知らないメンバーですが、
ヨーロッパ系のクォリティの高い演奏ですね。

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2019/01/21

広瀬未来@コルトレーン


最寄り駅にジャズライヴの店があるのは知ってたけど、
行くのは今回が初めてでした。

去年、枚方Loveジャズってライヴに出演してた
トランペットの広瀬未来さんが良かったので、
ネットで調べてたら、近所で演るのを知った次第です。

メンバーは広瀬未来(tp)、中島徹(pf)、時安吉弘(b)。

冒頭に、スタンダード中心と云いつつも、
リコーダミー、ステイブルメイツ、チェロキーなど
ミュージシャンズオリジナルも取り上げてました。

ライヴならでは粗さとスリルが堪能出来ました。

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【買ったら聴こう00071】Modern dorama/Jane Ira Bloom

Modern dorama/Jane Ira Bloom
ジェーンアイラブルームの1987年のアルバムです。
これについては昔ウェブサイトでも一度取り上げたんですが、
読み返してみたら、こんな事を書いてました。

-------------- 8< --------------
彼女はいつもかなり狂気的なトコロまで踏み込んだプレイをしますが、
その凄まじさではこのアルバムが一番凄いかもしれません。
自分の音楽表現の為であれば、かなり実験的な事もやります。
オーヴァーダビングも随所にちりばめられていますし、
サックスの音もかなりエフェクターで歪めてたりします。

※2004.5.16 抜粋

-------------- 8< --------------

大まかには今も同じ感想なんですけど、
一つ間違いがありました。
オーヴァーダビングと書いてありますが、
どうやらlive electronicsなるものを使っているようです。
要は後から多重録音をしているのではなく、
リアルタイムにエフェクトを掛けてる模様。


ま、いずれにしても実験的なので、苦手な人も多いかも。
と、かく云う私も、苦手なクチ。

面白いのは"NFL"とか"The race"などの情景描写作品かな。
"NFL"はホイッスルの音から始まり、ボールが高く舞い上がり、
ぶつかり合う選手が描かれているんだと思います。
途中でマーチングバンドが左から右に横切るのも
スタジアムの情景描写なのでしょう。
なんだかアイヴスの交響曲みたいです。

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2019/01/18

【買ったら聴こう00070】Live/Jan Ptaszyn Wróblewski

【買ったら聴こう00070】Live/Jan Ptaszyn Wróblewski
ポーランドのテナー、
Jan Ptaszyn Wróblewski (読み方がわからん。)の
クァルテットによるライヴアルバム。
タイトルにはLiveとだけ書いてあるけど、
「Live in Tarnow」らしい。

一点の曇りもない少しオールドスタイルのジャズ。
明るく和やかな演奏ばかりです。
私の様なひねくれたジャズ好きには
刺激が足りない気もします。

ロシアや東欧のジャズはオーソドックスなものが多く、
バップ、ハードバップが好きな人にはいいかも。
しかし、このアルバムはそれよりも更に古風で
中間派の感じかも。

ピアノがあんまり上手くない。
かなり走ったりして気持ち悪い箇所も。

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【買ったら聴こう00069】Triangular Expressions/Zsolt Kaltenecker

Triangular Expressions/Zsolt Kaltenecker
誰も気付いていないと思いますが、
昨年末のAaron Goldbergから
名前のアルファベット順に取り上げてました。
今回のZsolt Kalteneckerで最後です。
この後はまたランダムに戻します。
だってXがキツいもんね。

ソルトカルトネッカーの魅力はスピード感です。
左手で無窮動にパターンを、
右手でシングルトーンの高速フレーズを弾く型が、
最も彼らしいと私が感じるスタイル。
このアルバムでもショーターの"Yes or no"での
イントロとテーマのAメロ頭のアレンジがソレ。
16で刻んでたのが4ビートになり
Bメロではハーフテンポからの三拍子と
目まぐるしい。

アドリブになると、ドラムとベースに役割を委譲して
右手が一段と冴えてきます。
速いフレーズでもメカニカルに陥らない
イマジネーション豊かなソロを聴かせてくれます。

これだけ弾き切ってくれるとホント気持ちいい。

最後はド直球の4ビートで" Tempus fugit "です。
唸りますね。

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2019/01/17

【買ったら聴こう00068】Live in Transylvania/Yancy Kyorossy &Nicolas Simon

Live in Transylvania/Yancy Kyorossy &Nicolas Simon
ヤンシーキョロシー。
ジャズ批評か何かで名前を知って、
名前が面白いからと云う理由だけで
興味を持った一人(笑)。
知ってるだけで通っぽい(爆)。
最初に買ったのは「 Identification 」だったけど、
CD屋漁りをしてたら、こんなアルバムが見つかりました。
テナーのニコラスサイモンって人とのデュオライブです。

棚の肥やしになっていたCDですが、今回聞いてみたら、
かなり面白いアルバムでした。
掘り出し物ゲットです。
って、自分ちの棚だってば。

キョロちゃんもいいんですが、
私はサイモンさんがツボでした。
"Yancy's tune"は両者の絡み合いがスリリング。
"You wouldn't believe"は美しいテーマにまずやられ、
ニコラスサイモンのハスキートーンにゾクゾクしました。

"One for Richard"はニコラスサイモンの完全ソロ。
このリチャードは誰を指すのかな。
リチャードってリード奏者は思い付かないので、
リチャードデイヴィスかもしれない。
かなりとんがった演奏で、重音を出したりもしてる。
続く"For Oscar"はヤンシーキョロシーのソロピアノ。
このオスカーはピーターソンだと思いますが、
途中けっこう壊れるのでピーターソンっぽくはない。

"Hommage a Bela Bartok"はバスクラに持ち替えてのソロ。
バルトークの何かの曲が下敷になってるのかどうかは
わかりませんでした。
抑制した音でのフリーキーな演奏です。
キーのカチカチ鳴る音まで録音されてて
それも演奏の一部に思えます。

最後は二人の濃密な対話が楽しめる"枯れ葉"。

いいライヴアルバムでした。

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【買ったら聴こう00067】Innocence of youth/Xavier Davis

Innocence of youth/Xavier Davis
Fresh sound new talentレーベルって良いですね。
新たな才能を発掘すると云う目的が明確ですし、
私がこれまで聴いたモノはどれもクォリティが高かった。
こうなると、レーベルがブランドになりますね。
「Fresh sound new talentだから聴いてみよう。」って気になる。

このザヴィエルデイヴィスも全然知らなかったけど、
レーベルを信頼して買いました。

結果、間違いありませんでした。

何なのでしょう、この人の押さえる和音の心地よさは。
駄耳なのでどんな音の積み重ねかわからないけど、
分厚いけどダンゴにならず、抜けが良い気がします。
"The message"、"Bell"、"untamed land"辺りが
独特のサウンドを堪能できるトラックかな。
難しい事をやってるけど、
メロディアスで深刻ぶってないので
眉間に皺を寄せて聴く事はないでしょう。
しかも、アイデア一杯のアドリブは聴き応えがあって、
速い曲ではぐいぐいドライブしてきます。
ドラムもベースも煽る煽る。

リーダー作は少ないようですが、
サイドマンでの参加は沢山あるので
そちらでチェックしていこうかな。

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2019/01/15

【買ったら聴こう00066】Schizophrenia/Wayne shorter

【買ったら聴こう00065】Schizophrenia/Wayne shorter
私がショーターに興味を持った頃、
このアルバムはレコード屋で見かけませんでした。
ようやく中古屋で見つけたと思ったら、
状態が良くない割に高かったので諦めた記憶があります。

長らく忘れてて、CDで買ったのが二年ほど前。
こう云うのを買い残して置くのもいいモノです。

このアルバムは1967年の録音なので、
アダムスアップルの後、スーパーノヴァの前と云う
ショーターが大きく変わる境目の時期なんですね。

サイケなジャケットと重たいタイトルで
思わず身構えてしまいますが、
初っ端の"Tom thumb"が8ビートのユルい曲で
肩すかしを食らわされます(笑)。

でも、その後はシリアス路線の名曲揃い。
個人的に"Go"、"Schizophreia"、"Miyako"が好きです。
ま、"Tom thumb"も悪くないんですけどね。

個人的に「Juju」「Speak no evil」と並ぶ傑作…、
とまで云い切れないのは、楽器編成による好みの差かな。

このアルバムはフロント三管による
アンサンブルも聴きどころなんですが、
ジェームススポールディング(as,fl)、
カティスフラー(tb)とのハーモニーが
あまり心地よく感じられないのです。
やっぱりトランペットとの二管の方が
音がダンゴにならなくて好きかな。

とは云え、スポールディングは個性的だし、
曲によってフルートも効果的に使い分けてるし、
聴きどころの多い作品なのは間違いないです。

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2019/01/14

【買ったら聴こう00065】White nights/Vladimir Shafranov

【買ったら聴こう00065】White night/Vladimir Shafranov
この【買ったら聴こう】って企画は
部屋を占拠してるCDやらレコードやらを
とにかく聴いていく狙いです。
お薦めアルバムを紹介する目的ではないんですが、
棚から取り出して聴こうって気になるのは
自ずと好みのモノになってしまってました。

でも、後々の事を考えたら、
そろそろ好みのじゃないモノも取り上げないと…。

って事でウラジミールシャフラノフです(笑)。

2000年頃、澤野工房は飛ぶ鳥を落とす勢いで、
その中でもウラジミールシャフラノフの作品は
高く評価されていたように思います。

ヨーロッパ系のマイナーレーベルのジャズを、
日本に紹介したのは澤野工房の功績ですね。

でも、シャフラノフはおよそヨーロッパ的ではない。
って云うか、普通にバピッシュ。

結局、目新しいミュージシャンが急に持て囃されても、
聴き慣れたスタイルのジャズじゃないと
一般的には受け入れられないんですね。

このアルバムは1990年の録音で、
三曲のオリジナル以外は超有名曲のオンパレード。
スタンダードだけでなく、モンク、ガレスピー、
コルトレーン、ショーターなどの曲を幅広く取り上げてる。
演奏レベルも高いし、録音もいい。
普通に気持ちよく聴ける作品です。

でもやっぱりスタイルが古い…。
アドリブも、ブルーノート、オルタード止りで、
ショーターの"Lester left town"が昔の曲みたいだ。
まるでレスターヤングが町に帰ってきたよう。
いや、それは云いすぎました。

少なくとも1990年の作品を2000年過ぎて取り上げて、
注目される様な演奏ではなかったなぁと
今は思います。

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【買ったら聴こう00064】Blue wail/Uri Caine

【買ったら聴こう00064】Blue wail/Uri Caine
ユリケインの意外と貴重なトリオ作品。
録音は1997年。
ベースがジェームスジナスで
ドラムがラルフピーターソンと云う強力な布陣です。

最初と最後に"ハニーサックルローズ"を演ってる以外は
オリジナル曲、だと思います。
CDに作曲者の記載がないのでわからない。

いきなり古風な曲を取り上げてますが、
素直に弾いてる筈もなく、
超解釈でありながら、滑稽さは据え置きと云う
絶妙の仕上りとなっております。

これは全編を通して思うことなのですが、
終始テンションの高い音作りなのではなく、
テーマもアドリブも無機質に成りすぎず、
適度にメロディアスなのですね。

例えば"Stain"を聴いてみると、
ベースパターンを固定したワンコードの
反復から、
一端ラテン系のリズムパターンを挟んで
モーションのある4ビートの展開になります。
聴き手は最初の抑圧された雰囲気から
一気に解放されたところで、
ラルフのドラムやケインのソロに煽られて、
自ずと高揚していくんですね。

この辺りが巧みだと思うと同時に
聴き手を置いてけぼりにしないのが
良いなぁと思う訳です。

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2019/01/13

【買ったら聴こう00063】Straight,no chaser/Thelonious Monk

【買ったら聴こう00063】Straight,no chaser/Thelonious Monk
モンクの1967年のアルバムです。
チャーリーラウズをフロントに据えたクァルテット。
ラウズってモンクのバンドに十年以上いたんですね。
モンクがラウズと組んでた事について
否定的な意見もありますけど、
私はモンク音楽との親和性は高いと思います。
ただ親和性は高い事がモンクの場合いいかどうかって話。

プレスティッジやリヴァーサイドの頃の諸作は
モンクに触発されたミュージシャン逹との
うまくいったりいかなかったりがとても刺激的で
"わかりやすくヘン"なんですが、
ラウズとのユニットでは全体が纏まってるので
ヘンさがわかりやすくなってるので
もの足りない人にはもの足りないのかも。

手元に飛び飛びに昔のスイングジャーナルがあるのですが、
岩浪氏は色んな号でラウズの悪口を書いてます(笑)。
平凡でもどかしいとか、
コルトレーンの方が手応えがあるとか…。

おそらく当時のスイングジャーナルの影響力って
かなり大きかったんじゃないかなぁ。

ま、そんな岩浪氏も1967年8月号で
このアルバムをマンネリ化していたモンクの
久々の傑作と太鼓判押してますので、
安心してお聴きください(笑)。

聴きどころは"Straight,no chaser"と"荒城の月"。
特に後者のラウズのソロは語り口が新鮮です。
日本の陰旋法に刺激を受けたのか、
普段と違うペンタトニックを意識して
手癖フレーズに陥らないプレイになってる気がします。

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2019/01/11

【買ったら聴こう00062】Slow down/Sofia Pettensson

【買ったら聴こう00062】Slow down/sofia Pettensson
ソフィアペッテションの2002年の作品。
ジャケ写を見て、大人の女のヴォーカルを想像したら
あまりのロリータヴォイスに面食らう(笑)。
ブロッサムデアリーを周回遅れにし、
リサエグダールを十馬身差でぶっちぎる程。
って云うより、リッキーリージョーンズの
4×3のインブリードだ(嘘)。


しかし、このアルバムは可愛いヴォーカルを据えて
ジャズっぽくオシャレにしてみました的な
売れ線狙いではなく、かなり聴き応えがあります。

冒頭の"Sometime it snows in april"からして
狂気的なベースのアルコが出てきたかと思うと、
テナーのカールマーティンアルムクヴィストが
いかついソロをぶちまける。
線の細いソフィアの声は皆の耳には届かない。
これはもう凌辱プレイである(爆)。

取り上げている曲もなかなか面白い。
サイモン&ガーファンクルの"Slow down"や
ヒット曲"君の瞳に恋してる"を歌ったかと思うと
ナットアダレイの"The old country"を取り上げる。
"Teach me tonight"は可愛く囁くのを期待してたら
まさかキレキレのビートで演るとは。
そして最後は厳かに"Hallelujah"で終わる。

とても完成度の高い作品だと思います。

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2019/01/10

【買ったら聴こう00061】This is new/Rick Margitza

【買ったら聴こう00061】This is new/Rick Margitza
リックマーギッツァの1991年のアルバム。
ネットで検索したら、知らないうちに
リックマージッツァが標準になってた。
すげー違和感。

個人的にマーギッツァのテナーの音色が大好きです。
速いパッセージを吹いてるのもかっこいいけど、
バラッドでの優しく吹くフラジオ音域が堪らない。
サックスは熱く豪快に吹いてなんぼと思ってる人には
きっと理解してもらえないスタイルでしょう(笑)。

9曲中スタンダード7曲とほぼスタンダード集ながら、
どれも一味違う新鮮な響きになってます。

"On green dolphin street"はテーマの断片を吹き、
その流れで間合いのあるソロを取る。

"Just in time"や"Invitation"などの速い曲では
替え指がとても効果的に使われていますね。

で、バラッドの"Everything happen to me"は
テーマを崩して吹いているだけなんですが、
彼の音色を堪能できる真骨頂のプレイが聴ける。

そんでもってオーネットコールマンの
"When will the blues leave?"ですから
個人的にはツボなのです。

メンバーも強烈で、ジョーイカルデラッツォ、
ロバートハースト、ジェフワッツ。
でも、耳はマーギッツァしか追いかけてないかも。

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【買ったら聴こう00060】SQ'D HORIZONS/Q'D UP

【買ったら聴こう00060】SQ'D HORIZONS/Q'D UP
このQ'D UPと云うユニットは全く有名ではないですが、
ヴォーカルのケリーアイゼンハワーが参加しています。
そのケリーアイゼンハワーもさほど有名ではないけど、
「SEEK AND FIND」ってアルバムが結構気に入って、
あれこれCDを探してるうち、Q'D UPを見つけたのでした。

全体を通して、アレンジが凝ってる。
やや張り切り過ぎなくらい凝ってる。
でも、アドリブはそれほどでもない。
サックスの人は曲によって熱く吹いてるけど、
ちょっとノリがかたい。

ひょっとしたら、元クラシック畑の人達かも。

"Nature boy"でのキーボードのアドリブの中の引用が
ペールギュントのソルヴェーグの歌や
春の祭典の冒頭やワルキューレの騎行だったりするし。

お目当てのケリーアイゼンハワーは数曲で参加。
"I love you"ではスキャットも加えて伸びやかに歌う。

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2019/01/09

【買ったら聴こう00059】9.9.99/Per Henrik Wallin

【買ったら聴こう00059】9.9.99/Per Henrik Wallin
パーヘンリックワーリンの1999年9月9日のライウ録音。
タイトルはこの日付から来てるんでしょう。

1999年と云うことは事故でハンディを負った後です。
このブログやウェブサイトでも時々取り上げた
「Coyote」は事故の一年前の演奏なので
スタイルは変わっています。
その頃の凄みが淀みなく迸るピアノではなく、
淀みの中に凄みが見え隠れするような演奏に変貌。
モンク的な匂いが立ち込めているのは
モンクの曲を多く取り上げているからだけではなく、
一音一音噛み締めるようなタッチのせいかと。
弾こうと思えば、滑らかな16分音符の波を
織り成すことは出来るようですので
どこまでプレイに影響があるのかわかりません。
様々な模索をする中で辿り着いたスタイルなのかな。

あんまりその部分だけ意識して聴くのもどうかと思うけど、
彼の名前と同時に情報として入ってきてしまったので
気にするなと云う方が無理ですわ。

モンクの"Work"を演ってるのがうれしい。
この曲、好きなんですよね。

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【買ったら聴こう00058】It's about time/Othello Molineaux

It's about time/Othello Molineaux
ジャズでは珍しいスティールパンのリーダーアルバム。
オセロかオテロか、モリニューかモリノーかわからん。

全体的には明るく美しいフュージョンサウンド。

スティールパンでアドリブも取りますが、
聴き応えがあるって程ではないかな。
その分、凝ったアレンジと豪華なゲスト陣で
盛り上げてくれてます。
ランディブレッカー、ボブミンツァ、
モンティアレキサンダーなどなど。

個人的にはおかず一杯のフュージョンアレンジより
"But beautiful"のバラッドが印象的でした。
スティールパンと曲の雰囲気がとてもマッチしてて、
他の人の演奏でこの曲を聴いてても
うっすらスティールパンの音が脳内に響く病に(笑)。

"Hannibal's return"の明るく賑やかなサンバも好きで、
確か自分の結婚式のBGMに使った。
って、どうでもいい話でしたね。

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2019/01/08

【買ったら聴こう00057】...like song,like weather/Norma Winston

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ノーマウィンストンとジョンテイラー、しかもECMなので、
サウンドとしてはAzimuth的ではありますが、
ちょっと趣きが違うのは普通に英語で歌ってる事。

ノーマウィンストンは殆どヴィブラートをかけてなくて、
減衰していく最後の最後に揺らぐ時がたまにある程度。
その分、音程にはシビアになりますよね。

歌詞なしで歌っている時と比べると、
少しピッチの曖昧さが気になるような…。
発音やイントネーションに引っ張られるのかな。

一曲目の"Lazy afternoon"はピアノの内部奏法が実に気だるい。
二曲目はAzimuth風イントロからの
ブルーベックの" Strange meadowlark "。
"Tango beyond"はジョンテイラーのピアノがいい。
左手で内部奏法、右手でアドリブなのかな。

で、このアルバムの中で最も盛り上がるのが
スティーヴスワロウの" Ladies in mercedes "。
さすが夫婦、息がぴったりです。

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2019/01/07

【買ったら聴こう00056】Truth is spoken here

【買ったら聴こう00056】Truth is spoken here
マーカスロバーツの自己名義一作目で、1988年の録音です。

一曲目の"The arrival"からかなり毒が強いなぁ。
エルヴィンジョーンズのスネアの歯切れ良さや
ウィントンマルサリスの流麗なトランペットのせいで
ぼんやりしてるとすんなり聴けてしまいますが、
転調なのか、他旋法への移行なのか、
調性を見失う様なチェンジがあります。
このひねくれた感覚がタダ者じゃない。
って、マルサリスが信頼して程なんだから、
私が云おうが云うまいが、タダ者じゃないんですが(笑)。

"Country by choice"は同様の転調に加えて
ちょこっと変拍子も挟んでたりするし。

敬愛するモンクやエリントンの曲も演ってますが、
聴きどころは間違いなくオリジナルですね。
チャーリーラウズの参加は意外な気がしますが、
モンクを尊敬してるらしいので、その流れかな。

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2019/01/03

【買ったら聴こう00055】Motion/Lee Konitz

【買ったら聴こう00055】Motion/Lee Konitz
極端に左右に振ったステレオ録音なので
コニッツのアルトが左のスピーカーの所に
立って吹いているかの様な妙なリアルさがある。
ドラムがエルヴィンジョーンズ、ベースがソニーダラス。
ピアノレストリオでイマジネーション溢れるアドリブを
ひたすら吹き続けるコニッツの何てかっこいい事でしょう。

申し訳ないけど、このアルバムはヴァーヴっぽくない(笑)。

全トラック素晴らしいですけど、
"You'd be so nice to come home to"は特にゾクッとします。
テーマの提示もなくいきなりアドリブに入るのは
トリスターノ一門の作法か(笑)。
速いテンポなのでソニーダラスのソロは
バッキング時のウォーキングベースと大差ない。
だから逆にコニッツが左のスピーカーの陰に
息を殺して潜んでる様な錯覚があって
妙な緊張感が張りつめているのです。
エルヴィンのソロもダラスのベースに乗って
徐々にオカズを増やしていく感じがたまらない。

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【買ったら聴こう00054】Shorter by two/Kirk Lightsey & Harold Danko

【買ったら聴こう00054】Shorter by two/Kirk Lightsey & Harold Danko
カークライトシーとハロルドダンコのピアノデュオで
ショーターの作品を。
レコードのジャケット裏を確認すると
録音が7月19日と21日と書かれていますが、
何年かの記載がありません。
ネットで調べるとリリースが1984年なので
恐らく1983年か84年だと思われます。

ショーターの曲は色んな人が取り上げていますが、
ここではピアノ2台で演る必然を感じさせる
アイデア満載の演奏が繰り広げられてます。

"Ana Maria"では内部奏法を効果音としてではなく、
ちゃんと爪弾いて調和させてます。

"Dance cadaverous"のテーマではユニゾンが面白い。

"Nefertiti"はテーマが出てこない上、
コードも原曲に基づいているのか分かりません。

全体を通して、テーマ~アドリブ回し~テーマの
ジャズの定型での進行は明確になっていなくて、
二人で曲のイメージを膨らませる事に集中してる感じ。
その緊張感が心地よい一枚です。

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【買ったら聴こう00053】Another git together/Jazztet

【買ったら聴こう00053】Another git together/Jazztet
アートファーマーとベニーゴルソンの双頭コンボの
1962年の録音。
ジャズテットのトロンボーンは
カティスフラーだとばかり思ってたんだけど、
このLPではグラチャンモンカーIIIに替わってた。
モンカーの後々の音楽性を知ってるので意外です。

私にとってはジャズ聴き始めの頃に良く聴いた一枚で、
ゴルソンのアレンジ、ファーマーの淀みないソロなど、
健全なジャズの楽しさが一杯詰まった作品だと思う。
聴く順序って意外と大事で、
もしこれを今初めて聴いたら、スルーしてたかも。

タイトル曲の"Another git together"は
ポニーポインデクスターの曲らしいのですが、
実にダサかっこいいファンキーなナンバーです。

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2019/01/02

【買ったら聴こう00052】Horizons/Ira Sullivan

【買ったら聴こう00052】Horizons/Ira Sullivan
アイラサリヴァンの1967年の録音。
彼はトランペットとサックスを持ち替えますが、
どちらも一流の腕前なのにはビックリです。

ただ器用な人にありがちな纏まりのなさもちらつき、
直球ど真ん中のジャズをやってたかと思うと、
"ノルウェーの森"を取り上げたり、
急にインド風のフレーズを吹いたり、
モーダル曲になったりファンキーになったりします。

演ってて楽しいんだろうなぁと思いますが、
聴く方としてはA面一曲目の
"E flat tuba G"のカラーでアルバム一枚になってたら
聴き応えあるのになぁと…。

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【買ったら聴こう00051】Song for my father/Horace Silver

【買ったら聴こう00051】Song for my father/Horace Silver
初めてこのアルバムを聴いた時、
あまりのタイトル曲のダサさに震えた(笑)。
ボサノヴァのリズムにいなたいテーマ。
更に拍車をかけるシルヴァの合いの手。
「マジか。」って感じでした。
唯一かっこいいのは"The kicker"だけど、
これはジョーヘンダーソンの曲。

今、聴き返してみると…、やっぱりダサい。
他のアルバムと比べても、アクが強いです。
しかし、また聴いて「マジか。」と云いたい自分がいる。
これがシルヴァ節の魅力なのか。


……いや、多分違う。

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2019/01/01

【買ったら聴こう00050】Youngbloods/George Robert

【買ったら聴こう00050】Youngbloods/George Robert
GeorgeでRobertなのでアメリカ人っぽいですが、
スイス人でジョルジュロベールと読む引っ掛け問題(笑)。

このアルバムはイタリアのピアニストの
ダドモロニとのデュオです。

ジョルジュロベールのアルトはフィルウッズから
癖を抜いた様なスタイルで、
表情豊かに流麗に吹きまくるので気持ちいい。
ウッズとの競演アルバムもあるので
憧れてたりするのかな。
節まわしがかなり似てるし、
おきまりフレーズがまんま出てきたりするし。
ろくに調べずに書いてますので個人の意見です。

このアルバムは競演も多いダドモロニと
まさに息の合った演奏を聴かせてくれます。

速いテンポも素晴らしいですが、
スローナンバーも音の美しさも相俟って
デュオの雰囲気にぴったりです。
"Spring can really hang you up the most"や
"Lush Life"や"Missing you"などのバラッドは
音の温かいのでじんわりとしみてきます。
節まわしも饒舌になる一歩手前で
くどくなり過ぎないのがいいですね。

個人的にはケニーバロンの"Voyage"がお気に入り。
"Lovers mirror image"の三拍子への乗り方も好き。
クラリネット持ち替え&エレピによる
"East of the sun"もさらりと品のある演奏。

何だかんだ、全部好きやん(笑)。

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2018/12/31

【買ったら聴こう00049】Lonely woman/Frank Kimbrough

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フランクキンブロウの1988年の録音。
そんなに名前が知れた人ではないかもしれませんが、
なぜか気になって手元に何枚かのCDがあります。

コンポーザー型のピアニストなんで、
取り上げる他人の曲も一癖あり。
このアルバムの中でも自分とメンバーの作品を除くと、
オーネットコールマンの"Lonely woman"と
ハービーニコルスの"House party startin'"と
ジミーロウルズの"The Peacocks"ですから。

プレイスタイルは知的ではあるものの、
むやみにテンションノートを散りばめるようなアドリブではなく、
メロディラインを作っていこうとしている様に感じます。
ただちょっと地味なので、気づくとソロが終わってたりする。

ドラムのジェフウィリアムスはシンバルレガートやスネアの強打が
やや粗い気もしますが、異分子的なアクセントだと思えばアリか。

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【買ったら聴こう00048】Autumn song/Enrico Piepanunzi

【買ったら聴こう00048】Autumn song/Enrico Piepanunzi
エンリコピエラヌンツィの1984年のライヴ録音。
冒頭のソロピアノでもう圧倒されます。
オリジナルから切れ目なく"All the things you are"に入り
厳しい音選びでグイグイ押して行きます。
初期のエンリコはとんがってますね。

トリオのメンバーはスペースジャズトリオと同じ。
"Solar"のみテナーのマッシモウルバーニが入る。

エヴァンスの"Turn out the stars"も演ってるけど、
必要以上にエヴァンス派と云うのはどうかと思う。

特に最初の頃の演奏を聴くと、叙情性よりも
ソリッドな印象の方が強いのです。

個人的な想い出話ですが、
フォノイコライザーを買いに行った時、
持ち込んで色々聴き比べさせてもらったのが、
このレコードでした。
他のオーディオ器機をグレードアップする際も
大抵エンリコのアルバムを試聴に使いました。
なので、私のオーディオはエンリコ仕様なのです(笑)。

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【買ったら聴こう00047】Guided dream/Dave Liebman

【買ったら聴こう00047】Guided dream/Dave Liebman
デイヴリーブマン&トルヴァンビッグバンドの熱い作品。
「&」でもあり「vs」でもあります。
冒頭の"Softly,as in a morning sunrise"が凄い。
鳴り響くバンドに一人で挑むリーブマンは
ファズトーンの咆哮一発で気合いを注入し、
吹きまくる吹きまくる。

ブラスもリードもキレキレのビッグバンドなんだけど、
静かな曲でも緊張感のある知的なハーモニーを聴かせる。

エレベも使うし、エレキギターもフィーチャーするし、
シンセだって効果的に活用してます。

15分以上に及ぶ"M.D.~Lookout form"も聴きどころ。

いつものリーブマンがいつも以上に聴こえる私の名盤。

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【買ったら聴こう00046】Sophisticated swing/Canonball Adderley

【買ったら聴こう00046】Sophisticated swing/Canonball Adderley
キャノンボールアダレイの自己バンドの第一作目。
1957年にリリースされたアルバムですが、
後々のファンキー路線の青写真は既に出来てたんですね。

A面一曲目の "Another kind of soul" でノックアウトです。
これを聴いてhighにならない人はいないでしょう。
B面一曲目の" Spectacular "もゴキゲンなナンバー。
両面の一曲目が良いのはレコードあるあるですね(笑)。

パーソネルはアダレイ兄弟がフロントで、
バッグがジュニアマンス、サムジョーンズ、ジミーコブ。

キャノンボールのアルトは抜ける様に鳴り切り、艶があって、
速いテンポでも楽々とリズムに乗っていく。
ナットは兄ちゃんと演ってる時が一番伸び伸びしてる。

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2018/12/30

【買ったら聴こう00045】Live at Oslo jazzhus/Brazz bros.

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トランペット×2、フレンチホルン、トロンボーン、チューバ、ドラムスの
6名からなるBrazz bros.ってユニットの1989年のライヴ録音です。
調べてみたらメンバーが入れ替わりつつも、活動を続けていて、
2012年までに十数枚のアルバムをリリースしていたのですね。
今はこう云う事がすぐに分かるのでありがたいです。
このライヴ盤を輸入レコード屋で買った当時、
しばらくは気にしてこのユニットの作品を探していたけど、
見つける事ができなかったなぁ…。

冒頭のディキシーランド風の"Huset pa praerien"や
ダラーブランドの"African roots"や
ノルウェイのフォークソング"Astri mi astri"や
オスカーぺティフォードの"Bohemia after dark"や
ジェリーマリガンの"Blue theme"、
そして極めつけにレスターボウイの"Cool-T~Zero"。
色んなモノが着せ替え遊びの様に飛び出してきて楽しい。

もしこのライヴ会場で自分が聴いてたら、
手を叩いて大喜びしただろうなぁ…。

どうでもいい話ですが、メンバーの写真を見ると、
髪の毛のモジャモジャ率が高い。
ほんと、どうでもいい話(笑)。

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【買ったら聴こう00044】Unfolding/Aaron goldberg

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アアロンゴールドバーグの当時のレギュラーメンバーだと思います。
ルーベンロジャース(b)、エリックハーランド(ds)との密度の高いです。
2000年の録音なので、これとて前世紀かぁ(笑)。

今ドキのジャズピアノの典型的なスタイルではあるんですけど、
高度でありつつも、小難しくなりすぎない音楽性が魅力。
ゴールドバーグのオリジナルがほとんどで、
それらがちゃんとメロディックが表情豊かなんですね。
それに続くアドリブも現代的なアプローチではありながら、
無味乾燥にならず、テーマのイメージを保ってる気がします。

唯一のスタンダードが"You are the sunshine of my life"で、
このアレンジがかっこよくて、しかも楽しい。

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2018/12/29

【買ったら聴こう00043】Free jazz/Ornette Coleman

【買ったら聴こう00043】Free jazz/Ornette Coleman
オーネットコールマンが好きで色々聴いた中では
このアルバムはあんまり好きじゃない一枚です。
いえ、でした。

二つのクァルテットが左右のチャンネルで
同時に演奏すると云うアイデアが
いい結果を生み出してるとは思えなかったから。

オーネットコールマンはフリージャズの先駆者、
みたいに書かれているのを時々見ますが、
ドシャメシャのフリージャズとは違って
調性を感じるし、多くの場合、明るいです。
代表作の"Lonely woman"は陰のあるテーマですが
多くの彼の作品は長調的な響きでウネウネしてる(笑)。
私はそのボヤキの様なプレイが好きなのです。

20世紀に入って、クラシック音楽は無調に進んでいって、
偶然性の音楽なんて考え方も出てきたり、
どうしようもない袋小路に入ってしまいました。
決してつまらない音楽とは云いきれませんけど、
ポピュラー音楽ではなくなってしまいました。

ジャズもそれから半世紀位遅れて、
同じ道を進んでしまった訳ですけど、
やっぱり大衆がついていけなくなった。

オーネットコールマンの「Free jazz」は
彼の作品の中では一番ドシャメシャな匂いがするので、
あんまり好きではなかったんですね。

でも、よく聴くと、
右チャンネルのドルフィはいつもの調子で暴れてて、
左チャンネルのオーネットコールマンも
普段とやってる事はあんまし変わらない。
要はダブルクァルテットって特殊な試みが
偶然の新鮮な響きを生み、偶然の混沌を生んだ。

でも、ただのドシャメシャと根本的に違うのは
お互いの音をよく聴いて、調和の方向を目指してる事。
その中でオーネットコールマンの明るい語り口が
厄介なドルフィやドンチェリーやハッバードを
諌めていくように思えて面白いです。

CDには別テイクが収められてるので、
秩序をもってプレイされてた事がよくわかりますね。

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2018/12/28

【買ったら聴こう00042】It's so isso/一噌幸弘

【買ったら聴こう00042】It's so isso/一噌幸弘
篠笛、能管でジャズを演ってるんですが、
初めて聴いた時はぶったまげました。

冒頭の"とひょひょ"に魅力が凝縮してます。
篠笛で朗々とテーマが吟われた後、
ビートが乗っかってきて、早いパッセージで埋め尽される。
何だか和の"スペイン"みたいです。
和のスペインってのも変だな(笑)。

和楽器はよくわからないんですが、
西洋楽器ほどクロマティックな使い方は出来ないよう。
でも、主役の管の調に固定すれば済む話ですよね。

それに、和音階もペンタトニックスケールの一種だし、
他のメンバーは完全に和に合わせなくても、
メロデイックマイナースケールや
その他の相性のいいスケールで寄せていけば
全体では和のイメージを核に置きながら、
奔放な展開が出来ますね。

緩急自在に和楽器の音色を見事に生かした演奏は
聴きどころ満載だと思います。

参加メンバーも凄い。
やっぱり打楽器は仙波清彦。
で、このアルバムの肝はギターの 鬼怒無月。
他にも山下洋輔、坂田明、渡辺香津美など
豪華ゲストが参加しています。

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2018/12/27

【買ったら聴こう00041】Body and soul/Lee Konitz & Gary Foster

【買ったら聴こう00041】Body and soul/Lee Konitz & Gary Foster
良い音質で聴けるクールジャズのアルバム。
サブタイトルが「ウォーンマーシュに捧ぐ」。
1995年東京録音。日本企画ですね。
ベースとドラムが日本人。

リーコニッツとゲイリーフォスタが如何にもクールっぽい
力の抜けたアルトでアンサンブルを聴かせる。
二人がその気で演ってるのなら良いんだけど、
日本人の懐古趣味に付き合わされてたのなら、
あまりいただけない。
ま、クールジャズはやる気があんまり影響しないから、
分かんないっちゃー、分かんないんだけど(笑)。

全9曲中7曲がウォーンマーシュの作品。
フロントは二人ともアルトだけど、それぞれ個性が出てて、
聴き比べがとても楽しい。

ピアノもそれっぽく弾いてますが、
もっとトリスターノっぽいクールさがあったら
もっとそれっぽい演奏になってたかも。

ちなみにコニッツとマーシュのアルバムは
意外ともっとホットだったりしますが。

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2018/12/26

【買ったら聴こう00040】Down with it/Blue Mitchell

【買ったら聴こう00040】Down with it/Blue Mitchell
おそらく売れ線狙いで出された作品なんでしょう。
ジャズロック調の" Hi-heel sneakers "ではじまり、
ボサノヴァビート、ファンキーなマーチなど。
更に、ブルーミッチェルとジュニアクックが
テーマをハモるだけでホレスシルヴァ感も漂います。

コテコテの要素満載なんですが、
目新しい点として、
チックコリア、アルフォスタか参加してる事と、
"Alone,alone,and alone"って美しいバラッドが
日野皓正の作曲だって事が挙げられます。

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【買ったら聴こう00039】Hamp's piano/Hampton Hawes

【買ったら聴こう00039】Hamp's piano/Hampton Hawes
ハンプトンホウズは好きなピアニストの一人です。
50年代にコンテンポラリーに残した数々の作品も素晴らしいですが、
60年代以降の作品も深みが増してて、ジーンときます。
58年に麻薬で捕まって、63年に恩赦で釈放されたと云う経歴を知って
私の頭の中で勝手なストーリーが付加されてしまってるからかも…。

でも、やっぱり良いんですよね。
「Hamp's piano」はそこはかとなくエヴァンスの影響が見て取れます。
音使いやバッキングでエヴァンスがチラつきます。
"Autumn leaves"、"I'm all smiles"、"My foolish heart"が
演奏されているのも何だか意味ありげでしょ。

でも、個人的にこのアルバムが好きな理由は
"Hamp's blues"と" Black forest blues "の
2つのブルースが素晴らしいから。
どちらも、ドラムレスで演奏されていて、
テーマからして普通のブルースとは異質な
詩情の様なものが漂っています。
ホウズのソロで一気にブルージーになりますが、
アイデアに富んでいて聴き応え十分です。

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【買ったら聴こう00038】Amsterdam after dark/George Coleman

【買ったら聴こう00038】Amsterdam after dark
ジョージコールマンの1987年録音のリーダー作。
メンバーはヒルトンルイズ、サムジョーンズ、
ビリーヒギンズと安定感のある布陣です。
逆に云うと、飛び抜けた演奏にはなりにくいって事です。

冒頭、8ビートからのフリーキートーンなので
「をっ。」と思いましたが、段々普通になっていきます。

ジョージコールマンのサックスは音の伸びもよくて
フレーズも滑らかで非の打ち所がない。
それがちょっともの足りないかも。
メンバーにもっと煽るヤツがいたら、
彼のプレイに火がつくのでしょうか。

でも、ジョージコールマンはこれでいいのかも。

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2018/12/25

【買ったら聴こう00037】Plays Monk/Bennie Wallace

【買ったら聴こう00037】Plays Monk/Bennie Wallace
1980年頃のenjaレーベルのベニーウォレスは作品は荒削りで面白い。
アドリブでの音の跳躍が激しく、突拍子もないフレーズが淀みなくばら撒かれる。

このケッタイなウォレスのセンスと
モンクの曲との相性はすこぶるいい。

エディゴメス、ダニーリッチモンドとのピアノレストリオは
ハーモニーが希薄で骨格剥き出し。
曲によってはジミーネッパーが入るんだけど、
音程低めの楽器ばかりなので、重みマシマシです。

最も「らしい」演奏は"Straight no chaser"。
完全に酩酊状態です。

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【買ったら聴こう00036】The cove/Meredith d'Ambrosio

【買ったら聴こう00036】The cove/Meredith d'Ambrosio
ダンブロシオはジャズ史に名を残す必聴の歌手ではないけど、
聴いて良かったと思える人だと思うのです。

特にこのアルバムはスローナンバーが中心なので、
静かに音楽に浸りたい時に出会うとたまらない一枚です。
彼女自身によるピアノの他、
旦那ではなくフレッドハーシュが参加しています。

彼女は有名どころのスタンダードも歌いますが、
あまり他で取り上げられないような曲も選びます。
"EveryBody knows"なんて初めて聴いたよ。
スタンダードソングのタイトルや曲の一部を繋げた様な
面白い作品です。

彼女の歌は少し音程が不正確な時もありますけど、
全体的に呟くように歌っているので、
それは決してマイナスではないと感じます。

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2018/12/24

【買ったら聴こう00035】Alone at Montreux/Ray Bryant

【買ったら聴こう00035】Alone at Montreux/Ray Bryant
私の勝手な印象ですが、
ピーターソンの代役のステージを
ほぼブルース一本で乗り切ったドキュメント作品。
当然ブルース進行の曲だけではありませんが、
ほぼブルース音階で押し通してます。

キーポイントは左手。
様々なブルースのスタイルのリズムパターンで
あそこまで観客を乗せたのは凄いです。
よく聴くと、右手のアドリブはあまり展開してないし、
手癖フレーズが目立つ感じです。

それだけに"Greensleeves"が印象的。
テーマを繰り返し弾いてるだけの短い演奏ですが、
sus4がこんなに新鮮に聴こえるとは。

ラストの"Liebestraum boogie"は
リストの愛の夢ですね。

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【買ったら聴こう00034】Mark Murphy sings

Mark Murphy sings
マークマーフィの1975年のアルバム。
ほとんどがインスト曲のヴォーカリーズで
スタンダードは"Body and soul"くらい。
この曲のヴァースってこんなのだったのね。

デヴィッドサンボーン、ブレッカー兄弟も参加。
時代を反映して、8ビート中心でエレピが鳴り響く。
取り上げてる曲もフレディハッバード、
ハービーハンコック、ミルトンナシメントなど。
新しい事をやろうとしてたのでしょうね。

マークマーフィ自身はいつもの如く飄々としてます。
私は彼のこの感じが好きです。
後は音程の雑さが気になるかならないか…。
この作品はギリ大丈夫でした(笑)。
これがマークマーフィの魅力でもあるので、
仕方ありません。
彼やボブドローとかを聴く際、
違うスイッチを入れてるかもしれない。

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2018/12/23

【買ったら聴こう00033】Phil Woods and his european rhythm machine

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このジャケットはインターシティ盤だけど、
他にも「Chromatic banana」と題されたアフィニティ盤も手元にある。
ジャズ聴き始めの学生時代だったので、
ジャケ違いに引っかかった時は結構凹んでました。

それはさておき、フィルウッズ&ヨーロピアンリズムマシンは
どのアルバムも素晴らしいんですけど、
個人的に最初に聴いたこのアルバムは思い入れが大きい。

ウッズの音はウッドロアやフィル&クイルの頃と比べると
喉を鳴らしたダーティトーンなんかも多用し、
グネグネとうねるウッズ節が目立つようになっていますが、
ゴードンベック、アンリテキシェ、ダニエルユメールによる
尖がったサポートによって、癖の強さがマスキングされてます。

どの曲も素晴らしく、かっこよさの極みなんですけど、
"Chromatic banana"と"The last page sans melodie"は出色の出来。
後者はビートも変化し、ウッズもクラリネットとアルトの持ち替え。
フェイドアウトじゃなかったらなぁ…。

ゴードンベックの"Ultimete choice"や"The day when the world..."も
ある意味ロックっぽいメロディがウッズの肉声の様なサックスと
見事にはまってる。

アンリテキシェの弾き語りもいいアクセントになってて面白い。

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【買ったら聴こう00032】MISTLETOE MAGIC/VARIOUS ARTISTS

【買ったら聴こう00032】MISTLETOE MAGIC/VARIOUS ARTISTS
ジャズのクリスマスアルバムは
ウェブサイトの季節ネタにするため
アホほど買ってました。
当時、最強のジャズクリスマスサイトを自負してたけど、
先日、本屋でジャズクリスマスアルバムの本が並んでて
上には上がいる事を知りました。

私がクリスマスモノに嵌まったキッカケがコレ。

A面一曲目のエルヴィンジョーンズクインテットによる
定番曲の"Santa Claus is coming to town"は
これまで聴いたクリスマス曲の中で最も秀逸なアレンジ。
フロントの日野皓正とデイヴリーブマンが素晴らしい。

B面一曲目の"Sleigh ride"は
リッチーコールとアートペッパーの掛け合い。
何とも面白い顔合わせです。
しかもピアノがあのロジャーケラウェイ。
あ、これは個人的な好みの問題か(笑)。

"Christmas waltz"はメレディスダンブロシオの歌を
ハンクジョーンズが優しく支える極上のバラッド。

"The Christmas song"はジョーヘンダーソン。
バックをマルウォルドロントリオが務める。

いやぁ、クリスマス時期にしか聴かないのが勿体ない。

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【買ったら聴こう00031】Zo-Ko-So

【買ったら聴こう00031】Zo-Ko-So
ギターのアッティラゾラー、テナーのハンスコラー、
そして、ピアノのマーシャルソラールの名前から
アルファベット二文字づつ取ったタイトル。
ハンスコラーは今ハンズコルラーの表記が主流かな。

ドラムもベースもいなくて、
ピアノとギターで役割が被ってるせいか、
ソラールファンとしてはやや抑え目な気はしますが、
それでも、この変則的なトリオは刺激的で濃密です。
特にB面の"Away from Crowd"、
" H.-J.. Meets M. A. H." 辺りが好きですね。

1965年にMPSに録音された割には音が良くないのは残念。

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【買ったら聴こう00030】Solo piano/Chucho Valdes

【買ったら聴こう00030】Solo piano/Chucho Valdes
イラケレのチューチョヴァルデスのソロ作品です。
当時、かなり衝撃を受けたアルバムなので、
梅田ロフトのWAVEで買った時の事まで覚えてる。

初っぱなの"isanusi"の溢れ出るリズムにやられた。
キューバの音楽なんて聴いたことなかったけど、
DNAに染みついた民族の血なのだろうと思った。
しかし、"Bill(Evans)"なんて曲をやってたりするように
音選びにはジャズの影響が見え隠れしていて、
その混血具合が実に刺激的なのでした。

ま、エヴァンス感はないけど(笑)。

力強いタッチで描く"My foolish heart"も面白い。

ソロピアノってタイトルなのにもかかわらず、
トリオ演奏か収められてるのは看板に偽りアリだ(笑)。

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2018/12/22

【買ったら聴こう00029】The expense of spirit/Tuomi

【買ったら聴こう00029】The expense of spirit
彼女はフィンランドとドイツのハーフらしい。
ええ、ジャケ買いですとも(笑)。

狭義のジャズではないけど、ジャズ的な耳で聴いて
十分に刺激を感じ取れる音楽性だと思います。

ピアノとベースがバックでヨーロッパ系の音で支え、
トラックによってヴァイオリンとヴィオラが入る。

速いテンポの曲はなく、静かに展開しているので、
アルバムとしてややメリハリに欠けるものの、
彼女の声質をじっくり味わうには最適の仕上がり。

ラストに"Mourning eyes"のリミックスが入ってるけど、
これは余計だなぁ。

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【買ったら聴こう00028】Attica Blues/Archie Shepp

【買ったら聴こう00028】Attica Blues/Archie Shepp
アッティカ刑務所の暴動事件を題材にしてるので、
メッセージ性を切り離して聴くのも何なんですが、
冒頭のタイトル曲はひたすらカッコいい。
ワウギターにファンキーなビート、
主役はシェップではなく、アーシーな女性ヴォーカル。
他の曲でも歌の入るのが多い。
男性ヴォーカル から子供の歌まで幅広い。
しかも、曲の合間にはinvocationって語りが入ったり、
何だかラジオ番組でも聴いてる感じですね。

シェップのテナーの音色は不安定に変化します。
ネットの動画などでも確認できますが、
シェップはマウスピースの咥え方をかなり変えます。
下唇を下の歯に巻き込まないで吹く事も多いですが、
かなり浅く咥えて吹く事もあるようです。

全体を通して調性もはっきりしてて聴きやすい。
歌詞を聴いたらそんな呑気なモノじゃないかもしれないけど、
でも私は日本の歌でもほぼ歌詞なんて聴いてないから。

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2018/12/21

【買ったら聴こう00027】Rokoko jazz II/Eugen Cicero

【買ったら聴こう00027】Rokoko jazz II/Eugen Cicero
オイゲンキケロはずっとスルーしてました。
クラシックの名曲をジャズで演奏すると云うコンセプト自体、
あんまり食指を動かされるモノではなかったから。

ピアノを習ってる我が子にジャズを聴かせるきっかけとして
数枚買ってみたんですが…、
ずっとスルーしといても良かったかな。

リズム的には4ビートにしてあるけど、
スウィングしてるのは一部で、ほぼイーヴンで前ノリ。

テーマ自体の和音もあんまり変えてないっぽいので、
響きはクラシック的なまま。
アドリブも手数は多いものの、刺激的な音は少ないかな。

"きらきら星変奏曲"は愛らしい雰囲気から
いかついゴリゴリの展開にまで持っていくので
なかなか面白いですね。

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【買ったら聴こう00026】Les stances a Sophie/ Art ensemble of Chicago

【買ったら聴こう00026】Les stances a Sophie/ Art ensemble of Chicago
これはアートアンサンブルオヴシカゴ(以下AEC)が
音楽を担当した映画のサントラなんだそうです。
観てないので何度も云えませんが、
まともな映画ではありますまい(笑)。

AECのアルバムはそこそこ手元にありますが、
その中でも聴きやすい作品ですね。
メロディ、ビートがはっきりした曲が多いから。

一曲目の"Theme de Yoyo"はヴォーカルも入ってて
(どうやらレスターボウイの奥さんらしい。)
かなりキャッチーな仕上がりになっています。
どっちがジョセフジャーマンで
どっちがロスコーミッチェルか知りませんが、
全然揃ってないバラバラのアンサンブルは
二人の雑なプレイあってこその味わいだと思います。

一方で、着地点を全く考えてなさそうな
AECらしい馬なりな演奏も数曲聴ける(笑)。

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【買ったら聴こう00025】Booker Little

【買ったら聴こう00025】Booker Little
ジャズ初心者の頃にbainbridgeとか云うところが出してた
ジャケ違いを
レコードで買ってしまったので、
もう一度ちゃんとしたのをCDで買い直しました。

ブッカーリトルの枕詞は「夭折の」です。
もし、長く活動していたらどんな音楽をやってたのかな。

オリジナルテーマにしてもアドリブにしても
空中を彷徨う様なフレーズなのですが、
この特徴はほぼルート音で終わらないせいかと思います。
音楽理論もしっかり学んでたようですので、
マイルスみたいに大上段でモードを掲げなくても、
教会旋法をさらっと取り入れてた、
と云うより、それが美しいと感じていたのではないかと、
勝手に考えている次第です。

音色の素晴しさやフレーズの豊富さの中に
その独自のエッセンスが加わっているのが
私にとってのブッカーリトルの魅力です。

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2018/12/20

【買ったら聴こう00024】Why I like coffee/Bob Nell

【買ったら聴こう00024】Why I like coffee/Bob Nell
ボブネルってピアニストはこの一枚しか持ってないので、
あんまりはっきりしたことは云えませんが、
かなり特異な音楽センスを持った人ではないかと。

作曲、アレンジ、アドリブ全てで、常套句に陥らない。

このアルバムを何で買ったのか覚えてないけど、
レイアンダーソン、ジャックウォラスのフロント二管だったから…、
もしくはその二人の何かのアルバムでボブネルに興味を持った…、
そんな感じではなかったかと思います。

冒頭のソロピアノによる" Blues for KB "、
あやしいアンサンブルの" Why I like coffee "、
一筋縄ではいかない" Taking a chance on love "など、
モンクやらドルフィやらジョージラッセルやら
ジャズの本流から逸脱したジャイアンツと似た匂いがする。

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2018/12/18

【買ったら聴こう00023】Who are you?/Linda Petersson

【買ったら聴こう00023】Who are you?/Linda Petersson
ジャケ買いの女性ヴォーカルは外す事も多いです。
ジャジーなムードでスタンダードをユルく歌ってるだけだったり、
雰囲気だけで実力が伴っていなかったり…。

それでも時々アタリもある(笑)。
このリンダペッテションはその中の一人です。

まず音程に誤魔化しがなく、表情も豊かです。
声質も写真のイメージ通りで美しく、透明感があります。

で、バックのピアノトリオ+tpが北欧系のサウンド。
スタンダードになるとちょっとベタになるけど、
アレンジがしっかりした曲では
張りつめた空気が心地よい。

"Up from the skies"なんかも歌ってて、
ちょっとブルージーな歌い方をしてるけど、
他のトラックとは趣きが変わってます。

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【買ったら聴こう00022】渡良瀬/板橋文夫

【買ったら聴こう00022】渡良瀬/板橋文夫
板橋文夫はネットで知り合いになったNさんに教えて貰った。
お宅に邪魔して、聴かせて貰ったのは
このアルバムではなかったけど、
"good bye"は演ってました。
もっと執拗な反復の中での陶酔感は凄まじかった。
あれは森山威男の作品だったっけか。

で、この「渡良瀬」は板橋文夫のソロピアノの傑作と云われています。
割とあっさりしてます。

二曲目の" Msunduza"はアフリカっぽいので、
ダラーブラントがちらつきますが、
やっぱり板橋文夫らしさは和音階の取り込みや、
日本人好みの泣きのフレーズだと思います。
それをメソメソやられるのではなく、
圧倒的なパワーで押し出してくるので、やられちゃうのです。
決して何でもかんでも力で押し切るのではなくて、
繊細な表現を交えながら、
曲全体のうねりの中で組み立てられていくので、
心から揺さぶられるのですね。

こんな事を書いたら、怒られそうだけど、
"good bye"のBメロを聴くと"どうぞこのまま"がちらつく。

スタジオ録音のこのアルバムを基本型として
他のライヴ盤などをまた聴き進めていこうと思います。

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2018/12/14

【買ったら聴こう00021】Old boy friends/Claire Martin

【買ったら聴こう00021】Old boy friends
クレアマーチンはカッコいい。
ハスキーでありながら、立ち上がりがシャープで
速い曲でもキレキレで乗ってくる。
芯のしっかりした声なので、バラッドも最高。
なんだ、ベタ惚れじゃん(笑)。

このアルバムは急速調の
"Partner in crime"、"The wheelers and dealers"などと、
"Old boy friends"、"I've got news for you"、
"I was telling him about you"などのバラッドが
バランス良く配され、
CD一枚があっと云う間に終わる…。

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【買ったら聴こう00020】Esperanza/esperanza Spalding

Esperanza/esperanza Spalding
女性ヴォーカリストでベーシスト。
で、挑発的なこの表情。
そそられない方がおかしい(笑)。
これが彼女のセカンドアルバムで
メジャーデビューだそうです。
「junjo」の方が後だと思ってました。

アルバム冒頭がショーターの"Ponta de Areia"。
「そうきたか。」ってニヤニヤが止まらない。

狭義のジャズでは収まりきらない様々な音楽の集合体。
とりわけMPBとジャズの要素が強い気がします。

弾き語りならではのスキャットとベースのユニゾンは楽しい。

スタンダードの"Body and soul"を歌ってるなと思ったら、
スペイン語でした。
本当に色んなものがミックスされてるのね。

但し、ヴォーカルだけ切り出して聴くと、
100点満点でぼちぼちだと思います。

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2018/12/13

【買ったら聴こう00018】So...!/New jazz trio

【買ったら聴こう00019】So...!/New jazz trio
現在活躍中のジャズピアニストの中で
ミカエルアルベンツは頭ひとつ飛び出た存在です。

VIENでのプレイももちろん凄い。
けど、今回はNew jazz trioを。
トリオと銘打ってますが、
フロントに三管をフィーチャリング 。
Matthieu Michel(flh)
Glenn Ferris(tb)
Carlo Schöb(ts)
なので、純粋なトリオ作品ではないものの、
セクステットのコンボ演奏って色合いは薄く、
やはりアルベンツを中心としたトリオが主役なんですね。

猛烈なアンサンブルが鳴り響いた後、
その熱量に負けないトリオが演奏を牛耳る。
速いパッセージでも、気だるいテンポでも、
強く個性を発揮しまくります。

高度な音楽なんですが、難解ではない。
すべてが聴きどころ。

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【買ったら聴こう00019】The jazz singer/Eddie Jefferson

【買ったら聴こう00018】The jazz singer
個人的に堂々とした歌手って苦手です。
特に男性は高圧的に感じて萎縮してしまいます。

その点、エディジェファーソンは飄々としていて、
肩の力も、気も、スコンと抜けた感じです。
あ、悪口ではありませんよ。
しかも、性格の明るさが全面に出た感じでゴキゲンです。
馬づらの人に悪い人はいません。
これも悪口じゃないです。

アルバムコンセプトとしてはジャズの名演のヴォーカリーズ。
曲によってコーラスや女性ヴォーカルが入ったりするので、
全体的な雰囲気はランバート、ヘンドリックス&ロスに近い。

アドリブパートにも歌詞を付けて歌っていますが
ヴォーカリーズモノって完璧に歌いこなすよりも、
無理矢理歌ってる感があった方が面白いと思います。
マイルスのアドリブラインなら歌えない事もないけど、
パーカーの様な音数の多いプレイを歌にするのはかなり強引。
そのとっちらかり感が堪らないと思うのは私だけかな。

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【買ったら聴こう00017】Double door/Karl Martin Almqvist & Mathias Landaeus

【買ったら聴こう00017】Double door/Karl Martin Almqvist & Mathias Landaeus
テナーのKarl Martin Almqvistと
ピアノのMathias Landaeusのデュオ。
アルムクヴィストとランデウスと読むらしい。

背中を向けたジャケットの写真が秀逸で
アルバムの内容も題名のない音楽会風に云うと、
「背で聴かせる音楽会」って感じ。

お互いの音を聴き、反応しあう濃密な演奏。
アルムクヴィストは音が立ち上がってから消え入るまで、
一音一音に気を配っているのがわかります。
フラジオも音質を変わらないよう溶け込ませています。
太くて豊かな美しいサックスです。

ランデウスもタッチと云い音選びと云い、
丁寧な対話に集中しています。

テンポの速い曲はないので、ジャズ的なノリを期待すると、
それはそれは退屈な演奏に聴こえるかもしれませんが、
音の端々まで耳をそばだてて聴くと、
じわじわと良さが伝わってくるスルメ盤だと思います。

ほとんどオリジナルでスタンダードは一曲だけ。
Spring can really hang you up the most。
選曲も憎い。

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2018/12/12

【買ったら聴こう00014-16】Musical prophet/Eric Dolphy

【買ったら聴こう00014-16】Musical prophet/Eric Dolphy
ドルフィの未発表音源が発掘される度に
「また出ちゃったか」と思う。
ドルフィ好きとしては買わざるを得ないのですが、
ひどい音質のモノなんかも多くて、
聴きながらブルーになることもしばしば。

今回も期待半分、不安半分で買ってみたところ、
久々に満足できる内容でした。

聴きどころはリチャードディヴィスとのデュオ。
まわりを蹴散らすようなソロとは違い、
音階の突拍子もない跳躍をせず、
穏やかにベースと対話しています。
これは沁みる。

録音された時期がOut to lunchの前との事で
コンボ演奏についてはより無機質なサウンドに変わってます。

一部、セッション的なトラックもあるので、
全体の纏まりはないけど、
ドルフィが色んなコトを試してたんだなと
発見の多い三枚組アルバムでした。

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2018/12/11

【買ったら聴こう00013】With words unspoken/Lynn Arriale

With words unspoken/Lynn Arriale
リンアリエールトリオの1996年の録音。
彼女はピアニストとしての能力もさることながら、
アレンジャーとしての才能が秀でていると思います。
厳しめのリハーモナイズ、メロディの再構築やギミックの挿入、
リズムパターンの付与など、今風の理想的なアレンジで
聴き手をニヤニヤさせてくれます。
でも、美しい曲は下手に弄くらないのも心憎い。
このアルバムでは私の大好きな
"The peacocks"と"Zingaro"を取り上げてるけど、
ほとんど崩さず、情感を込めて丁寧に弾いてます。
元々クラシック畑の人らしいので、音の粒も整ってて、
バラッドプレイは極上です。

一方で激し目の曲については、
せっかくのイカツいアレンジをキッチリ弾きすぎてて、
ちょっとだけ堅苦しいかな。
ほんのちょっとだけね。

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【買ったら聴こう00012】Sonny moon for two/Maurice Vander

【買ったら聴こう00012】Sonny moon for two/Maurice Vander
モーリスヴァンデールの1968年のトリオ。
フィリージョージョーンズが参加してます。
私はDrayfusが再発したCDで持ってるので
オリジナルジャケットとは違うようです。
アルバムタイトルも本当はSonny moon for twoかどうか…。

60年代の終盤なので、バップ基調であっても、
色んな要素が加味されて少し新しい響きがします。
タイトル曲の荒々しいブロックコードの解釈がツボでした。
他も少しモーダルな和声がチラつきますが、
基本的に軸足はバップから外れません。
その辺りのバランスは今の耳で聴くといい感じですね。
フィリージョージョーンズのドラムもさすが。

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【買ったら聴こう00011】The solo album/Sonny Rollins

【買ったら聴こう00011】The solo album/Sonny Rollins
私が初めて買ったCDです。
当時、CDプレイヤーを持ってなかったのに
何であえてCDにしたかと云うと、
この作品はロリンズの56分にわたるソロ演奏だから。
レコードだと途中で切れてしまうと思ったんですね。

でも、正確には56分吹きっぱなしではありませんでした。
数回、区切りがついて、聴衆の拍手が起こってます。

で、肝心のフリーのインプロヴィゼーションですが、
そこそこ面白い爺ちゃんぼやきを聴いてる感じです。
思いついた昔のフレーズが顔を出したかと思うと、
また話が逸れてしまう(笑)。
こりゃ凄い、って領域まで行ってくれない。

タンギングと指のズレやミストーンなど、
ブリッジ以降のロリンズのラフさが目立ち、
単音楽器での長尺のソロって事で下駄を履かせても、
個人的にはのめり込める演奏ではありませんでした。

明るくおおらかなに歌うロリンズよりも、
マイナーチューンでの一瞬のフレーズに
ゾクッとするような凄みを感じる事が多かったので、
それを期待してたのが良くなかったんでしょうね。

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2018/12/08

【買ったら聴こう00010】Detour ahead/Mike Melillo

【買ったら聴こう00010】Detour ahead/Mike Melillo
このCDにはちょっとした思い出があります。

以前、このブログでマイクメリロの
「Recycle」の事を好き勝手書いてたら、
人づてで本人に伝わったらしく、
彼からプレゼントが送られてきました。
それがこのアルバムだったんですね。

その当時、まだ発売されておらず、
私が貰ったのはデモ盤か何かだった。
今はphilologyから発売されていますが、
ジャケットをよくみると、タイトルの位置が違う。

前置きはこの辺にして…。

マイクメリロはさりげなく毒っけを漂わせるピアニスト。
モンクの曲を取り上げることも多いんですけど、
それ以外の曲を弾く時もモンク的な和声やタッチがチラ付きます。
特に4ビートへの乗り方が独特です。
アドリブでは跳ねずにイーヴンで乗ることが多く、
踏みしめるようにやや遅れ気味に弾きます。
一音一音がそこにとどまり、説得力を持つ感じ。
"Work"をミディアムファストくらいで弾いてるんですが、
これがまたこのタッチと相俟って味わい深いんですよね。
オリジナルの"SEE HUNT AND LIDDY"は速い曲なので、
割とリズムにストレートに乗って弾いてるんですけど、
音の粒の形はやっぱり独特。で、フレーズも独特。

一癖も二癖もあるピアニストです。

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2018/12/07

【買ったら聴こう00009】Allegresse/Maria Schneider Orchestra

【買ったら聴こう00009】Allegresse/Maria Schneider Orchestra
ジャズオーケストラの面白さって、
個と集団のバランスではないかと思ったりします。
マリアシュナイダーはその出し入れが巧みです。
ソリストとアンサンブルが明確に分かれていない事も多く、
さっきまでメロディを吹いてたヤツが
アンサンブルの中に溶け込んでしまったり、
アンサンブルの中からメロディが立ち上がってきたり、
オーケストラ全体の響きがどんどん変化していく。

このアルバムはブラジル音楽からの影響もあるそうですが、
彼女の中で消化して取り入れているからか
明確なプラジル感が出てる訳じゃありません。

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【買ったら聴こう00008】Freedom samba/The jazz renegedes

【買ったら聴こう00008】Freedom samba/The jazz renegedes
確か梅田ロフトのWAVEで適当に買った中の一枚だったかと。
正体不明のバンドで、スタイルはかなり懐古趣味。
キャッチーな曲が多いのではゴキゲンに聴ける。
当時、夏に結構よく聴いていたアルバムでした。

で、今回取り上げるにあたってネットで調べてみたら、
なんと元スタイルカウンシルのドラマー
スティーヴホワイトが作ったバンドだってさ。
スティーヴホワイトは知らないけど、
スタイルカウンシルは学生時代の友達がよく聴いてたので
名前くらいは知ってます。

サックスのAlan Barnesって人のタンギングが凄い。
何と歯切れの良いフレージングでしょう。
個人的には"Even stevens"、"Man goes"
そしてタイトル曲の"Freedom samba"が楽しくて好き。

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【買ったら聴こう00007】Synergy/Mike Wofford

【買ったら聴こう00007】Synergy/Mike Wofford
マイクウォフォードはそれほど有名な人ではないかもしれないけど、
私にとっては常にチェックし続けているピアニストの一人です。

さりげなく変な人だと云うのが私の見解

今後もあれこれ取り上げるかと思いますが、
まずはこのシナジー。

60年代から活動してる人なんですが、
ブラインドで聴いたら、もっと最近の人だと思うでしょう。
エヴァンス系と書かれていたのも見たことあるけど、
それは彼の一面でしかないと思う。。
このアルバムでエヴァンスを感じる人はいないでしょう。

常に新しいスタイルを模索して、変化し続ける事で
モチベーションをキープできる人ではないかと勝手に思ってます。

このSynergyはオリジナルの比率が高く、
厳しめの音の構築で攻めの演奏が繰り広げられます。
スタンダードバラッドの"My old flame"にしても
甘さが微塵もありません。

このアルバムは彼の凄みが感じられる理想的な一枚ではないかと。

ところでこのCDのケースは変わってる。
引き出しの様に中のトレイをスライドさせて、
それをくの字に曲げてCDを取り出す方式。
こんなパターンは私の持ってる中でこれ一枚です。

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2018/12/06

【買ったら聴こう00006】No tears...No goodbyes/Helen Merrill&Gordon Beck

【買ったら聴こう00006】No tears...No goodbyes/Helen Merrill&Gordon Beck
ヘレンメリルは色んな顔合わせでアルバムを作っていますが、
それらの中でもOWLの二作品は出色の出来だと思います。

このゴードンベックとのデュオはシンプルな編成だけに
二人の濃密な対話を楽しむことができます。
バラッドや4ビートの曲も素晴らしいですけど、
個人的には8ビートでエレピを弾いてる
冒頭の"When I look in your eyes"が
このアルバムのイメージを決定付けている気がします。

ひとつ残念なのは収録時間が短いこと。
「Music makers」と合わせて録ったのかと思ったら、
「No tears...」の方が2年早かった。

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【買ったら聴こう00005】Love for sale/Cecil Taylor

【買ったら聴こう00005】Love for sale/Cecil Taylor
セシルテイラーの初期の作品です。
オーソドックスな4ビートが刻まれる中、
セシルテイラーが壊れながらも進行に添ってプレイ。
その過渡期的な演奏がとても面白い。
整然とした住宅街の中にピンクのお城が建ってると
その異様さが際立つのと一緒ですね。

後に同じ資質のメンバーでより彼の音楽を実現していきますが、
フンデルトヴァッサーのグネグネの街並みに
ピンクのお城が建ってても目立たないように
「love for sale」の様な対比の妙はないですね。
狙ってできない一瞬の可笑しみでしょうか。

後半はセシルテイラーのオリジナル。
この当時の彼の曲はメロディアスで素晴らしい。
エリックドルフィしかり、ジョージラッセルしかり、
独特の感覚を持ってる人の作る曲は
イマジネーションを掻き立てられます。
"Little lees(Louise)"はジャズ聴き始めの頃に
スティーヴレイシーの演奏で先に聴いて
えらくハマった曲なんですよね。

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2018/12/05

【買ったら聴こう00004】In the key of Monk/Jessica Williams

【買ったら聴こう00004】In the key of Monk/Jessica Williams
ジェシカウィリアムスのソロライヴ。
タイトル通りモンク曲集なんですけど、
圧倒的にピアノが巧いので、まともに聴こえます(笑)。
左手ストライドの右手アドリブまたいなプレイは
モンクもソロライヴの時によくやってたけど、
たいがい数小節で破綻してた。

こう書くと、綺麗に小さく纏まっているみたいだけど、
ジェシカウィリアムスのピアノは力強くダイナミック。
ウォーキングベースでゴリゴリ弾くのは男性的ですらある。

あと、内部奏法を単なる効果音として使うのではなく、
普通に"弾いている"のって凄いなぁ。

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【買ったら聴こう00003】Four & more/Miles Davis

【買ったら聴こう00003】Four & more/Miles Davis
このブログのちょっと前の記事に書いたんですが、
私が中学生の終わりか高校の始めの頃に
初めて買ったジャズのレコードが
「My funny Valentine/Miles Davis」でした。
で、この「Four&more」も同じ時のライヴの音源です。

前者はバラッド系の曲を選んであって、
後者は激しく動きのある曲を集めてあります。

初心者には「My funny~」の良さが分からなかった。
元の曲も知らないのに、いきなり大胆に崩されても、
何が何だかちんぷんかんぷんでした。
お陰でマイルスを二十年近く敬遠する羽目になりました。

あの時、もし「Four&more」を買ってたら
どうなってたのかな。

テンポのある曲の方が素人には分かりやすいから、
「My funny~」よりも理解する糸口を掴めたかもしれないなぁ。

いや、それでも崩れ過ぎだし、モーダルだし、
やっぱりお手上げだったような気もする。

そうなると、プレスティッジの四部作あたりか…。
出会うタイミングって重要ですね。

で、このFour&moreを今の耳で聴くと、
スリリングなトニーウィリアムスのドラムと
ハンコックの新しい音の響きに支えられ、
マイルスのプレイも乗りに乗ってる気がします。

マイルスのバンドはテナーが入れ替わっていくけど、
個人的にジョージコールマンがベストフィット。
元々ショーターの方が好きなんですけど、
彼の色が出すぎてるんですよね。

「Four&more」はマイルスバンドが変化を求めて
コンセプチュアルになったり、電化される前の
最もジャズ的興奮を感じられる一枚ではないかと。

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2018/12/03

【買ったら聴こう00002】SHADOW BOX/BENNY ARONOV

【買ったら聴く00002】SHADOW BOX/BENNY ARONOV
ピアノのベニーアロノフのリーダー作。
CHOICEレーベルへの期待と、
ドビュッシーの弦楽四重奏曲をモチーフにした曲への興味で
買ったんだと思いますが、内容はいたって普通です。
ボブブルックマイヤーが参加してるアルバムで
あんまり当たった試しがない(笑)。

A面で3曲続けて、アフターアワー的なので、
寛いだ雰囲気で通すのかと思ったら
オリジナルはハードバップ調だったりする。
B面1曲目の"SHADOW BOX"はなかなかいい。
ソロの"LOVER MAN"はアプローチが多彩で、ユニーク。

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【買ったら聴こう00001】Vertigo/JACKIE McLEAN

【買ったら聴く00001】Vertigo/JACKIE McLEAN
ブルーノートLTシリーズ。
音源は1959年の「NEW SOIL」の未発表曲1曲と
後は1963年2月の録音です。
1963年の「ONE STEP BEYOND」の2ヶ月月前ですが、
それとはメンバーが全然違うので、
別のアルバムを作ろうとしてたのかな。
ピアノはハービーハンコックなんですね。
タイトル曲は新しい事をやろうって刺激に満ち溢れてます。
マクリーンはどの時期でも聴き応えがあります。

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2018/12/02

発掘調査開始。

発掘調査開始。
私の部屋はレコードやCDやDVDの巣窟になっています。
今や音楽はデータ配信の時代ですので、
こんな大量のソフトに場所を占有されるなんて、
愚の骨頂かもしません。

でも、やっぱりここは私にとって幸せな空間なのです。
データに囲まれる事はできませんから。
断捨離なんて糞くらえです(笑)。


ここにあるモノを全て視聴しようとすると、
1日1枚聴いたとして、単純計算で27年はかかるんですね。
しかもその間も増殖していくでしょうから、30年仕事です。

老後の楽しみにと思ってましたが、
そろそろ始めないと間に合わないか…。

あんまり細かいルールは決めず、適当に聴き進めて行こう。

備忘録としてブログとも連動しますが、
今までも聴いた感想をツラツラ書いてましたので、
別段新しい事をやる訳ではありません。

ただ、これまではそれなりにお薦め盤が中心でしたけど、
これからは所有品の発掘が目的なので、
玉石混交になりそうです。
曲目やパーソネルなどのデータを載せるつもりはないので、
恐らく大して役に立たない記事の羅列になるかと思います。

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2018/12/01

ジャズ聴き始めの頃の話 その21

最終回です。

最後はやっぱりやかたmildの事を書かないと。

昔の日記を引きずり出して確認したのですが、
この時期、日記が飛び飛びになってて、
大劇ビルの地下にあったやかたの記載は
1988年7月末に友達と行った後は
かなり飛んで、1989年5月に閉店してたと呟いてる。

それからしばらくして、
千日前の味園の正面の細い路地裏に
やかたmildとしてオープンしてたのを知ったのは
1989年12月の事でした。

旧やかたと比べると、遥かに狭く、
10人も入れば一杯になるような
ほぼカウンターだけの小さな店でした。

ジャズ喫茶ではなく、
ジャズ&ボサノBarと看板に書かれており、
入口の近くには「コルトレーンお断り」と張り紙がしてあった。

旧やかた時代はマスターと喋った事もなかったけど、
新しくなって、気軽に話せるようになりました。

全体的にマイルドになったやかたでしたが、
かける音楽にはマスターのこだわりがありました。
よく「毒」って云ってたのを覚えてる。
その意味はマスターの選曲を聴いてると段々分かってきた。

最初にして、最大の衝撃を受けたのが、
「No man's land/Enrico Pieranunzi」。
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その当時、私は中古レコード屋巡りをして、
それなりに聴き散らかしていたつもりだったけど、
「今のジャズ」は全くの守備範囲外でした。

エンリコのピアノは高度な音の積み重ねなのに、美しく、
トリオ間の対話はスリリングなのに、調和が取れている。
正にマスターの云う「毒」がポイントなんですね。
「毒」を感じられない人にとってはただの聴きやすい音楽。
「毒」にあてられると、抜けられなくなる。

私の中で「今のジャズ」のイメージが変わりました。
その頃、売れないジャズを何とか商業ベースに乗せるため、
昔の焼き直しみたいな企画がアレコレあって辟易としてたんですが、
ホントの「今のジャズ」は別のところで進化し続けている事を知りました。

いつまでもレコードに固執しててはいけない事に気付き、
やっとこさCDプレイヤーを買いました(笑)。

休日には難波でレコードやCDを漁って、
やかたmildで何時間も過ごすようになりました。
常連どうしで、酒を呑みながら音楽談義をするのも楽しかった。
やかたmildには五年くらい入り浸っていたかな…。

その後、私は関東に転勤し、やかたmildは移転し、
やがてボサノヴァ中心の店やかたde voceに変わりました。
私はなかなか関西に戻る事が出来ず、帰省の時に立ち寄る程度でした。

そして、二十年以上経って…、
やっと関西に戻ってきた時にはマスターは他界されていました。
ショックでした。


マスターのお陰で今ジャズを聴いている意味を知りました。
昔のジャズを理解した上で、
そこから続く今の音楽を聴く事で
楽しみがどんどん膨らむ。
新しい音楽への興味がなくなったら
懐メロと変わらない。

それに気付いた時、私は初心者じゃなくなったと思います。
16歳頃に恐る恐る足を踏み入れてから
10年かかりました。

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2018/11/29

ジャズ聴き始めの頃の話 その20

ジャズ聴き始めの頃の話 その20
バンドのメンバーとも段々仲良くなってきて、
練習の他にも呑み会に参加したりする様になった。
ある日、三国ヶ丘のAPRIL JAMってジャズの店で
集まることがありました。
ドルフィ研究家でプレイヤーのライヴがあって、
人が集まらないから召集されたんじゃなかったかな。
その人の名前は忘れてしまいました。
色々調べてみたけど特定できず。
ひょっとしたらティエリーブルノーって人かも。

何かその夜は調子が悪いとか云ってて
精彩を欠くプレイでした。
ドルフィがよくやるアルペジオだらけの
God bless the childをコピーしてたのを覚えてます。

ま、それはいいんですけど、
演奏後、酒を呑みながら、ダベってたら、
強烈なインパクトの曲が流れてきました。

ハッキリ云ってヘタなドシャメシャ。
すると混沌とした音の塊の中から
ベタなシャッフルビートを現れて、
ドシャメシャに秩序が生まれる。
練習してるのかしてないのか、
キメのリフもばらついている。
しかし、何だこの熱狂は。
私は笑いながら聴き入っていました。

悔やまれるのは、レコードを確認しなかった事。
何でか分かりません。

後になって、またその演奏を聴きたくなり、
レコード屋巡りしました。

その頃になると、色々聴くモノも増えたし、
本などからの知識もそこそこ蓄積してきてたので、
知恵を凝らして、探し当てようとしました。

まず、こないだのアヴァンギャルドな集団即興は
Art ensemble of Chicago(以下AEC)ではないかと
目星をつけました。

レコード屋で一枚一枚収録曲名を確認し、
Barnyard Scuffle Shuffleってタイトルを発見。
それは「FANFARE FOR THE WARRIORS」ってアルバムでした。

一か八かで買って帰って聴いてみる…。

AECにピアノのリチャードエイブラムスが参加し、
冒頭、調性の希薄なソロを展開。
その直後、フリーキートーンが飛び交う中、
ベタなシャッフルビートと粗いアンサンブルで
えげつない盛り上がりを見せます。

この曲だったような、違うかったような…。
記憶との照合はできませんでしたが、これはこれで凄い演奏でした。

【教訓】気に入った曲はその場で確認しないと、
後で悔やんでも悔やみきれない事になる。

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2018/11/28

ジャズ聴き始めの頃の話 その19

ジャズ聴き始めの頃の話 その19
楽器を始めて、一年半ほど経った頃、
大学時代の友達の誘いで、彼が参加してるジャズバンドに
なぜか顔を出す事になりました。

大学の軽音サークルの演奏会に出演しているのを
一度聴いたことがあったけど、かなりイカツい演奏をしてて、
とてもじゃないけど、楽器初心者の自分が参加できるような
レベルではない事は分かっていました。
それでも、何とか楽器をモノにしたいと云う一心で
深夜の難波で初めて練習に参加したのでした。

大学の軽音楽のライヴに参加していたので、
学生バンドだと思っていたら、
リーダーの酋長と呼ばれる人は私よりもかなり上の人でした。

その夜、どんな練習をしたか、全然覚えていないのですが、
バンドのレパートリーの譜面を何曲か渡された記憶があります。
Cで書かれた譜面をすぐにE♭で読みかえる事もできず、
箸にも棒にもかかってなかった筈です。

で、私の友達がどう紹介していたのか分かりませんが、
曲を書けるヤツだとの情報が伝わっていたのでした。
ま、確かに学生時代からシンセの打ち込みで曲を作ってたけど、
それがバンドに通用するモノかどうかわかりませんでした。

次の練習の時、数年前に作った"BREATHLESS"と云う曲と
書き下ろしの簡単なブルースを一曲持って行きました。
自分ではお気に入りの"BREATHLESS"は酋長の琴線に触れず、
お手軽なブルースを一度音出ししてみようと云う事になりました。

自分の作った曲が実際にプレイされた初めての瞬間でした。
この時の嬉しさは今でもリアルに思い出せます。

味をしめて、その次の練習の時には
少し作り込んで一曲作っていきました。
"CRUISIN'"ってかなりベタなタイトルの曲。
実はこれには下敷きになる曲がありました。
ジジグライスの"THE RAT RACE BLUES"って曲です。
バンドの練習帰りの夜の阪神高速でこの曲を聴いていたら、
あまりにも雰囲気がピッタリだったので、
バンド用にこんな感じの曲を書いてみようと思ったのでした。

その後、"CRUISIN'"はバンドのレパートリーに組み入れられて、
末永く演奏してもらえる曲になりました。

私は楽器は未熟だけど、曲を提供できる便利なヤツとして、
バンドの中に居場所を見つけたのです。

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2018/11/27

ジャズ聴き始めの頃の話 その18

ジャズ聴き始めの頃の話 その18
アルトサックスを買ったはいいけど、
家で吹くにはうるさすぎる。
特に最初の頃は思いっきり吹かないと音が出ないので、
近所迷惑甚だしい。

なので、私は夜な夜な車で埋め立て地まで行って、
区画整理中の空き地で練習していました。
暗いので、譜面が読みにくいのは難点でしたが、
思いっきり吹くことが出来ました。

練習が終わったら、夜景の見えるところに車を停め、
カセットテープを聴くのが至福のひと時でした。

その中で特に気に入ってたのは
ビリーハーパーの"Loverhood"。
これは彼のテナー一本だけのソロ演奏で、
暗い海と遥か遠くの大阪の灯とシンクロした。

自分のサックスのヘロヘロの音と比べ、
ビリーハーパーの音の何と響くことか。
体全体で倍音を豊かにしてる感じなのです。

ビートやハーモニーがジャズの魅力だと思ってたけど、
サックス一本でここまで表現できる事は驚きでした。

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ジャズ聴き始めの頃の話 その17

ジャズ聴き始めの頃の話 その17
大学四回生の秋、
…確か大学祭の時だったので、11月頃だったかと思います。
映画研究部の先輩で昔ブラバンにいた人がいて、
何かの拍子でテナーサックスを一度吹かせて貰える事になりました。

マウスピースの咥え方や持ち方を教えて貰って、
まずひと吹き。
締りのない音でしたが、一応、音は鳴りました。
口の筋肉が出来てないので、息は漏れまくってるけど、
アンブシュアがしっかりしてきたら、吹けるようになるとの事。
運指を教わると、意外と縦笛と大差がないようでした。
補助キーがあちこちに付いているので、#♭はそれで何とかなる。

その直後から、私はサックス欲しい欲しいモードに突入し、
確か二ヶ月くらいでアルトサックスを買ってました。

アルトにした理由はテナーより安かったから、って事もあるけど、
好きなミュージシャンがアルトに多かったのも事実。
アートペッパー、ジャッキーマクリーン、リーコニッツ、
フィルウッズ、キャノンボールアダレイ、エリックドルフィ、
ジジグライスなどなど…。

って事で、購入したのは、ヤマハの入門者向けモデル。
当時二十四万円位したので、かなりの冒険です。

理想はペッパーのアルバム「Modern Art」の
A面最初とB面ラストの"BLUES IN"と"BLUES OUT"の様な
憂いを含んだ音色でしたが、道のりは厳しかった…。
って云うか、道は繋がりそうもありませんでした。
暇さえあれば練習していましたが、
一朝一夕にどうにかなる訳もなく、
ジャズプレイヤーの凄さを再認識する事になりました。

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2018/11/26

ジャズ聴き始めの頃の話 その16

自宅が夙川で、大学も会社も大阪だったので、
三宮へレコードを物色しに行くことは少なかったですが、
割とよく足を運んだのが、グリーンシャポービルにあった
JRと云うお店でした。
ここはかなりマニアックで、初心者には敷居が高ったけど、
珍しいレコードが一杯なので、魅力的でした。
店内には常に凶悪な前衛ジャズが流れていて、
部外者を受け付けない空気が流れていました。
その割に店主は腰が低く、会計の時には
「すみません。」を連発していたのが印象的。

ま、こんなお店で有名盤を買うのも恥ずかしいので、
それなりのレコードを買ってた訳ですが(笑)、
偶然見つけたアルバムがドゥドゥプクワナの
「IN THE TOWNSHIPS」でした。
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これまで触れてきたジャズとは全然違って、
抜ける様な明るさが気持ち良かった。
ジャズと云えばジャズだし、
ジャズじゃないと云えばジャズじゃない。
根差してる音楽が全然違う感じです。

アフリカの民族色の強い"Sonia"って曲は
4小節のフレーズを延々と繰り返す中で
高揚していく感じがたまらない。

同じアフリカ系のミュージシャンとしては
ダラーブラントの方が有名ですが、
また少し方向性が違ってて、
そっちはもう少しシリアスで土臭い感じです。
プクワナはリズムが強く躍動感があります。

後に代表作の「Diamond express」を聴いて
更に大好きになる訳ですが、
小難しくジャズを捉えがちだった私にとって
視野が広がるきっかけになった気がします。

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2018/11/23

ジャズ聴き始めの頃の話 その15

就職した最初の配属先が大阪で、
当時は阪急十七番街に事務所がありました。
会社帰りにレコードを買いに行くには絶好のロケーション。

よく行ったのは、VICと云う店でした。
東通り商店街を入って一本目の辻を左に曲がってすぐ
の雑居ビルの二階にあった小さなレコード屋。

なんでそんなに行ってたかと云うと、
OJCのレコードが千円前後で売られていたから。
OJCはORIGINAL JAZZ CLASSICSの略で、
プレスティッジ、リヴァーサイド、コンテンポラリーなどの
過去の作品をLPやCDで再発していたんですね。

盤質はペラペラで、ジャケットにOJCのロゴが入ってるので、
廉価品には違いないのですが、
内容は原盤のままだし、中古よりも当たり外れはないし、
私にとってはありがたかった。

今の相場で行くと、そんなに安くは思えないけど、
当時は廉価版レコードでも1500円くらいだったから、
かなりのインパクトがあったのです。

しかも、そんな折にスイングジャーナルの増刊号で
「ジャズ名門レーベルのすべて」ってのが出て、
プレスティッジやリヴァーサイドの作品のほとんどが
ジャケ写入りで掲載されていました。

私はその本で色々なミュージシャンをチェックしながら、
この店でOJCの安いレコードを100枚くらいは買った筈です。

その中で衝撃的だったのはジョージラッセルのリヴァーサイドの諸作。
EZZ-THETICS
STRATUS PHUNK
THE OUTER VIEW
THE STRATUS SEEKERS
でしょうか。
甲乙つけがたい名作だと思いますが、
ドルフィの参加で一翻アップして「EZZ-THETICS」が好き。
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表題曲や"LYDIOT"などラッセルのオリジナルの魅力もさることながら、
彼の手で再構築された"ROUND MIDNIGHT"や"NARDIS"はほんと凄い。
んでもって、ドルフィでしょ。たまりませんよ。

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ジャズ聴き始めの頃の話 その14

ジャズ聴き始めの頃の話 その14
大学四回生の頃には
有名なスタンダードを覚え、
そこそこレコードを集め
ものの本でジャズジャイアンツを勉強し、
自分ではジャズファンの端くれ位には
なってるつもりでいました。

しかし、梅田の紀伊國屋で
季刊ジャズ批評なる本を見て驚いた。
え、知らない人だらけじゃないか…。

今考えると、本格的に聴き始めて数年で
そんなディープなところまで
聴いてるは方がおかしいんだけど、
青年しほたつはかなりの衝撃を受けました。

紀伊國屋にあるジャズ批評を
バックナンバーまで買い漁って、
必死になって読み倒しました。
気になったレコードは
手帳にリストアップして
レコード屋を回り始めました。

今考えると、この頃が一番楽しかったかも。


梅田のダイガやLPコーナーや
難波のスターレコードやライトハウスを
暇さえあれば覗いていました。

それでも見つからないモノだらけなので、
ついに中古レコード漁りに突入しました。

探してたデニーザイトリンの
「LIVE AT THE TRIDENT」は
LPコーナーで手に入れました。
盤質はあまりよくなく、
プチプチ云うレコードで、
最初はそれが耳障りでした。
でも、慣れてくると、
段々雑音を脳内でキャンセルして
音楽を抽出できるようになる。
私の中で中古レコードは並盤程度なら
全く問題なし、って価値観ができました。

それからオリジナル盤等の
音楽と関係のない付加価値には
お金を払わないとか
希少盤などの高価なものには
手を出さないとか、
ペラペラの廉価盤でも
カット盤でも見本盤でも
聴けたらいいってルールが
次第にできて行きました。

確かにLPコーナーは品揃えが良かったけど、
その分、値付けが高めだったので、
見つかっても、手が届かない事もしばしば。
当時、あちこちに中古レコード屋はあり、
大抵の店はジャズを置いてたので、
根気よくレコード屋巡りをすれば
そのうち見つかると思うようになりました。

中古レコードも守備範囲にいれながら、
一歩深みに足を踏み入れた、
大学四回生から社会人最初の頃でした。

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2018/11/22

ジャズ聴き始めの頃の話 その13

ジャズ聴き始めの頃の話 その13
高校の頃、親から貰った昼食代を浮かせて、
クラシックのレコードを買ってました。
そのほとんどが夙川グリーンタウンの
ダックと云うレコード屋でした。

大学に入ってからは、聴くジャンルが変わり、
梅田や難波の大型店に行くようになり、
地元の駅前のレコード屋の品揃えは
正直見劣りするようになってたのですが、
昔からお世話になってたご近所さんを
裏切るみたいな気がして、
日本盤で買える定番レコードは
なるべく地元で買うようにしていました。

ウェインショーターのブルーノート諸作は
確かダックで買ったんだと思う。
だって「Juju」の"House of jadeや
「Speak no evil」の"Infant eyes"聴くと、
店の光景が浮かんでくるから。

ショーターのアルバムではこの二枚が
別格に好きです。
手垢にまみれた常套句フレーズはなく、
常に新雪の上を歩くような新鮮さを感じる。
この後、ショーターの妖しい香りは
ますます強くなって行きますけど、
個人的にはこの頃のバランスが好きです。

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2018/11/21

ジャズ聴き始めの頃の話 その12

ジャズ聴き始めの頃の話 その12
私の世代の音楽好きなら
レコード➡カセットテープ➡ウォークマン
で音楽を外に持ち出せるありがたみを
理解していただけると思います。

スマホでストリーミングも便利だけど、
自分だけのベストカセットを作るのは
面倒だけど楽しい作業でしたよね。

私は「How I feel 'bout Jazz」と題して、
沢山のテープを作ってました。
タイトルはクインシージョーンズの
アルバムタイトルからのパクリです。

大学二回生の途中からは
安定したアルバイト収入があったので、
レコードの購入枚数も増えたし、
ジャケ買いや衝動買いも増えました。
当然、当り外れもありましたが、
それも含めて楽しむ余裕も出てきて、
この辺りから自分なりの音楽の好みを
探り探り方向付けて行ったように思います。

反面、一枚一枚のレコードへの思い入れが
薄くなりがちだったので、
買ったものから1~2曲を選んで
テープに入れるようにしてました。

でも買ったばかりのレコードは
すぐにでもカセットで持ち出したい。
かと云って、90分テープ一本を埋めるほど、
他の新ネタはない…。
そんな時は過去のお気に入り曲から
何曲か引っ張りだして来て、
余白を埋める事が多かったです。

そのせいで、似たようなセレクトのテープが
大量に転がってる状態になってしまった。
私のエエ加減な性格の賜物です(笑)。

そんな中で、頻繁に収録された曲の一つが
「the straight horn of steve lacy」の
A面1曲目"Louise"でした。
ソプラノサックス、バリトンサックス、
ベース、ドラムと云う変則的な編成で
中間の音域がすっぽり抜けてます。
その隙間だらけの対位的な絡みが
醜くも美しく感じられました。
CANDIDらしい知的泥臭さ系と云いますか、
岩鬼の悪球打ち級に、
私にとっての、どストライクでした。

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ジャズ聴き始めの頃の話 その11

ジャズ聴き始めの頃の話 その11
学生時代の記憶をほじくりかえしてたら、
三宮にあったバックステージと云う
ライヴスポットを思い出しました。

最初は高校時代の友達に教えて貰った。
彼はそんなに連れていた訳ではないけど、
音楽的には気の合うヤツでした。
高校時代、私がラヴェルに夢中だった頃、
彼はプロコフィエフを聴いていた。
私にとって、一目置く存在でした。
高校卒業後、ほとんど会ってなかったので、
どういうきっかけだったのか忘れたけど、
ジャズに興味を持ち始めた事を知って、
二人で会うことになりました。

彼が連れて行ってくれたのは
さんプラザのビルの上の方にある
バックステージってライヴスポットでした。
学生が物怖じするような落ち着いた雰囲気。
こんな店を知ってる彼が大人に見えました。
照明を落とした店内は階段状になってて
見下ろしたところにステージがあった。
日本人の女性ヴォーカリストが
ピアノ伴奏でスタンダードを歌ってました。
その頃には私もエラ先生に
沢山のスタンダードソングを教えて貰って、
そこそこの知識は身に付いてましたが、
レコード主体で聴いてきたため、
生の演奏はこれが初めての体験でした。
友達が当時話題になってた
スティングのブルータートルの夢を
熱く語っていたので、
1985年、私が大学三回生の頃だと思います。

その後もバックステージは
他の友達とも行ったりしましたが、
そのうち行くかなくなりました。

私の中でエラ期が終わり、
インスト中心になってた時期だったし、
落ち着いたオーソドックスなジャズは
自分には合わないと思い始めてた時期でした。
音楽的な興奮をキープするには
同じところに止まっててはいけないと、
自分なりの興味の膨らませ方を
模索していたように思います。

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ジャズ聴き始めの頃の話 その10

ジャズ聴き始めの頃の話 その10
大学に入った最初の頃、
難波でよく行っていたレコード屋は
なんばピアのワルツ堂でした。
ジャズについてはそつのない品揃えで、
初心者が定番レコードを買うには
ちょうどいい感じでした。

そのうち南街劇場の地下に
タワーレコードができました。
輸入盤が大量に並んでいて、
しかもかなり安い。
日本盤にはライナーノーツがあって
それも初心者には大切な情報源だったけど、
500~1000円の価格差があったら、
そりゃ安い方に流れますわ。

最初の頃はレコード比率が高かったものの、
みるみるCD売り場が拡大していきました。
時代の変化を実感しました。
そう云えば、その時期の輸入CDは
縦長の箱に入ってたなぁ。
レコードと比べて大きさで見劣りするからか、
万引き防止のためか、わかりません。

タワーレコードは知らないうちに
スターレコードに変わって、
しばらくしたら潰れてしまいました。
その頃から、大型のレコードショップが
アチコチ出来てきたように記憶しています。

ここで買った思い出のレコードは
エラとエリントンのコートダジュールライヴ。
日本盤では出てませんでした。
最初に買ったのは青いジャケットの一枚モノ。
エラが歌っている曲のみの抜粋です。
その後、エリントン楽団のインストを含む
二枚組のレコードも入手しました。
更に普段聴き用に二枚組CDも買い足し、
十年以上経って、リハーサル音源も含む
CD8枚組も手に入れましたが、
そこまでは必要ない(笑)。
やっぱり最初の一枚のんで十分。

聴きどころはIt don't mean a thing。
こんな楽しいステージは他で聴いた事ない。
エリントン楽団のはっちゃけぶりもキモ。
一方、バラッドも素晴らしいです。
The more I see youは
カーネギーホールのPeopleと並ぶ
エラのバラッドの名唱だと思います。

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2018/11/19

ジャズ聴き始めの頃の話 その9

ジャズ聴き始めの頃の話 その9
梅田の東通り商店街の奥の方に
LPコーナーと云うレコード屋があった。
知る人ぞ知るマニアの巣窟みたいな
凄い店でした。
領主(ドン)の風格を漂わせる店主をはじめ、
強者ぞろいの店員…。
初心者が入るにはかなり勇気が必要でした。
しかも大阪商人のカラーも強く、
客との距離を詰めて、色々勧めてくる。
更に腰がひける(笑)。
しかし、知識に裏打ちされているので、
結構アタリの確率が高かったなぁ。

ここのレコードのビニールカバーは
普通の袋ではなく、折り込み式でした。
丁寧にピッチリとカバーをかけてくれる。
レコードの価値が一翻アップしたようで
何だか嬉しかったものです。
当時はレコード一枚も貴重でしたから。

中古も取り扱っていて、
結構高めの価格設定になってたので、
他をあたって見つからない場合の
最後の駆け込み寺みたいな所でした。

のちのち長きに渡って通ってたので、
初心者の頃に何を買ったか覚えてませんが、
スタンゲッツやジェリーマリガンや
キャノンボールアダレイなどの
メジャーなミャージシャンの
お勧めアルバムを結構買ったと思います。

その中でのお気に入りの一枚が
マリガンの「What is there to say?」です。
映画の「真夏の夜のジャズ」でも演ってた
As catch canがカッコいい。

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ジャズ聴き始めの頃の話 その8

ジャズ聴き始めの頃の話 その8
阪急32番街の高層階に
ダイガと云うレコード屋がありました。
初心者の私にはビックリする位の品揃えで、
輸入盤も扱っていました。
見てるだけでも楽しかったものです。
本や雑誌で気になったレコードは
ダイガで見つける事も多かったですね。
例えばエラのサンタモニカシビック72は
どこを探してもなかったのに、
ダイガの棚には普通に並んでました。

そんな事が何度かあって、
私はダイガに全幅の信頼を寄せていました。

ある時、スイングジャーナルのレビューで
山下洋輔の気になる新譜を見つけました。
ダイガには間違いなくあるだろうと、
棚を探したんですが、見つからない。

仕方なく店員さんに取り寄せを
お願いしたところ、意外にも、
「う~ん、難しいですねぇ。」
との返事でした。

そのレコードは「It don't mean a thing」。
ディスクユニオンからの発売でした。

当時の事情はよく知らないけど、
東京のレコード屋がリリースしたモノなので、
関西にはなかなか入ってから来ない、
みたいな説明を受けた記憶があります。
仕方がないので、ダメもとで注文だけして
とぼとぼと帰ったのでした。

それから半年位経って…、
ダイガから入荷の電話がありました。
諦めかけてただけに喜びもひとしお。
ようやく手に入れたそのアルバムは
私の愛聴盤になりました。

とにかく、タイトル曲にやられた。
私はエラ&エリントン楽団が
コートダジュールライヴで
この曲を大笑いしながら
大盛り上がりしてるのが大好きで、
何度も何度も聴いていたんですが、
山下洋輔のソロピアノは全く異世界。

高校生の頃はジャズも分からないのに
山下洋輔だけ聴いてた感じだったけど、
大学生になって、多少なりとも
ジャズが分かるようになってから
再び山下洋輔を聴くと、
完全にドシャメシャ部分より、
メロディの骨格が残った状態で
次第に壊れて行く過程に
歪んだ美しさを感じている自分に気付いた。
これは私にとって重要な気付きだった。
調和のとれた和声よりも
テンションノートがたんまり入って、
どんどんアウトしていく更に先の
破綻スレスレのところまでは大好きだけど、
ぶっ壊れてしまうとそれは醜い。
それが後々の自分の音楽の守備範囲だと
ぼんやり認識したのでした。

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2018/11/16

ジャズ聴き始めの頃の話 その7

ジャズ聴き始めの頃の話 その7
前回に引き続きジャズ喫茶の話、
難波編です。

難波で通ってたのが、やかたでした。
千日前の大劇ビルの地下にあって、
薄暗い階段の正面には
ハンプトンホウズのアルバムの
ワニのイラストが描かれてました。

座席はスピーカーに向いていて
かなりの音量で音楽が鳴り響いてました。
典型的なジャズ喫茶で、私語厳禁。

マスターの選曲は幅広く、
モダンジャズ全盛期のも掛かったし、
新しいのも掛かってた様に思う。
私にとっては毎回新しい音楽を聴けて、
ワクワクでした。
また、当時高かったレーザーディスクで
動くプレイヤーが観れたのも貴重でした。

レコードリストもあって、
リクエスト可能なシステムでしたが、
他の客がみんなジャズマニアに思えて、
初心者にはかなりハードルが高かったなぁ。

印象に残っているレコードは沢山あるけど、
ソニークリスのUP,UP AND AWAYかな。
聴いたのは一度だけなのに、
少しリヴァーブが強めに効いた
ソニークリスの明るいアルトの音で
薄暗い店内が満たされた時の雰囲気を
今でも生々しく思い出します。

大劇ビルの取り壊しが決まって
やかたは店を閉める訳ですが、
大学の四年間、社会人の最初の頃まで
色々勉強させてもらいました。

この後、やかたmildに生まれ変わって
更にお世話になる事になるのですが、
それはまたの機会に。

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2018/11/15

ジャズ聴き始めの頃の話 その6

ジャズ聴き始めの頃の話 その6
私が大学生の頃、すなわち80年代前半、
ジャズの情報を集めるのは大変でした。
本などで調べられる事もありますが、
活字から実際の音楽はイメージ出来ない。
例えばマイルスのバグスグルーヴの
喧嘩セッションのエピソードを読んで、
凄まじい演奏を期待して買ったら、
ゆっくり目の呑気なブルースで
モンクがいじけて弾いてるだけ。
肩透かしを食らった記憶があります。

一回生の頃はバイトもしてなくて、
親からの小遣いが唯一の収入だったので、
レコード一枚買うのも一大事で、
失敗は何としても避けたかった。

で、私が頼りにしたのはジャズ喫茶でした。
当時、ジャズ喫茶はもう廃れていたと云え、
まだ繁華街に何店か残っていました。
ありがたいことに、
西宮の自宅から堺の大学まで通う途中、
梅田も難波も経由してたので、
通学定期で街に繰り出す事が出来ました。

梅田でよく行ったのがバンビです。
東通り商店街を入ってすぐにあったので、
普通の喫茶目的の客も多く、
騒がしい時もありましたが、
二階にはJBLのパラゴンがあり、
音楽目的の人が多かったですね。
ただ、二階席に座ると、
掛かってるレコードが気になった時、
いちいち一階まで下りて、
ジャケットを確認しないといけないので、
私は一階のでっかい業務用冷房機の前に
陣取る事が多かった。
夏場はゴーゴーうるさい上、
強冷風を浴びせてくるので、
手ごわいやつでしたけど…。

そんな中で覚えているのが、
鳩のサドジョーンズ。
「THE MAGNIFICENT THAD JONES」です。
確か暑い夏の日だったと思います。
うるさい冷房機の席に座って、
A面2曲目の"BILLIE-DOO"の
けだるいブルースを聴いた時の心地よさは
今でもリアルに思い出されます。

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2018/11/14

ジャズ聴き始めの頃の話 その5

ジャズ聴き始めの頃の話 その5
高校時代からよく出入りしていた夙川駅前のほうぼう文庫は
学生の私にとって、大人と出会う貴重な場所でした。
そこで知り合いになったS先生は
年齢的に60年代のジャズブームど真ん中ではない筈ですが、
まだジャズ喫茶なども元気だった頃を知っている世代。
私が大学生になった頃からは
よく家にお邪魔して、お酒を呑みながら、
夜遅くまでレコードを聴かせて貰いました。

で、初めて行った時に聴かせてもらったうちの一枚が
ド定番のヘレンメリル with クリフォードブラウン。
ヘレンメリルの憂いを含んだようなハスキーヴォイスは
当時私がよく聴いていたエラの明るい歌声とは
正反対に思えました。
それにバックの演奏がむちゃくちゃカッコいい。
分厚い管のアンサンブルもさることながら、
クリフォードブラウンのソロの何とメロディアスな事か。

ジャズ初心者の私はすっかり気に入って、
すぐにレコード屋に買いに行きました。
で、その流れで次に手に入れたのが
「MORE STUDY IN BROWN」でした。
このレコードは エマーシーレーベルの
ブラウン&ローチクィンテットの名盤、
「STUDY IN BROWN」
「BROWN&ROACH」
「BASIN STREET」
の未発表音源を集めた
日本企画のアルバムです。

この中に収録されている
"BLUES WALK"が大好きでした。
コンボ演奏のお手本みたいな
巧みなアレンジに彩られて、
クリフォードブラウン、ハロルドランドの
淀みないソロが展開します。
その瞬間に生み出されたアドリブだとは
何度聴いても信じられませんでした。
フロント二管による4バースチェンジが
2バース、1バース、1/2バースと
目まぐるしくチェンジし、ラストテーマへ。
カッコいい。カッコ良すぎる。
私は山下洋輔の時には分からなかった
コード進行に沿ったアドリブ回しを
ようやく理解することができ(笑)、
そこがジャズの聴きどころだと
実感出来たのでした。

私にとって、
クリフォードブラウンとの出会いが
モダンジャズへの目覚めだったかも。

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2018/11/13

ジャズ聴き始めの頃の話 その4

ジャズ聴き始めの頃の話 その4
大学に入った時、クラスの自己紹介で
「好きな音楽はジャズ。特に山下洋輔が好きです。」
みたいな事を云ったり書いたりした記憶があります。
恐らくこの時期はまだクラシックがメインだった筈ですが、
「クラシック=真面目な堅いヤツ」と思われるのが嫌で
イメージ戦略としてジャズを優先させたのでした。

しかし、実際はジャズと云っても山下洋輔くらいしか聴いてなくて、
全くと云って云いほど何も分かっていなかったんですね。
で、背伸びした手前、それに追いつかないといけないと思い始めました。

そんな頃、ジャズに一歩近づくきっかけになる出来事がありました。
知り合いと喫茶店か飲み屋でだべっていた時、
有線放送から流れてきたジャズのインスト演奏にビビッときたのです。
とにかく私の好みのマイナーなメロディに
スピード感のある演奏。
私が漠然とイメージしていたジャズらしさが横溢していました。
その時は曲名もプレイヤーも分かりませんでしたが、
恐らくそれはソニーロリンズのWORK TIMEの中の
IT'S ALL RIGHT WITH MEだったのではないかと思います。

それからほどなく…、
駅前の小さなレコード屋でたまたま買った
エラフィッツジェラルドのオペラハウスライヴのA面1曲目で
偶然にもこの曲を歌っていたんですね。
同じ曲でもイメージが全然違う事に驚き、興味を覚えました。
今思うと、これがジャズを手繰り寄せるきっかけだったかも。

その後、私はエラを聴きまくりました。
ベルリン、ハリウッド、コートダジュールなどライヴアルバム、
コールポーター、ジェロームカーン、エリントンなどのソングブック、
ルイアームストロングとの三枚組LP、
ジョーパスやオスカーピーターソンとのデュオなど…。

エラのお蔭で沢山のスタンダードソングを覚えました。
それがのちのちジャズを聴く上で役立つ事になりました。

更にエラを取り巻くミュージシャンやら
ヴァーヴ、パブロレーベルの作品を
適当に見繕って聴いていくうちに、
どんどん興味の幅が広がっていって、
次第にジャズが音楽の中心になっていました。

しかし、まだこの時点で、私の聴いていたジャズは
モダンジャズではない事をあまり理解していませんでした。

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2018/11/09

ジャズ聴き始めの頃の話 その3

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私が中学生、高校生の頃はラジオが音楽の情報源でした。
クラシック番組やポップスの番組は毎日ありましたが、
ジャズの番組は週に一回あったかなかったか…。

勉強しながら、ラジオを流してて、時々出くわしたジャズ番組で、
偶然耳にしたのが、山下洋輔トリオの"ONE-UP MANSHIP"でした。
アルバム「マルウォルドロンに捧ぐ」に収められている一曲。
楽器構成は普通のピアノトリオで、
ベースが國仲勝夫、ドラムが小山彰太でした。
恐らくアルバム発売に合わせて放送していたとすると、
1980年、私が高校一年生の時でした。
ジャズ初心者には何が何だか分からなかったけど、
カッコいいと思った。

それ以降、「寿限無VOL.1」「寿限無VOL.2」なども買って、
ジャズと云うよりも山下洋輔に熱を上げて行きました。
何度も聴くうちに、テーマの後はかわりばんこでドシャメシャ演奏して、
最後はテーマを合わせて終わるのがルールだと理解しました。
山下洋輔の場合、アドリブ回しがコード進行に基づかない事も多いので、
私の認識はそう間違っていなかった訳ですが、
割とすんなりフリージャズを受け止められたのは
クラシックの現代音楽を聴いていた時期だったからかもしれません。
当時好きだった三善晃のピアノ協奏曲や交響三章の第二楽章などに
相通じるパワーやスピードを感じていたのかもしれません。

いずれにしろ、ストレートアヘッドなジャズを理解して
フリージャズを聴いた訳ではなく、
基本的なところをすっ飛ばして、
ジャズの辺境地に足を踏み入れた高校時代でした。

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2018/11/03

ジャズ聴き始めの頃の話 その2

ジャズ聴き始めの頃の話 その2
私が初めて買ったジャズのレコードは
マイルスのマイファニーヴァレンタインでした。
きっかけはタモリがオールナイトニッポンの中で
このアルバムについて熱く語ってたから。

確か高校入学祝いにステレオを買ってもらう前だったので、
中学生の終わり頃か、高校生の初めの頃だったと思います。

まだジャズ初心者のハナタレ小僧には難し過ぎました。
だって元のスタンダードも知らないのに、
崩しまくったマイファニーヴァレンタインは理解不能ですよね。
しかもバラッド中心の構成で派手さがない。
もし「FOUR AND MORE」の方を買ってたとしたら、
私のマイルス感は少しは違ったろうか。
それよりももっと若い頃の
プレスティッジの⚪⚪in'三部作を聴いてたら、
どうだっただろう…。

結局、これが原因で私のマイルス嫌いが始まり、
さらにはモダンジャズの本流を捉え損なって
脇道にそれる原因になったのかもしれません。

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2018/11/01

ジャズ聴き始めの頃の話 その1

私が子供の頃、我が家は音楽と疎遠でした。
一応、年賀状のお年玉くじで当たったポータブルステレオはあったけど、
かけるレコードが数枚しかなく、かけてるのを聴いた記憶もありません。

私が中学生になって、ラジカセを買ってもらって、
ようやく音楽が身近になりました。

当時、まわりの友達の影響でクラシックを聴き始めました。
NHK-FMでクラシック番組は毎日あったので、
必死になってエアチェックしていました。

高校生でステレオを買ってもらってからも
クラシック一辺倒でした。
昼飯代を浮かせて、レコードを買ってました。
図書館で名曲解説全集を借り倒して、勉強しました。


それが何でジャズに変わったんだろう。


この手の話題になった時、私はこう説明する事にしてました。
「元々アコースティックな音が好きで、クラシックを聴き始めた。
でも、トニックでジャンとキメるようなエエかっこしいの音楽が
だんだん苦手になってきた。
古典派、ロマン派のオーケストラ作品を聴かなくなって、
近代フランス音楽、とりわけラヴェルのピアノ曲や室内楽曲の
テンションの高い音の響きが好きになった。
ラヴェルが影響を受けたジャズにも興味が湧いてきて、
プレイヤー主体の自由な音楽にだんだん嵌っていった。」

この説明は嘘ではありませんが、正しくもありません。
実際はこんな理路整然とした流れがあった訳ではなく、
もっといろんな要因が入り混じっていた様に思います。


って事で、数回に分けて、今まであんまり書いていなかったような
記憶の沼を混ぜくりかえしてみようかと思います。

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2018/10/21

レコード片面くらいがちょうどいい その2

レコード片面くらいがちょうどいい その2
◼Ezz-thetics/George Russell
ジョージラッセルはリヴァーサイドの数枚が
個人的には好きですねぇ。
特にこのアルバムはドルフィが参加してるので
魅力も倍増です。

Ezz-theticsは他の演奏もありますけど、
やっぱりこの演奏を超えるモノはないなぁ。

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レコード片面くらいがちょうどいい

レコード片面くらいがちょうどいい
日曜の昼下がり。
嫁さんと子供が出掛けたので、
ひさしぶりに家のステレオで
一人で音楽を聴いてます。
こんな時間が減ったなぁ。

◼Love Remains/Robert Watson 【A面】
ボビーワトソンの三十年前のアルバム。
若い頃のボビーワトソンは
時折リズムがよれる事もありますが、
うねるような心地よい音が大好きでした。
三曲目のブルースは音色を使い分けて
掛け合いの様な感じで演ってるのが面白い。

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2018/10/12

秋の夜長のiPod その15

秋の夜長のiPod その15
◼After a Long Time/Dusko Goykovich
2000年台の頭位にちょっとした
ダスコゴイコヴィチブームがありました。
当時、NHK-FMの公開録音に当たって
渋谷のスタジオまで聴きに行った記憶があります。

どうせ雑誌やレコード会社やCD屋辺りが
火付け役なのだろうと思いますが、
大抵あまり知られてない英語圏以外の
口にするのが通っぽい名前が多い。
で、スタイルはハードバップが基本で、
50年代のジャズが一番と思ってる層に
理解できる範疇じゃないとダメな様です。
そう云った意味ではダスコは最適。
特にこのアルバムは1980年録音にも関わらず、
二管編成のかなりオーソドックスな演奏。
CD屋で流れてたら、
「をっ、いいな。」と思う率100%です。

個人的にタイトル曲のバラッドが好き。
美しいメロディラインです。
曲を慈しみながらソロ回ししてる感じもいい。

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2018/10/11

秋の夜長のiPod その14

秋の夜長のiPod その14
◼How It Was Then.../Azimuth
ケニーホイーラー、ジョンテイラー、
ノーマウィンストンのユニット。
ECMらしいと云えばそれまでだけど、
肝はトランペット、ピアノ、ヴォイスの
変則的な編成だと思います。
個人的にはWhirlpoolに触発されて
浮光って曲を作った事もありました。

スタンダードのHow Deep is the Oceanは
ホイーラーのみで多重録音。

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秋の夜長のiPod その13

秋の夜長のiPod その13
◼No Limit/Art Pepper
このBallad of the Sad Young Menは沁みる。
更にMy Laurieと二曲スローが続くけど、
本来はA面ラストとB面頭だったのね。
この時期のペッパーのバラッドは
フリーキートーンや余白が巧みに使われていて、
心をグサッとやられます。

マンボデラピンタは二管ですが、
ペッパーの多重録音です。

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秋の夜長のiPod その12

秋の夜長のiPod その12
◼At This Point in My Life /Donald Brown
ドナルドブラウンはこれまでも
ウェブサイトやブログで何度か取り上げたけど、
その後、どこかで注目される事などもなく、
褒めてるのは私だけ状態ではないかと。

ピアノプレイヤーとしてよりも、
コンポーザーとして魅力を感じます。
このアルバムも8曲中7曲がオリジナル。
そのどれもが優れた構成のアレンジで、
聴き応え十分です。

ドナルドブラウンって平凡な名前と、
ダッサダサのジャケットで損してる気がする。

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秋の夜長のiPod その11

秋の夜長のiPod その11
◼V.S.O.P/Herbie Hancock
一回限りの超スペシャルパフォーマンス。
メンバーは凄いけど、有名なので割愛。
このアルバムはCDで二枚組だけど
V.S.O.Pクィンテットの演奏は一枚目のみ。
処女航海から二曲とネフェルティティを演ってます。
メンバー紹介からEye of the Hurricaneに
突入するところがかっこいい。

V.S.O.Pは一回限りの筈がその後も活動を継続。
私はThe Quintetをよく聴いてた。
レコードが実家なので
三十年近く聴いてないなぁ。

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秋の夜長のiPod その10

秋の夜長のiPod その10
◼Toshiko Akiyoshi in japan
秋吉敏子とルータバキンのクァルテットによる
1970年万博ホールでのライヴ。

とにかくOpus No.Zeroが無茶苦茶格好いい。
最後編集で拍手を重ねてるのは残念。

レコードだとB面まるごとLong yellox road。
かなりフリーキーな領域まで踏み込んだ
長い長いオープニング(?)が続き、
テーマがやっと出てくるのは16分50秒辺り。
時代だなぁ。

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2018/10/10

秋の夜長のiPod その9

秋の夜長のiPod その9
◼Away from you/Alan Broadbent
今から三十年位前、中古レコードや
OJCマークの入った格安の
プレスティッジやリヴァーサイドの
ペラペラのレコードばっかり漁っていた私は
アランブロードベントなんて知らなかった。
難波にあったやかたmildで今は亡きマスターに
教えてもらったのがこのアルバム。
わかりやすくバピッシュでありながらも、
爽やかな疾走感のあるSonny's Stepに魅了れました。
今聴くと、毒っ気のなさが食い足りないけど、
テンション控え目のハーモナイズと
丸い角のないベース音がツボだったのでしょう。

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秋の夜長のiPod その8

秋の夜長のiPod その8
◼Jazz at the Pawnshop
LPで持ってるけど、傷むのを怖れて、
CDで買い直した程好きなアルバム。
アルトのアルネドムネラスと
ピアノのベンクトハルベルクと
バイブのラースエルストランド他の
生き生きとした楽しいライヴの様子が
目の前で繰り広げられてるかのような
臨場感溢れる録音も魅力です。
シリーズで何枚か持ってますけど、
この最初のが一番ですね。
冒頭のライムハウスブルースの
終わりそうで終わらないエンディングは
何百回聴いてもニヤニヤしてしまいます。
バップ以前のスタイルがベースながら、
くせ者のベンクトハルベルクのスパイスで
新しさも入り雑ざっているところがミソかな。

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秋の夜長のiPod その7

秋の夜長のiPod その7
◼Paris,1960/Cannonball Adderley
最近、ジャズを聴き始めた会社の後輩が
キャノンボールを気に入ったみたいなので、
私も久しぶりに聴きたくなって、
iPodに何枚か入れました。
但し、よく聴いたアルバムはLPなので、
CDで持ってるのはたいしたのがない。
とは云え、極端な事を云ってしまえば
ノリノリのキャノンボールを聴けるなら
何を聴いても構わないっちゃぁ、構わない(笑)。
このパリライヴもゴキゲンなのでOK。
ノーマングランツのJATPのツアーの
未発表音源なのかな?
キャノンボールと弟のナットで
彼らのファンキーチューンを
片っ端から聴かせてます。
個人的には数年後フロント三管になって
ユゼフラティーフがおかしなムードを
漂わせてる頃のユニットが好きだけど。

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秋の夜長のiPod その6

秋の夜長のiPod その6
◼Party/Zoot Sims
チョイスレーベルはクォリティが高い。
ズートシムズもクォリティが高い。
って事で、このアルバムはいい(笑)。

ズートと云えば、スタイルは古めで、
ジャズが時代時代で変化していく中で
メインストリームにいた人ではないでしょう。
でも、彼のサックスの音色の豊かさは
普遍的、不変的な価値があると思うのです。
昔、梅田にあったジャズ喫茶のバンビで
晩年の傑作In a Sentimental Moodを聴いて、
その足で東通りの奥の方にあった
LPコーナーに買いに行った記憶があります。

時々、ソプラノに持ち替えますが、
この音色も堪らなく良いのです。
このPartyでも2曲で吹いています。

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2018/10/09

秋の夜長のiPod その5

秋の夜長のiPod その5
◼Heroes & Anti heroes/Lee Konitz & Gil Evans
リーコニッツとギルエヴァンスのデュオ。
CD二枚組です。
少ない音数で最大限の表現が出来る同士、
ストイックな演奏を繰り広げています。
コニッツは大好きなプレイヤーなのですが、
ちょっと頭でっかちなところがあって
いただけない作品なんかもちらほらある。
元々ちょっと背伸びしたがる人なんでしょう。
でも、それがビターッと嵌まった時は
ぞくぞくしまくりの演奏になったりする。
この辺りがコニッツの魅力でしょうか。

ギルエヴァンスってビッグバンドのイメージですが、
ピアニストとしてもワンアンドオンリーだなぁ。

あー、これを聴いてたら、
スティーヴレイシーとギルエヴァンスの
デュオも聴きたくなってきました。

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秋の夜長のiPod その4

秋の夜長のiPod その4
◼African Piano/Dollar Brand
ランダム再生してたら、
プクワナの後にダラーブランドのアフリカンピアノが。
なんと云う偶然でしょう。
このアルバムの独特の雰囲気は
左手のリズムパターンを延々と反復する
彼の音楽のスタイルによるものですが、
後のenjaレーベルの諸作と大きく違うのは
カリカリした安っぽいピアノの音って点かも。

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秋の夜長のiPod その3

秋の夜長のiPod その3
◼Cosmic Chapter 90/Zila & Dudu Pukwana
ドゥドゥプクワナは南アフリカのミュージシャン。
サックスの音が笑って聴こえるのは
ケンマッキンタイヤーかこの人かって感じ。
クリスマクレガーとのシリアスな作品も良いが、
やっぱりスコーンと抜けたアフリカサウンドが
この人には合うと思うのです。

Pinese Saulって女性ヴォーカルも魅力的。

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秋の夜長のiPod その2

秋の夜長のiPod その2
◼Pony's Express/Pony Poindexter
ジングルベルジャズと云う
オムニバスアルバムの中に
ケッタイな赤鼻のトナカイが入ってた。
サックスが何管入ってるのか分からない程、
団子になったアンサンブルは爆笑もの。
そのリーダーがポニーポインデクスターでした。

それでリーダー作品を調べて、
このアルバムを買った次第。

赤鼻のトナカイほどの破壊力はなく、
ちょっと古臭さすら漂っていて、
当時は肩透かしを喰らった記憶があります。

約三十年近くぶりに聴いてみて、
さほど印象は変わりませんが、
顔ぶれが無茶苦茶で愕然としました。
ジーンクイル、フィルウッズ、ソニーレッド、
エリックドルフィー、デクスターゴードン、
クリフォードジョーダン、ジミーヒース、
ビリーミッチェル、ペッパーアダムス、
トミーフラガン、ロンカーター、
チャーリーパーシップ、エルヴィンジョーンズって。

あ、ミッキーマウスマーチなんかも演ってる。

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秋の夜長のiPod その1

秋の夜長のiPod その1
某所で暇な夜を過ごし中。
iPodの音楽を聴く事にします。

最近、またジャズを聴く気になってきたので、
アレコレとアルバム単位でランダム再生。

◼Complete Atlas Years / Art Pepper

galaxyと契約してた頃のペッパーが
サイドマンと云うテイで吹き込んだ
音源の集大成。
今は全5枚中3枚目を聴いてます。
良くも悪くも日本企画っぽい。
後期のちょっとフリーキーなペッパーに
かっちりとしたリズムセクション。
選曲もコンテンポラリーの頃の定番曲が
並んでる感じです。うーん。

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2018/09/18

西山瞳&橋爪亮督 in スターライツ

西山瞳&橋爪亮督 in スターライツ
昨日は香里まで電車とバスを乗継ぎ、
ライヴに行きました。
金土日の昼しかやってないジャズの店、
スターライツで西山瞳と橋爪亮督のデュオ。
大入り満員でした。

2人のオリジナルやスタンタードに加え、
クールジャズの作品も演奏。
コニッツのサブコンシャスリーを
やや控えめのテンポで演ってたのですが、
逆に旋律のケッタイさが際立って
面白かったですね。

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2018/07/21

真夏の夜の その4

真夏の夜の その4
ヴィクトリアトルストイの2017年のアルバム。
今度は映画音楽をテーマにしてます。
私が知らないだけかもしれないけど、
元の映画がわからない曲もちらほら。

一曲目のバグダッドカフェのCalling youは
はまり過ぎだけど、ジャズ的なテイストは薄い。

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真夏の夜の その3

真夏の夜の その3
ジョアンブラッキーンの1977年の録音。
トリオだけど、ピアノとギターとベース。
ギターは 川崎燎が参加。
全曲オリジナルで6曲中4曲がブラッキーン。
あとは 川崎燎とクリントヒューストンが各1曲。

彼女は理系の教授みたいなルックスですが、
ピアノもイメージ通りの知的なスタイル。

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真夏の夜の その2

真夏の夜の その2
今から十年前位によく聴いたアルバム。
完全にジャケ買いだったんですが、
Paulienって女性ヴォーカルの雰囲気がいい。
その当時、このCDは何枚も買って、
色んな人にプレゼントした記憶があります。

今聴くと、少し入れ込み過ぎてた気もしますが、
自然体の唄い方はやっぱり素敵です。
全曲Royce Campbellって人の作曲。

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2018/07/16

VIEN×RAVEL

VIEN×RAVEL
アルベンツ率いるVIENのラヴェル作品集。

ボレロ、亡き王女のためのパヴァーヌって
有名曲も演ってるんですけど、
冒頭の3曲がクープランの墓から
プレリュード、フォルラーヌ、トッカータ。
プレリュードの弾き始めは原曲の楽譜通りで、
はっきり云って、クラシックの演奏としては
パッとしない水準ではありますが、
そこからの展開はさすがアルベンツです。
流れるようかプレリュードが澱んで、
もやもやとフォルラーヌに入っていく。
ヨーロッパ系のジャズの高いテンションと
フォルラーヌの100年越しの融合。
こんなハーモニーを編んだラヴェルは神です。

他の選曲も個人的にツボ。
ヴァイオリンとピアノのためのソナタからブルース、
ソナチネからメヌエット、
子供と魔法から五時のフォックストロットなど。
アルベンツが私のために作ってくれたに違いない(笑)。

万人に全くお薦めしないニッチな名盤です。

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2018/06/22

通勤電車の今日の一枚。

通勤電車の今日の一枚。
MICHAEL ARBENZはただ者ではない。
このvienってユニットでも毒っ気は変わらない。

冒頭の"Ligeti eats spaghetti"でやられました。
「リゲティがスパゲッティを食べる」なんて
ふざけたタイトルの曲だけど、
テーマは明らかに"Airmail special"で
それをプリペアドピアノで弾いた感じ。

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2018/06/10

ピアノ×クラリネット×ベース

昨日は七、八年ぶりのクレオールでした。
西山瞳(pf)、鈴木孝紀(cl)、光岡尚紀(b)の
変則的なトリオによる演奏。
しかも三人とも枚方在住or出身と云う
これまた偏狭的なトリオ。

面白かったのは三人の持ち寄った曲を
ほぼ均等に演奏していた事。
光岡さんは恐らくメインストリームな
ジャズが好みだと思われ、
他の二人とは選曲の毛色が異なっていて
これがいい変化になってたように思います。
西山瞳さんの"Suger"は初めて聴いた(笑)。
今回はオリジナル曲は少な目だったけど、
アンコールのひらパーな曲は破壊力があった。
オチャラケっぽいけど本気の作品。
あー、スパルタカスがひらパーに聴こえる。


会社のクラシック好きの後輩と行ったんですが、
彼はクラリネットの鈴木さんの演奏が
かなりツボだったようです。
私も同感。
彼のオリジナル曲も良かったし、
ややモタるようなの歌い口も良かった。
何よりサブトーンっぽいクールな音色が
魅力的だったなぁ…。

帰りは約二十五年ぶりののんちゃんで
焼き鳥で一杯やりながらの音楽談義。

ピアノ×クラリネット×ベース
こう云う話をしてる時が一番幸せだわ。

いい一日でした。

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2017/06/24

昔の音楽シーン。

今、トイレのマガジンラックには
昔のスイングジャーナルを置いてます。
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かなり前に古本屋で買ってたのを
引っ越しの荷づくり荷ほどきで発見。
1960年代中盤から後半のモノが
数冊ある程度ですけど、
読んでみると当時の日本のジャズ文化が
垣間見えてなかなか面白い。

例えば、1967年の2月号。
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表紙は若い頃のカーメンマクレエです。

中でもおもしろかったのはこれかな。
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二大テナーのコルトレーンとロリンズの対決。
錚々たるメンバーによる座談会です。

コルトレーンの「神の園」って
アセンションの事なのね。
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精神世界や思想などと結びつけた賛成派と
音が汚いとバッサリ切り捨てる反対派が
議論を戦わせております。

一方、ロリンズの最新作として挙がっているのが
映画「アルフィ」の音楽を担当したアルバム。
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ロリンズはモヒカンにしてた頃なんですね。
よく見ると、ジャケットが今と違います。
今、一般的なのはコレですよね。
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イナタいアルフィのテーマには
ジジイのぼやきのようなロリンズ節が合う。
映画自体は女ったらしの主人公が
やたらカメラ目線で語り掛けてくる
筋金入りの軟派男の物語なので、
音楽に込められた思想なんてものは
深読みしようがありません(笑)。
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全然タイプの違う二人を比べても、
どうしようもないと思うんだけど、
今も昔もこの手の対決は王道だったのね。


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2017/01/15

我が子のためのコンピレーション その5

我が子のためのコンピレーションの第五弾は
いよいよジャズです。
子供が飽きないように出来るだけ五分以内の演奏を、
と思ったのですが、さすがにその縛りは厳しく、
最長で約七分の曲も入っています。

私の好みも多々反映させているものの、
一応、古いじゃずから新しいジャズまで、
聴きやすいものを集めたつもりです。
今回はピアノ中心のセレクトとなっています。

01 ナウズ・ザ・タイム/モンティ・アレキサンダー
02 シーズ・トゥ・グッド・フォー・ミー/ソルト・カルトネッガー
03 キャント・バイ・ミー・ラブ/ティエリ・エリエ
04 エブリシング・ハップンズ・トゥ・ミー/セロニアス・モンク
05 きらきら星変奏曲/オイゲン・キケロ
06 ジャスト・フレンズ/オスカー・ピーターソン
07 ユーモレスク/アート・テイタム
08 バッド・バド/ランディ・ハルバーシュタット
09 ブルー・オータニ/ハービー・ハンコック
10 ノー・マンズ・ランド/エンリコ・ピエラヌンツィ
11 枯葉/ビル・エバンス
12 ドント・スライス・イット!!/小曽根真
13 マイ・ビバップ・チューン/ミシェル・ペトルチアーニ
14 アット・ザ・バイナル・カフェ/マイケル・ケイシャマー
15 愛の夢ブギ/レイ・ブライアント
16 君をのせて/西山瞳

こんな感じです。
久々のジャズの話題なので、
一曲一曲について、ちょこっと書いてみます。

01 ナウズ・ザ・タイム/モンティ・アレキサンダー
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元のアルバムは「LOVE AND SUNSHINE/(MPS)」なのですが、
MPSの三枚のLPをCD二枚に集めたお得盤がコレ。
云わずと知れたパーカーの有名曲を
節度をわきまえずスウィングしまくっています。
ライヴならではの粗い演奏なのですが、
とにかくジャズのノリを実感して欲しくて選びました。

02 シーズ・トゥ・グッド・フォー・ミー/ソルト・カルトネッガー
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「SONGS FROM THE 20TH CENTURY/(KCG)」より。
スティングの名曲をあまり知られていないピアニストのソロで。
ブギウギのリズムパターンなので、子供も楽しく聴けるかと。

03 キャント・バイ・ミー・ラブ/ティエリ・エリエ
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ピアノはティエリエリエですが、
アルバムリーダーはドラムのアンドレチェッカレリ。
「3 AROUND THE 4/(VERVE)」と云うビートルズ作品集。
テーマの解釈も面白いし、何よりピアノのアドリブが心地よい。
我が子は後々元のビートルズを聴いてどう思うんだろうなぁ。

04 エブリシング・ハップンズ・トゥ・ミー/セロニアス・モンク
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本来この曲は「SOLO MONK/(CBS)」の中で演奏されていますが、
この「MONK ALONE/(SONY)」はその別テイクなどを集めた二枚組。
今回取り上げたのはTAKE1で、「SOLO MONK」のはTAKE3。
語り口の違いなどを聴き比べると面白い。
流麗なピアノだけがピアノじゃない事を分かってもらえれば。

05 きらきら星変奏曲/オイゲン・キケロ
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オイゲンキケロは個人的には好みではなく、
これまで全くスルーしていましたが、
クラシックからジャズへの橋渡しとしては
丁度良い素材だったので取り上げました。
非常に完成度の高い演奏です。
モンクの後に聴くと、落差がでかい(笑)。

06 ジャスト・フレンズ/オスカー・ピーターソン
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ジャズ入門にはオスカーピーターソンは最適だと思います。
一般的に取り上げられる事の多いVERVEの諸作ではなく、
MPSのアルバムが一押しです。
「THE WAY I REALLY PLAY/(MPS)」の一曲目、
"WALTZING IS HIP"が鉄板中の鉄板なんですけど、
そのまま"SATIN DOLL"に雪崩れ込むので、
コンピレーション作りには収まりが悪い。
代わりに「WALKING THE LINE/(MPS)」からこの曲を選びました。
強烈なスウィング感がMPSの優れた録音から溢れ出します。

07 ユーモレスク/アート・テイタム
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バップ以前の古いジャズも取り上げてみました。
ジャズピアノの神様とも云われたアートテイタムの
「PIANO STARTS HERE」から。
"TIGER RAG"を選ぶべきなのかもしれませんが、
我が子が知っているドボルザークのユーモレスクにしました。

08 バッド・バド/ランディ・ハルバーシュタット
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このピアニストを知っている人はあんまりいないかも。
この「INNER VOICE/(SELF PRODUCE)」は
人にジャズのお薦めを訊かれた時には
いつも選んでいたアルバムの中の一枚なのです。
この"BAD BUD"にはジャズの楽しさや凄さが
詰まっていると思っています。

09 ブルー・オータニ/ハービー・ハンコック
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ブルースを一曲取り上げようと思い、
意外なところでハービーハンコックを(笑)。
「THE PIANO/(SONY)」は全編ソロのアルバムで
この"BLUE OTANI"はその最後に収められています。
録音の際、宿泊したホテルニューオータニに捧げられたらしい。
ハンコックにしてはベタだけど、コテコテではない。
肩の力の抜けた良いバランスのブルースではないかと。

10 ノー・マンズ・ランド/エンリコ・ピエラヌンツィ
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我が子にも早めにヨーロッパ系のジャズを(笑)。
名盤「NO MAN'S LAND/(SOUL NOTE)」からタイトル曲を。

11 枯葉/ビル・エバンス
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やっぱりエヴァンスも聴かせておかないと。
「PORTRAIT IN JAZZ/(RIVERSIDE)」から枯葉TAKE1を。

12 ドント・スライス・イット!!/小曽根真
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小曽根真のソロピアノアルバム「BREAKOUT/(VERVE)」から。
グルーヴを感じさせながらも、泥臭くなく、知的。
初めて聴いた時、かなり感動した記憶があります。
これが録音されたのは1994年。
阪神大震災の前だったんですね。

13 マイ・ビバップ・チューン/ミシェル・ペトルチアーニ
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ペトルチアーニの「MUSIC/(BLUE NOTE)」から。
今回取り上げた曲の中では一番スピード感があるかな。
タイトルにはビバップと付いていますが、
バップと云うより、ピアノの練習曲を速弾きしてるみたい。

14 アット・ザ・バイナル・カフェ/マイケル・ケイシャマー
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この人もあまり有名ではないかと思います。
「STRUT/(A RECORD)」の中のこの曲は
セカンドライン的なリズムパターンが印象的。
そんなノリを感じてもらえたらいいかなと選びました。

15 愛の夢ブギ/レイ・ブライアント
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ノリと云う意味ではブギウギも一曲入れておこうか。
「ALONE AT MONTREUX/(ATLANTIC)」から。

16 君をのせて/西山瞳
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最後は西山瞳の「IN STOCKHOLM/(SPICE OF LIFE)」から
我が子も知っている久石譲の名曲を。
ホントは西山さんのオリジナル曲を選びたかったけど、
六歳児にはまだちょっと早い(笑)。
但し、この演奏はドラムがイマイチなのが実に勿体ない。


って事で、我が子を少しづつジャズの世界にも
引っ張り込もうとしている馬鹿親渾身の一枚でした。

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2016/12/28

ちょっとジャズ帰り。

何だか急にジャズを聴きたくなりました。
それもバップ、ハードバップなどのメインストリームなん。

手元のCDはヨーロッパ系とか、ドシャメシャなのとか、
道を外れたヤツばっかりだと思ってたのですが、
意外と健全なジャズも一杯持ってることに気付きました。
「あれ?苦手だと云い続けていたマイルスが意外とある。」
「同じく苦手な筈のブルーノートレーベルもよーさんある。」

数えてみたら、マイルスのリーダー作は39枚持ってました。
サムシンエルスをほぼマイルスと考えればちょうど40枚(笑)。
マイルスファンにとったら大した事ない枚数なのでしょうが、
へそ曲がりの意地で避けて通っていたつもりなのに、
知らず知らずのうちにこんなに買ってたのは驚きです。

それから「音作りが性に合わない。」と意地を張って
スルーしていたつもりのブルーノートレーベルだったのに、
集計してみたら一番多いんでやんの。
Rank
(上位30位まで)

ま、ヴァーヴとパブロを同じとしたら、逆転しますが。

ちまちまとiPodに移す年の瀬。
でも学生時代によく聴いたアルバムは
ほとんどがLPなので移せないんだなぁ。

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2015/02/15

久しぶりのアナログ新譜。

待ちに待ったアルバムが届きました。

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「SHIFT/西山瞳トリオ"parallax"(MEANTONE RECORD)」

当然CDも持っていますが、
レコードが出たからには買うしかありませんね。

久しぶりにスペースデッキが活躍してくれる事でしょう。
どんな音が出てくるのか楽しみです。

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2014/06/25

ひっそりとアンサリー。

アンサリーのアルバムが出ていました。
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本とセットで高めの設定です。
マイナーなレコード会社から出ているのでアマゾンでもヒットしません。

新録ではなく、色々な音源の寄せ集めだと思います。
うち何曲かはゲスト参加したアルバムを持っていました。

それでもアンサリーの歌が聴けるのは嬉しいです。

出来る事なら、またまとまりのある一枚のアルバムで
彼女の歌声に浸りたいけど…。

「こころうた」に並ぶような作品がいつか聴けると信じたいです。

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2014/04/05

コニッツ、100円(税別)

今日、ダイソーに行ったら、ワゴンでCDが安売りされていました。
美空ひばりやら舟木一夫やらの懐メロのCDが並ぶ中、
ジャズ関連もちらほら…。

しかし、まさかコニッツがあるなんてなぁ…。
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半額になってる事よりも、ダイソーの品揃えに
コニッツが入っていた事の方がびっくりです。

ジャズに全く興味のないダイソーの標準的な客層が
「お洒落だし、買ってみるかな。」って手を出したとして、
この"SUBCONSCIOUS-LEE"を聴いてどう反応したのかな。
想像すると笑ってしまいます。


ついでにこれも買いました。
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誰やねん(笑)。


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2013/09/21

熱狂期間と冷却期間。

ここ数年、生活の中の音楽比率が駄々下がり状態でした。
生活パターンの変化が一番の原因なのですが、
家では子供と遊び、嫁さんとテレビを観て過ごし、
通勤中はiPodで伊集院の深夜ラジオの録音を聴いている。
車で出掛ける時は軽い音楽を聴き流す程度。
そうなってくると、気分的にも重いジャズは敬遠しがちになり、
自分のCD棚を眺めても、あんまし食指が動かず…。


先日の音楽談義で、NO MUSIC,NO LIFEだった自分がちょこっと覚醒。
夜眠れなかったので、イヤホンでiPodをランダム再生してたら、
いきなり飛び出してきたのが、マクリーンの「ACTION/(BLUE NOTE)」でした。
Actionactionaction
久しぶりに聴くと、凄く刺激的です。
しかも、いきなりこの時代のマクリーンとなると刺激もひとしお。四川級。
ギスギスしたハッチャーソンとの対位的な音の絡みが
こんなにも異常な美しさに満ちていたのかと新鮮な気付きがありました。

嫁さんと子供が里帰りしているのをいいことに、
マクリーンやらハッチャーソンやらグラシャンモンカーやらを
引っ張り出して聴いている次第。
あー、楽しい…。


昔、ケンミンの焼きビーフンのCMにこんな歌が…。

♪ケンケンミンミン焼きビーフン
♪たまに食べるとおいしいよ
♪毎日食べるとちょっとあきる

このセンスって凄いなぁと、今でも記憶に残っているのですが、
これは色んな事に当てはまるのではないかと思います。

何事も続ける事で、より高いレベルに辿り着けるのは真理ながら、
あくまでも趣味の世界として楽しむ前提で考えれば、
踊り場感、マンネリ感を覚えた時はぶん投げてしまっても
別に構わないんぢゃないかと思います。

私自身、のめりこむと色々大変な事になりやすい性質なので、
最初のうちは「あれもやりたい。これも知りたい。」だったのが、
次第に「あれもやらなきゃ。これも知っとかなきゃ。」に変わってきて、
だんだん楽しくなくなってくるんですよね。

冷却期間を置くと、一旦レベルは下がるんぢゃないかと思うのですよ。
でも、それでまた続けていく推進力みたいなのが出てくれば、
少し下がったところから再スタートして、すぐに元のレベルに到達し、
更に新たな領域に突入できる…、
って云うような、楽しい勘違いをさせてくれる気がします(笑)。


ちょっとぶん投げてるうちに飽きてしまうなら、その程度の趣味。
でも、続ける価値のある趣味なら、また戻ってくると思っています。


秋の夜長にちょっと真面目なことを書いてみました。

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2013/05/31

なぜか新大阪。

仕事で鹿児島から大阪へ。

夜は新大阪で、鱧に水なす。
なぜか新大阪。

なぜか新大阪。
あ〜、関西。

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2013/04/30

西山瞳 CD&LP

久しぶりの音楽の話。

先日、西山瞳トリオのCDとLPが発売になりました。

こちらが新譜のCD、「Sympathy/(MEANTONE RECORDS)」。
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昨年の11月に久しぶりに福岡でライヴを聴いた時にも感じた事ですが、
これまで様々な変容を遂げてきた彼女の作風や演奏スタイルは
移り変わった訳ではなく、今も全部が生きてるんだなぁ、と勝手に納得。
個人的には調性の薄い"Cross Section Of Gray Cities"とか、
多調の極みの様な" T.C.T.T.-Twelve Chord Tune Two-"が好物。


そんでもって、一つ前のアルバムがLPでも発売されました。
「Music in you/(MEANTONE RECORDS)」。
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いやー、西山瞳の作品をレコードで聴ける日が来るとは…。

私のオーディオは組み上げた当初、勝手に「エンリコ仕様」と豪語しておりました。
エンリコを代表とする自分の好きな音楽に合わせて集めたつもりでしたが、
ことアナログに関して云うと、エンリコピエラヌンツィは三枚しか持ってないのが実情。
「AUTUMN SONG」「MOON PIE」「NEW & OLD JAZZ SOUNDS」だけ。
それどころか、その他でもヨーロッパ系のピアノトリオのアナログ盤は殆どない…。
ずーっと宝の持ち腐れ状態だった訳です。

ようやく日の目をみたウチのアナログプレイヤー。
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やっぱりツボの"T.C.T. -Twelve Chord Tune-~。

至福のヒトトキ。

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2012/11/09

久々の、

久々の、
ジャズ喫茶でコーヒーを。

掛かってたのはジョンライト。
いきなり渋いです。

続いてチャーリーラウズ。

ちょっと癖のあるチョイスで楽しめました。

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2012/08/05

真夏の昼のジャズ

嫁さんと子供が一足先に嫁さんの実家に帰ったので、
今週は独身生活復活です。

って事で、日曜日の昼下がりは久々にちゃんとしたオーディオで
のんびり音楽でも聴いて過ごす事にします。


■HVAR ER TUNGLIO?/SIGUROUR FLOSASON(DIMMA)
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アイスランドの女性歌手KRISTJANA STEFANSDOTTIRが参加。
美しい声質に恵まれ、ついでに体重にも恵まれ、
その代わりルックス的にあまり恵まれなかったので、
人気はないようですが、素晴らしいヴォーカルだと思います。
前に「EG UM PIG」と云うポップスを取り上げたアルバムを聴いて
すっかりファンになってしまいました。
厭なジャズっぽさがない透明感のある歌声。
しっかりと抑揚もあり、それでいて粗さのない丁寧な表現。
もうベタ褒めですね。


■DREAMER IN CONCERT/STACEY KENT(BLUE NOTE)
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ステイシーケントのライヴアルバム。
ジャケにも写ってるサックスは旦那のジムトムリンソン。
ライヴでもいつものスタジオ盤と同じクォリティです。
いい意味でも悪い意味でもステイシーケントは変わりません。
それにしても旦那のサックスはモロにスタンゲッツですね。
こちらも相変わらずです。
最初の頃の"陽のあたらない曲を取り上げる"って姿勢が
CANDIDからBLUE NOTEに移籍して薄くなったかも…。


■THE LIGHT/HANNIBAL AND THE SUNRISE ORCHESTRA(BAYSTATE)
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ハンニバルマーヴィンピーターソンの1978年録音作品。
ちなみにオーケストラと云っても編成はいびつで
フロント楽器はハンニバルくらいのものです。
彼がスピリチュアルなテーマで書いた壮大な組曲、らしい。
個人的には血管が切れそうな彼のラッパが聴ければいいんですが、
何やらテーマに沿って音楽が進行してくので、
最初から最後まで猛烈に吹きまくるって訳にもいきません。
それでも"TO SEARCH THE INNNER WORLD"の中盤くらいからのソロや
"FOR STRENGTH AND WISDOM ENOUGH"の止まると死ぬ程の猛烈プレイは
十分アドレナリンが噴出していて満足です。
音質もいい感じにカリカリしていて、そこに四度重ねのピアノが入ると
それだけで70年代っぽさが出てきますね。


■LIVE IN LAUSANNE/HANNIBAL AND THE SUNRISE ORCHESTRA(BAYSTATE)
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ハンニバルをもう一枚。こちらは1976年のライヴアルバムです。
最近はすっかり京都の主題歌になってしまった"MY FAVORITE THINGS"を
コルトレーンの二割増しくらいの勢いで吹きまくっております。
こちらでも"THE LIGHT"を演ってますね。


■THE COMPLETE QUEBEC JAM SESSION/CLIFFORD BROWN(RLR RECORDS)
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1955年から1956年にかけての発掘音源。
この手の音源は最初からある程度覚悟して買ってるつもりですが、
本当に古代の地層から発掘されたのかと思うくらい音が悪い。
それでもひょっとしたら当たりがあるかもしれないと、
ブラウニーとドルフィーに限っては危ない橋を渡ってしまいます。

■TRAVELLING SOMEWHERE
/CHRIS McGREGOR'S BROTHERHOOD OF BREATH(RADIO BREMEN)
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ドゥドゥプクワナが参加しています。
ドシャメシャなところまで行ってしまう演奏でありながら、
カラッと明るいプクワナの曲だと何か聴けてしまいます。
他にもWALE SOYINKAの"KONGI'S THEME"なんかも楽しいドシャメシャ。
「ご機嫌なサウンド。」と書くと誤解されそうですけど、
こう云う壊れ方は気持ちをアッパーにしてくれます。

■GEMINI II/MARCUS BELGRAVE(TRIBE)
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二年程前に買って未聴棚に眠り続けていたCDです。
確か会社の音楽好きの後輩に薦められたアルバムだったかと…。
今となっては電子サウンドの効果音はご愛嬌なところもあるが、
分厚く濁り気味のブラスアンサンブルはかなりの好物です。
全然プレイヤーもレーベルも違うのですが、
クリフォードジョーダンのストラタイースト作品を思い出しました。
何か70年代のギスギスした未完成感、好きなんですよね。

■TUESDAY WONDERLAND/E.S.T(EMARCY)
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エスビョンスベンソンが亡くなってもう四年になるんですね。
これは2006年のアルバム。
E.S.T.に関して正直に云うと、凄いと思うけどあまり好みではないです。
エフェクターを常用しピアノの表現の幅を格段に広げつつも
ピアノトリオの美しさ、恍惚感、高揚感など、大事なものはちゃんと残ってる。
聴くと「いい~。」と思うけど、意外と手が伸びないのです。
これはもう好みの問題なんだからしょうがありません。
私の中で相変わらずアコースティックとエレクトリックの垣根が高いのと、
メロディが美しすぎて意外と毒が少なく、ウェットなのとが理由でしょうか。
とか云いつつ、聴いてると、やっぱり質の高い音楽だと思う…。
って、どうやねん。


さて夕方になったので晩ご飯の準備をしないと。
久々の音楽聴きながら企画はこの辺で。


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2012/04/29

久々のオスカーピーターソン。

かなり昔に書いた聴き散らかしの記事にコメントを貰ったので、
久しぶりにオスカーピーターソンを聴きたくなりました。

私がピーターソンをよく聴いていたのは大学生の頃でした。
まだまだジャズ初心者だった頃でしたので、
あの強靭なスイング感と煌びやかで饒舌なフレーズを聴いて、
「これぞジャズだ。」と傾倒していた記憶があります。

次第に聴くジャズの矛先が変な方向に進んでいったので
すっかり聴かなくなってしまいましたが…。


と、ひとしきり感傷に浸ったところで、一番お気に入りだった
「THE WAY I REALLY PLAY/(MPS)」を聴くことにしましょう。
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このアルバムは本当に何回聴いたかわかりません。
特に冒頭の"WALTZING IS HIP"だけは何百回と聴きました。
この曲はタイトル通り3拍子の曲なんですけど、
ピーターソンの手癖フレーズは4拍子仕様になっているので、
ただの3拍子がまるで変拍子の様にスリリング(笑)。
で、結局、途中から4拍子になって弾きまくるんですけどね。

久しぶりに聴いてもやっぱりいいわ。
演奏もいいし、選曲もいいし、録音もいいし、非の打ち所がないんですが、
密かに一番好きなポイントは"WALTZING IS HIP"の昂奮が冷めやらぬ中、
穏やかに"SATIN DOLL"が滑り込んでくる瞬間だったりします。

今の私のオーディオと当時の安物オーディオとでは
音の質もディテイルも格段の差があるんですけど、
このアルバムの生々しさは殆ど変わらないかも。
きっと当時の脳内補正システムが優秀だったのでしょう(笑)。
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2011/12/30

KARIN KROG と 東かおる

どうやらカーリンクロッグと東かおるに似たところがあるらしい。
カーリンクロッグと云えば1960年代から活躍する
ノルウェーの大御所女性ジャズシンガーで、
一方、東かおるさんは実力とオリジナリティを兼ね備えた
注目株の日本人ジャズシンガーです。
両者とも好きな歌手なんですが、スタイルも違うし、
私の中では全く共通項と云うものを意識してませんでした。
しかし、ノルウェーのシンガーが東さんの歌を聴いて、
バラッドを唄う時のビブラートの深さが似ていると指摘したんだとか。

って事で、手元のカーリンクロッグの音源と
東さんのアルバムを聴き比べてみようかと。
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しかし、カーリンクロッグは活動年数が長いので、
どの時代を指して”似てる”と云ったのか、わかりません。

とりあえずは手当たり次第に聴いてみたいと思います。
残念ながら私にとって一番印象の深い「SOME OTHER SPRING」は
レコードを実家に置いているので、今回は聴く事ができません。


■BY MYSELF[1964]
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カーリンクロッグのデビューアルバム。
超オーソドックスな演奏でスタンダードが並びます。
何だかホッとします(笑)。
”LOVER MAN”はテーマがわからないくらいフェイク…、
いえ、もう殆どメロディラインを変えて唄っています。
”I FALL IN LOVE TO EASILY”も最初はストレートだけど、
2コーラス目からは大幅にフェイクしています。
ちょっと頑張りすぎな感じはありますが、
デビューから凡百の歌手ではないのはわかります。


■JOY[1968]
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ものの本に代表作として紹介されていたものの、
ずっと入手困難だったアルバムでした。
CDで再発されたので喜び勇んで買ってみたら、
時代の匂いがプンプンする尖がりまくった音楽。
アコースティックなサウンドをベースにしながらも
違和感ばりばりのエレクトリックが随所に顔を出し、
絶対に今では出せない雰囲気が横溢しております。
ヤンガルバレク、アリルドアンデルセンらと
対等に張り合う鼻っ柱の強いカーリンクロッグの勇士。
"KARIN'S MODE"は間違いなくこのアルバムの聴きどころ。
気持ち悪いくらい音程が揺らぐ。狙いなんでしょうね。
ヤンガルバレクのサックスはフリーキーに咆哮。
この猛烈なプレイを目の前でかまされたら、
普通のヴォーカリストなら怯むところでしょうが、
訳のわかんない叫びで応酬しています。
ハンコックの"MADEN VOYAGE"が入ってるのも面白い。
これまた妙な揺らぎのスキャットで歌ってます。


■DIFFERENT DAYS DIFFERENT WAYS[1970-1974]
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プライベート録音を集めたアルバム。
なんとヨアヒムキューンが参加してます。
冒頭三曲、ベースのアリルドアンデルセンとのデュオでは
静かに語り掛けるようにインストに絡んでいます。
オーネットコールマンの”LONELY WOMAN”は聴きどころ。
音程の曖昧さがいい感じに妖しげです。
中盤の数曲は彼女の声の多重録音と云う実験作なので
今回は割愛します。
更にヨアヒムキューン他との演奏はかなりキてるので、
鑑賞中止~(笑)。


■WE COULD BE FLYING[1974]
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時代を感じるエレクトリックサウンド。
バックはスティーヴスワロウ、スティーヴキューン、ヨンクリステンセン。
静かな曲も何曲かあるんですが、割と音程は誤魔化し気味。
音節の最後の長音はビブラートも掛かってるんですが、
投げやりに音程を下げる感じのフレーズが多いです。
尖がって唄ってる感じが如何にも70年代。


■CLOUD LINE BLUE[1977,78]
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ジョンサーマンとのアルバム。
もうジャズなんて狭いカテゴリーに収まらない音楽。
一番オーソドックスな"EMPTY STREETS"にホッとしてしまうのは、
どうやら私が枯れてきたからかもしれません。
数年前だったら、他のトラックを薦めてただろうなぁ。
例えば"CLOUD LINE BLUE"あたりは一昔前なら私のツボだった筈。
ストラヴィンスキーのペトルーシカを彷彿とさせる演奏に
ゆったりとカーリンクロッグのヴォーカルが乗っかる。
実に面白い。…けど、疲れます(笑)。


■ONE ON ONE[1977,80]
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レッドミッチェル、ベンクトハルベルク、ニルスリンドバーグ、
それぞれとのデュオを集めたアルバムです。
落ち着いた歌唱が聴ける良質盤ですね。
レッドミッチェルのグネグネなベースって
やっぱりドラムレスに合うなぁ。
あ、カーリンクロッグよりそっちに耳が行ってしまう…。


■FREESTYLE[1985,86,95]
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ジョンサーマンとのデュオ、…ですが、
多重録音を多様してるのでサウンドは千変万化。
実験的だったり、オーソドックスだったり、民族的だったり。
一曲だけ十年も後の録音が入っていますが、
当時の日産セドリックのCMに使った曲を差し込んだ為。
”IMAGINETION'S CHILD”は丁寧な歌唱の聴けるバラッド。
”SPRING CAN REALLY HANG YOU UP THE MOST”は
完全アカペラながら、歌8割、語り2割くらいの唄い方が面白い。


■WHERE FLAMINGOS FLY[2001]
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ギターのヤコブヤングとのデュオアルバム。
録音も良く心行くまでカーリンクロッグの歌を堪能できます。
歳を重ね、彼女の歌も深みと落ち着きが出てきた感じです。
思わずぼんやり聴き込んでしまいますね。

って事で、カーリンクロッグを何枚か聴いた後、
東かおるさんのアルバムを聴いてみました。

■STAR IN GREEN[2011]
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STAR IN GREENと云うユニットでのファーストアルバム。
ギターのジェシフォレストとのデュオです。
ちょうど一つ前に聴いたカーリンクロッグと同じフォーム。
実験的でアクの強い音楽にほぼ二日間浸っていたせいで、
心地よさったらないです。美しく完成度の高い音楽。
ビブラートが似てる?…かなぁ。やっぱりわからないです。
カーリンクロッグはムラっけがあって、どれが本当の彼女なのか、
聴けば聴くほど混沌としてきました。
東かおるさんの唄は難しい曲でもごまかしがなく、
一音、一語を丁寧に歌っています。
前作の「FOOTPRINTS IN NEW YORK」とは歌い方を変えたそうですが、
比べてみると、確かに違う気がするような…。
ビブラートの違いよりも発音がきびきびした印象の方が強いです。
更にその前の「THE WATER IS WIDE」と比べてみると、
一層違いが出てる気がします。
この頃の歌い方よりも今の歌い方の方がギターとのデュオに
合っているのではないかと感じました。

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今年の年末はカーリンクロッグと東かおるで暮れていきそうです。
"THE PEACOCKS"を聴きながら、お別れです。ごきげんよう。
来年もよろしくお願い申し上げます。


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2011/12/18

クリスマスアルバム、一枚だけ。

数年前までとち狂った様にクリスマスアルバムを買ってましたが、
やっと平常心を取り戻しました(笑)。

今年買ったのはこの一枚だけです。
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■WHEN CHRISTMAS COMES AROUND/TRIOSENCE(SONY)
トリオセンスの去年出たクリスマスシングル。
ゲストヴォーカルがサラガザレクです。
4曲中3曲で歌っております。
作曲は全てピアノのBERNHARD SCHULERのオリジナル。

ユルいジャズですが、クリスマスにはこれでいいかな。

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2011/11/09

MUSIC IN YOU

待ちに待った西山瞳の新譜です。
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MUSIC IN YOU/西山瞳トリオ(MEANTONE RECORDS)

昔話をぽつりぽつりと語り始める様な冒頭の"STANDING THERE"。
何だか「I'M MISSING YOU」に一周して戻ってきたような語り口です。

これは彼女の全ての曲に共通することなんですけど、
自然なメロディの流れの中に毒があり、それがまた美しい。

例えばエヴァンスの"T.T.T"に対抗した(訳でもないけど)"T.C.T"は
"TWELVE CHORD TUNE"と云う玄人好みする遊びが入ってますが、
実験的な色合いを感じさせず、音楽として成立させているところが凄い。

少し前に出た東かおるの「STAR IN GREEN」の中でも唄われていた
"JUST BY THINKING OF YOU"の元のインストヴァージョンは
きっとこのアルバムの中で最も聴きやすい人気曲でしょう。
歌詞を付けて唄いたくなる気持ち、わかりますね。


個人的には"UNFOLDING UNIVERSE"のスタッカート気味な冒頭の躍動感が
心地よくてたまらないです。
"PATHOS"の自由に移ろっていくメロディに浸りたいです。
"KINORA"のトリオの呼応に集中したいです。
前作から久しぶりのリリースである上に
長い間ライヴも聴きに行けていない事もあり、
新しい音、昔の音などがぐるぐる頭の中を駆け巡りました。

さて、全アルバムを発表順に聴いてみるかー。

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2011/10/18

STAR IN GREEN

STAR IN GREENのファーストアルバムを聴きました。
ヴォーカルの東かおるとギターのJESSE FORESTのデュオユニットです。

高度な音楽を自然体でさらりと演奏していて、
音と声の佇まいがたまらなくよいのです。

印象的なのはスティーヴィーワンダーの"Overjoyed"、
日本語で唄われる東かおるオリジナルの"Star In Green"、
彼女とも関係の深い西山瞳の"Just By Thinking Of You -Yakusoku-"。
大事な曲を言葉一つ一つ丁寧に唄っているのがわかります。

こんな作品、なかなか出会えないですね。

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2011/08/21

I'm missing you 再発

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西山瞳さんのかつての自主制作盤がディスクユニオンから限定で再発。
しかも第二期レギュラートリオ時代の音源が
追加テイクが入っているのはむちゃくちゃ嬉しいボーナスです。
”Told at Sunset”,”Extreme Meet”,”Aprilis”が今回陽の目を見ましたが、
アルバム未収録の名曲はまだまだあるんですよね。

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2010/06/27

久々のジャズネタ

最近、食い物と旅行のネタばっかりで
すっかりジャズ関係のネタが少なくなっております。

正直、ここ数ヶ月、ジャズのCDを殆ど買ってない…。
夏場に向けて購入量が減るのは毎年の事ですが、
生活環境の変化が一番の要因かも。

だって、一番最近買ったのがコレだもん。
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冒頭の"HOW HIGH THE MOON"の妙に甘えた英語に
ずっこけてしまったんですけど、
"NIGHT AND DAY"などはいい感じのコケティッシュぶりです。
結構好きな声質だし。元々ちょっとファンだったし(笑)。

本気で続けると云うにはちょっと…なレベルですが、
企画モノとしてはまぁいいんじゃないでしょうか。

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2010/05/08

西山瞳&安カ川大樹 in creole 5th May.2010

ゴールデンウィークの最終日、神戸のクレオールで
西山瞳と安カ川大樹のデュオを聴いてきました。
私の好きなピアノとベースの組み合わせ。
ドラムが入らないと細かい表情に耳がいくようになるし、
細かいビートぢゃなくて、…何て云ったらいいのか、
「ビートよりも一回り上の大きなうねり」で聴いてる感じがして好き。

西山瞳のピアノを聴くのはかなり久しぶりでした。
去年の年末の恒例の晦日ライヴに行けなかったので、
8月以来って事になります。

今回の印象はコンポーザー色よりもプレイヤー色を強く感じました。
これはデュオだったって事もあるんでしょうけど、
関東でのライヴ活動で演奏回数を重ねている中で
曲がいい意味で咀嚼されてきてるのかも、と思いました。

個人的に”TCT”がとても良かったです。
これはエヴァンスの”TTT”からアイデアを膨らませた曲で
”Twelve Chord Tune”の略。
多調感がたまらない一曲。それでいて美しい。
こう云う曲が書ける人、そういないと思います。

インターナショナル・ソングライティング・コンペティション2009のジャズ部門で
3位に入賞したとの事でこれからの活躍がますます期待されます。

安カ川大樹のベースはいい距離感でピアノと絡んでた印象でした。
まとわりつくでもなく、離れるでもなく…。絶妙。
アルコも効果的でしたし、オリジナル曲がストレートに美しかったです。

また、このデュオを聴きに行きたいと思いました。

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2010/02/26

坪口昌恭Trio with 東かおる@jazz inn lovely

2010年2月25日、名古屋のjazz inn LOVELYで
坪口昌恭Trio with 東かおるを聴いてきました。
Ca3c0464

一癖二癖あるピアノ+ヴォーカルの顔合わせは
選曲もアレンジもキラ~ンと光る質の高いモノでした。
メロディラインの複雑な曲を好んで取り上げていました。
個人的には"THE PEACOCKS"を聴けて嬉しかったです。
その他、ヘレンエリクセンって人の"MILES DAVIS"って曲なんかも。
歌詞がジャズジャイアンツの名前の羅列なんですね。へー。
何人出てくるか途中まで数えてたけど、分からなくなった。

東かおるさんのヴォーカルは独特の響きがあって好き。
アタックが強くなくて、紡錘形のエンベローブを描く感じなので、
普通の曲を唄ってても、不思議な浮遊感があります。
んー、浮遊感…ってのはちょっと違うな。適切な言葉が思いつかない。
アメリカへ留学して、より一層個性が際立った気がします。

これからも注目したいヴォーカリストの1人です。


外に出ると、2月にしては暖かく、名古屋のテレビ塔の下で
桜がほころびかけていました。
Ca3c0461

ああ、名古屋もあと一ヶ月かぁ…。

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2010/01/30

悩ましきドルフィ発掘音源

久々にアマゾンでドルフィの名前を検索してみたら、
知らないうちに沢山の発掘音源が出ておりました。
ありがたい事はありがたいんですけど、これが実に悩ましい。
大抵の場合、録音状態が悪かったり、テープが傷んでたりと、
聴くのがツラい場合が無茶苦茶多いんですよねぇ。
それなら無視すればいいと思うんですけど、
「ひょっとしたら奇跡の発掘かもしれない。」って
思わず手を出してしまう訳です。

って事で、最近買ったドルフィのCDをきっかけにして
久々のドルフィ祭りinしほたつ邸を開催してみました。


Ca3c0274
■THE SALLE WAGRAM CONCERT
/CHARLES MINGUS&ERIC DOLPHY(JAZZ COLLECTORS)
発掘モノと云うより、コンプリートモノですね。
音は若干シャリシャリするものの、全く問題ありません。
しかし、「REVENGE!/CHARLES MINGUS(REVENGE!)」とほぼ同内容。
曲数が7曲多いのでかなりの追加だと思って買ってみたら、
そのうち6曲はチコハミルトン5TETの頃の音源ぢゃないか。
やられた…。
ドルフィが強烈なので許す。


Ca3c0277
■COMPLETE LIVE IN AMSTERDAM
/CHARLES MINGUS&ERIC DOLPHY(JAZZ COLLECTORS)
これも初CD化となったのは"FABLES OF FAUBUS"の中の
ミンガスのベースソロ部分だとか。
かつてDIWから出てたのより"SOPHISTICATED LADY"が多いみたいです。
コンプリートモノはありがたい事はありがたいんですけど、
CD2枚分を一気に聴くと、集中力が続きません。
やっぱり昔のLP一枚分くらいがいいバランスなのかも。


Ca3c0276
■COMPLETE 1961 COPENHAGEN CONCERT
/JOHN COLTRANE WITH ERIC DOLPHY(GAMBIT)
プライヴェートテープからの発掘です。
何より凄いのはブラウン=ローチの定番曲"DELILAH"を演ってる事。
録音は良くないですが、ぎりぎり許容範囲です。
"MY FAVORITE THINGS"のイントロで何らかのミスがあったようで、
演奏をストップして謝ってるコルトレーンの声が入ってるのも貴重か(笑)。


Ca3c0275
■FEAT.HERBIE HANCOCK COMPLETE RECORD/ERIC DOLPHY(LONEHILL)
恐らく以前取り上げた「ERIC DOLPHY QUINTET U.S.A./(UNIQUE JAZZ)」
同じ音源ではないかと思われます。これまた、やられた。
"Miss Ann"冒頭のドラムは布団を叩いた様なドフドフした音でまずズッコケ。
アルト、トランペット、ピアノの音はまだマシですけど、
ドルフィのソロはやや精彩に欠ける気がします。
ま、いつも通りの手慣れたおっぺけぺーなフレーズなんですけどね。
Ed Armourのアイデア不足のヘろへろソロに苦笑した後、
ハンコックのソロが出てくるんですけど、期待しすぎるとスカくらいます。
以前聴いた時には「未熟なプレイ。」と云い切っておりますが、
彼の音遣いはバンドカラーとは異質なクリアさを持っていますね。
少なくともミンガスバンドのジャキバイアードよりも
高いレベルでドルフィの音楽と接点がある感じがします。
一曲、ヴォーカル入りのトラックがあったので期待して聴いてみたら、
古臭~いR&B色の黒人ヴォーカルで苦笑してしまいました。
当時はこのスタイルが最新鋭だったんでしょうね。


Ca3c0278
■THE ILLINOIS CONCERT/ERIC DOLPHY(BLUE NOTE)
これは1999年に出たドルフィとハンコックの共演した発掘音源です。
発売当時に聴いた時はビックリしました。
上で取上げたアルバムを100としたら、銀河万丈です(意味不明)。


Ca3c0273
■THE CHICO HAMILTON QUINTET
WITH STRINGS ATTACHED/(WARNER BROS.)
チコハミルトン時代のドルフィのアルバムも聴いてみました。
このアルバムはストリングス入りなんですけど、甘さは皆無です。
1959年のアルバムとは思えないくらい録音もいいですし、
ストリングスアレンジのクールさは今の耳にも新鮮に聴こえます。
ドルフィのソロはかなりノーマルで"らしさ"は淡いんですけど、
精緻に構築されたサウンドの中にドルフィの音色が混じると、
微妙な綻びにドキッとしたりするんですよね。


Ca3c0279
■WALKIN'/BENNY GOLSON(AUDIO FIDELITY)
とにかくこのアルバム、参加メンバーが半端ない。
フレディハッバード、ビルハードマン、カティスフラー、
グラシャンモンカーIII、エリックドルフィ、ウェインショーター、
ビルエヴァンス、ロンカーター、チャーリーパーシップ。
なんちゅーメンバーや。
しかしながら、これだけの顔ぶれにも関わらず、
極めて常識的なジャズサウンドに纏めるところが
さすがベニーゴルソン(笑)。
とは云え"QUICK SILVER"や"ORNITHOLOGY"で
ドルフィのソロが聴けるのは思いっきり貴重ですし、
それなりに異彩を放ってて心地よいです。


Ca3c0280
■EZZ-THETICS/GEORGE RUSSELL(RIVERSIDE)
もー、かっこよすぎる。
理屈で語られる事の多いジョージラッセルですけど、
理屈抜きにかっこいいんだから、それでいいんぢゃないかー。
やっぱり冒頭の"EZZ-THETIC"がこのアルバムの肝でしょうね。
デイヴベイカー、ドンエリスと質の高いアドリブを展開し、
ジョージラッセルの音楽の純度がビシバシ上がっていったところで
ドルフィのソロが亜空間にこだまする瞬間が堪らない。
競争軸をずらした彼の立ち位置から存在感をアピールしまくる。


Ca3c0281
■OUT TO LUNCH/ERIC DOLPHY(BLUE NOTE)
エリックドルフィの代表作の中で一番聴いてないのがコレ。
今回、レコードを引っ張り出してきて聴いたのが15年以上ぶりです。
なぜならあんまり好きな作品ぢゃないから。
ドルフィが新境地を切り開こうとした意欲作だと云うのは感じますが、
その分、誰でも目指す方向に行ってしまった気がするからです。
特に時代を経て、前衛が"前衛―後衛"を示す前衛ではなく、
"ゼンエー"と云う当時のサウンドのイメージになってしまった今では
「ドルフィぢゃなくてもいいよなー。」と思えてしまうのです。
ぶっちゃけアンドリューヒルっぽく聴こえてしまうと云うのが本音です。
とは云え、ドルフィのプレイは神々しいくらい凄いと思います。
矛盾した事云ってますけど。


って事で、夜12時も近くなってきたので、ドルフィ祭りはこの辺で。

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2010/01/27

両立できるのか?

今池の辺りで気になるお店を見つけました。
Ca3c0255

「ジャズと酒とコーヒーと」と看板を掲げてるんですが、
店の前には「カラオケ」のノボリが…。

ん~、ジャズとカラオケってどうやって両立してるんだろう。

ひょっとして、ジャズ縛りのカラオケの店なんでしょうか?
常連さんがジャズのスタンダードを唄いまくってるとか。
"My way"や"思い出のサンフランシスコ"を唄う素人を鼻で笑って、
マニアな客が"The peacocks"とか"Tomato kiss"とかを
完璧な音程で唄ったりするのだろうか。
最後には店のママがドルフィの"Miss Ann"をヴォーカリーズで…。

…きっと、違うと思う(笑)。


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2009/12/23

久々のクリスマスアルバム特集

今や開店休業状態のウェブサイトQ'sですが、
年末になると、かなり気合を入れてクリスマス企画をやってました。
1999年から2005年にかけて、取り上げたアルバムは約200枚。
ジャズ関係のクリスマスアルバムをここまでを紹介してたサイトは
恐らく他になかったんじゃないかなぁ…。

って事で、久々にクリスマスアルバムを色々取り上げてみます。
音楽関係の記事を書くのが無茶苦茶久しぶりな気がする…。

普段、CDの感想文には点数は付けない様にしてるんですけど、
クリスマスアルバムだけはあまりに玉石混交なので
一応私の好み度と云う意味で五つ星を書いてます。あしからず。


■THE WINTER ALBUM/大嶽香子(DEFSTAR)
Ca3c1122
なかなかソリッドでかっこいいピアノです。
選曲もスタンダードなクリスマスソングから日本の曲まで幅広く。
「どんなアレンジで聴かせてくれるのだろう。」と
わくわくしながら聴き切ってしまう楽しいアルバム。
民生の”雪が降る町”もやってるしー。
三味線の吉田兄弟と鼓童との”戦場のメリークリスマス”も面白い。
★★★★

■WINTER,FIRE AND SNOW/BENITA HILL(SELF-PRODUCE)
Ca3c1131
以前ウェブサイトでも取り上げましたが、
誰も憶えてないと思いますので、こっそり再掲。
大人の落ち着いた声質でゆったり丁寧に唄う。
個人的にタイトル曲の”WINTER,FIRE AND SNOW”がいい。
他では殆ど聴かない曲。
★★★★★

■THE CHRISTMAS ALBUM/TILL BRONNER(BAM BAM)
Ca3c1130
確かネット友達の準さん教えてもらったアルバム。
トラックごとでオーケストラやコーラスなども入ってて、
贅沢な作りのクリスマスアルバムになってますね。
”SILENT NIGHT”のリハモが面白い。
”LAST CHRISTMAS”なんかも演ってます。
なんせ準さんお薦めだったので、一捻り二捻りあるかと思ってたら、
かなりオーソドックスな仕上がりの作品でした。
★★★

■CHRISTMAS IVORY/DAVE McKENNA(CONCORD)
Ca3c1129
デイヴマッケンナのソロピアノ作品。
デイヴマッケンナだし、コンコードだし、
聴く前から予想していた通り、王道を行くオーソドックスな演奏。
ストライドや左手のウォーキングベースで古風なテイストが多いかな。
但しちょっとリズムのヨレがあって微妙にノリ切れない気も。
ま、ソロにはありがちかな。
★★☆

■THE COOL SEASON/THOMAS MARRIOTT(ORIGIN)
Ca3c1128
THOMAS MARRIOTTってトランペッターのクリスマスアルバム。
オリジンレコードのホリデイコレクション第二弾と銘打たれてます。
折り目正しい演奏ではありますが、今どきのジャズらしい刺激的な音。
コードをホールドした陰鬱なAメロが印象的な”THE CHRISTMAS SONG”や
初期のショーターの様な浮遊感がちらつく”SKATING”など聴きどころも多い。
★★★★☆

■WINTER/HANS TEUBER(ORIGIN)
Ca3c1121
で、オリジンレコードのホリデイコレクション第一弾がコレ、だと思う。
HANS TEUBERってサックス奏者がリーダーかな。
全体的に静かでナチュラルな演奏なので、
ちゃんと耳を傾けようと思ってても、知らず知らずにBGM化してしまう。
★★★

■WINTER WONDERLAND/EMILIE-CLAIRE BARLOW(EMPRESS)
Ca3c1126
あれ、これってどこかで取り上げてなかったっけかな…?
ま、いいや。声が可愛く馬鹿ウマのEMILIE-CLAIRE BARLOWです。
この人には速いテンポの曲を期待してしまいますね。
って事で”SLEIGH RIDE”が強力に楽しい。
スキャットの音程の何と正確な事。歯切れも無茶苦茶いい。
この1トラックだけでも聴く価値あり。
他も曲も良いんですが、バラッドはやや節回しが甘え気味かなー。
★★★★★

■PEACE ROUND/YELLOW JACKETS(HEADS UP)
Ca3c1127
YELLOWJACKETって名前はよく訊くんですけど、
実際に意識して演奏を聴いたのは初めてかもしんない。
凝ったアレンジでも尖がらず、スムースな音楽に纏まってます。
★★★☆


■CHRISTMAS SONGS OUR FAVORITES
/ELLEN&BERND MARQUART(GEMA)
Ca3c1125
ピアノ&ヴォーカルの奥さんとトランペットの旦那さんのアルバム。
二人でデレデレな感じかと思いきやサラッと愛らしい仕上がり。
ストリングスアレンジは甘すぎず、クールすぎず、いい感じです。
オリジナル曲も4曲ほど織り交ぜられており、
ありがちなクリスマスアルバムに陥らない工夫もあって○。
何より奥さんの声が可愛い。
★★★★★

■CHRISTMAS ROSE/MEG(UNIVERSAL)
Ca3c1132
いきなり日本語歌詞の二昔前のポップス調でズッコケます。
続く曲が”MY FAVORITE THINGS”と”MOON RIVER”なので
クリスマスアルバムと云うにはちょっと選曲が微妙です。
しかも英語の発音がヒドい。

■THE SEASON/JANE MONHEIT(EPIC)
Ca3c1124
これも2003年にウェブサイトに一度紹介してるCDです。
すっかりジェーンモンハイトもビッグネームになりました。
とにかく唄える曲の幅が広いですね。
2003年の感想文ではしほたつ君はこんな事を書いてます。
--------------- 8< ---------------
この人、曲によって声質や歌い方を使い分けてます。
"HAVE YOURSELF A MERRY LITTLE CHRISTMAS"と
"SLEIGHRIDE"とじゃ、まるで別人です。
静かな曲ではクラシカルな唱法で情感込めて唄い、
アップテンポの曲ではストレートな声で大胆なフェイクを交える。
器用ですが、嫌味がないので気持ちよく聴けますね。
--------------- 8< ---------------
うんうん。同意見だ(笑)。
★★★★★


■MY HOLIDAY/MINDY SMITH(VANGUARD RECORDS)
Ca3c1123
ジャズと云うよりフォーク色の強い歌手ですね。
声が澄んでいて愛らしい。どことなくイノトモに似てる。
って、喩えがマイナーなので誰にも伝わらない(笑)。
歳を取ったせいか、こう云うサウンドに癒される…。
選曲も超メジャーな賑やか系の曲は避けて
穏やかな一枚に仕上げてあるのがいいです。
★★★★


とりあえず、今年のクリスマスアルバム特集はこの辺で。
あー、今年も開封できなかったCDが…(笑)。

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2009/11/05

久々のジャズヴォーカル

長らくジャズ関係の話題を書いてなかったので、
ここが元ジャズメインのブログだった事を
すっかりお忘れになっている方もいらしゃるでしょう。
大丈夫です。私も忘れてました。

実際のところ、最近、ジャズをガッツリ聴く頻度が下がっております。
家ではノンジャンルで色々聴き散らかし、雑学的なDVDを観ぃ、
通勤中には伊集院光の深夜の馬鹿力の音源ばかり聴いてます。

って事で、リハビリがてら、
ちょっと前に買って未開封だったCDを聴いてみました。

Inga_swearingen
「FIRST RAIN/INGA SWEARINGEN()」
アメリカのサンルイスオビスポって街の歌手だそうです。

好きな声です。
無理なく自然な唄い方はよい意味でフォーキーでありながら、
ジャズ的な凝り方もちょこっとあってニンマリできます。
"BLACKBIRD"なんかかなり面白いアレンジです。
ゆったりと6拍子で唄う"SKYLARK"も心地いいなぁ…。

他にも2枚ほど聴きましたが、
彼女の唄はいいのに、楽器隊のレベルが…。
やっぱり「FIRST RAIN」が一番良かったかなー。


ま、久しぶりに聴いたから新鮮だったのもあるかも。

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2009/08/21

parallax in creole 16th Aug.2009

レポートが遅くなってしまいましたが、
お盆休みの最終日に三宮のクレオールで
久々のパララックスのライヴを聴いてまいりました。
お昼2:00からスタートと云う健康的な時間帯に
クレオールの店内に100人にも及ぶお客さんが犇めき合い、
一種独特の異様な空気の漂う雰囲気でありました。

現在ドラムの清水勇博がアメリカで活動しているので、
parallaxの3名が揃うのは久しぶりです。
皆さん、それを期待して集まったんじゃないかと思います。

この日のプログラムはアンコールの1曲以外、全て西山瞳のオリジナル。
彼女のオリジナル作品が100曲を超えた事を記念した
100曲祭りって企画にあたっておりまして、
特にparallaxでしか演奏できない難曲が中心になってました。
当たり前に5拍子、当たり前に7拍子です。

久しぶりにこのトリオのサウンドを堪能する事が出来て満足でした。

クレオールはブロックと鉄筋むき出しなので、
普段はかなりライヴで冷ややかな響きなんですけど、
これだけ人が入ると、音が吸収されて、いつもと違う音に聴こえました。
目を開けてると、色々気が散るモノが多かったので、目を瞑って聴いてたら、
自分がクレオールにいるのかどうかわからなくなる空脳現象が襲ってきました。


さて、次にこのトリオが聴けるのはいつなんだろうか?
このバンド専用の新曲がまた聴けるようになるんだろうか?
そして、今度聴く時はどんなサウンドになってるんだろうか?
勝手に色々期待する事が多いだけに
ロングスパンで追いかけていきたいバンドですね。

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2009/08/15

実家のレコードを聴く 2009年盂蘭盆 その12

実家のレコードを聴く 2009年盂蘭盆 その12
■SUITE MINGUS/DENNY CHRISTIANSON(JUSTIN TIME)
ビッグバンドものです。
ゲストのペッパーアダムスをフィーチャーし、
ミンガスを題材にした組曲などを演ってます。
割とオーソドックスなバンドに
ペッパーアダムスのゴリゴリのバリサクが入って、
間違いなくパワーアップしてますね。

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実家のレコードを聴く 2009年盂蘭盆 その11

実家のレコードを聴く 2009年盂蘭盆 その11
■IMAGES/SONNY RED(JAZZLAND)
今回の帰省で一番聴きたかった一枚。
覚王山のCASKでソニーレッドの参加してるアルバムを聴いて、
彼のシクシクしたアルトの音色の魅力を再認識。
ソニーレッドの数少ないリーダーアルバムを引っ張り出してきた訳です。
メンバーも渋過ぎるぜ〜。
ブルーミッチェル、バリーハリス、グラントグリーンって。

"DODGE CITY"は無茶苦茶よく聴きた一曲。
録音もいいし、これぞハードバップと云う良作。
しかもA面一曲目はモード的だったりする。
"もっと評価されるべき"タグを付けたい(笑)。

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実家のレコードを聴く 2009年盂蘭盆 その10

実家のレコードを聴く 2009年盂蘭盆 その10
■LIVE IN ITALY/SONNY CRISS(FRESH SOUND)
フレッシュサウンドがまだ古いジャズ中心だった頃のLP。
ソニークリスの1974年のライヴ盤です。
バックがジョルジュアルバニタトリオ。
但し録音があまりよくありません。
ソニークリスは相変わらず節操なく吹き飛ばしてます。
手癖だらけの装飾音で飾り立てたフレーズも
ここまで下世話にやり捲ると、むしろ気持ちいいです。

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実家のレコードを聴く 2009年盂蘭盆 その9

実家のレコードを聴く 2009年盂蘭盆 その9
■EGENHANDIGT/BENGT HALLBERG(PHONETASTIC)
ベンクトハルベルクのソロピアノアルバムです。
ストライド主体の古風な演奏。
ゴールデンサークルライヴの様な破綻は少なく、
終始和やかな一枚です。
ちょっと物足りないかなー。

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実家のレコードを聴く 2009年盂蘭盆 その8

実家のレコードを聴く 2009年盂蘭盆 その8
■BLACK LIGHTNING/DOLLER BRAND(BELLAPHON)
いきなり雷の音から始まりますので、面食らいますが、
その後は開けっぴろげなアフリカサウンドです。
簡単なテーマを提示したら、ひたすら1小節のパターンの反復。
その中に不思議な陶酔感があるんですよね。

裏ジャケには拳法着のダラーブランドが写ってたりして、
イカツい雰囲気が漂ってますけど、
実に脳天気なスコ~ンと明るいサウンドであります。
Doller

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2009/08/14

実家のレコードを聴く 2009年盂蘭盆 その7

実家のレコードを聴く 2009年盂蘭盆 その7
■REMINISCIN'/GIGI GRYCE(MERCURY)
ジャズを本格的に聴き始めて5〜6年経った頃、
好きなジャズマンを訊かれたら、
ジジグライスと答えてた時期がありました。
渋いところを挙げて通ぶってたのもありますが、
彼の知的でクールなスタイルと音色が好きだったのも事実。
しかもアレンジにも長けてるときた。
私にとっちゃ下手の横好きでサックスを始めたものの、
昔からやってる人ほどバラバラ吹けないので、
最小限の音数でかっこいいプレイを目指すのが精一杯。
その目標になってたのがジジグライスだったんですね。

今聴き返してみると、結構音数多いし、
素人が目標に出来るレベルではあらしません。

湧き上がる昂奮などとは無縁のジャズですが
知的な印象は変わらず。
やっぱりかっこいいなぁと、魅力を再認識しました。
リチャードウィリアムスのトランペットがワンパターンな以外は
聴き応え十分なアルバムです。

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2009/08/13

実家のレコードを聴く 2009年盂蘭盆 その3

実家のレコードを聴く 2009年盂蘭盆 その3
■LIVE AND DOIN' IT/CARMEN McRAE(MAINSTREAM)
カーメンマクレエの1965年のライヴアルバムです。
てっきり70年代後半位の作品だと思ってました。
アップテンポの曲はややライヴならではの粗さがあるものの、
バラッドの情感はいつものクォリティです。
特に"涙の乾くまで"のしんみりさはいいなぁ。

全編通して、ベースのヴィクタースプロールズの
べた〜っとした重さがちょっと残念ですけど。

"コルコヴァード"なんてのを歌ってますが、
語り調でスローで歌ってるので、
ボサっぽくはないですね。

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実家のレコードを聴く 2009年盂蘭盆 その2

実家のレコードを聴く 2009年盂蘭盆 その2
■SAHIB SHIHAB AND THE DANISH RADIO JAZZ GROUP/(OKTAV)
サヒブシハブは再評価が進んでる人じゃないでしょうか?
ジャズの雑誌は読まないようにしてるんですが、
店頭やネットショップを見てると
廃盤になってたアルバムが再発されてますもんね。
このアルバムも澤野工房の発掘モノ。
割と大きいバンドでかっちりしたアレンジがなされてます。
ジャケにも白人ばかりが写ってますように、
サウンドもウエストコースト的な印象。
それにサヒブシハブのゴリゴリしたバリサクがイカツさを加味してる感じ。

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実家のレコードを聴く 2009年盂蘭盆 その1

実家のレコードを聴く 2009年盂蘭盆 その1
ただいま実家でのんびり休養中。
iPodで伊集院光を半日聴いてたんですが、
さすがにお腹一杯になってきたので、
音楽に切り替えますわ(笑)。

考えてみたら、手持ちの音楽ディスクの記事を書くのって
むっちゃ久々やったりして…。

■GROOVIN' HIGH/BOOKER ERVIN(PRESTIGE)
ブッカーアーヴィンって好きなんですよね。
ワンパターンだし、フレーズ尻がだらしないし、
粗いアルバムが多いし、
絵に描いたようなB級プレイヤーですが、
なぜか肌に合うんですよ。
だから人には薦めませんし、
酷評されてるのをみても「仰る通り。」と思います。
でも、分からない人は可哀想だとも思う。
何て云うか、
レベルの高い料理に舌鼓を打った翌日に
下町の焼鳥屋でチューハイぷは〜っってやっても
別にいいじゃんって事なんです。

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2009/08/09

西山瞳トリオ at トヨタホーム 9th Aug.2009

名古屋の夏のジャズイヴェント、Nagoya Groovin' Summer 2009に
ちょこっとだけ行ってきました。
色んな会場をチラチラ覗いて、
と云うか、かなりスルー気味に聴き散らかし(失礼!)、
辿り着いたのが、トヨタホーム会場。
全然Groovin'じゃない西山瞳トリオでした(笑)。

キャパが50名くらいしかない会場だったので、
開場するやいなや超満杯状態。

元々音楽用に作られたスペースではなさそうで、
壁や天井に音響の細工がない状態。
音のバランスはお世辞にもよくありませんでしたが、
それを補って余りある魅力ある演奏だったと思います。
きっと初めて彼女の演奏を聴いた人にも
良さが伝わったんじゃないかと思います。

個人的には特にドラムのバランスが崩れていた事で
イガイガした異分子が混ざり込んできた様な感じがして、
それが逆に面白い味になっていた様に思います。
7拍子の速い曲などはヒートアップも相俟って、
かなりドラム過多なバランスになってしまっていましたが、
ギリ脳内補正できる範囲内でした。

更に個人的にはアンコールで演奏した"Aprilis"がよかった…。
西山瞳がオリジナル中心で活動し始めた初期の曲で
彼女には珍しく明るい曲です(失礼!)。
この曲を聴くと、どうしても横浜ジャズコンペティションで
彼女のトリオがグランプリに輝いた後の
ランドマークプラザでの情景が浮かんできてしまい、
思わずジーンとなってしまうのです。
普段、音楽を思い出と結びつけて語る事を避けてる私ですが、
この曲は、あかん…。
明るくて優しい曲だけに、余計にきてまう…。

その時のブログを引用するとこんな感じの事が書いてあります。

----------------- 8< -----------------
ランドマークプラザのステージは天井吹き抜けのオープンスペースでした。
常に建物の中のざわつきがある中での演奏。
恐らくファンクバンドやビッグバンドなど、
通行人に耳にもドカンと飛び込んでくる音楽を演るスペースとしては最高なのですが、
西山さんの様な聴き入る音楽にはやや不向きな場所でした。
喩えるなら雑踏の中で詩を朗読する様なモノです。
恐らく吉永小百合でも四苦八苦する事でしょう(笑)。
そんな環境で徐々に彼女達の音楽に聴衆を引き込んでいく力量に感心しました。
しかも、ざわめきにかき消されるくらいのピアノの弱音から始まり
演奏を組み立ててクライマックスへと運んでいく普段のスタイルを崩さないで…。
確かに途中で席を立つ人もいました。
けれどそこに別の人がすぐに座ってお客さんの濃度も高まっていきました。
最後の方は多くの人が彼女達の音楽に引き込まれていた様に思います。
ステージが終わって彼女のCDを求めて人の列が出来ていました。…。
                          (October 10, 2005) 

----------------- 8< -----------------

俺ってエエ文章書くやん(笑)。

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2009/07/27

平野クミ at SWING 26th july 2009

土砂降りの中、新栄町のジャズの店SWINGに
平野クミさんの歌を聴きに行ってきました。

ライヴ前に近くの店で腹ごなしをしようと
少し早目に出かけたんですけど、
滝の様な雨の直撃に会いました。
舗道に水が溢れ返り、川になってました。
ゴミの袋がプカプカと浮かんで流れていく…。
目的の呑み屋を目の前にして、進路が断たれると云う
まるでロールプレイングゲームの様な状態。
結局、勇者の長靴がなかったので、川を渡れず。

仕方がないので、別の店で軽く呑んで、
ぐじょぐじょの靴下を乾かす事になりました。


で、ほろ酔い気分で平野クミさんのライヴへ。

ヴォーカル+ギター+ベースの好きな編成での演奏でした。
スタンダード中心の、コールポーター多めの、
気持ちのよいライヴでありました。
平野クミさんの声、好きだなぁ…。
ナチュラルで可愛い。歌詞を大事に発音してます。
で、スキャットも無理がなくて、それでいてメロディアス。
「もっと評価されるべき」タグですね。

お客さんは恐らく常連さんばっかりだと思われます。
かなりのチャンジー層でありました。
私はほろ酔いでしたが、かなりへべれけの人がいて、
途中からシェーカーを振り始めたので閉口しました…。
せっかく気持ちよく聴いてたのになぁ…。

愚痴っぽくなっちゃったので、最後に微笑ましいコネタを。
SWINGのメニューより。

Tontsuku_2
ジントンツクです。

Tontsuku02
トンツク、トンツク。
さすがジャズの店だけにリズミカルです。


外の豪雨を忘れるような、穏やかなライヴでありました。

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2009/06/30

井上淑彦&西山瞳 in DOXY 26th Jun.2009

レポートが遅れましたが、先週金曜日、名古屋ドキシーで
サックスの井上淑彦とピアノの西山瞳のデュオを聴いてきました。
演奏したのは二人のオリジナル+民族音楽でした。
個人的にドラムが入らないのは好きです。
聴き手にとっては楽器の表情が細かく読み取れるから。
演奏する側も大きな音に対峙する必要がなくなって
表情豊かになる様な気がします。
井上さんも西山さんも、ありがちなジャズからは離脱した人。
方向性は全然違うんですけど、お互いが惹かれあって
事あるごとに共演してるのはなかなか興味深いです。
井上さんのサックスはかなりサブトーン気味で
サックスの音を聴いてる気がしません。
どこかの国の(云ってたけど忘れた)曲を吹いた時なんかは
民族楽器の笛の様な柔らかな音の揺らぎや倍音を感じました。
何度も聴いた西山さんの楽曲も違った生命感があり、
有機的な感触が強く思えました。
 
何だか感覚的な表現になってしまいましたが、
そんなスピリチュアルな印象の強い演奏だったのです。

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2009/06/11

久々にガツンときたCD

考えてみたら食べ物ネタばっかりで音楽ネタがなかったですね。

ちまちまと音楽作りをやってたんですけど、
MIDI環境のどっかがおかしくなったようで
PCから音源への信号が流れなくなってしまった。

音楽的に欲求不満が蓄積してきたので、
昨晩は結構大きな音で音楽をかけ倒しました。


で、購入後、眠っていた在庫を聴き漁ってたら、
…やっぱり凄いわ、Arbenz。

Outstage
「OUTSTAGE/VEIN(META))」

こんな演奏を目の前で聴いたら、失禁すると思う。
で、周りの人も「この演奏じゃ仕方ないね。」と許してくれるレベルだと思う。
って、演奏の素晴らしさを表現するのにふさわしくない表現でした。

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2009/05/03

昔、好きだったヒト

昔、好きだったヒト
実家のレコードは今の私の好みからは
ちょっとズレてます。
ジャズを聴き始めた頃に買ったモノだし、
その中でも好きなアルバムは今の家に
持っていってますから。
いわば、昔活躍した二軍の選手みたいな感じ。

でも、長らくジャズを聴いてるうちに
好みが一周して戻ってきたり、
昔、ピンと来なかった音楽が妙に沁みたり…、
まあ、そんな事もよくある事です。
だから、私は中古屋に売らない。


で、このエラのライクサムワンインラヴは
実のところ苦手なアルバムでした。
ストリングスのアレンジが甘過ぎて古臭い。
ジャズ的魅力は希薄で、ムード音楽的。

ところが、今回、久しぶりに聴いてみたら、
昔ほどの嫌悪感はなくなってました。
ユルめのストリングスが心地よい。

私も歳をとったって事かのう…。

丁寧にゆったり唄うエラが愛らしい。

やっぱり、いいなぁ…。今でも好きです。

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2009/04/22

藤が丘な一日

先週末ですが、地下鉄東山線の東の終点、
藤が丘をぶらぶらしました。

と云っても、普通の街なので、お店2軒行っただけ。
しかもどちらも既出。

まずはジャズ茶房青猫。
JBLとGOLDMUNDの組み合わせでライヴな響きなので
とても色っぽい音がします。
マスターのCDチェンジが頻繁なので(約2曲ごと)、
アレコレ聴けて面白いトコロもありーの、
もうちょっと落ち着いて聴きたい気持ちもありーの、
トツ(ry。

私の座ったところから窓の外を眺めるアングルで。
外はいいお天気です。
青猫の看板が小さく見えます。
Aoneko

この日の収穫はこちら。
「THE LIGHT/KETIL BJORNSTAD(ECM)」
The_light
一応ジャズにカテゴライズされるんでしょうけど、
ヴォーカルがベルカント唱法のメゾソプラノなので、
殆どクラシックの声楽を聴くイメージです。
青猫のシステム&たっぷりの残響&たっぷりの音量で聴くと、
ヴィオラの音が無茶苦茶艶っぽい。
うちのシステムでどんな音がするのか気になって
思わず家に帰ってアマゾンで即買してしまいました。
しかし、ウチのデッドな音&みみっちい音量じゃなぁ…。


青猫を出て、目指すは月乃蔵。
ここは実に優れたお店です。
素材が素晴らしいし、お酒の品揃えも面白いです。
それから大将が気さくでいい人です。

Tsuki_no_kura_otoshi
お通し。

Tsuki_no_kura_shimesaba
〆鯖。

Tsuki_no_kura_sansai
この日のヒット、山菜三点盛り。
せり、あずき菜、うこぎ。

Tsuki_no_kura_taakboyaki
陶板玉子焼き。
殆ど味付けせず、濃い卵の味を堪能。
これはちょっと驚きの一品です。

あと一ヶ月もすると、生の朴葉を使った料理が出るそうなので、
また行ってみたいと思います。

ホント、いいお店です。
太田和彦なら
「僕はここが東山線の終着駅だと思うんだ。」
と云う事でしょう。って、ただの状況説明かい。
うう、わかりにくいネタ…。

お後があんまり宜しくなかったですが、この辺りで。

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2009/04/14

板谷薫 in STAR EYES 14th Apr.2009

東海エリアを中心に活躍してはるヴォーカリスト、
板谷薫さんのライヴに行ってまいりました。

メンバーは下記の通りです。
板谷薫(vo),後藤浩二(pf),日景修(b),奥村将和(ds)

板谷薫は初めて聴きましたが、
ストレートな飾らない歌い方に好感の持てるヴォーカルでした。
選曲はスタンダードの中でも映画音楽中心で、
とりわけオードリヘップバーン関係の曲が多かったです。
好きなんでしょうね。
その好きな曲を丁寧に唄っているのがとても印象的でした。
マイフェアレディの中から他の人が殆ど取り上げる事のない
"Wouldn't It Be Loverly?"を唄ってました。
彼女の声に合った愛らしい曲でした。
その他にも"That's all"をスローで唄ってたのが良かったです。
アップテンポで唄う人も多いけど、やっぱりこの曲はスローだよねー。

ちょっと気になったのが、急に黒人的な喉の使い方をしたりする事。
うーん、色々できるのはわかるけど…。


で、一番びっくりしたのが、後藤浩二の激痩せ。
久しぶりにみたら、顔つきがかわり、オシャレになってました。
最後に見たのがいつだったか、blogを見返してみたところ、
ちょうど2年前の4月でした。ま、2年もあれば、変わるか。
でも、プレイは変わらず素晴らしかったです。
アイデアに溢れ、起伏に富んだソロをとってはりました。


それから初めて聴く日景修のベースはとてもメロディアスでした。
手堅く安定したスタイルで何の無理もなくアドリブしてるのが、
逆に凄かったです。


音楽の話はこの辺にして…。
STAR EYESはさりげなく食べ物も充実してたりします。
私は外で食べてから行く事が殆どですけど、
STAR EYESスタートでも十分です。
但し、空いてる時と混んでる時とでは、
料理の出てくる時間が全然違ったりするんで
要注意かも…。

写真は赤鶏の味噌マヨネーズです。
如何にも東海っぽいでしょ。
とても美味しかったですよ。
Miso_mayo


ちなみに店のマスターが伊勢出身なので
必ずお勧めメニューのところに伊勢うどんが書かれてます。
頼んだ事はありませんが…。

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2009/03/21

アルバム・オブ・ザ・イヤー 2009

3月にして、アルバム・オブ・ザ・イヤーが決定しました。

Ichiko_mishio

橋本一子と小川美潮のデュオ!
しかも相当自由なインプロヴィゼーション。

鳥肌立ち捲くりました。
こんなに凄みを感じた小川美潮は初めてです。
やっぱり天才です。

橋本一子のピアノも凄い。音に念が篭ってます。

双方の個性が溶け合い、弾け合い、
とんでもないスピリチュアルな音楽を展開してます。
それでいて手の届かないところに行ってしまわず、
聴き手の近くで鳴ってくれる。
トラックによってはかなり天然色な演奏も。それがまた可愛い。

きっとこれを超えるアルバムには今年中に出会えないと思ったので、
当blogでのアルバム・オブ・ザ・イヤー2009はこれに決定です。

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2009/03/12

東かおる&西山瞳 in Doxy 12th Mar.2009

あら。今年入って、ジャズネタは2つ目やん。
いかんいかん。ややジャズ離れ状態ですね。

Doxy

昨日はヴォーカルの東かおるさんとピアノの西山瞳さんの
デュオライヴが名古屋のDoxyでありました。

東さんのヴォーカルは過去にも何度か聴いておりますが、
ニューヨークから帰ってきて、音楽に一本スジが通った感じです。
殆どありきたりのスタンダードを唄いません。
昨日も冒頭に"SKYLARK"を唄ったくらいで、
それも何だか微妙な転調を効かせてた気がする…。
後はインスト曲のヴォーカリーズが多かったです。
音程の取りにくそうな難しい曲の比率が高く、
それらを正確な音程で唄いこなします。
それでいて気負わず自然な唄い方。
声も膨らみのあるシルキーな柔らかさがあり、心地よい。

英語の発音もとても綺麗なんですが、
時々、日本語の歌詞で唄うんですね。
この歌詞が結構おバカで面白い。
かなり狙ってます(笑)。いや、天然なのか…(失礼)。


西山さんの歌伴は久々に聴きましたが、
題材が題材なので、普通のソロを聴いてる感覚でした。
西山さんのオリジナル曲に歌詞を付けたのんもやってました。
歌詞が乗るとイメージが変わって面白いですね。


何だかとっちらかった感想文になってしまいました。

とにかく、志しの高いヴォーカリストは頼もしい。
今後も活躍に期待します。

Owl

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2009/02/09

笑ったジャケット

笑ったジャケット
ただの再発かと思ったよー(笑)。

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2009/01/03

姪っ子にジャズを聴かせてみた。

まだ6歳の姪っ子にジャズを聴かせてみました。

基本的にじっと音楽を聴いてる訳がないので、
試みとして失敗に終わりました。

わかりやすいところでピーターソンをかけても全く無視。
歌モノでステイシーケントやアンサリーも聴く耳持たず。
かなり迎合してTV JAZZを聴かせてみたけど、
6歳の女の子にとってはネタが古過ぎました。

やはり無理だったか〜。

しかし、唯一反応したのが、なんとB-HOT CREATIONS。
Set_me_free

ベースの加藤真一率いる超ジャズバンドです。
姪っ子はNobieのかなり自由なスキャットを聴いて
飛び跳ねながら、フレーズの真似を始めました。
さっきまでポニョを歌ってた子とは思えません。

しかし、続く田中信正のイカレたピアノは完全スルー。
フッ…、まだまだだな…。

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2008/12/31

astrolabe(西山瞳×馬場孝喜)@クレオール

恒例の西山瞳の晦日ライヴを聴きに
神戸のクレオールに行きました。

色々書きたいんですが、携帯での更新の為、
最小限の感想文をば。

良かったです。以上。






あまりに最小限過ぎるので、もう少し。


この日のライヴはピアノ×ギターと云う
魅力的なフォームでの演奏でした。
しかもセカンドステージでは今作曲途中の
組曲の1〜4曲を演ると云うではありませんか。

この刺激的な試みは2つの意味で
日本のジャズのマジョリティから逸脱してます。

一つ目の逸脱は楽器編成。
日本のジャズファン
はピアノ好きが多いですが、
どちらかと云うとピアノ×ベース×ドラムのトリオを好み
それ以外は変則的と捉える傾向が強いと思います。
特にギターとのデュオともなると
敬遠する人も多いんじゃないでしょうか。

そして、もう一つの逸脱は
作曲ウェイトの極めて高い構成です。
ジャズを聴いている人の大半は
アドリブこそがジャズの本質だと感じてる筈。
確かにコレはジャズの屋台骨に違いないですが、
安易なアドリブ過多の演奏が
ジャズを瞬間芸術と云うよりも
瞬間興奮音楽(今、作った。)にしてしまってる気もします。
即興から得られる音は偶然性のスリルを孕んでいるけど
緻密に作曲された音の密度には
遠く及ばないと思う。
私個人の経験としても
クラシックをしこたま聴いた後でジャズを聴くと、
音の隙間が気になる事がよくあります。
ホントの意味でのジャズとクラシックの融合って
両者のエエトコ取りをする事じゃないかなぁと
思ってみたりする訳です。

おっと、話が逸れました。

別に西山さんの音楽がクラシック寄りなのではありません。
マイナーな試みをしてても
軸足はポピュラーミュージックにしっかり残ってて、
自然で表情豊かなメロディを聴かせるところが凄い。
試みは新しくても、実験的な頭でっかち感は皆無です。

ま、ハーモニーは鬼畜ですが(笑)。


昨夜のクレオールはスニッカーズ並みにぎっしり満員。
聴くと前日の京都キャンディも一杯の入りだったとの事。

ギターデュオで、この試みで、
お客さんが集まるって事は
それだけ彼女の音楽を理解し、期待する人が
増えたって事で、嬉しい限りです。

来年も西山瞳の音楽は我々の期待に応えたり、
はたまた期待を裏切ったり
好き勝手に変容していくんだろうなぁ〜。
わくわくします。

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2008/12/18

昔作った曲 その9

久々の「昔作った曲」ネタです。

その昔、ニフティで自作MIDIをアップしてた頃、
はっきり云って、私の作品は全然人気がありませんでした(笑)。
魅力的な曲を作る人が沢山いたから当然なんですけど、
その中で最も聴いた人の少なかった曲がコレでしょう。

曲のタイトルは"Good bye our spot"。
私にとってはちょっと思い出のある作品です。


大昔、アマチュアのジャズ系バンドをやってた頃、
月イチで演奏させてくれてた店がありました。
今から考えると、あのレベルの演奏を
よくもまぁ人前でやってたなぁと思いますが、
得がたい経験であった事も事実です。

その後、私は仕事の関係で関西を離れましたが、
残りのメンバーはライヴを続けさせて貰ってました。

けれど、しばらくして、そこが店を畳む事になりました。
思い出の場所がなくなってしまうのはとても残念でした。
その気持ちを込めて、ラストライヴの為に作ったのが、この曲。
私には珍しく、かなり「泣き」の入った曲調になってます。


ま、そんないきさつで作ったため、自分で演奏した事がありませんでした。
で、MIDIで作ってニフティにアップしたんですが…、
ニフティ時代の知り合いにもちゃんと聴いて貰えなかったと云う
いわくつきのMIDI作品と相成りました。

Ca3c0037理由はMU80+VL70mで作ったから。
当時のMIDI音源の主流は
ローランドのSC88でした。
劣勢のヤマハの音源を使った上に
当時鳴り物入りで登場した
物理音源のVL70mを使ったので
実際に聴ける環境にある人は
ごく一部だったと思います。


今回、この作品を初MP3化しました。

…と、書くと、お宝音源っぽいですけど、
実はかなり出来が悪いです。
物理音源はブレス情報まで細かく反映してくれるかわり、
データの修正が面倒なのです。
ぶっちゃけ、演奏スキルが低いと誤魔化しようがない、って事です。
更に何を思ったのか、当時の志保龍Qくんは
サックスパート以外も殆ど無修正で行こうと決断した様です。
アホです。
そんなのはちゃんと演奏できる人のやる事なのです。

特にピアノソロパートは聴くに耐えないので、
今回作り直そうかと思いましたが、
現在のしほたつくんも無修正で行こうと決断した様です。
アホはいつまで経ってもアホです。


思いっきり前置きが長くなりましたが、よかったら聴いてください。

Good bye our spot

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2008/12/06

イカツいジャズの朝

今週聴いたATOMICの影響でイカツめのジャズを
久々に聴いてみたくなりました。
ただでさえスルーされがちなジャズネタで
更にスルーされそうなアルバムをセレクトをしてみましょう。


Postures
■POSTURES/HAVARD WIIK(JAZZJAND)
HAVARD WIIKの2002年のリーダートリオ作です。
この人、ATOMICのピアノなんですね。
イメージが一致してませんでした。
ATOMICでのプレイと違うと感じたのは音の積み重ね。
ATOMICの場合はあまりコードを押さえてなかった。
単音と云う訳ではないんですが、
和音と云うよりも濁った音をワザとぶつけたり、
対位的に不協音を出してた感じだったんですね。
自己のトリオとなると、割と常識的にコードワークしてます。
ま、ATOMICではバンドカラーの一部に徹してても、
トリオになると役割分担が増えるから当然なんですけどね。
リーダートリオでのプレイは極めてヨーロッパ的です。
厳しい音の積み重ねの中に花開く美しさ。
けれど全体的には線が太く、ヌルさは微塵もありません。


The_arcades_project
■THE ARCADES PROJECT/HAVARD WIIK(JAZZLAND)
もう一枚HAVARD WIIKを棚から引っ張り出してきました。
こちらは2007年のトリオアルバム。
をー、更にイカツく進化してる。
上で挙げたアルバムよりもメロディアスな面は引っ込み、
ソリッドな音の破壊力が前面に出てきた感じです。
メンバーの入れ替わりも大きな要因っぽいです。
決してこれはフリージャズではないですが、
フリージャズと同じくらいのエネルギーが伝わってきます。
昔はどしゃめしゃでしか表現できなかったんだろうけど、
明らかにジャズは進化してるなぁと実感しました。
60年代、70年代のジャズで止まってる人には
是非聴いてもらいたいミュージシャンですね。


Mandelstam
■MANDELSTAM
/PER HENRIK WALLIN&HIZ GANG(MOSEROBIE MUSIC)
PER HENRIK WALLINは「COYOTE/(DRAGON)」を聴いて
ぶったまげたピアニストです。
事故で首を損傷し、障害が残ってしまったので、
その時の様なプレイはできないみたいですが、
体は滅びようと魂は朽ちずで、イカツい音楽を演り続けてます。
このアルバムは2003年のストックホルムのライヴ盤です。
PER HENRIK WALLIN率いるビッグバンドが熱いプレイを展開。
醜くも美しいハーモニーの心地よい事。
ATOMICのフロントのFREDRIK LJUNGKVIST(TS)と
MAGNUS BROO(TP)も参加しております。


朝から濃い音楽を聴き続けたら、どっと疲れてしまいました。
短いですが、ATOMIC絡み3枚で失礼します。

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2008/12/04

ATOMIC in TOKUZO 4th Dec.2008

名古屋今池のTOKUZOにATOMICを聴きに行きました。
Tokuzo_2

ATOMICは愛知万博の時に来て以来の名古屋との事。
って云うか、愛知万博で演ってたんですね。へー。

ATOMICをご存じない方の為にちょっと書きますと、
フロント2管の北欧中心メンバーのバンド。
北欧と聞いて思い浮かべるイメージとは全く違って、
フリージャズに片足突っ込んだイカツイ演奏をします。
メンバーは下記の通り。
Fredrik Ljungkvist(ts,cl)
Magnus Broo(tp)
Havard Wiik(pf)
Ingebrigt Haker Flaten(b)
Paal Nilssen-Love(ds)
実物をみたら、結構なおっちゃんでした(笑)。

このブログでもちょこっと取り上げた事がありまして、
それを抜粋してみますと、

-------------- 8< --------------
■「HAPPY NEW EARS!/ATOMIC(JAZZLAND)」を聞いての感想
新しいジャズみたいに書かれてる事が多いですけど、
私は逆だと思います。
60年代のいかつい系のジャズが今風になった印象が。
オーネットコールマンを彷彿とさせるんですよね。
(November 25, 2006)

■「THE BIKINI TAPES/ATOMIC(JAZZ LAND)」を聞いての感想
やっぱりアトミックは凄い。構築と崩壊のバランス。
(July 05, 2008)
-------------- 8< --------------

とまあ、こんな事を書いておりました。


で、生でATOMICを聴いた感想は上の引用文とほぼ同じでした。
安直なジャズフレーズなど微塵もでてきません。
各々のソロは相当フリーキーです。
でも、単なるドシャメシャに陥らないよう、
様々なアイデアが盛り込まれているのが面白いです。

例えばMagnus Brooがソロを取ってる間に、
Fredrik Ljungkvistが指で「1」「2」「3」と合図を出すと、
予め準備していた3種類のアンサンブルでバッキングを開始。
こう書くと別に普通の演奏と変わらないみたいですが、
合図を出すタイミングも適当だし、どれを選ぶかもランダムっぽい。
調性も曖昧だし、リズムもテンポも違うリフなので、
音楽的に調和する訳ではありません。
でも、これによって、ぎすぎすした中にも秩序と構築美が生まれます。

アンコールで演奏した曲ではこれを更に発展させた手法を使ってました。
各メンバーがイメージを指で描き、それを元にアンサンブルする。
例えば
En_2
とか
Nami_2
とか、
Dandan_2
とか。


聴き手にとって、調性が薄くリズムの曖昧な音楽はストレスが溜まりやすい。
けれど、急にリズムがはっきりしたり、明確なメロディが現れたりすると、
鬱屈していた気持が一気に弾けて、興奮が倍増しますね。
その辺りの破壊と構築のバランスが実に知的だなぁと思った次第です。

お客さんも結構入っていて、年齢層も幅広かったです。
いいライヴを聴きました。大満足でした。

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2008/12/02

平野クミ×竹下清志 in STAREYES 1st Dec.2008

今日は帰宅が早かったので、
何気なくSTAREYESのライヴスケジュールを確認したら、
なんと平野クミ×竹下清志ではないですか。
しほたつは思わずすぐ服を着替えてスターアイズへ急いだ!
って歩いて10分のご近所なんですけどねー。

7時半頃に店に入ったら一番乗りでした(笑)。
Stareyes_tennai


実はこれまで平野クミさんのライヴは
某店で何度か聴いてるんですけど、
そこがジャズライヴ専門の店じゃなかったので、
客が騒がしく集中して聴けなかったんですよね。

でも、今日はスターアイズ。ライヴ専門のお店です。
ま、ここも日によって状態の悪い日もあるので
ちょっと心配だったんですが、
騒がしかったのは常連の年配客1グループだけでした(笑)。


ま、そんな話はさておいて、ライヴの内容です。


平野クミ×竹下清志×名古路一也と云う顔合わせ。
驚いたことに平野クミさんと竹下氏は初めてらしいです。
アップテンポの曲もありましたが、バラッド比率が高かったです。
正に願ったり叶ったりじゃないですか。
しかもドラムレスなので、彼女の声がきついビートに嵌められる事なく
伸びやかに耳を届いてきます。幸せ度256%です。

彼女の声はホントに可憐です。
何度も書いてますが、和製ステイシーケントです。
"THE THRILL IS GONE"なんて冷めた愛の唄を
シャウト気味に唄う人もいますが、そんなの変ですよね。
平野クミさんは複雑な女心を抑え気味に静かに唄いました。
こう云う歌唱、いいなぁ…。
それから私の大好きなボブドローの名曲
"I've Got Just About Everything"は素晴らしかった。
あの音の飛びまくる曲をしっかりした音程で唄うだけでなく、
余裕でフェイクしまくってました。
私はこの人の声質と雰囲気ばかり褒めてますが、
それだけで誤魔化す歌手ではないと付け加えておきたいです。
この一曲を聴いただけでも、行った価値ありでした。

竹下氏のピアノは平野クミさんとばっちり…、
とまでは行かなかったですが、なんせ初めてですから。
この感じだと、相性は良さそうな気がします。
是非今後も一緒にやって欲しいなぁと思いました。

初顔合わせの貴重なライヴを聴けたのはラッキーでした。

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2008/11/09

i-縁奇縁 その1

ウェブサイト「Q's」を始めてから10年が経ちました。
最近はすっかりblogに移行していますが、
自分の中では趣味の音楽を聴き続けていく上で
とても大きな役割を果たしてくれていると思います。

この10年(パソコン通信時代を含めると更に+数年)で
ネットを通じて色んな出会いがありました。
それらの出会いがなかったら、
人生が変わってた…と、まではいきませんが、
人生の楽しみの数十パーセントは損してた気がします。

ただ最近はネットも色々ややこしくなってきて、
知らない人とのコンタクトには腰が引けてたんですが、
こないだ久々に嬉しい出会いがありました。


きっかけは4年以上前に書いたこの記事
私の好きなピアニストの一人、マイクメリロの
「RECYCLE/(PHILOLOGY)」を取上げたものです。
彼の独特のセンスについて語りながらも、
ピアノの音が良くないとかエラソーな事を書いちゃってます。

実はひょんな事から、これをご本人に読まれてしまったのです。

横井さんと云う方がイタリアのマチュラータで
マイクメリロと「RECYCLE」のジャケットデザインをした日本人に
偶然出逢ったのだそうです。
横井さんはあまりジャズに詳しくないので、
ネットで検索したらウチのblogの記事がヒットしたらしい。
それを横井さんは事もあろうに(笑)マイクメリロ本人に
紹介しはったんですよ。な、何と云う事を~。

すると、メリロ氏は意外にも私の駄文に好意を持ってくれたのか、
横井さんの元に私宛のCDと手紙が送られてきたと云うのです。


そんなこんなで、今、私の手元にマイクメリロの
プライヴェート音源があります。
Detour_ahead_mike_melillo
「DETOUR AHEAD/MIKE MELILLO」
これは2003年に録音されたもので、
メンバーは下記の通りです。
MILE MELILLO(PF)
ROY CUMMING(B)
GLENN DAVIS(DS)
近々発売される予定との事です。
初っ端からモンクの"WORK"ですわ。
この曲、好きなんですよね。
モンクのケッタイさとてもよく出た秀作です。
メリロのソロはそのテーマのイメージの延長線上に紡がれていきます。
モンクとメリロはどこか資質的に近いモノを感じます。
「BOPSENTRIC/(RED)」ってモンクとハービーニコルスの曲ばかりを
演奏したアルバムも出してるので、一度聴いてみてくださいな。
あと、オリジナル曲の"SEE HUNT AND LIDDY"も良かったです。
バップに軸足を置きながらも、ただの過去の踏襲に陥らず、
フレーズやハーモニーのそこここに、独特のスパイスが利いてて、
「をっ。」と云う新鮮さの感じられる演奏なのです。


さて、今日はマイクメリロを色々聴いて過ごすか~。
Melillos

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2008/10/27

清秋の音楽三昧 その3

音楽はコンスタントに聴いているんですけど、
この間からあれこれ思うところがあって、
「聴いたものを文章で表現する」事がしっくりこないので、
あっさりと取り上げてみる事にしました。


Archpelago
■ARCHIPELAGO/ANAGRAM(Anna Einarsson Music)
ANAGRAMの二枚目のアルバム。


Home
■HOME/KELLY JOHNSON(SAPPHIRE)

Music_is_the_magic
■MUSIC IS THE MAGIC(SAPPHIRE)
「MAKE SOMEONE HAPPY」を聴き返したらよかったので、
近作を2枚聴いてみました。
参加メンバーもなかなか豪華です。
両方に参加のジェフキーザーのピアノがいい。


Films_bley
■JAZZ 'N (E)MOTION FILMS/PAUL BLEY(RCA)
ポールブレイのソロ。
内部奏法などもあるけど、説得力のある演奏。
録音もいい。


Verklarte_nacht
■シェーンベルク:幸福な手&管弦楽のための変奏曲&浄夜(弦楽合奏版)
/ブーレーズ(SONY)
"管弦楽のための変奏曲"は十二音技法の初期の名作。


ちょっとあっさりしすぎました。
また文章を書く気が戻ってきたら、
書きます。


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2008/10/05

清秋の音楽三昧 その2

昨日の晩、パララックスの充実のライヴを聴いた後なので、
今日はその余韻で音楽レスな一日を送るつもりでしたが、
昨日届いたCD15枚とDVD16枚が枕元に…。
おちおちしてられないって事で、いつもの三昧企画を。


My_russian_soul
■MY RUSSIAN SOUL/VIKTORIA TOLSTOY(ACT)
ヴィクトリアトルストイの待望の新譜です。
HMVの「輸入盤3点で25%オフ」で買ったら、
そのうちの1枚の入荷が遅れて、
入手が遅くなってしまったよ。ったく。
あのシステムも一長一短だなぁ…。
気を取り直して聴いてみると、やっぱりよろしおます。
ってか、ヴィクトリアトルストイの声が聴けるだけでも
幸せだったりするのです。
近年の諸作同様、ありていのジャズっぽさは希薄で
今回のんはタイトル通りロシアの音楽をテーマに
適度の民族色と、らしからぬアレンジの妙味を味わえます。
"LITTLE PRETTY"はポーリュシカ・ポーレ、
"STRANGER IN PARADISE"はボロディンの"韃靼人の踊り"、
"SILENT RHAPSODY"はチャイコの"悲愴"の第一楽章、
"AFTERMATH"もチャイコで"白鳥の湖"、etc.…。
予想外の曲が飛び出してきて面白いです。


Time_will_tell
■TIME WILL TELL/NICOLE HERZOG SEPTET(TCB)
ヴォーカルのNICOLE HERZOGのリーダー作。
ヴォーカル+4管+ピアノトリオの構成なので
ホーン&リードアレンジが聴きドコロですね。
あまり大胆なリハモなどは行なわれていませんが、
なかなかアイデア溢れるアレンジだと思います。
NICOLE HERZOGの声は細めで高め。かわいらしい。
セプテットを従える感じじゃないところがまたいい。
彼女はテーマ部分しか唄わないので、
演奏の大半はインストアルバムと化しています(笑)。


What_lies_within
■WHAT LIES WITHIN/DENISE DONATELLI(SAVANT)
上のアルバムよりも編成は小さいですが、
インストとヴォーカルの一体感ではこちらは白眉の仕上がり。
唄も無茶苦茶上手いです。
"I LOVE IT WHEN YOU DANCE THAT WAY"みたいな
音程が難しそうな曲でもサラリと唄いこなしてます。
ヴォーカリーズモノの"DAAHOUD"も完璧です。これは凄い。
ジェフキーザーのピアノも適度なアウトが心地よいです。


Kirstin_berardi
■THE KRISTIN BERARDI BAND/(JAZZHEAD)
静かに唄っている時はいい佇まいを持った歌手なのですが、
盛り上げにかかるとヤンキー娘(死語)的なガサツさが出てくる。
なんか惜しいなぁ…。
普段はシュッとキメてるけど、育ちの悪さが滲む感じで。
どうも女性ヴォーカルには擬似恋愛的評価をしてしまうなぁ(笑)。
ヴォイスを楽器と同格のポジションに置いて
演奏に溶け込ませる感じは極めてジャズ的ではあります。


Cerebral_flow
■CEREBRAL FLOW/LOGAN RICHARDSON(FRESH SOUND)
ををー、久々に存在感のあるアルトに出逢った気がします。
って、アルトを最近聴いてないだけの話だったりして(笑)。
個人的に艶っぽい豊かな音色のアルトよりも
ややぶっきらぼうな語り口の方が好きなのです。
録音技術による部分もあるんですけど、
思いっきりデッドな音でアルトの音が際立って聴こえる。
初っ端のソロなんて、狭い部屋で、目の前で吹いてる感じ。
面構えもいい。

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Parallax in DOXY 4th Oct.2008

名古屋のDOXYへ西山瞳トリオParallaxを聴きに行きました。
今回はCD発売記念&シミズタケヒロ追い出しツアーでした。

ただ一言、よかったです。

清水君、アメリカで一旗揚げてください。

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2008/09/21

早秋の音楽三昧 その10

早秋とはどの時期を指すのかわからないので
とりあえずこのタイトルシリーズは今回で終了です。

Limparfait_des_langues
■L'IMPARFAIT DES LANGUES/LOUIS SCLAVIS(ECM)
ルイスクラヴィスってなかなか捉えどころのないクラリネット。
ジャズ周辺の音楽ではあるんですが、ジャンル分け不能です。
色んな楽器を取り入れてトンがった感じはあるんですけど、
洗練された音作りかと云うとビミョーだし、
無目的のドシャメシャフリーでもない。
ジャズ50%、クラシック20%、民俗音楽10%、
その他20%くらいのの配合比でしょうか。
ポルタルと似た路線ながら、
一聴してわかる程の個性があるわけではないです。
このアルバムはスクラヴィスのクラに加えて、
アルトサックスでマークバロンが入り、
キーボード、サンプリング、エレキギター、ドラムの編成。
ジャズ寄りの演奏もあり、アンビエントな曲もあり、
実験的サウンドとオーソドックスなサウンドが
ごっちゃごっちゃに入ってるので、
ECMと云うより、ラベルブルーっぽいです(笑)。


Gaia
■GAIA/MARILYN CRISPELL(LEO RECORDS)
マリリンクリスペルの1987年の録音。
買ってからおそらく3~4年は棚で寝かせてました。
ちょっと前の「開封祭り」でも聴かなかったアルバム。
難解なのわかってるから、なかなか聴く気が…。
とにかく、この季節に聴いとかないと、
また一年エイジングが進んでしまうって事で
意を決して開封しました。
やっぱり胃の痛くなる様な演奏…。
ピアノは旋律を弾かず、ベースはコードを提示せず、
ドラムはビートを刻まないので、
この編成で演る意味があるかどうかは別として(笑)、
彼女らしいストイックなフリージャズです。
とは云え、彼女のオリジナリティと云うよりも、
その時代のジャズの匂いがプンプンしてる感じです。


Stockhausen_family
■MARKUS STOCKHAUSEN PLAYS
KARTHEINZ STOCKHAUSEN/(EMI)
シュトックハウゼンの曲を息子が演奏したアルバム。
どこまでが作曲家の指示なのかわかりませんが、
冒頭の"ARIES"などはプレイヤーによる
ソロパフォーマンスを聴いてる感覚です。
ベースが入る曲なんかは更にジャズ的。
トランペットの音がパンしたりするのも
譜面に書いてあるのかなぁ?
シュトックハウゼンらしく電子楽器も登場します。
今の様な技術がなかった頃の楽器なので
今の耳で聴くとチープに感じますけど、
当時、この楽器に無限の可能性を感じてたのは
ちょっとだけわかる気がします。


1st_sketches
■1'ST STETCHES/OLIVER ANTUNES(CALIBRATED)
疲れる音楽を聴き続けたので、気楽なのを一枚。
録音が重めなので、うちのシステムだとイカツく鳴りますが、
プレイ自体はあまりにオーソドックス。
昔ながらのジャズを好きな人なら飛びつく内容です。
粘りとは違うタッチの遅れ具合が妙な味わいです。


Heads_and_tales
■HEADS AND TALES/RAY ANDERSON(ENJA)
ちょっとテンションを下げすぎたので、
色々棚を物色した結果、レイアンダーソンにしました。
うん、なかなかナイスなチョイスだと自画自賛。
こう云うイカレポンチな音楽は堪らなく好きです。
特にレイアンダーソンのヴォーカルはかなりイッてる。
スクリーミンジェイホーキンスに通じますよね。
明るく楽しい才能の無駄遣い感がいいなぁ…。


って事で、今日はこの辺で。

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2008/09/20

早秋の音楽三昧 その9

しつこく続く早秋三昧シリーズです。
ジャンル問わずで色々聴いてみたいと思います。


Im_missing_you
■I'M MISSING YOU/西山瞳(SELF-PRODUCE)
新譜の「PARALLAX」を聴いてたら、急に聴きたくなりました。
今や幻の自主制作盤です。
久々に"PASSATO"を聴いてたら、ジーンときました。
本当に美しい曲です。
"BLUE NOWHERE"は新譜にも入ってましたが、
こちらの方がなぜかアンシェントなイメージが湧いてきます。


Anne
■赤毛のアン/サウンドトラック(COLUMBIA)
もう30年近く前の世界名作劇場のサントラです。
「ペリーヌ物語」「トムソーヤの冒険」はかかさず観てたんですが、
二つの間の「赤毛のアン」はあんまり観てませんでした。
なのになぜこのCDを持ってるかと云いますと、
主題歌や挿入歌の作曲が三善晃なんですよね。
"きこえるかしら"、"さめない夢"は名曲です。


Phantasy_quintet
■ヴォーンウィリアムズ:幻想五重奏曲&弦楽四重奏曲1、2
/MAGGINI QUARTET&GARFIELD JACKSON(NAXOS)
ヴォーンウィリアムズの室内楽は初めて聴きました。
幻想五重奏曲の第二楽章とか好きだなぁ…。
弦楽四重奏曲第一番は極めてフランス的です。
それもその筈、この頃はラヴェルに師事してたんだそうな。
弦楽四重奏曲第二番は第二次世界大戦中の曲。
全く別人だと思った方がいいかもー。


Vw_symphonies
■ヴォーンウィリアムズ:交響曲全集
/プレヴィン&ロンドン交響楽団(RCA)
今度はヴォーンウィリアムズの大編成の曲を。
今日は第三番"田園交響曲"を聴きました。
第三番はイギリスの田園を描いた作品らしいですが、
第三楽章以外は妙にフランスっぽかったりします。
第四楽章はソプラノ入り。


Purple
■PURPLE/NGUYEN LE(ACT)
全然毛色を変えて、グエンレです。
2002年に録音したジミヘントリビュート作ですが、
アレンジのイカレ具合はグエンレの真骨頂で、
120%彼のカラーになってしまっております。
レーベルがACTって事もありますけど、
料簡の狭いジャズファンなら
卓袱台をひっくり返す星一徹をひっくり返すでしょう。
ベトナム人とは云いつつフランス生まれなのに、
サウンドはいつもどことなくエキゾチックですねぇ。


って事で今宵はこの辺で。

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Parallax/西山瞳(spice of life)

西山瞳トリオ"parallax"の新譜をようやく聴きました。
発売から3日遅れです。アマゾン、おせーよ。
ま、夜に小音量でこちょこちょ聴きたくはないので、
発売日に入手してても週末まで我慢してたかな。


何よりレギュラートリオの音が形に残った事が嬉しいです。
って云うかホッとしてます(笑)。
でも、これはあくまで「止まると死ぬ」西山瞳の
僅かな瞬間を捉えただけの事に過ぎません。
ちょっと前の彼女とも違いますし、
ちょっと未来の彼女とも違う。
何て云うか、喩えは悪いですが、個人的には、
ゲームのセーブデータみたいな気分なんです。
彼女はどんどん変容していっちゃうから、
できればこまめにセーブを取って欲しいなぁと(笑)。


とにかく今回のCDは非常に密度が濃いです。
がっちりとしたレギュラートリオならではの音。
過去3枚の作品は海外ミュージシャンとの顔合わせで
それはそれで面白かったんですけど、
音楽の組み上げ方が違ったんじゃないかなと思います。
彼女の曲はけっしてアドリブの為の素材じゃないですから、
バンドで何度か演奏してるうちに、完成度が高まり、
ちょっと壊れかけてきたあたりが面白い訳で…。
そう云う意味でこのアルバムは間違いなく理想の西山瞳サウンド。
しかも、スタジオ録音にありがちな纏まった演奏に陥らず、
三者がいつもの勢いでやらかしてるのが素晴らしいです。


また、ゲスト参加しているギターの馬場孝喜も凄い。
ライヴでも聴きましたが、彼女の難しい曲で
うっすら笑みを浮かべながらアドリブを弾き捲くる姿は
ある意味、怖いです。とんでもないギターリストです。
きっと今後、更に注目されていく事でしょう。


あと、今回のアルバムにはさりげなくトリオの変遷が
織り込まれていますねぇ。
初代トリオ(西山-原-川内)で出した自主制作盤の
「I'm missing you」から"Blue nowhere"を取上げたり、
横浜ジャズコンペ優勝トリオ(西山-大谷-清水)の頃の
"Aprillis"でアルバムを締めくくったりしてます。
これらの曲が今の曲の中に並ぶと作風の変化がよく分かります。


ドラムの清水勇博が渡米する事もあり、
ParallaxはCD発売ツアーで一旦活動休止となりますが、
また何年後かに、この顔ぶれが揃った時の事を考えると、
馬場孝喜以上にニヤニヤしてしまうのでした(失礼)。

Parallax


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2008/09/18

早秋の音楽三昧 その8

小雨降る夜の長距離運転でくたくたです。
今日こそシャワーを浴びてすぐ寝るつもりでしたが、
何だか疲れた体を音楽に浸したくなり、
オーディオのスイッチを入れる事にしました。


Samossa
■SAMOSSA/CLEM(SELF-PRODUCE)
とても面白いアルバムです。
色んなジャンルが愛らしく纏まって唯一無比な音楽に。
声質も細いハスキーヴォイスでジャズ臭くないのがいいです。


The_dance
■THE DANCE/CLEM(DIW)
上のアルバムよりはジャズ寄りの作品になりました。
録音の具合なのか声質が違う気がします。
前よりも声が澄んでる感じです。
彼女の実力を図り知る上ではこっちの方もいいですが、
前作の様な赤道付近の気候の様な寛いだ感じが薄く、
緯度が北上し、ヨーロッパ系のイマドキな音になってます。
CDのオビに寺島●国のコピーが書いてありまして、
「静かな欲情」だってさ。
たった5文字でこれだけ的を外したコピーも珍しい。


Concertino
■シマノフスキー:弦楽四重奏曲第一番・第二番
ストラヴィンスキー:コンチェルティーノ&3つの小品&ダブルカノン
/GOLDNER STRING QUARTET(NAXOS)
ストラヴィンスキーの"コンチェルティーノ"が聴いてみたくて、
ネットで探したんですが、三大バレエ曲ばっかりで、
室内楽曲は見つけるのが大変でした。
ようやく発見したのがこのアルバム。ありがとうNAXOS。
そしたら、一緒に入ってたシマノフスキーの弦楽四重奏曲が
なかなか面白くて、聴き入ってしまいました。
第一番の第三楽章の音の積み重なりがケッタイで好き。
第二番になると更に調性が曖昧になって、
全体がグレーのベールで覆われた様な陰鬱さが漂う。
って、これは現代音楽全体に云える事ですが…。
で、目的の"コンチェルティーノ"ですが、
ストラヴィンスキーの挑発的な音が
剥き出しになってるのは小編成ならでは。
弦楽四重奏でも強いビートやポリリズムを感じさせるのが
とても面白いです。
"3つの小品"は更に骨格剥き出しで不恰好な音楽。
個人的にはこっちの方が好みかも。
"ダブルカノン"は70歳を越えてからの作品です。
全体が穏やかな起伏を描いて2分弱で終わります。


Lassus
■オルランドディラッソ:死者のためのミサ曲&巫女の予言
/ヒリアードアンサンブル(ECM)
オルランドディラッソは16世紀のイタリアの作曲家だそうです。
ちょっと前に記事で「ぐっすり眠れる音楽」について書きましたが、
この教会音楽は間違いなくぐっすり眠れそうです。
曲が曲だけに永久の眠りにつかないよう気をつけましょう。
それにしてもヒリアードアンサンブルは素晴らしいですねぇ。


Shiroku
■三善晃:四季の秋の歌&白く&聖三稜玻璃&高原断章
/瀬山詠子&三浦洋一(VICTOR)
ヒリアードアンサンブルの後は何を聴いても濁って聴こえるので、
ここは日本の美しい歌曲に繋げました。
三善晃の歌曲集IIです。
歌曲や合唱曲になると三善晃の作風は優しく変わりますが、
曲によってはかなり現代音楽チックになります。
このアルバムでは"四つの秋の歌"以外がそっち系です。


思わぬ方向に進んでしまいましたが、これもまた一興。
では、今回はこの辺で。

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2008/09/17

早秋の音楽三昧 その7

一日立ちっ放しの仕事を終えてくたくたです。
もう今日はシャワーを浴びてすぐ寝るつもりでしたが、
聴かずにいられないCDが届いてたので、
オーディオのスイッチを入れる事にしました。


Hello_troll
■HELLO TROLL/HELGE LIEN(OZELLA MUSIC)
ヘルゲリエンの待ちに待った新譜です。
もう第一音から彼の音楽以外何物でもありません。
徹底的に研磨した様な鋭い演奏ですが、
決して難解ではなく、無機質でもありません。
次の音、次の音を聴きたくなります。
録音も無茶苦茶良いです。ベースが腹に響きます。


Pieranunzi_scarlatti
■PLAYS DOMENICO SCARLATTI
/ENRICO PIERANUNZI (CAM JAZZ)
もう一枚新譜を取上げます。
エンリコによるスカルラッティ集です。
ジャズミュージシャンがクラシックを題材に扱った場合、
哀れな結果に陥るケースも多いと思います。
でも、さすがエンリコ。価値のある一枚に仕上がってます。
最初は「なんでスカルラッティやねん。」と思いましたけど、
古きイタリアの大作曲家の作品を取上げる気持ちは
我々日本人には図り知ることはできませんわ。
テーマとして奏されるスカルラッティのソナタは
(恐らく)譜面に忠実な演奏になっていますが、
それがインプロヴィゼーションに移っていくにつれて、
当時の音楽の香りに少しづつ今の音が混じっていく。
このコントラストがとても面白いです。
さてさて、「SOLAL PLAYS RAVEL」とか出ないかなぁ(笑)。


Films_stephan_oliva
■FILMS/STEPHAN OLIVA(RCA)
ソロピアノアルバムが続きます。
今度はステファンオリヴァによる映画音楽集。
今から10年以上前に作られたアルバムです。
「JAZZ'N (E)MOTION」ってシリーズ(?)で
マーシャルソラールやポールブレイなど
ちょっと癖の強いピアニストが映画音楽を演奏してます。
その中でもステファンオリヴァはアクが強いですね。
演奏のテンションの高さもさることながら、
知ってる映画音楽が殆どないのも捻くれてるよー。


Two_for_the_road
■TWO FOR THE ROAD
/MIKA POHJOLA&JILL WALSH(DONE RECORDS)
体力を奪うアルバムの後は肩の力の抜ける作品を。
インストアルバムには緊張感やキワドサを求める癖に
女性ヴォーカルにはやっぱり癒しを求めますねぇ。
このJILL WALSHってヴォーカリストを初めて聴いた印象は
ちょっとけだるい色気がやや立ち過ぎな気もしますが、
決して音程の誤魔化しはないので、心地よいです。
しかし、このピアニスト、気になってる訳でもないのに、
なぜか手元に4~5枚ありました。なぜだろう?


Sings
■SINGS/EMILIE-CLAIRE BARLOW(SELF-PRODUCE)
可愛くて上手い唄が聴きたくなって引っ張り出してきました。
この子は隙がないですね。
声に張りがあって、高音もスンスン出ます。
どちらかと云えばアップテンポの曲に魅力がありますが、
スローナンバーも悪くないです。
無理矢理ケチをつけるとすると、巧すぎる事でしょうか。
上手いのはいいけど、巧さが目立つと、
気持ちが篭ってない気がしてしまうんですよね。
パスコアールの"PIPOCA"をサラッと唄ってるくらいが
能ある鷹が爪をネイルアートしてる感じで素敵です(はぁ?)。


眠たくなってきたので、この辺で。

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2008/09/14

早秋の音楽三昧 その6

秋が音楽鑑賞に向くのはエアコンを切れるからかも。


Diverted_travels
■DIVERTED TRAVEL/JON BALKE(ECM)
JON BALKEは私の中ではちょっと特別なミュージシャン。
「この人じゃないと駄目。」って日が結構あります。
特に最近は「BOOK OF VELOCITIES/(ECM)」って
ソロアルバムを頻繁に聴きますが、
その他のアルバムも負けず劣らず素晴らしいです。
特にモーションも音数も少ない曲が好きで
静寂の中にピアノの音粒がポツポツと広がっていく感覚に
ちょっとした麻薬性がある。
その静寂の空気の張り詰め具合も重要で、
キンキンに厳しい緊張感じゃ胃が痛くなるし、
ユルユルのアマアマだと逆に居心地が悪い。
JON BALKEの場合、かなり実験的なサウンドであっても、
その空間に適度な緊張と大らかな広がりが感じられます。
…あ。
思い入れがある分、訳の分からん事を書いてしまいました。


Blues_liberation
■BLUES LIBERATIONS/JIM RIDL(DREAMBOX MEDIA)
初めてJIM RIDLを聴いたのが
「FIVE MINUTES TO MADNESS AND JOY/(SYNERGY MUSIC)」で、
ソロで厳しい音を撒き散らす冒頭のタイトル曲を聴いて
衝撃を受けたのを覚えています。
その後、彼の特異なセンスが気になり、何作か聴きました。
そのどれもが他に比べ難い独特の味があって…、
ま、一言で云うと、かなりの偏屈ではないかと思います。
このアルバムもブルースを題材にしながらも、
非常に厳しい音を重ねた演奏が19曲も並んでます。
「あれ?ブルースってこんな陰鬱なモンだったっけ?」


Time_cafe
■TIME CAFE/MIKE WOFFORD(AZICA)
少しまともなジャズに戻して、
マイクウォフォードの2001年のアルバムです。
とか云いつつ、この人のセンスも微妙に変わってるかも。
遙か昔の「INTERPRETATIONS'76/(FLYING DUCHMAN)」で
面白いピアニストだなと気になって、
「SYNERGY/(HEAVYWOOD)」で凄いと思いました。
でも「SYNERGY」の様な作品がその後出てないのが残念。
この「TIME CAFE」も何の思い入れもない人が聴けば、
さり気なく聴き流してしまう程度の微妙なユニークさがある(笑)。
トリオ演奏の合間に数曲ソロピアノが入りますが、
彼の美的感覚がよく分かる演奏で面白いです。


People_music
■PEOPLE MUSIC/DONALD BROWN(MUSE)
微妙に変なセンスを持ったピアニストの話になったら
ドナルドブラウンを挙げない訳にはいきません。
以前にもドナルドブラウン讃って記事を書きましたが、
その中でお薦めしたアルバムを久々に聴いてみました。
トムハレルとかスティーヴネルソンと云ったヌルめのメンバーが
初っ端の"THE BISCUIT MAN"でケッタイなアンサンブルを聴かせます。
その勢いで突っ走るかと思ったら、2曲目、3曲目と緩くなり、
このままだらだら続くのかと思ったら、
4曲目の"RERUNS FROM THE SIXTIES"で再び走り始める。
スティーヴコールマン&ファイヴエレメンツに匹敵する
ソリッドでカッコイイ演奏…と云うとかなり云いすぎですが。
このクォリティのムラがドナルドブラウンらしさでもあり、
人気がイマイチ上がらない原因ではないかと思います。


Cosmics_chapter
■COSMICS CHAPTER 90/DUDU PUKWANA(JIKA)
ドナルドブラウンでDの棚を探してたら、
ドゥドゥプクワナの1989年録音のCDが出てきました。
正確にはZILAってバンド名義のアルバムです。
昨日取上げたクリスマクレガーのバンドとは全然趣きが異なり、
全体がユル~いアフリカサウンドになっております。
これが堪らないんですよね~。


って事で、今回はこの辺で。

さて午後は溜まったDVDを観ていこうかな。

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2008/09/13

早秋の音楽三昧 その4

先週に引き続き、ジャンル問わずの音楽三昧を。
今週はホームグラウンドのジャズからスタートしてみます。


Clockwork
■CLOCKWORK
/RANDY HALBERSTADT(PONY BOIY RECORDS)
このピアニストのCDをネットで色々クリックして入手した一枚。
演奏自体は割とおとなしめなんですけど、
10曲中7曲がゲストヴォーカル入りでした。
JAY CLAYTON,BECCA DURAN,KENDRA SHANK,
KRIS O'GRADY,WHITNEY JAMESと云う顔ぶれ。
RANDY HALBERSTADTの好みなのか、
似たようなタイプの人が並んでいます。
みんな線が細めでやや冷たく、音程がちょっと悪い(爆)。
インスト曲では"DA DA DAT"が楽しい。
この手の曲が彼の持ち味なんでしょうね。
サックスのHANS TEUBERも地味ながら
ユニークなフレーズを吹きます。
全体的には小振りな印象ですが、なんかお得な一枚。


Ie
■家/筒井康隆&山下洋輔(FRASO)
分類不能なコンセプチュアルな作品ですが、
そんな難しい事をしてる訳ではありません。
単に筒井康隆のナレーションや
タモリのハナモゲラを入れて、
ドラマ仕立てにしてるだけです。
かと云って、全編聴いても、
何が何だかわかりません。
あくまでも筒井康隆の作品を基にした
サウンドイメージ作品って感じですか。


Tsutsuiyasutaka_bunmei
■筒井康隆文明/VARIOUS ARTISTS(VICTOR)
前述の「家」と比べると遙かにわかりやすい作品。
聴きドコロはA面の"バブリング創世記"ですね。
朗読の代志住正が素晴らしい。特に第5章。
元々音楽的な小説なので素材としては完璧でしょう。
B面の"寝る方法"は筒井康隆の朗読。
私は先に本で読んで、ひーひー笑い転げましたが、
この録音の方が先なのだそうで。
でも、筒井康隆の朗読が素人レベルなので
せっかくの面白い作品のテンポが損なわれてるかな。


Brotherhood
■BROTHERHOOD
/CHRIS McGREGOR'S BROTHERHOOD OF BREATH
(FLEDG'LING RECORDS)
クリスマクレガーのブラザーフッドオヴブレスのメンバーに
ドゥドゥプクワナが入ってる事を教えてもらい、
慌てて入手できるモノは一通り買い漁りました。
5~6年前に「BROTHERHOOD OF BREATH」を買った時に
クリスマクレガーも一通りチェックしたんですけど、
おそらくその頃は再発されてなかったんでしょう。
客席王さん、ありがとうございました。
やっぱりプクワナの曲はカラッと明るくていいです。
演奏はいかつくてもちょっと能天気な味わい。


Il_sole_di_un_attiomo
■IL SOLE DI UN ATTIMO/ADA MONTELLANICO(EGEA)
今まで聴いた中でこのアルバムが一番好きかも。
イタリア語の響きに慣れてきただけだったりして(笑)。
ピアノはエンリコピエラヌンツィです。


全然纏まりがなかったですけど、
まずは5枚で休憩します。

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2008/09/07

早秋の音楽三昧 その3

そろそろホームグラウンドのジャズに戻ってみようかと。


Its_you
■IT'S YOU
/SACRAMENTO STATE VOCAL JAZZ ENSEMBLES
(SACRAMENTO STATE)
2005-2006のダウンビート誌のSTUDENT MUSIC AWARDSで
ウィナーに輝いたグループだそうです。
とても透明感のあるジャズコーラスグループ。
細部までコントロールされた見事なハーモニーです。
"LEE'S SUMMIT"や"SCARBOROUGH FAIR"あたりを聴くと、
テクニック重視のグループに思えますが、
続く"I'VE GOT LIFE"でパワフルな表現力もある事がわかります。
全編アカペラではなく、曲によってインストを加えてるのは
正しい選択だと思いました。


Down_4_the_count
■DOWN 4 THE COUNT/(SELF-PRODUCE)
ジャズコーラスをもう一枚。
上のユニットよりも古風なジャズコーラスグループです。
女性の高音シャウトがアニーロスを彷彿とさせます。
ヴォイスパーカッションも入れていますが、
それほど派手なテクはないようです。
しかし、何でこれを取上げたかと云いますと、
"TURN OUT THE STARS"を唄ってるから。
これは珍しいですね。
出来はぼちぼちですが、なかなか面白いです。


Parallel_tracks
■PARALLEL TRACKS/RANDY HALBERSTADT(ORIGIN)
以前、この人の「INNER VOICE/(SELF-PRODUCE)」を
密かなお薦め盤としてご紹介しましたが、
それを100とすると、このアルバムは仄かなお薦めってトコです。
しかし、何でこれを取上げたかと云いますと、
エンリコの"DON'T FORGET THE POET"を演ってるから。
これは珍しいですね。
出来はぼちぼちですが、なかなか面白いです。


Bestiarium
■BESTIARIUM/ERIC VLOEIMANS(CHALLENGE)
昔、正式ウェブサイトQ'sでも取上げたアルバムなんですが、
何で再度引っ張り出してきたかと云いますと、
ここでもエンリコの"JE NE SAIS QUOI"を取上げてるからです。
このアルバムは彼の作品の中でも特に優れた出来ですので、
諸手ぶらり戦法でお薦めできます。ってどう云う意味やねん。
このユニットの肝はギターのANTON GOUDSMITだと思ってます。
お薦めのトラックは"JE NE SAIS QUOI"ではなく、
"MACK TRUCK"や"UNCLE THEO"や"ELLEN"ですね。


Lets_live_again
■LET'S LIVE AGAIN/ELAINE LUCIA(SONG FLOWER RECORDS)
本日の最後はお薦めのヴォーカルで〆たいと思います。
可愛らしく澄んだ声質に伸びやかで素直な唄い方。
心地よさの極みの様なヴォーカルです。
これよりも前に出た2枚も聴きましたが、
それらよりもややオールドスタイルな作品ですので、
皆様を幸せにしてくれる事、まちがいないかなー、どーかなー(笑)。
ヴォーカルは好き嫌いがあるから、わかりませんけど、
ま、100人いたら90人は心地よいと思うかなー、どーかなー(笑)。


って事で初秋の夜にふさわしいヴォーカルを取上げたところで
お開きにしたいと思います。

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2008/08/26

思い出の夏

今日、某所で平野クミさんのライヴを聴きました。
スタンダードづくしの愛らしいステージで
とてもよかったです。


でも、観客がうるさ過ぎた…。
わいわい騒ぎたいなら、どうしてライヴに来るのでしょ。
居酒屋で呑んでる方がいいじゃんかー。
一緒に行った後輩もKY大嫌いな性格なので、
「ライヴは良かったけど、ストレスが溜まった。」ってさ。
激しく同意ですわ。

場をわきまえて静かにしてられないなんて、
子供やん…。


大好きなミッシェルルグランの"THE SUMMER KNOWS"が
騒々しい店の雰囲気で、透明感を失ったのが悲しかった…。


家に帰ったら、"THE SUMMER KNOWS"が無性に聴きたくなりました。

Musique_du_bois私の中で印象深い"思い出の夏"は
「Musique Du Bois/PHIL WOODS(MUSE)」。

この時代のウッズのアルトは
既に熟し柿になりかけてるけど、
このアルバムはなんとか
皮が剥ける程度の硬さを保ってます。
適度に有機的で、適度に熱く、
それでいて過度に吹きすぎず、
"THE SUMMER KNOWS"の持つ
フランス的サウダージを
表現してる様な気がします。


あ~あ。夏ももう終わりかぁ。寂しいなぁ…。

♪こおろぎが鳴いている、もう秋なのね~。

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2008/08/24

ポジティヴにジャズを愉しむ その18

聴いたCDを棚に片付けていたら、
新たに聴きたいアルバムが見つかったりして、
また色々聴き始める日曜の午後。


Borstlap_sextet
■THE SEXTET LIVE!/MICHIEL BORSTLAP(CHALLENGE)
ボルストラップと云う凄い才能のピアニストを知ったのが
このCD二枚組のアルバムでした。
最初は彼のプレイよりもコンポーザーとして魅力を感じました。
まだ名前の読み方もわからず、興奮気味にウェブサイトに
記事を書いたのを憶えています。
まだ7~8年前の事だと思いますし、
その頃からあまりジャズの好みは変わってないので、
今聴いても当然素晴らしいと思います。
こんなミドルコンボのアルバムをまた作ってくれないかなぁ。
最近、やや変な方向に行ってしまってるので、ちょっと心配。


Mull_house
■MULL HOUSE/MULL HOUSE(林泉)
MULL HOUSEは一度生で聴いた事があります。
林栄一の強烈なサックスに加えて、
更にその上を行くギターの石渡明廣の猛烈さに
打ちのめされクタクタになりました。
とんでもないパワーの塊り。
DE-GA-SHOWを100としたら、
MULL HOUSEはおそろしくパワーの塊り。
渋谷毅オーケストラを100としたら、
MULL HOUSEはそれはそれはパワーの塊り。
久々に聴いたんですが、うちのステレオでは
近所迷惑になるので大音量では鳴らせず。
よーし、iPodに入れて思いっきり聴くかー。


Coming_about
■COMING ABOUT/MARIA SCHNEIDER(ENJA)
リックマーギッツァが参加してるので聴いてみたら、
凄いオケアレンジだったのでメロメロになりました。
タイトル曲の"COMING ABOUT"を聴いて、
初めてジャズオケで「美しい!」と感じました。
フランクキンボローのピアノソロも美麗ですけど、
マーギッツァのソロはアンサンブルに溶け込み
まるで彼のコンチェルトを聴いているかの様。
続く"GIANT STEPS"も見事なアレンジです。
久々に聴いて、鳥肌が立ちました。


Mental_weather
■MENTAL WEATHER/JANE IRA BLOOM(OUTLINE)
気になる女性ミュージシャン繋がりで。
近年の彼女の演奏からジャズの匂いを感じません。
あ、これは思いっきり褒め言葉です。
おそらくジャズのありきたりのイディオムを使わずに
自分の音楽を表現してるからだと思います。
この2008年のアルバムもメロディとかハーモニーとか
そんな事よりも音の説得力の高さに惹かれます。


Mighty_lights
■MIGHTY LIGHTS/JANE IRA BLOOM(ENJA)
って事で久々に昔のLPを引っ張り出して聴いてみました。
1982年録音、彼女の3枚目のリーダー作(たぶん)。
今よりはストレートなジャズの演奏ではありますが、
無茶苦茶尖がってますわ。
ピアノこそフレッドハーシュですが、
後はチャーリーヘイデンとエドブラックウェルっすから。
彼女の個性が炸裂してるA面ラストの
"I GOT RHYTHM BUT NO MELODY"は必聴。
彼女得意の重音奏法も聴きドコロの一つです。
オリジナルの他に1曲だけ演ってるんですけど、
それがクルトワイルの"LOST IN THE STARS"ってのも渋い。
ストックフレーズに陥らない凄いアドリブを吹いてます。


って事で、今回はこの辺で。

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ポジティヴにジャズを愉しむ その17

朝から落語やPOPSを聴いてたら、
昼くらいにはジャズが聴きたくなってきました。
って事でいつもの様に思いつくままにあれこれ聴きます。


Tomato_kiss
■TOMATO KISS/KELLYE GRAY(PROTEUS)
今、局所で話題沸騰中の(笑)"TOMATO KISS"です。
ラリーシュナイダーのややこしいメロディの曲に
歌詞をつけて唄ったモノ。
アドリブパートはトロンボーンの口真似をやってます。
ケリーグレイは器楽的なアプローチの得意な歌手ですが、
やや唄い方が粗いのが気になるかな。
手元にある6枚のCDの中ではこれが一番出来がいい。
"BILLIE'S BOUNCE"や"SPEAK LOW"もなかなか。
私の好きな"SMALL DAY TOMMOROW"を唄ってるのも
嬉しい限りです。


Judy_niemack
■...NIGHT AND THE MUSIC/JUDY NIEMACK(FREE LANCE)
"TOMATO KISS"繋がりでもう一枚。
ここでは"HER TOMATO KISS"ってタイトルになっていて、
作詞は彼女のクレジットです。
確かにケリーグレイのんとは歌詞が違います。
この人はインスト曲のヴォーカリーズが好きみたいで
"IT'S OVER NOW(=WELL,YOU NEEDN'T)"とか
"A CRAZY SONG TO SING(=MISTERIOSO)"とか
"TURN OUT THE STARS"を取上げてますね。
ピアノはケニーワーナーです。


Key_play
■KEY PLAY
/ED SAINDON&KENNY WERNER(SELF-PRODUCE)
ケニーワーナー繋がりで。
ヴィブラフォンのED SAINDONとのデュオです。
ワーナーは爪を隠した善人プレイですので、
いつもの彼を期待すると肩透かしを喰らいます(笑)。
肩の力の抜けた心地よい小品集と云った感じ。


Two_colors
■TWO COLORS/RUSS NOLAN(RHINOCERUSS)
これまたケニーワーナー目当てで買った
「WITH YOU IN MIND/RUSS NOLAN(RHINOCERUSS)」
で、RUSS NOLANのプレイが良かったので、
デビューアルバムも買ってみました。
ジャケットがダサダサなのでスルーしてる人も多いかも。
私もちょっと不安でしたが、結果的にはアタリでした。
知的で毒っ気のあるサックスです。
テナーもいいけど、ソプラノにアタリ曲が集中してます。
で、ピアノのSAM BARSHもいいピアノを弾いてます。
今度はSAM BARSHを探さないと。


Mjt
■FAVORITE THINGS
/MODERN JAZZ TUBA PROJECT(HEARTDANCE MUSIC)
ユーフォニウム3本、チューバ3本+リズムセクションの
変則ユニットによる演奏です。
期待したよりも綺麗なアンサンブルでした。
って、何を期待してたんだ、オイラ。
個人技よりもアレンジ通りのハーモニーを聴かせる感じ。
Lars Andreas Haugみたいなのが一人いたら、
面白い展開になったかも。
とは云え、低音域でうねるアンサンブルは
なかなか気持ちいい。
2曲だけCONNYE FLORANCEのヴォーカル入り。


って事で、ひとまづ、この辺で。


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2008/08/23

ジャッキーマクリーン大会

タイトルを「ジャッキー祭りーン」にしようかと思ったけど、
さすがにプライドが許しませんでした(笑)。
もしくは「ジャッキー捲くりーン」も思いつきましたが、
これをタイトルにしたらもう終わりだと思い留まりました。


さて、今日、近所のバーCASKで呑んでたら、
USENでジャッキーマクリーンが流れてました。
マクリーンのアルトはやっぱり良いなぁ…。
ってな訳で、お店も混んできたし、お酒は早々に切り上げて、
家に戻ってジャッキーマクリーン大会をする事にしました。


Swing_swang_swingin
■SWING SWAG SWINGIN'/(BLUE NOTE)
とりあえずジャッキーマクリーンのお薦め盤と云えば、
迷わずこのアルバムを挙げようかなー、どうしようかなー(笑)。
ワンホーンのハードバップ作品なので、
恐らく多くの人に納得いただけるのではないかと。
"LET'S FACE THE MUSIC AND DANCE"の冒頭の
ノンビブラートの唄い出しの何と妖しい事か。
もしこの出だしに何も感じないのであれば、
ジャッキーマクリーンは聴かない方がいいかも。


Vertigo
■VERTIGO/(BLUE NOTE)
「BLUESNIK」と「LET FREEDOM RING」の間の
未発表音源。
過激に変貌をみせた2つの作品の間の音源として
興味津々のアルバムです。
ハードバップのマンネリにうんざりして
新たな音楽を求めて苦悩していたんじゃないかと。
一曲だけ「NEW SOIL」の時の残りモノが入ってるんですが、
何とも平和で牧歌的なジャズだな~、と思いますよ。
それだけ他のトラックが厳しい演奏になってるって事です。
やはりピアノのハービーハンコックは
一世代新しい音を出してる気がします。


One_step_beyond
■ONE STEP BEYOND/(BLUE NOTE)
「LET FREEDOM RING」の実質上の後継アルバム。
まだ新進気鋭だったトニーウィリアムスに煽られ、
マクリーンの何とイカツイ事か。
正に"ONE STEP BEYOND"なマクリーンの演奏が聴けます。
ピアノを外し、ボビーハッチャーソンを据え、
相方にグレシャンモンカーIIIを迎えたのも吉。


Jackie_mac_attack
■THE JACKIE MAC ATTACK LIVE/(DREYFUS)
一度だけジャッキーマクリーンを生で聴いた事があります。
芦屋のLEFT ALONEってお店でした。
マクリーンは有名なミュージシャンなので、
美味しい広東料理を食べながら、
あの名曲"LEFT ALONE"を聴こうと思っていた
こじゃれたカップルも少なからずおりました。
しかし、マクリーンの演奏は初っ端から
おちおち飯も喰ってられない程、猛烈でした。
信じられないパワーで全ステージ吹き切りました。
個人的にこの「JACKIE MAC ATTACK」を聴いて
その日の事を思い出しました。
もし、アドリブ一つないマルウォルドロンとの
"LEFT ALONE"でしか彼の演奏を聴いた事のない方は
是非このライヴアルバムを聴いてみてくださいませ。
正に血湧き肉踊るジャズです。


大会と云っておきながら、4枚かよっ。
でも、夜も更けてきたので、この辺で。

さて、後は静かにステイシーケントでも聴くかなー(爆)。

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ポジティヴにジャズを愉しむ その16

実家でレコードを聴き倒してるうちに
名古屋宅でのレコードも聴きたくなりました。
なので、今回はレコード縛りで行きます。


Cohn_on_the_saxophone
■COHN ON THE SAXOPHONE/AL COHN(DAWN)
DAWN原盤をEUPHORIA JAZZが再発したLPです。
曲によってPRANK REHAKのトロンボーンが入りますが、
やっぱりワンホーンのトラックが心地よいです。
アルコーンってスタイルの古いサックス吹きですが、
温かみのある柔らかさに、小さじ一杯の荒々しさが
スパイスになってる感じが好きです。
なんかレコード向きの演奏だなぁ…。
LPのゴーストも懐かしい。


Little_miss
■LITTLE MISS JAZZ & JIVE GOES
AROUND THE WORLD/AKIKO(VERVE)
AKIKOの擬似オールドスタイルなアルバム。
何となくピチカートファイブの匂いがするなぁと思ったら、
小西康陽がプロデュースしてるのでした。
akikoの魅力は…よくわかんないや。
今のところ、守備範囲外かなぁ。


Anita_sings_the_most
■ANITA SINGS THE MOST/ONITA O'DAY(VERVE)
オスカーピーターソンのクァルテットをバックに
アニタオデイのフェイクが嵌り捲くった心地よい一枚。
アニタって勢いと思いつきでやっちゃうところがあって、
結果的に上手くいってない録音も結構多いんですよね。
"'S WONDERFUL"や"THEM THERE EYES"あたりは
ピーターソンのバックのお陰で綺麗に決まった感じがする。
個人的にはアニタが無理にフェイクとかせずに
ストレートに唄った"WE'LL BE TOGETHER AGAIN"が
このアルバムの中では一番好きなトラックです。


Such_winter_of_memory
■SUCH WINTER OF MEMORY/JOHN SURMAN(ECM)
ジョンサーマンがサックス以外にもレコーダーやピアノや
シンセなどを多重録音し、カーリンクロッグの声と
ピエールファーブルのパーカッションを加えたアルバム。
この手の試みは往々にして企画倒れな場合があり、
なかなかの危険牌なんですけど、
この作品は部分的に実験が良い成果を生んでます。
特にB面の"ON THE WING AGAIN"が聴きドコロ。


Great_american_music_hall
■AT THE GREAT AMERICAN MUSIC HALL
/CARMEN McRAE(BLUE NOTE)
カーメンマクレエの名作ライヴの一つです。
個人的には「GREAT AMERICAN SONGBOOK」と
「AS TIME GOES BY」に次いでよく聴きました。
但し、先に挙げた2作品よりも粗いです。
ディジガレスピーが飛び入りしたりして、
ライヴ自体は盛り上がっているんですが、
その分、ちょっと粗さが出てしまった感じ。
それでも"SONG FOR YOU"や
"MISS OTIS REGRETS"など、
バラッドを沢山唄っています。
…と云っても、それすら粗いんですが、
何でか知らんけどよく聴いたアルバムなのでした。
懐かしさの分、傾斜配点。


とりあえずこの辺で。
一記事あたりのアルバム数が多すぎたので
減らす事にしました。

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2008/08/17

三宮三昧の一日

今年のお盆はずっと実家でごろごろ音楽を聴いてましたが、
最終日には三宮に繰り出しました。
今年のお盆の唯一のイヴェントです(笑)。


Qeema_2まずは北野にある
インド料理のシャミアナへ。
ここのカレーは
水を一切使ってないとの事。
トマトの旨みと酸味、
スパイスの複雑な香りと刺激、
味わい深いカレーが好きな人に
超お薦めです。
写真はキーマカレーです。


お腹がくちくなったところで、
クレオール昼のライヴへ。
Creole_gaikan

お盆恒例の西山瞳のピアノ。
今年はソロです。

曲順も決めず、その時の気分で弾いていく構成。
オリジナル曲中心にスタンダードや
最近協演した他のミュージシャンの曲などを取り上げていました。
個人的にはこの夏に山中湖で作ったまだタイトルもない曲が
とてもシンプルで愛らしく感じられました。
クレオールの音響はドラムが入るとちょっと響き過ぎますが、
ソロピアノだととても心地よく音が広がりますね。
西山さんの発した音が色んなイメージを包み込んで
空間に広がっていきます。

セカンドステージの後半はヴォーカルの東かおるとのデュオ。
とにかくジョビンの名曲中の名曲"白と黒のポートレイト"が
無茶苦茶よかったです。
歌でゾゾッときたのは久しぶりでした。
東さんのヴォーカルを聴くのは4~5回目だと思いますが、
アメリカに行って、スケールが大きくなったと感じました。
スタンダードをジャズっぽく唄うだけの歌手ではなく、
音楽的満足を与えてくれる歌手だと思います。
特に難しい曲を好んで取り上げている様です。
これから活動の拠点を日本に戻すそうですので、
今後が楽しみです。


その後は仲間内で軽くがっつり呑みに行きました。


飛び込みで入ったハンター坂のbar melonってお店がアタリ。
イタリア料理をベースに和風テイストを取り入れております。
最初の盛りだくさんのオードブルは撮影しそこねました。
Mana_katsuoMattake_fritterJunsai_pasta

【左】マナガツオのローズマリー風味
【中】松茸のフリッター
【右】じゅん菜の冷たいカッペリーニ


この後は神戸の老舗バーyanagaseへ。
とても落ち着いたお店で美味しいお酒をいただく。
一杯目にいただいたモスコミュールは撮影を忘れる。
スミノフウォッカでスミノフの銅製マグカップ、
ジンジャービアとジンジャエールのハーフで割ってました。

Yanagase_mintScapa_official

【左】ミントジュレップ。
去年末にも乗せましたが、やっぱり夏場の方がいいねー。
贅沢にもブラントンで作って貰いました。
勿体ないお化けが出るぞ。
【右】スキャパ14年オフィシャル
やっぱりスキャパは美味しいです。
完熟した果物で作ったドライフルーツって感じ。
香りも深いし、味も重めで余韻が長いです。
水で割っても、まぁ、よく伸びること伸びること。


そんなこんなで退屈なお盆を払拭する楽しい一日でした。
11時前の解散の頃にはかなり酔っ払いモード。
今朝になって、やや反省…。

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2008/08/15

【お盆企画】実家のLPを聴く その25

【お盆企画】実家のLPを聴く その25
やっぱりアナログレコードは楽しい。
何よりも再生時間が絶妙です。
片面20分ちょいなので集中力が続くし、
作り手もメリハリのある構成を組む事ができる。
レコードをひっくり返すインターミッションも
重要な役割だと思いますね。
今回の聴き捲り大会でも気が付いたら
殆んどのLPを両面聴いてました。

しつこく続けてきた聴き捲り大会も
これで終ろうかと思います。

最後は先日亡くなった小さな巨人のデビュー作を。
ただただ圧倒的なパワーとスピードです。
こう云う魂の籠ったプレイを聴くと、
この時代のジャズにとどまって聴き続けるのも
楽しいだろうなと思ったりします。
MacIntoshとJBLみたいなジャズ向きのシステムで
力強く色付けされた音を聴きたい衝動に駆られます。

って事で、お盆企画終了です。
ありがとうございました。

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【お盆企画】実家のLPを聴く その24

【お盆企画】実家のLPを聴く その24
前にも取り上げたかもしれませんが、
エラとジョーパスのデュオの3作目です。
理屈抜きに素晴らしい。

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【お盆企画】実家のLPを聴く その23

【お盆企画】実家のLPを聴く その23
1982年のエラとネルソンリドルの再会アルバム。
この頃になると、エラの声はかなり皺がれてます。
高音域になると、声を張り上げる事が多く、
ガサツに聴こえてしまいます。
でも、このアルバムは全体的にナチュラルな感じ。
地味な作品ですが、じっくり聴くと味わい深いですね。

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【お盆企画】実家のLPを聴く その22

【お盆企画】実家のLPを聴く その22
1953年のJATPの日劇ライヴ。
コルトレーンを生で聴いた人は知り合いにいますが、
さすがにJATPの日劇ライヴを生で聴いた人は
知り合いにいません。
そりゃそうか。55年も前ですがな。
エラの声は若くて張りがありますし、
ピーターソンは飛ばない鳥まで飛ばしてしまう勢い。
演奏のクォリティは無茶苦茶高いです。
手拍子がオモテの人がいたり、
拍手のタイミングが変な人がいたり、
時代を感じる場面もありますが、
当時の日本人には夢の様な公演だったんでしょう。

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【お盆企画】実家のLPを聴く その21

【お盆企画】実家のLPを聴く その21
ヘレンメリルがマーキュリーに残した音源を
集めたLP4枚組BOXです。
全部聴くのもしんどいので、一番聴いてない2枚目を。
そしたら、苦手な甘いストリングスアレンジだった…。
でもヘレンメリルの声がハスキーなので、
それなりに聴けたりするのが不思議です。
B面の途中で急に音が厳しくなったと思ったら
ギルエヴァンスのアレンジでした。

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【お盆企画】実家のLPを聴く その20

【お盆企画】実家のLPを聴く その20
そろそろ
「よっぽど暇やねんな。」
と、ツッコミが入ってる頃だと思います。
音楽ネタ飛ばし読みの皆様には申し訳ありませんが、
残念ながらまだしばらく続きます。

さて、オナージェの1976年のソロピアノ作品、
今の耳で聴いても新鮮な響きで一杯です。
曲によって黒っぽさの割合が違ってて、
昔よく聴いてた"it sho'do feel good〜"は
一番黒っぽく、今となっては一番古臭い。
当時、地味で退屈だと思ってたB面の方が
刺激に溢れている事に気付く。
ま、20年も経てば、好みも変わって当たり前ですね。

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【お盆企画】実家のLPを聴く その19

【お盆企画】実家のLPを聴く その19
光が反射してジャケ写が見にくいですけど、
これは梅田東通り商店街にあったLPコーナーの
カバーが掛けられてるからです。
分かる人には分かる懐かしネタですね。

さて、フィルウッズのこのアルバムは1979年の
テキサスでのライヴ盤です。
この当時のウッズは力強くノリは良いんですが、
音が熟々になってきてマンネリ傾向も。
レコードに針を降ろす前から
大体の音の想像がついてしまい、聴く気が起きない。
でも、今回、これを聴こうと思ったのは、
ピアノがマイクメリロの頃のモノだったからです。
あまり人気のないピアニストですけど、
時々妙な味を出します。
このLPでもB面ラストの"See Hunt&Liddy"で炸裂。
こうなるとウッズのプレイにも
ヨーロピアンリズムマシンの頃の輝きが
蘇ったりするから不思議です。

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【お盆企画】実家のLPを聴く その18

【お盆企画】実家のLPを聴く その18
ショーター入り3管JM。
とは云え、全体的には斬新さは薄いかな。
ショーターのソロになると空気が張りつめ、
リーモーガンになるとファンキーに染まり、
フラーになると一気に緩み、
シダーウォルトンになるとだだ黒くなり、
ブレイキーはロールする(笑)。
時代を感じさせる音楽です。

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【お盆企画】実家のLPを聴く その17

【お盆企画】実家のLPを聴く その17
ブラクストンのスタンダード集と云えば、
スティープルチェイス盤が怪作として有名ですが、
ウィンダムヒル盤の方は正直云って
印象に残ってませんでした。
ハンクジョーンズのスムースなピアノに加え、
エレベみたいな録音のルファスリードの丸い音、
サポート然としたヴィクタールイスのドラムと、
かなりオーソドックスなトリオとの顔合わせ。
これでブラクストンが強烈なプレイをすりゃ、
美醜のコントラストが面白かったりするんだけど、
如何せんブラクストンがマトモ寄りに引っ張られてる。

とは云え、よく聴いてみると、妙な味わいはあります。
かなり薄味ではあるけど…。
もし、ふと入った店でこの"You go to my head"が流れてたら、
「ん?何だ、このウネウネの締まらないアルトは〜。」
と、耳を奪われると思うんですよね。
要はスティープルチェイス盤の
二匹目のどじょうを私が勝手に設定してしまっただけ。
それじゃあ、どじょうを逃がして、真っ白な耳で
改めてじっくり聴いてみますると、
"Old folks"なんて、無茶苦茶ええやんかー。
しかも、スタンダード集だと云うのに、
トリスターノの"Background music"を演ってたりする。
素直に"All of me"で演らなかった辺りが
ブラクストンのささやかな反骨精神か。

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2008/08/14

【お盆企画】実家のLPを聴く その16

【お盆企画】実家のLPを聴く その16
私のズートの好きな作品と云えば、
フェイマスドアのん、アル&ズート諸作、
パブロの「IN A SENTIMENTAL MOOD」辺りですが
名古屋に持って行ってしまってるので、
カデットのんを聴いてみました。
うーん、やっぱりよろしおす。
ワンホーンゆえにズートのふくよかな音色を
心置きなく堪能できます。
ズートってアルトを吹くと、心なしかパーカーっぽい?

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【お盆企画】実家のLPを聴く その15

【お盆企画】実家のLPを聴く その15
私の手元にあるこのLPは日本盤の中古ですが、
結構高い値段で買った記憶があります。
きっと今ならCDで安価に入手できる筈です。
中古漁りは何にお金をかけるべきかを
ちゃんと見極められるまでには
多くの経験を積まないといけません。
私なんかは欲しいと思ったら我慢できないので
今でも痛い目に会い続けております。

さて、この作品はズートの代表作として
良く取り上げられるアルバムです。
でも、もっと良い作品は他に沢山あると思います。
個人的にはボブブルックマイヤーが参加してる作品って
好みに合わない事が多いんですよね…。

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【お盆企画】実家のLPを聴く その14

【お盆企画】実家のLPを聴く その14
これはveejay吹き込みの初期作品の
ジャケ違いだったと記憶してます。
今は携帯接続なので、また後日補足します。
Affinityってレーベルはアルバムタイトルまで変えるので
ホンマ要注意ですわ。
過去に何度も罠に嵌ってます。
リーモーガン、ウィントンケリーら、
ハードバップ然とした連中の中で
ショーターのフレーズは既に異質な輝きがあります。

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【お盆企画】実家のLPを聴く その13

【お盆企画】実家のLPを聴く その13
あー、このアルバムでも"Miss ann"演ってたんやー。
しかも、ブッカーリトルも参加してるしー。
ロイヘインズのドラミングもよろしおます。
タイトル曲はケッタイで素敵です。
但し、全体的にはこじんまりとまとまってしまってるかなぁ。

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【お盆企画】実家のLPを聴く その12

【お盆企画】実家のLPを聴く その12
キワモノが続きます。
マリオンブラウンのソロによるバラッド&ブルース。
なんせジャズ界きっての楽器下手ですから、
ソロアルバムなんて恐ろしい…。
と思いきや、それなりに味のある作品です。
全ての曲がルバート気味なので、
アドリブで多少ヨレても、誤魔化せてる様です。
リバーブで色付けしてるとは云え、
なかなかいい音色だなぁ…。
ちょっと見直しました。

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【お盆企画】実家のLPを聴く その11

【お盆企画】実家のLPを聴く その11
ジェイホーキンスの後はまともなモンは聴けないので、
ケンマッキンタイヤーとドルフィーを(笑)。
マッキンタイヤーって、とんがった事を演ってるけど、
如何せん音が笑ってるんですよねー。
ドルフィーがインパクト負けしてます(笑)。
こんなスタイルの人、もう出て来ないかもね。

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2008/08/13

【お盆企画】実家のLPを聴く その4

【お盆企画】実家のLPを聴く その4
デイヴリーブマンのやや東洋かぶれな作品。
とは云え、サックスでインドの音階を吹き捲れる訳ではないので、
インドの楽器を加えて雰囲気を出してる程度です。
それよりも普通にイカツイ曲の方が面白い。ジョンアバがキーです。

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【お盆企画】実家のLPを聴く その3

【お盆企画】実家のLPを聴く その3
久々に聴きました。
やっぱりいいなぁ。
音の隙間にイマジネイションが広がる。

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【お盆企画】実家のLPを聴く その2

【お盆企画】実家のLPを聴く その2
大物同士の顔合わせ企画はヴァーヴのお家芸ですが、
粗いセッションになってるものも多いです。
このアルバムについては概ね良好な仕上がりです。
ゲッツとエヴァンスの顔合わせって
今の感覚では自然な気もしますが、
当時はゲッツがボサノヴァ絶頂期だったので
思いもよらなかったと、LPのライナーに書いてます。
そんなもんかなぁ…。
先に"概ね"良好と書いたのは、
ベースの人選。
A面ロンカーター、B面リチャードディヴィスです。
エヴァンスレギュラートリオ+ゲッツが良かったなぁ。
って今更云っても仕方ないですか。

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【お盆企画】実家のLPを聴く その1

【お盆企画】実家のLPを聴く その1
帰省中につき携帯でのアップです。
打つの遅いんで、ストレス溜ります。

アルバムタイトル等の情報は後日追加します。

ロリンズの1956年の録音。
確かに名盤には違いないですが、
個人的にはこざっぱりした印象が強いです。
凄み