我が子のためのコンピレーションの第五弾は
いよいよジャズです。
子供が飽きないように出来るだけ五分以内の演奏を、
と思ったのですが、さすがにその縛りは厳しく、
最長で約七分の曲も入っています。
私の好みも多々反映させているものの、
一応、古いじゃずから新しいジャズまで、
聴きやすいものを集めたつもりです。
今回はピアノ中心のセレクトとなっています。
01 ナウズ・ザ・タイム/モンティ・アレキサンダー
02 シーズ・トゥ・グッド・フォー・ミー/ソルト・カルトネッガー
03 キャント・バイ・ミー・ラブ/ティエリ・エリエ
04 エブリシング・ハップンズ・トゥ・ミー/セロニアス・モンク
05 きらきら星変奏曲/オイゲン・キケロ
06 ジャスト・フレンズ/オスカー・ピーターソン
07 ユーモレスク/アート・テイタム
08 バッド・バド/ランディ・ハルバーシュタット
09 ブルー・オータニ/ハービー・ハンコック
10 ノー・マンズ・ランド/エンリコ・ピエラヌンツィ
11 枯葉/ビル・エバンス
12 ドント・スライス・イット!!/小曽根真
13 マイ・ビバップ・チューン/ミシェル・ペトルチアーニ
14 アット・ザ・バイナル・カフェ/マイケル・ケイシャマー
15 愛の夢ブギ/レイ・ブライアント
16 君をのせて/西山瞳
こんな感じです。
久々のジャズの話題なので、
一曲一曲について、ちょこっと書いてみます。
01 ナウズ・ザ・タイム/モンティ・アレキサンダー
元のアルバムは「LOVE AND SUNSHINE/(MPS)」なのですが、
MPSの三枚のLPをCD二枚に集めたお得盤がコレ。
云わずと知れたパーカーの有名曲を
節度をわきまえずスウィングしまくっています。
ライヴならではの粗い演奏なのですが、
とにかくジャズのノリを実感して欲しくて選びました。
02 シーズ・トゥ・グッド・フォー・ミー/ソルト・カルトネッガー
「SONGS FROM THE 20TH CENTURY/(KCG)」より。
スティングの名曲をあまり知られていないピアニストのソロで。
ブギウギのリズムパターンなので、子供も楽しく聴けるかと。
03 キャント・バイ・ミー・ラブ/ティエリ・エリエ
ピアノはティエリエリエですが、
アルバムリーダーはドラムのアンドレチェッカレリ。
「3 AROUND THE 4/(VERVE)」と云うビートルズ作品集。
テーマの解釈も面白いし、何よりピアノのアドリブが心地よい。
我が子は後々元のビートルズを聴いてどう思うんだろうなぁ。
04 エブリシング・ハップンズ・トゥ・ミー/セロニアス・モンク
本来この曲は「SOLO MONK/(CBS)」の中で演奏されていますが、
この「MONK ALONE/(SONY)」はその別テイクなどを集めた二枚組。
今回取り上げたのはTAKE1で、「SOLO MONK」のはTAKE3。
語り口の違いなどを聴き比べると面白い。
流麗なピアノだけがピアノじゃない事を分かってもらえれば。
05 きらきら星変奏曲/オイゲン・キケロ
オイゲンキケロは個人的には好みではなく、
これまで全くスルーしていましたが、
クラシックからジャズへの橋渡しとしては
丁度良い素材だったので取り上げました。
非常に完成度の高い演奏です。
モンクの後に聴くと、落差がでかい(笑)。
06 ジャスト・フレンズ/オスカー・ピーターソン
ジャズ入門にはオスカーピーターソンは最適だと思います。
一般的に取り上げられる事の多いVERVEの諸作ではなく、
MPSのアルバムが一押しです。
「THE WAY I REALLY PLAY/(MPS)」の一曲目、
"WALTZING IS HIP"が鉄板中の鉄板なんですけど、
そのまま"SATIN DOLL"に雪崩れ込むので、
コンピレーション作りには収まりが悪い。
代わりに「WALKING THE LINE/(MPS)」からこの曲を選びました。
強烈なスウィング感がMPSの優れた録音から溢れ出します。
07 ユーモレスク/アート・テイタム
バップ以前の古いジャズも取り上げてみました。
ジャズピアノの神様とも云われたアートテイタムの
「PIANO STARTS HERE」から。
"TIGER RAG"を選ぶべきなのかもしれませんが、
我が子が知っているドボルザークのユーモレスクにしました。
08 バッド・バド/ランディ・ハルバーシュタット
このピアニストを知っている人はあんまりいないかも。
この「INNER VOICE/(SELF PRODUCE)」は
人にジャズのお薦めを訊かれた時には
いつも選んでいたアルバムの中の一枚なのです。
この"BAD BUD"にはジャズの楽しさや凄さが
詰まっていると思っています。
09 ブルー・オータニ/ハービー・ハンコック
ブルースを一曲取り上げようと思い、
意外なところでハービーハンコックを(笑)。
「THE PIANO/(SONY)」は全編ソロのアルバムで
この"BLUE OTANI"はその最後に収められています。
録音の際、宿泊したホテルニューオータニに捧げられたらしい。
ハンコックにしてはベタだけど、コテコテではない。
肩の力の抜けた良いバランスのブルースではないかと。
10 ノー・マンズ・ランド/エンリコ・ピエラヌンツィ
我が子にも早めにヨーロッパ系のジャズを(笑)。
名盤「NO MAN'S LAND/(SOUL NOTE)」からタイトル曲を。
11 枯葉/ビル・エバンス
やっぱりエヴァンスも聴かせておかないと。
「PORTRAIT IN JAZZ/(RIVERSIDE)」から枯葉TAKE1を。
12 ドント・スライス・イット!!/小曽根真
小曽根真のソロピアノアルバム「BREAKOUT/(VERVE)」から。
グルーヴを感じさせながらも、泥臭くなく、知的。
初めて聴いた時、かなり感動した記憶があります。
これが録音されたのは1994年。
阪神大震災の前だったんですね。
13 マイ・ビバップ・チューン/ミシェル・ペトルチアーニ
ペトルチアーニの「MUSIC/(BLUE NOTE)」から。
今回取り上げた曲の中では一番スピード感があるかな。
タイトルにはビバップと付いていますが、
バップと云うより、ピアノの練習曲を速弾きしてるみたい。
14 アット・ザ・バイナル・カフェ/マイケル・ケイシャマー
この人もあまり有名ではないかと思います。
「STRUT/(A RECORD)」の中のこの曲は
セカンドライン的なリズムパターンが印象的。
そんなノリを感じてもらえたらいいかなと選びました。
15 愛の夢ブギ/レイ・ブライアント
ノリと云う意味ではブギウギも一曲入れておこうか。
「ALONE AT MONTREUX/(ATLANTIC)」から。
16 君をのせて/西山瞳
最後は西山瞳の「IN STOCKHOLM/(SPICE OF LIFE)」から
我が子も知っている久石譲の名曲を。
ホントは西山さんのオリジナル曲を選びたかったけど、
六歳児にはまだちょっと早い(笑)。
但し、この演奏はドラムがイマイチなのが実に勿体ない。
って事で、我が子を少しづつジャズの世界にも
引っ張り込もうとしている馬鹿親渾身の一枚でした。